採用活動において「母集団形成」という言葉を耳にする機会が増えていませんか?
少子高齢化や労働人口の減少が進む中、企業が優秀な人材を確保するためには、単に求人を出すだけでは成果が上がりにくくなっています。
特に、中小企業や知名度の低い企業にとっては、いかにターゲット層に響く「質の高い母集団」を形成できるかが、採用成功のカギを握ります。
しかし、やみくもに応募者を集めてもミスマッチのリスクは高まるばかり。
そこで本記事では、採用担当者が押さえるべき母集団形成の基本から、具体的な手法、成功に導くプロセスまでを徹底解説します。
目次
採用活動における母集団形成とは
採用活動における母集団形成とは、企業が求める人物像に合致した候補者を一定数集めるプロセスを指します。
単に応募者を集めるだけでなく、「質」と「量」の両方を意識して構築することが重要です。
採用は「選考」のイメージが強いかもしれませんが、その前段階である母集団形成が不十分だと、選考自体がスムーズに進みません。
例えば、応募者が少なければ選びようがなく、かといって多すぎれば選考にかかる工数やコストが膨大になります。また、数は揃っていても、自社の求めるスキルや価値観に合わない人材ばかりでは意味がありません。
そのため、母集団形成は「誰を・どれだけ」集めるかを戦略的に考えるフェーズです。
ここでターゲット設定や適切な手法を選べるかどうかが、採用活動全体の成否を大きく左右します。
特に近年では、労働人口の減少や採用市場の競争激化により、「待つ採用」から「攻める採用」への転換が求められています。
単なる求人掲載にとどまらず、企業自らが魅力を発信し、ターゲット層へ積極的にアプローチすることが、効果的な母集団形成のポイントとなっているのです。
母集団形成が重視される背景
採用活動において母集団形成がこれほどまでに重要視されるようになったのは、社会的・経済的な環境変化が大きく影響しています。
従来のように求人を出せば自然と応募が集まる時代は終わり、企業自らが戦略的に人材を集めることが不可欠となりました。
その背景には、主に次の2つの要因があります。
少子高齢化と労働人口の減少
日本社会における少子高齢化の進行は、採用市場に深刻な影響を与えています。
生産年齢人口(15歳〜64歳の働ける世代)は年々減少しており、企業間の人材獲得競争は激しさを増すばかりです。
特に地方企業や中小企業にとっては、そもそも「採用母数が少ない」という厳しい現実に直面しています。
例えば、2060年には日本の総人口が9,000万人を下回ると予測されており、労働力不足は一時的な課題ではなく、長期的に続く構造的問題です。
この状況下で優秀な人材を確保するためには、求人を出して待つだけでは不十分で、いかにターゲットに響くアプローチで良質な母集団を形成できるかが鍵を握ります。
大手企業の変化により採用ターゲットが被るため
もう一つの要因が、大手企業の採用スタンスの変化です。かつては新卒一括採用からの長期雇用が主流だった大手企業も、昨今では中途採用や通年採用を積極的に取り入れるようになりました。
この結果、これまでターゲットが重ならなかった中小企業やベンチャー企業と、採用市場で競合するケースが増えています。
特にスキルや経験を持つ即戦力人材、あるいは将来性のある若手人材は、知名度・待遇・安定性に優れる大手企業へ流れやすく、相対的に中小企業には応募が集まりにくくなっています。
このような環境下で勝ち抜くには、「自社ならではの魅力」を明確に打ち出し、ターゲットに刺さる戦略をもって母集団を形成する必要があります。
母集団形成のメリット
採用活動において「母集団形成」を戦略的に行うことは、単に応募者数を確保するためだけではありません。
質・量ともにバランスの取れた母集団を形成することで、採用活動全体にさまざまな好影響をもたらします。
ここでは、企業が母集団形成に注力することで得られる3つのメリットについて解説します。
選考効率と質の向上
計画的な母集団形成を行うことで、選考の効率化と人材の質の向上が実現できます。
無計画に応募を集めた場合、ターゲットから外れた人材が多くなり、選考段階での見極めに時間と労力がかかってしまいます。
一方、事前に「どのような人材を、どれくらい集めるか」を明確にして母集団を形成すれば、初期段階でマッチ度を高めることができます。
例えば、あるIT企業が「主体性」と「最新技術への関心」を重視した求人設計を行った場合、応募の段階で「情報を自ら収集できる」タイプの人材が集まりやすくなります。
量より質を意識した母集団形成が、無駄のない選考プロセスと採用成功率アップにつながります。
採用コストの最適化
母集団形成を戦略的に行うことは、採用コストの削減にも直結します。
ターゲットを明確にせずに広く応募を募った場合、無駄な広告費や長期化する選考コストが発生しやすくなります。
さらに、適切な人材が集まらず、追加の募集や媒体変更などで費用が膨らむケースも少なくありません。
一方、最初から精度の高い母集団形成を行えば、短期間で効率的に採用目標を達成することができ、結果としてコストパフォーマンスが大幅に向上します。
例えば、ある飲食チェーンでは、求人媒体を絞り込み、過去の採用データをもとにターゲット層に特化した求人を展開したことで、前年比30%のコスト削減を実現しました。
無駄な母集団を作らないことが、結果的に「質の高い応募」と「コスト最適化」を両立させるポイントなのです。
事業成長に繋がる可能性もある
母集団形成の効果は、採用の枠を超えて企業の成長戦略にも寄与します。
自社にフィットした優秀な人材を継続的に確保できる体制が整えば、組織力が高まり、業務の生産性向上や新規事業の推進といった成果が期待できます。
特に、即戦力人材や将来の幹部候補を的確に採用できる企業は、競争力の強化につながりやすいでしょう。
例えば、急成長中のスタートアップ企業が、採用ターゲットを「自走できる人材」に絞り、母集団形成を行った結果、入社後すぐに新規プロジェクトをリードできる人材を確保。
これが事業拡大の大きな原動力となりました。
このように、母集団形成は単なる採用活動の一環ではなく、「企業の未来を支える仕組み」として機能するのです。
母集団形成を成功させるためのプロセス
母集団形成を効果的に行うためには、単に手法を選ぶだけではなく、事前準備から振り返りまで一連のプロセスを戦略的に進めることが重要です。
ここでは、母集団形成を成功に導くための4つのステップについて解説します。
採用目標を明確にする
まず最初に取り組むべきは、採用の目的と目標の明確化です。
「なぜ採用するのか」「どの部署に、いつまでに、どのような人材が何名必要なのか」を具体的に設定することで、採用活動全体の軸が定まります。
この段階が曖昧だと、手段が目的化し、無駄な応募ばかりを集める結果になりかねません。
単なる人員補充なのか、事業拡大のための採用なのかで、求める人材像や採用手法は大きく変わります。
採用目標は「人数」だけでなく、「質」や「役割」まで細かく設定することが重要です。
採用ターゲットを設定する
次に行うべきは、採用ターゲットの明確化です。
「どのようなスキル・経験・志向性を持った人材を採用したいのか」を具体化することで、的確な母集団形成が可能になります。ここで有効なのが、ペルソナ設計です。
単に「営業経験3年以上」ではなく、「主体性があり、新規開拓を得意とする30代前半の営業職」といった形で、ターゲット像を細かく描くことがポイントです。
現場担当者とのヒアリングを通じて、実際に活躍している社員の特徴を洗い出すことで、より実践的なターゲット設定ができるでしょう。
採用手法を選定する
採用ターゲットが定まったら、次は最適な採用手法の選定です。
ターゲットによって効果的なチャネルは異なります。例えば、若年層を狙うならSNSやダイレクトリクルーティング、中堅層の即戦力なら人材紹介や転職サイトが有効です。
ここで重要なのは、「一つの手法に依存しないこと」。複数の手法を組み合わせることで、リスクを分散しながら、幅広くかつ質の高い母集団を形成できます。
過去の実績データや市場動向を参考に、自社に合った手法を柔軟に選びましょう。
※下記の記事では、新卒・中途の採用手法について解説しています。
【2025年最新】新卒・中途の採用手法14選!トレンドから定番まで紹介
振り返りと改善
採用活動は、実施して終わりではありません。必ず振り返りを行い、次回に向けた改善点を洗い出すことが、母集団形成の質を高めるカギとなります。
具体的には、以下のような指標を分析します。
- 応募数とターゲットの一致率
- 各チャネルごとの応募効果
- 選考通過率・辞退率
- 採用コストと成果のバランス
例をあげると、「転職サイト経由の応募者は多かったが、ターゲットから外れた人が多かった」といった場合、求人内容の見直しや媒体選定の変更が必要です。
このPDCAサイクルを継続することで、採用活動全体の精度が向上し、将来的には少ない工数で効果的な母集団形成が可能になります。
母集団形成の具体的手法10選
採用活動において「どのように母集団を形成するか」は、企業の採用成功を左右する重要なポイントです。一口に母集団形成と言っても、手法は多岐にわたります。
自社の業種や規模、採用ターゲットによって適した方法は異なり、単一の手法に頼るのではなく、複数のアプローチを組み合わせることが効果的です。
ここでは、企業規模を問わず活用できる代表的な母集団形成手法を10種類紹介します。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社に最適な戦略を立てるためにお役立てください。
1. ハローワークに求人掲載する
ハローワーク(公共職業安定所)は、無料で利用できる国の求人サービスとして、多くの企業に活用されています。
特に中小企業や地方企業にとっては、コストをかけずに幅広い層へ求人情報を届けられる貴重な手段です。
近年では、インターネットを通じて求人公開が可能な「ハローワークインターネットサービス」も普及しており、利便性が向上しています。
例えば、地方の製造業では「地元で働きたい」というニーズを持つ求職者と出会うために、ハローワークを活用し、即戦力人材を確保した事例もあります。
【メリット】
- 掲載から採用まで完全無料で利用できる
- 国の機関が運営しているため信頼性が高い
- 助成金や支援制度と連携しやすい
【デメリット】
- 求職者の層が広すぎてターゲットが絞りにくい
- 他の求人と差別化しづらく、埋もれる可能性がある
- 求人票のフォーマットが固定されており、自由な表現が難しい
※ハローワークでの求人掲載について詳しく知りたい方はこちら
ハローワークとは?求人掲載の出し方は?流れと記入のコツを解説
2. 就職・転職サイトを活用する
就職・転職サイトは、効率的に多くの求職者へアプローチできる代表的な母集団形成手法のひとつです。
「リクナビ」「マイナビ」などの新卒向けサイトや、「リクナビNEXT」「doda」「エン転職」などの中途向けサイトが広く利用されています。
特定の業種・職種に特化したサイトもあり、ターゲットに応じた使い分けが効果的です。
例えば、ITエンジニアを採用したい企業が「レバテックキャリア」など専門サイトを活用し、短期間でスキルマッチした人材を確保した事例もあります。
【メリット】
- 登録者数が多く、短期間で多くの応募を集めやすい
- 職種・業種特化型サイトを使えば精度の高い母集団形成が可能
- 掲載内容を工夫することで自社の魅力を自由に発信できる
【デメリット】
- 採用に至らなくても掲載費用が発生する(成功報酬型ではない場合)
- 知名度のある企業に応募が集中しやすい
- 条件検索でフィルタリングされるため、見てもらえない可能性がある
※求人掲載におすすめのサイトを知りたい方はこちら
求人サイトおすすめ25選!正社員、年代別、パート・アルバイトなどをご紹介
無料で求人掲載できる求人広告20選!効果を出す方法や無料掲載のメリット・デメリット、有料版との違いを解説
3. 人材紹介会社を利用する
人材紹介会社は、採用要件に合致した人材を効率的に探したい場合に有効です。
企業が求めるスキルや経験をあらかじめ伝えることで、条件にマッチした候補者のみを紹介してもらえるため、質の高い母集団形成が期待できます。
特に即戦力人材や専門職、管理職などピンポイント採用に強みを発揮します。
新規事業の立ち上げに伴い「即戦力のマーケティング担当者」が必要だった企業が、人材紹介会社を活用することで、短期間で経験豊富な人材を確保したケースもあります。
ただし、成功報酬型とはいえ、採用が決まると年収の30〜35%程度の手数料が発生することが多く、コスト面は注意が必要です。
【メリット】
- 採用要件に合致した候補者のみを紹介してもらえる
- 採用担当者の工数を大幅に削減できる
- 専門性の高い職種やハイキャリア層の採用に強い
【デメリット】
- 採用決定時に高額な手数料が発生する
- 一度に大量採用するには不向き
- 紹介会社に依存すると、自社に採用ノウハウが蓄積されにくい
4. 合同企業説明会や採用イベントへの参加
合同企業説明会や採用イベントでは、短期間で多くの求職者と接点を持てます。
特に新卒採用では一般的な手法ですが、近年では中途採用向けの転職フェアや業界特化型イベントも増えています。
自社ブースを構えることで、これまで接点のなかった求職者に対しても直接アピールでき、企業認知度の向上にもつながります。
「社名は知らなかったが、話を聞いて興味を持った」というケースも少なくありません。
一方で、来場者の多くは複数企業を比較検討しているため、短時間でどれだけ自社の魅力を伝えられるかが鍵となります。
【メリット】
- 短期間で多くの求職者と接点を持てる
- 直接対話することで、求職者の反応や関心度を把握できる
- 地方開催イベントなどでは地元志向の人材と出会える可能性も
【デメリット】
- 人気企業に人が集中し、自社ブースに集客できないリスクがある
- 参加費やブース設営、パンフレット制作などのコストが発生する
- その場で応募に直結しないことも多く、フォロー体制が重要
5. 自社採用サイトの強化
自社採用サイトの強化は、企業独自の魅力を最大限に発信できる母集団形成の手法です。
求人媒体では伝えきれない「リアルな社風」や「働く人の声」「キャリアパス」など、ターゲットに刺さる情報を自由に発信できるのが大きな特徴です。
最近では、求職者が求人票を見た後に「企業名で検索して採用サイトを確認する」ことが当たり前になっています。
このとき、採用サイトの内容が充実していれば、志望度を高め、質の高い応募へとつなげることができます。
さらにSEO対策を施すことで、自社に興味を持つ潜在層の流入も期待でき、長期的に効果を発揮する資産型の施策とも言えるでしょう。
効果を出すには継続的な情報更新とサイト改善が不可欠です。作って終わりではなく、常にターゲット目線でのコンテンツ運用が求められます。
【メリット】
- 自社の魅力や社風を自由に発信でき、他社との差別化が図りやすい
- 一度作れば長期的に活用できる(資産として残るため)
- 採用以外にも企業ブランディングや広報効果が期待できる
【デメリット】
- サイト制作やコンテンツ作成に初期費用と工数がかかる
- 集客力を高めるにはSEO対策や広告運用が必要になる場合も
- 短期間での即効性には欠ける
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6. ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、企業が「待つ採用」から「攻めの採用」へ転換する手法として注目されています。
企業側からターゲット人材に直接アプローチできるのが最大の特徴で、採用市場に出ている「今すぐ転職したい層」だけでなく、潜在的な転職希望者にもアプローチ可能なため、優秀な人材を早期に確保できるチャンスが広がります。
特に採用競争が激しい職種や、専門性の高い人材の確保に有効であり、自社の採用力を強化したい企業にとっては欠かせない手法と言えるでしょう。
ただし、成功させるには「誰に・どのようにアプローチするか」の戦略設計が重要です。
やみくもにスカウトを送っても効果は薄く、ターゲットに響くメッセージ作成や、レスポンス管理の工数が発生する点も理解しておく必要があります。
【メリット】
- ターゲット人材にピンポイントでアプローチできる
- 潜在層(転職を迷っている層)への接触が可能
- 採用コストを抑えつつ質の高い母集団を形成できる
【デメリット】
- スカウト文面の作成やターゲティングに時間と労力がかかる
- 無差別にスカウトを送ると企業イメージが悪化するリスクも
- 定期的なデータベースの活用・改善が求められる
※ダイレクトリクルーティングの詳しいやり方やおすすめサービスを知りたい方はこちら
ダイレクトリクルーティングとは?おすすめサービス12選とメリット、始め方を解説
7. リファラル採用の導入
リファラル採用とは、社員の紹介によって新たな人材を採用する手法です。
信頼できる社員が、自社の風土や価値観を理解したうえで知人・友人を推薦するため、ミスマッチの少ない母集団形成が可能です。
近年、スタートアップから大手企業まで幅広く導入されている理由は、その高い定着率とコストパフォーマンスにあります。
紹介された候補者は、事前に職場環境や仕事内容を紹介者から聞いているケースが多く、入社後のギャップが少ない点が特徴です。
一方で、社員にとって「紹介する責任」が伴うため、制度を機能させるには社員のエンゲージメント向上や、インセンティブ設計が重要になります。
【メリット】
- 自社文化や価値観にフィットする人材を獲得しやすい
- 採用コストを大幅に抑えられる(広告費・紹介手数料が不要)
- 定着率・早期戦力化が期待できる
【デメリット】
- 人間関係を考慮した配置やマネジメントが必要になる場合がある
- エンゲージメントが低い職場では機能しにくい
- インセンティブ設計を誤ると、質より数重視の紹介が増えるリスクも
※リファラル採用を成功させるポイントについて知りたい方はこちら
リファラル採用とは?メリット・デメリット・成功させるための促進方法まで徹底解説!
8. SNSの活用
SNSを活用した採用活動(ソーシャルリクルーティング)は、企業の魅力や雰囲気をダイレクトに発信し、潜在層にもアプローチできる手法です。
X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、YouTube、LinkedInなど、各SNSの特性を活かして情報発信を行うことで、これまで接点のなかった層にリーチできます。
特に若年層をターゲットにする場合、SNSは日常的な情報収集ツールとなっているため、企業のリアルな姿や働く社員の声、職場の雰囲気を発信することで、「この会社で働きたい」という動機づけがしやすくなります。
ただし、継続的な運用と戦略的なコンテンツ設計が不可欠です。
【メリット】
- 無料または低コストで情報発信ができる
- 企業のカルチャーや雰囲気を視覚的・感覚的に伝えられる
- 拡散力があり、認知拡大につながりやすい
【デメリット】
- 効果が出るまでに時間がかかる(中長期施策向け)
- 継続的な投稿・運用が必要で担当者の工数が増える
- 炎上リスクや情報管理への配慮が求められる
※SNS採用について詳しく知りたい方はこちら
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは?メリット・デメリットや事例、成功させるポイントを解説
9. インターンシップや学内セミナーの実施
インターンシップや学内セミナーの実施は、学生との早期接点を持つことで、将来的な採用母集団を形成する有効な手法です。
特に新卒採用においては、就職活動が本格化する前から自社を知ってもらい、興味を持ってもらうことが、他社との差別化につながります。
インターンシップでは、実際の業務体験を通じて企業理解を深めてもらえるため、学生側も「働くイメージ」を具体化できます。
その結果、選考に進む時点でミスマッチが少なく、志望度の高い応募者を集めやすくなります。
学内セミナーは、大学や専門学校のキャンパス内で開催することで、参加のハードルが低く、多くの学生にリーチできる点が魅力です。
特定の学校との関係性を築いておけば、毎年安定した母集団形成が期待できるでしょう。
【メリット】
- 学生との早期接点を持つことで志望度の高い母集団を形成できる
- 自社の魅力や働く環境を直接伝えられる
- 学校との連携により、継続的な母集団形成が可能
【デメリット】
- 中長期的な採用施策のため、即効性がない
- インターンシップの企画・運営に工数とコストがかかる
- 全員が選考に進むわけではなく、母集団化しても歩留まりが課題になる場合がある
※インターンシップの効果的な進め方について知りたい方はこちら
インターンシップの募集方法とは?上手な進め方を、5つのステップで解説!
10. 採用代行サービス(RPO)の検討
採用代行サービス(RPO:Recruitment Process Outsourcing)は、採用業務全体または一部を専門業者に委託する手法です。
リソース不足やノウハウ不足に悩む企業にとって、効率的に母集団形成を進める強力な選択肢となります。
RPOを活用することで、求人媒体の選定・掲載、応募者対応、スカウト配信、面接調整など、煩雑な業務をアウトソーシングできます。
採用の専門家が関わることで、ターゲットに合った母集団形成が実現しやすくなり、自社の採用力そのものを底上げできる点も魅力です。
また、採用市場の最新トレンドやデータに基づいた戦略提案を受けられるため、属人的な採用から脱却し、継続的な改善が可能になります。
一方で、すべてを任せきりにすると、自社にノウハウが蓄積されないリスクがあるため、業務範囲を明確にしたうえで、パートナーとしての関係構築が重要です。
【メリット】
- 採用の専門家による効率的な母集団形成が可能
- 自社の工数を削減でき、本来の業務に集中できる
- 採用計画の立案から実行、改善提案までトータルでサポートを受けられる
【デメリット】
- 自社に採用ノウハウが蓄積しづらい
- 自社のカルチャーや細かいニュアンスが伝わりにくい場合がある
- 委託先によって成果に差が出ることがあるため、パートナー選定が重要
※採用代行サービスについて詳しく知りたい方はこちら
採用代行サービス厳選11選を徹底比較!アウトソーシングで採用活動を効率化しよう
まとめ
採用活動において母集団形成は、単なる「応募者集め」ではなく、企業の未来を左右する重要なプロセスです。
少子高齢化や採用競争の激化が進む現代において、「量」だけでなく「質」を意識した母集団形成が、優秀な人材確保のカギとなります。
なお、本記事をご覧になっている方の中で
「母集団形成がうまくいかずブランディングを工夫したい」
「応募はあるけれど自社にマッチする人材がこないので採用マーケティングを見直したい」
とお悩みであれば、ぜひ当社ネットオンにお問い合わせください。
お悩みに寄り添える経験豊富な専門スタッフがそろっていて、皆さまの課題に応じた最適な採用計画をご提案いたします!
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