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離職率の計算方法|実際の計算例をあわせて紹介

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[公開日]2021.06.28
[更新日]2021.06.23

少子高齢化による人手不足や人材の流動化を背景に、従業員の定着が重要視されています。従業員を定着させるための指標となる数値のひとつが「離職率」です。離職率を計算し、自社における職場環境の分析・改善などに活かしたいと考えている企業は多いでしょう。

この記事では、離職率の計算方法を、実際の計算例を交えて紹介します。離職率を下げる方法もあわせて紹介するため、企業の人事担当者はぜひ参考にしてください。

離職率の計算方法

離職率の計算方法は、法律で決められていません。定められた計算方法がないため、企業ごと自由に決めて算出できます。

以下の計算方法がもっとも一般的です。

離職率=算出したい期間内の離職者数÷起算日における従業員数×100%

上記の式であれば、「新卒社員の3年間における離職率」「2020年4月から9月における20代女性社員の離職率」など、離職率を算出したい期間に応じて柔軟に活用できます。

なお、期間内に入社した従業員は計算に含めないよう注意が必要です。たとえば、4月~6月の離職率を求める場合は、起算日である4月1日時点での従業員数を基準にし、4月2日~6月30日に入社した従業員は計算に含めません。

離職率の計算例

離職率の計算方法を具体的にイメージするために、実際の数字を当てはめてみましょう。
ここでは、3つのケースに分けて計算例を紹介します。

【計算例1】
2020年4月1日時点で1,000人の従業員が在籍しており、2021年3月末までに100人が離職した場合
離職率=100人÷1,000人×100%=10%
【計算例2】
2019年10月1日時点で120人の従業員が在籍しており、2020年3月末までに20人の従業員が離職した場合
離職率=20人÷120人×100%=16.666=17%(小数点以下の取り扱いは企業による)
【計算例3】
2020年4月1日付で新卒社員を10人採用し、3か月間で2人が離職した場合
離職率=2人÷10人×100%=20%

離職率を算出するために必要なデータさえ抽出できれば、計算自体は決して難しくありません。企業の現状を明らかにするために、さまざまな角度から離職率を算出してみてください。

離職率を下げる方法は?

離職率の計算は、「従業員が働きやすい職場かどうか」を明らかにするために行います。離職率の算出自体が大切な訳ではなく、算出結果を職場改善に活かすことが重要です。

離職率の高さは、自社に「働きづらさ」があることを意味します。ただでさえ労働力不足が深刻な現代において、従業員が簡単に離れてしまう企業の成長は難しいでしょう。
また、離職率が高いと「この企業は職場環境が悪いんだ……」と、求職者にマイナスイメージを持たせる要因にもなります。離職率が高い企業は、離職率を下げる取り組みを行うことが重要です。

厚生労働省が実施する「平成30年雇用動向調査」では、転職者が前職を辞めた理由について調査しています。男女ともに特に多かった理由は、以下のとおりです。

  • 労働時間、休日などの労働条件が悪かった
  • 給料等収入が少なかった
  • 職場の人間関係が好ましくなかった

(出典:平成30年雇用動向調査|厚生労働省
上述した問題の解決が、離職率を低下させるうえで重要です。ここからは、離職率を下げるために有効な取り組みを4つ紹介します。

賃金や福利厚生の見直し

賃金や福利厚生の見直しは、離職率を低下させる効果があります。賃金は生活に直結する要素であるため、賃金が少なければ生活そのものが困難になってしまいます。基本給や賞与のアップなど、可能な範囲で賃金を見直してみてください。

また、福利厚生の充実も離職率の低下に有効です。最近は福利厚生のアウトソーシングサービスが増え、低コストで充実した制度を導入しやすくなっています。従業員のニーズや課題に応じて、福利厚生の導入を検討してみてください。

働き方の見直し

離職率が高い理由には、働き方が影響しているケースもあります。残業が多い場合や休日が少ない場合は、従業員にとって負担となっている可能性は高いでしょう。残業時間やサービス残業の有無、有給休暇の取得率などを参考に、働き方を見直してみてください。

フレックスタイム制やテレワークの導入など、働き方を柔軟にする取り組みも効果的です。ワークライフバランスを重視した働き方が可能になれば、従業員の満足度が高まり、職場に長く留まってくれるでしょう。

働き方への不満は、従業員から切り出しにくいケースも多くあります。企業側から従業員の意見をくみ取る姿勢を見せることが重要です。

職場環境の改善

同僚や職場の雰囲気に合わないことを理由に離職する人も多い傾向です。そのため、職場環境の改善も離職率を下げる効果があります。

職場環境の改善を図る際は、初めに自社がどのような問題を抱えているのかを把握する必要があります。アンケートや面談などを通して、職場環境に関する悩みや不満を把握できる機会を設けると良いでしょう。現状の問題を把握したうえで、指導や研修など問題改善に向けた取り組みを実施してください。

取り組み後は、実際に職場環境が改善されているかの確認や、一度実施した取り組み内容の見直しを行う必要があります。PDCAを繰り返しながら、より効果的な内容を検討しましょう。

評価制度の見直し

従業員の能力が正しく評価され、待遇に適切に反映されているかを見直しましょう。自分の能力が適切に評価されていないと感じた従業員は、不満を抱いて離職する可能性があります。

逆に言うと、評価が正しく行われていれば、従業員のモチベーションアップや生産性向上につながります。結果として「この企業で長く働きたい」と思ってもらえる可能性が高まるでしょう。

評価制度を見直す際は、評価者である上司への教育も必須です。評価者が部下の能力を適切に見極められるよう、組織全体に目を向けた取り組みが重要となります。

まとめ

離職率の計算方法に決まった形式はありません。一般的には、「算出したい期間内の離職者数÷起算日における従業員数×100%」の式で算出します。算出に用いる数値をあらかじめ抽出したうえで、離職率を計算してみてください。

離職率が高い場合、従業員にとって自社は「働きにくい職場」かもしれません。労働力不足が進行する近年において企業が成長するためにも、離職率を下げる取り組みが必要です。

本記事では、離職率低下に有効な取り組みとして「賃金や福利厚生の見直し」「働き方の見直し」「職場環境の改善」「評価制度の見直し」の4つを紹介しました。離職率が高い企業は、ぜひ離職率を下げるための参考にしてください。

この記事を書いた人

紺野天地

紺野天地

フリーランスのライター。4年間地方公務員として人事労務を担当し、1年間の民間企業勤務(教育系)を経てフリーライターに。人事労務の実務経験や自身の多様な働き方を活かし、HR系のメディアを中心に記事を執筆しています。

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