キャリア採用とは 中途採用との違いや成功させるためのポイントなどを解説!

当記事では、「キャリア採用」について、採用方法や中途採用との違い、成功させるためのポイントなどをまとめています。

人材の確保が難しくなっている近年、企業の採用方法は多様化しています。
キャリア採用は、特に即戦力の確保に向いており、企業を成長させるためにも効果的な手法です。
とはいえ、どのように実施すればよいのか、具体的なイメージを持てていない人も多いのではないでしょうか。
また、似ている採用方法の「中途採用」と混同している人もいると思います。

当記事では、キャリア採用を始めるために必要な知識をまとめているので、企業の採用活動に、ぜひお役立てください。

そもそも採用の目的・意味とは

「採用=労働力の確保」というイメージを持つ人は多いかもしれませんが、実はより本質的な目的・意味があります。
それは、企業を成長させることです。
たとえば、自社がこれから展開する事業にマッチしたスキルや経験を持つ人材を採用すれば、新規事業がスムーズに進む可能性は高くなります。
仕事への価値観やキャリアビジョンが自社と合う人材を獲得できれば、長期的に活躍してくれるでしょう。

ただし、自社のニーズを優先するだけでは、採用活動はうまくいきません。
求職者の希望や特性を踏まえて、双方の意向が合致することが必要です。

また、近年は少子高齢化が進み、市場全体で労働力が不足しています。
応募時の情報だけで採用を検討するのでなく、入社後に活躍する姿を具体的にイメージした上で、採用するかどうか判断することが重要です。

キャリア採用と中途採用の違いとは

キャリア採用とよく混同される採用方法のひとつに「中途採用」があります。
両者は異なる採用方法なので、違いを明確にしておきましょう。

キャリアという言葉が「経歴」を意味するとおり、キャリア採用では、主に人材の実務経験が重視されます。
求職者自身も、これまで経験してきた業界業種におけるスキルアップのために、キャリア採用へ応募する傾向です。
一般的に、企業は即戦力となる人材を求めているので、入社後の手厚い教育は前提としていない場合が多くあります。

一方で、中途採用とは、新卒採用以外に不定期で行う採用活動の総称です。
たとえば、年度の途中に従業員が退職したことで、人員を補充する目的で採用活動を行う場合は、中途採用に該当します。
中途採用は、社会人としての知識・マナーや自社で働く上で必要最低限のスキルは求められますが、将来的な戦力になることを見越して行われる場合も多く、異なる業界で働いていた人材も採用されます。

企業は求める人材の設定を間違わないために、求職者は自分に合った企業に応募するために、キャリア採用・中途採用の違いを明確にしておきましょう。

その他の採用方法

キャリア採用や中途採用以外にも、さまざまな採用方法があります。
詳細を記載したページのリンクと併せて簡単に紹介するため、気になる採用方法がある場合は、ぜひご確認ください。

●ポテンシャル採用
スキルや経験ではなく、人柄や素養などのポテンシャルを重視する採用方法です。
ポテンシャル採用とは?メリットや注意点を解説!【導入前にチェック】

●通年採用
期間を限定せず、通年で新卒採用・中途採用を実施する方法です。
通年採用とは何か?|メリット・デメリットや成功企業の事例を紹介

●Twitter採用
Twitter上で求職者とコミュニケーションを取りながら、採用につなげる方法です。
【Twitter採用とは】メリット・デメリットや注意点を解説します

●ブラインド採用
名前や年齢、性別をはじめとした個人情報を見ず、スキルや人間性などの働く上で必要な要素だけを見て採用する方法です。
ブラインド採用とは?多様化社会における新たな採用方法

●インフルエンサー採用
インフルエンサーを採用し、自社の商品・サービスをPRしてもらう採用手法です。
インフルエンサー採用とは?インフルエンサー採用のメリット・デメリットを解説!

●縁故採用
リファラル採用と似ており、既存従業員と接点のある人物を採用する方法です。
「縁故採用」とは?導入のメリットや成功のコツを紹介!

●ユニークな採用方法
ここまで紹介してきた以外に、独自のユニークな採用方法が各企業で実施されています。
ユニークな採用方法の事例15選|なぜ変わった採用を行うのか?

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キャリア採用を積極的に行っている職種とは

キャリア採用には、適した職種と適していない職種があるため、自社で実施する際には、その傾向を把握しておくことがポイントです。
ここでは、キャリア採用が積極的に行われている5つの職種を紹介します。

1:営業

企業の売上に直接結びつく業務が多い営業職では、過去の実務経験が重視され、キャリア採用が行われやすい傾向にあります。
採用過程で聞く内容は、これまで挙げてきた成果や扱ってきた商材、関わってきたプロジェクトの規模感など、売上に関連した要素が中心です。
一方で、マナーや知識など、営業職として働く上での基礎となる部分は、そこまで重視されない傾向にあります。

2:営業企画

営業戦略の立案を担う営業企画担当者の多くも、キャリア採用によって採用されます。
営業企画の仕事には、営業職・企画職の2つの側面があり、どのようなアプローチが売上につながるのかをロジカルに考える必要があることから、過去の実務経験が強みとなるためです。

3:人事・財務・法務

人事・財務・法務の仕事には、それぞれ専門性が求められるため、未経験者が簡単に担当できる内容ではありません。
たとえば人事は、自社の人事課題を整理した上で、採用計画を策定し、計画通りの人材を獲得するための方法を考えます。
求める人材を確保できるかできないかが、今後の企業成長に大きな影響をもたらすため、責任の大きいポジションです。

財務は、数ある職種の中でも正確性が特に求められ、加えて会計や税に関する専門的な知識が必須です。
また、資金調達をする際には交渉力も必要になるため、過去に財務としての交渉経験があると、企業としても安心して業務を任せられるでしょう。

法務の仕事は、契約書類の作成や社内規定の策定、コンプライアンス対策など、法律に関連した内容です。
そのため、法律に関する知識を持っていることが大前提となります。
近年は、企業のコンプライアンスに対する世間の目が強くなっていることも影響し、過去の実務経験を重視して採用が行われるケースが増えています。

4:研究開発

研究開発の業務は、特定の分野における深い知識が求められます。
社会の流れに応じたプロダクトを開発するためには、ひとつの研究にどれほどの期間や作業が発生するのかも把握しておかなければなりません。
また、研究開発には多額の予算がかけられる場合が多いため、発生しうるトラブルを想定した上で、リスクを回避することも大切です。
それらを実行する上では、実務経験が基盤になります。

5:SE・プログラマー

SE・プログラマーといった、特定のスキルが求められる職種も、キャリア採用に向いています。
SEとプログラマーは、いずれもプログラミング言語を扱う仕事であり、取り扱う言語はサービスや企業によって異なります。
そのため、採用後に1から学んでもらうよりは、すでにスキルを習得した人材を雇用したほうが、自社の成果につながりやすいのです。
スキルが十分ではない人材を無理に現場に出した場合、お客様の損害につながる可能性もあります。

キャリア採用を成功させるためのポイントとは

最近の転職市場では、採用競争が激しくなっているため、キャリア採用を成功させるポイントを理解した上で、自社での取り組みに落とし込むことが重要です。
ここでは、キャリア採用の成功につながる3つのポイントについて紹介します。

1:採用基準を明確化する

採用基準を明確にした上で、選考に関わるメンバーに共有しておくことが大切です。
採用基準が曖昧なままだと、面接を担当した従業員の感覚や好みで採用する人材が決まってしまう場合があります。
当然ながら、ミスマッチは発生しやすくなり、コストや労力だけがかかる事態になりかねません。
求めるスキルや経験などを整理し、採用したい人材像を具体化してから、採用活動を本格的にスタートさせるようにしましょう。

2:募集するのに適切な職種を検討する

自社が求めている職種が、キャリア採用をするのに最適なのかを検討する必要があります。
先述したように、キャリア採用が積極的に実施されている職種はあるものの、必ずしも最適なわけではありません。
たとえば、営業職としての実務経験がなくても、コミュニケーション能力が高く、ポテンシャルを秘めている人材がいます。
キャリア採用を実施すると、そのようにポテンシャルが高い未経験人材の獲得機会を逃すかもしれません。
「この職種はキャリア採用」と固めすぎず、自社の方針に併せて柔軟に検討しましょう。

3:採用者を受け入れる仕事環境を整備する

いくら優秀な人材を獲得しても、受け入れる体制が社内に整っていなければ、能力を十分に発揮できません。
組織体制やインフラなどを整備した上で、本人が専門性をいかんなく発揮できる仕事環境を提供しましょう。

仕事環境への不満は、採用後の定着率にも影響を与えます。
たとえば、転職前の職場よりも環境が整っていなければ、自社に対して不満を抱くはずです。
近年の転職市場は、求職者が優位な傾向になっており、転職自体が珍しくなくなっているため、不満が大きくなるほど、自社を離れる可能性は高くなります。
予算などの問題から環境整備が難しい場合は、まずは本人の要望を聞き、優先度が高い要素から整備するとよいでしょう。

まとめ

キャリア採用とは、実務経験を重視して採用する方法で、多くの場合は「即戦力」を前提としています。
営業や研究開発、SE・プログラマーをはじめ、売上に直結する業務を担う職種や専門性が必要な職種で、積極的に実施される傾向にあります。

キャリア採用を成功させるには、採用基準を明確にした上で、選考に関わるメンバーに共有することが大切です。
自社で活躍してもらうための環境整備にも取り組みましょう。

ただし、求める人材に対してキャリア採用の実施が適切かどうかは、自社の現状や採用計画に沿った判断が必要です。
キャリア採用について理解したら、まずは自社での具体的な実施方法を考えてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
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コンノ

公務員として4年間、人事労務の実務経験あり。 これまで100名以上の事業者をインタビューしており、「企業や個人事業主が本当に悩んでいること」を解決できる記事を執筆します。

監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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