採用業務の主担当者は「役員」と「管理職」で85%以上!兼務が多いという結果に|中小企業における採用業務の体制に関する実態調査

採用活動は、企業が成長するうえで欠かすことのできない業務のひとつです。中小企業では採用担当者が他の業務を兼務しているケースも多いため、採用業務の負担を軽減する方法や効率的に採用を行う手法を模索している方が少なくありません。
他社(他店)ではどのように採用活動に取り組んでいるのか、気になることもあるのではないでしょうか。

そこで株式会社ネットオンでは、採用業務クラウド『採用係長』の登録ユーザーである中小企業の採用担当者を対象に、採用業務の体制に関する実態調査を実施しました。

中小企業の採用担当者像を明らかにし、業務体制や担当者が抱える課題などについて、従業員規模別に紹介します。

採用業務の主担当者は「管理職」が最多

はじめに、採用業務をメインで担当している方の役職について質問したところ(n=297)、すべての従業員規模の企業で「管理職」がもっとも多い結果となりました。

Q1.「採用業務」の主担当者の役職を教えてください

円グラフ(Q1.「採用業務」の主担当者の役職を教えてください)

従業員規模が99名までの企業は、いずれも「役員」と「管理職」で85%以上を占めています。
一方、100名以上の企業ではその割合は58.1%に留まり、「非管理職」や「その他」の割合が増加。従業員規模によって採用担当者の役職の違いがみられました。
全体では、54.9%が「管理職」、31.0%が「役員」と回答しています。

10名未満の企業の約半数は「ひとり人事」

続いて、採用業務に関わる従業員の人数について質問しました(n=296)。
10名未満の企業は、「1名」の割合が10名以上の企業と比べて多くはありますが、担当者が「2~5名」の企業と「1名」の企業との差はわずかです。一方、従業員数が10名以上の企業においては、半数以上が「2~5名」。全体では「2~5名」と回答した企業が55.7%に上りました。

Q2.何名の方が採用業務に関わっていますか?(主担当者含む)

円グラフ(Q2.何名の方が採用業務に関わっていますか?(主担当者含む))
また「10名以上」の回答は、10~99名の企業は1.9%、100名以上の企業では9.7%でした。従業員数が増えるに従って採用を統括する部署の人員が増加することや、配属先が多岐にわたって関わる現場のスタッフも多くなることなどが理由として考えられます。

主担当者の年齢は「40歳以上」が73.1%

主担当者の年齢について質問したところ(n=297)、主担当者の年齢はすべての従業員規模で「50歳以上」がもっとも多く、100名以上の企業においては約50%を占めています。

Q3.Q1でお答えいただいた主担当者の年齢を教えてください

円グラフ(Q3.Q1でお答えいただいた主担当者の年齢を教えてください)

従業員規模によって年齢の割合には多少の違いがみられますが、「40歳以上」と回答した企業はそれぞれ70%以上に上りました。全体では73.1%です。
今回のアンケートにご協力いただいた企業では、役員や管理職が主担当であるケースが多いことから、年齢も高くなったと考えられるでしょう。

主担当者の74.7%が「男性」

主担当者の性別についての質問では(n=297)、すべての従業員規模で男性が過半数を占める結果となっています。全体では74.7%が「男性」です。
また女性の比率は、従業員規模が大きくなるにつれて低下していることも分かりました。

Q4.Q1でお答えいただいた主担当者の性別を教えてください

円グラフ(Q4.Q1でお答えいただいた主担当者の性別を教えてください)

面接回数は60.3%が「1回」と回答。「決まっていない」は20.2%

採用選考における面接回数を質問したところ(n=297)、すべての従業員規模でもっとも多かった回数は「1回」でした。「2回」の割合は、従業員規模が大きくなるにつれて増加。10名未満の企業で8.2%、10~99名の企業は20.4%、100名以上の企業においては35.5%となっています。
ここまでは従業員規模と面接回数との関連がみられましたが、「3回」と回答した100名以上の企業は16.1%と少なく、「2回」で面接を終えている企業が多い結果となりました。

Q5.現在の選考における「面接回数」を教えてください

グラフ(Q5.現在の選考における「面接の回数」を教えてください)

一方で「決まっていない」と回答した企業の割合も決して少ないとはいえません。
この結果からは、応募者の経歴や社内状況などに応じて柔軟に面接回数を決めていると推察でき、企業の工夫がうかがえます。

採用業務で大変な点は、「応募が少ない」「人材の見極め」「求人票作成」など

Q6. 採用業務で大変だと感じることは何ですか?

採用担当者が業務の中で大変に感じている点について質問したところ(n=182)、190の回答が寄せられました。
ここではその一部を紹介します(可読性を高めるため、文章の一部を調整しています)。

<自由回答・一部抜粋>

※カッコ内は、従業員規模/所在地/業種

・応募者の管理、面接官と応募者の日程調整(100名以上/千葉県/工場・製造)
・面接者のドタキャンが増えている(100名以上/千葉県/冠婚葬祭)
・適性の見極め方が難しい(100名以上/大阪府/工場・製造)
・応募があまり来ないこと(10~99名/東京都/士業)
・若手人材の応募が少ない。求人票に企業の魅力を入力するのが大変(10~99名/栃木県工場・製造)
・コロナ禍のためWEB面接を行っているが、1回のWEB面接で採用可否を判断するのは難しい(10~99名/神奈川県/IT)
・日程調整のやりとりをスムーズにしたい(10~99名/長野県/飲食)
・応募から面接に至るまでにかなりの脱落者がいて、なかなか採用に結びつかない(10名未満/大阪府/医療)
・求人票の作成(10名未満/広島県/清掃)
・応募者への面接連絡と内定辞退の処理(10名未満/宮城県建築・不動産)

さらに回答で得られた「採用業務で大変に感じる点」をいくつかの項目に分類し、その傾向を確認しました。

結果は「応募が少ない」が1位となり、44.0%が回答しています。2位の「採用ターゲットからの応募が少ない」を含めると、全体の57.2%が応募者確保を大変な点として挙げており、中小企業の採用課題が鮮明に浮かび上がっています。

グラフ(Q6. 採用業務で大変だと感じることは何ですか?(自由回答))

さらに従業員規模別では、以下のような結果となりました。

グラフ(Q6.採用業務で大変だと感じることは何ですか?(従業員規模別、複数回答))

99名以下の企業では、半数以上が応募者確保に関する課題を抱えており、特に10~99名の企業はその傾向が顕著です
それに対して100名以上の企業では、応募者確保よりも面接過程や入社後の定着について課題を感じている担当者が多いことが分かります。

まとめ

今回の調査では、中小企業における採用業務の体制についてアンケートを実施しました。その結果、採用業務の主担当について54.9%の企業が「管理職」と回答。次いで「役員」が31.0%でした。ほとんどの企業において役員および管理職が主担当である点からは、従業員規模に関わらず、採用の重要性を意識した業務体制で採用活動に取り組んでいる企業が多いことが分かります。

特定の採用担当を置かずに、役員や管理職が採用担当を兼務しているということは、より簡単に、工数をかけずに採用をするためのサポートツール『採用管理システム(ATS)』の需要が今後高まってくるかもしれません。

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また、今回のアンケートでは業務体制と同時に、中小企業の採用担当者像も浮かび上がってきました。採用担当者の年齢は、全体の73.1%が「40歳以上」。「50歳以上」は全体の41.4%で、従業員規模別ではいずれも最多です。近年、HRテックの普及によって採用手法の選択肢は増加しており、新しいテクノロジーを活用した採用手法も多数登場しています。中小企業が厳しい採用競争を勝ち抜くためには、新しい採用手法を積極的に取り入れ、使いこなすことがとても重要です。その点では主担当者の若返りも、対策のひとつとして検討が必要ではないでしょうか。

また採用担当者が大変に感じている点には、「応募が少ない」がもっとも多く挙げられました。採用の成功に不可欠な“応募者の確保”は中小企業の抱える採用課題であり、採用業務クラウド『採用係長』が解消を目指す課題でもあります。株式会社ネットオンは、採用業務の効率化はもちろん、より効果的にサービスをご活用いただくためのサポートにも力を入れ、中小企業の採用課題の解決に貢献してまいります。

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