ソーシャルリクルーティングとは? 採用を成功させるコツや事例をご紹介

SNSを採用活動に役立てる「ソーシャルリクルーティング」は、多くの企業から注目を集める採用手法です。

「気になってはいるが、どんなことをするのだろう」
「やってはみたいが、自分の会社でもできるだろうか」

そんな悩みや不安から、注目はしていてもまだ取り組めていない中小企業は多いかもしれません。

この記事では、そうした思いを抱える採用担当者に向けて、ソーシャルリクルーティングについて解説します。

SNSの種類や特長から、ソーシャルリクルーティングのメリット・デメリット、採用成功のための運用のコツや企業の事例まで。
ソーシャルリクルーティングについて詳しく紹介していますので、これからSNSの運用を始めたい企業はもちろん、まだ検討中の企業もぜひ参考にしてください。

ソーシャルリクルーティングとは

ソーシャルリクルーティングとは、SNSを活用して行う採用活動を意味します。
FacebookやInstagramをはじめとしたSNSの普及にともない、近年多くの企業が取り組んでいる採用手法のひとつです。

SNSの利用率は、20代で90%以上(※)。
30代でも85%を超えており、若手から中堅層の採用を目指す企業にとって、採用ターゲットへのアプローチを可能にする採用手法といえるでしょう。

またSNSを活用するソーシャルリクルーティングでは、求職潜在層へのリーチも可能です。
これは就職・転職メディアとは異なる、ソーシャルリクルーティングならではのポイント。
SNSを通じて日常的に接点を持ちながら、企業の特長や仕事・働くひとの魅力を発信することができます。

※1 出典:総務省(令和3年版 情報通信白書 年齢階層別ソーシャルネットワーキングサービスの利用状況)

SNSの種類と特長

一口にSNSといっても、さまざまな種類があります。
ここでは、ソーシャルリクルーティングで活用されることの多い4つのSNSを紹介します。

SNSの種類 特長 国内月間利用者数(公式発表等) 年代別利用率(総務省調査結果※2)
LINE 9,300万人
(2022年9月)
・他のSNSと比べて利用率が高い
・「友だち登録」を促す機会や施策が必要
・「友だち登録」後のメッセージ開封(閲覧)率は高く、効果的な情報配信が期待できる
20代:98.1%
30代:96.0%
40代:96.6%
(全年代92.5%)
Twitter 4,500万人
(2017年10月)
・他のメディアと比べて拡散力が高い
・ハンドルネーム(SNS上の名前)を利用しているユーザーが多い
・投稿はテキストが中心(全角140文字以内)
・こまめな更新が必要
20代:78.6%
30代:57.9%
40代:44.8%
(全年代46.2%)
Instagram 3,300万人
(2019年3月)
・3分以内の短尺動画を用いて、企業の魅力を視覚的にアプローチできる
・テキストよりも画像や動画での発信が中心で、ブランディング効果が期待できる
・女性ユーザーが多い
・若手の利用者が多い(10~20代は70%以上が利用)
20代:78.6%
30代:57.1%
40代:50.3%
(全年代48.5%)
Facebook 2,600万人
(2019年3月)
・実名登録が基本でプロフィールが公開されていることも多く、個別のアプローチがしやすい
・面識のある人を中心としたつながりが多い(友人・知人や仕事関係など)ため、ターゲット層周辺へのリーチも期待できる
・Facebook広告を併用し、より広がりのある情報発信も可能
20代:35.3%
30代:45.7%
40代:41.4%
(全年代32.6%)

※2 出典:総務省|令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率)

4つのSNSを比較してみると、利用している年齢層の違いや活用方法など、それぞれに特色があることが分かります。

つまり、より効果的なアプローチを行うためには、各SNSの特長を理解し、そのうえで自社の採用ターゲットに合ったSNSを選択することがとても重要です。

ソーシャルリクルーティングとダイレクトリクルーティングの違い

ダイレクトリクルーティングは、企業が求職者に直接アプローチを行う採用手法のことです。
求人メディアやスカウトサービス専門の人材サービス会社が保有する人材データベースを活用し、企業側から人材(採用ターゲット)に対して働きかけを行います。

アプローチの手段としてSNSを活用することもあるため、ソーシャルリクルーティングをダイレクトリクルーティングの一部として捉えることも可能です。
ただし、ソーシャルリクルーティングでは、必ずしも求職者への直接的なアプローチのためにSNSを活用するわけではなく、一部にそういったアプローチが含まれます。

つまり、ソーシャルリクルーティングとダイレクトリクルーティングは、重なり合う部分をもつ、異なる採用手法といえるでしょう。

ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリットは、「【2022年の採用トレンド】流行りの採用手法で、応募数アップと定着率改善へ」にて詳しく紹介しています。

ソーシャルリクルーティングを実施するメリット

ミスマッチの低減が期待できる

SNSの性質上、企業も求職者もコミュニケーションを気軽に行うことができます。
コメントやリアクションを通して距離を縮めやすく、応募に至るやりとりの過程で相互理解を深めることが可能です。
そのため、応募があってから初めて求職者とやりとりを行う求人広告と比べて、ミスマッチの低減が期待できます。

採用ターゲットとの接点を増やせる

投稿へのリアクションやシェアによって、情報が拡散されることもSNSの特長です。
自社に興味をもつ人だけでなく、その人とつながりのある人々、さらにその先につながる人々に対して情報を発信することができます。
拡散の仕組みによってより多くの人との接点を生み出し、採用ターゲットと出会える可能性を高められることもソーシャルリクルーティングのメリットといえます。

人柄や自社との相性を確認できる

SNSのプロフィールや投稿内容からは、その人の“普段の姿”をみることができます。
そのため履歴書や職務経歴書よりも本人の人柄を把握することが可能です。また投稿内容によっては、ポテンシャルや自社との相性を読み取ることもできるでしょう。
通常の書類選考や面接では見えづらい部分を候補者のSNSアカウントで確認し、選考に役立てることができます。

募集コストを大幅に抑えられる

SNSを活用した採用活動は、基本的に無料で行うことができます。
SNSの運用を自社で行い、SNS内での広告を使用しない場合、募集にかかる費用はゼロ。
費用面における採用コストを大幅に抑えることが可能です。

ソーシャルリクルーティングを始める前に知っておくべき注意点

さまざまなメリットがあるソーシャルリクルーティングですが、企業がSNSを運用する際には気をつけなければならないことがあります。
中でも特に注意したい2つのポイントについて解説します。

SNSの運用を誤ると炎上のリスクがある

SNSの拡散力は大きな武器であると同時に、誤った情報や企業のマイナスイメージが広がるリスクも併せ持っています。何らかの理由によって“炎上”が起こってしまった場合には、採用だけでなく事業運営にも影響を及ぼしかねません。
SNSの運用ガイドラインを作成するなど事前準備を丁寧に行い、投稿内容や運用には細心の注意を払う必要があります。

定期的な情報更新が必要

求職者が企業のアカウントを見つけた際に古い情報しかなければ、せっかくの出会いの機会を活かすことができません。
すでにフォロワーとなっている求職者も同様で、興味や関心を持ってもらい続けるためには定期的に更新を行い、常に新しい情報を発信する必要があります。

また効果が得られるようになるまでには、ある程度の時間が必要です。
一度ソーシャルリクルーティングを始めた場合は、継続的な取り組みが求められます。

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ソーシャルリクルーティングを成功に導くSNS運用のコツ

ソーシャルリクルーティングで採用を成功させるための大切なポイントは、以下の通りです。

  • 求職者が知りたい情報を発信する
  • フォローしてくれたら、フォローし返す
  • 求職者のコメントにはお礼や返事のコメントをする

求職者と気軽にやりとりができるSNSのメリットを存分に活かせるよう、“双方向のコミュニケーション”を意識した運用を心がけましょう。
応募を促すきっかけとなるのは、求職者との距離を縮めるコミュニケーションです。

ソーシャルリクルーティングを実施している企業の事例

ソーシャルリクルーティングで採用に成功している企業は、どのように取り組んでいるのでしょうか。
ここでは4社の事例を紹介し、活用のポイントについて解説します。

【事例1】アコム株式会社

LINE公式アカウント(【<a href=新卒採用2023】アコム株式会社)" width="800" height="464">
画像出典:LINE公式アカウント(【新卒採用2023】アコム株式会社)

アコムがソーシャルリクルーティングの取り組みで活用しているのは、LINE公式アカウントです。

人事部のスタッフが毎回簡単な自己紹介を添えて、さまざまな情報を発信。事業説明や社員紹介、仕事内容や働き方、社内制度などの充実したコンテンツを動画や記事、マンガなどを用いて学生へ届けています。
ほとんどの学生が利用するメッセージアプリのLINEを活用することで、より多くの候補者に対する情報発信を可能にすることはもちろん、LINEの通知機能による高い開封率も期待できます。

新卒採用HPでは、自社に興味を持つ学生をLINEアカウントへ誘導する工夫もされており、2022年12月14日時点における2023年度入社者向けの新卒採用アカウントの友だち登録は、1,774人です。

【POINT】
・採用ターゲットに合ったSNSを活用している
・採用HPの上部にLINE公式アカウントへの導線を設置し、簡単にフォローできるようにしている
・マンガや動画を活用するなど、学生が情報を読み解きやすいよう伝え方を工夫している

【事例2】日本オラクル株式会社

Twitter(日本オラクル採用(鈴木宏彦)/@Oracle_JP_Saiyo)

画像出典:Twitter(日本オラクル採用(鈴木宏彦)/@Oracle_JP_Saiyo)

2010年から運用している、日本オラクルのTwitterアカウントでは、採用担当者が選考のポイントについて投稿しています。
一般的なQ&Aではなく、応募書類(履歴書・職務経歴書)のまとめ方や面接でのアピールの仕方、事前に考えておくべき企業への質問など、“こうすれば、きっとうまくいく”というポイントです。
採用担当者の視点で具体的に伝えているため、参考にしたいと考える求職者は多いでしょう。

また募集を開始したポジション情報の告知も行っており、同社に興味をもつ求職者へタイムリーに求人情報を提供。
志望する企業の採用担当者が自分を応援してくれているような親近感を覚えるアカウントです。

短いテキストでのアドバイスはTwitterと相性が良く、毎回画像を用意しなくても良い点も運用のしやすさにつながっています。

【POINT】
・採用担当者の視点で具体的なアドバイスを投稿している
・採用イベントや募集開始のポジションを告知している

【事例3】三井住友海上火災保険株式会社

Instagram(三井住友海上採用チーム/mitsuisumitomo.ins_recruit)
画像出典:Instagram(三井住友海上採用チーム/mitsuisumitomo.ins_recruit)

三井住友海上火災保険は、新卒採用チームのInstagramアカウントで、部署紹介やオフィス紹介、新卒入社の社員紹介などを行っています。

社員紹介では、仕事内容や会社の好きなところ、プライベートの過ごし方など、会社の魅力や人柄を伝えるコンテンツが充実。
採用担当者や従業員の写真も数多く投稿されており、Instagramの特性を活かして上手に雰囲気を伝えています。

インターンシップの裏側と題したオフショットの投稿やインスタライブの実施など、SNSならではの情報発信を積極的に実施し、3,905人のフォロワー獲得に成功しています(2022年12月14日時点)。

【POINT】
・オフショットの公開やライブ配信など、SNSならではの情報発信を行っている
・求職者の検索を意識したハッシュタグ(#キーワード)を入れている
・ライブ配信機能を活用し、リアルタイムのイベントも実施している

【事例4】アマゾンジャパン合同会社

Facebook(Inside Amazon/@AmazonJapanCareer )
画像出典:Facebook(Inside Amazon/@AmazonJapanCareer )

アマゾンジャパンの人事部採用チームは、Facebookアカウント「InsideAmazon」を運用しています。

仕事紹介「Job Spotlight」や社員インタビュー「Employee Story」を中心に投稿しており、社内イベントを実施した際にはそのダイジェスト動画も公開。
仕事や社風、従業員の人柄など、企業の魅力をさまざまな角度から伝えています。充実したコンテンツはフォロワーの獲得にも貢献しており、2022年12月時点のフォロワー数は約22万5,000人です。

アマゾンジャパンではリアルタイムで質疑応答を行うオンラインセミナーを実施していますが、Facebookアカウントだけでも約22万人への告知が可能です。
SNSによる継続的な情報配信によって自社に興味をもつ求職者とのつながりを維持しておくことが、オンラインセミナーへの参加や応募への自然な流れを作ることを可能にしています。

【POINT】
・フォロワーに対して「仕事」と「人」を通して企業の魅力を継続的に伝えている
・情報発信だけでなく、質疑応答ができるオンラインセミナーも実施している

ソーシャルリクルーティングの始めるときにまずやること

メッセージの発信だけならすぐにでも始められますが、準備不足はトラブルのもと。
デメリットで解説したとおり、事業運営に影響を与えてしまうこともあるからです。
ソーシャルリクルーティングをスムーズに始めるために、やっておくべき2つの準備を確認しましょう。

【1】運用ルール(ガイドライン)を設定する

スムーズな運用のためにまずはルールを設定します。

投稿内容

「何を(どんなことを)伝えるためのSNSにするか」を考えるには、はじめにSNSを運用する目的を整理することが必要です。

また企業アカウントとして運用するため、ブランドイメージを設定しておくことも大切でしょう。
目的と伝え方について担当者全員が理解したうえで、投稿内容のルールを決定します。

投稿の手順や投稿前のチェック体制も必ず事前に定めておきましょう(具体的な投稿の中身については、次の「SNSで発信するコンテンツを決める」で解説しています)。

更新(投稿)頻度

更新頻度を決めておくことは、定期的な更新を行っていくうえでとても重要です。
スケジュールが決まっていれば、コンテンツの準備も進めやすくなります。

返信のタイミング

求職者とのコミュニケーションを活性化させるために、できるだけ早めの返信を心がけます。
通常の業務と並行してSNSの運用を担当する場合は、都度返信ができないこともあるでしょう。

その場合にはコメントを確認する時間を決めるなど、運用方法を工夫して最善の対応に努めます。
また企業アカウントのため、業務時間内での対応が基本です。

【2】SNSで発信するコンテンツを決める

SNSでは、求職者が求人票からは読み取りづらい情報を中心に発信しましょう。
求職者に好まれるのは、リアルな雰囲気が伝わる情報です。

またカジュアルな投稿は親近感を抱きやすくなるため、写真や動画を活用してSNSならではの情報を発信します。

社員紹介

自己紹介や他己紹介で、一緒に働く同僚を紹介し、従業員の人柄を伝えます。
(例)入社理由、仕事内容、どんな人かが分かるエピソードなど

職場風景

働く場所や仕事中の雰囲気が分かる写真や動画で、実際に働く日常の姿を伝えます。
(例)会議、商談、業務中の様子など仕事のシーン、雑談や昼食、休憩中の様子など

会社紹介

従業員目線で会社を紹介。HPや求人票にはない、入社して初めて分かる会社の魅力を伝えます。
(例)人・職場の設備・企業文化(社内ルール)など、それぞれの従業員が「好きなところ」を1つずつ紹介する

企業文化の紹介

企業文化が分かる行事やルールなどを紹介し、従業員だけが知る企業文化・社風を伝えます。
(例)社内イベントの様子など

まとめ

SNSは基本的に無料で利用できるサービスのため、ソーシャルリクルーティングは手軽に始められる採用手法です。
求人広告などの一般的な募集方法に行き詰まりを感じている企業や、これから採用ブランディングに取り組みたい企業にとって、やってみる価値のある施策といえるでしょう。

一方でソーシャルリクルーティングは、方法を誤ると炎上のリスクがあります。
そのため目的の明確化やルール作成が必要不可欠。また即効性も期待できません。

ある程度の手間と時間がかかることを理解したうえで、継続的に取り組むことが求められる採用手法ではありますが、自社に興味を持つ求職者や潜在的な採用ターゲットとのつながりを広げていくことはゆくゆく大きな財産となるはずです。
企業規模や知名度に関わらず取り組める、SNSを活用した採用活動にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
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馬嶋 亜衣子(samusillee)

採用・キャリア関連、医療分野を中心に執筆を行うフリーランスライター。 各種メディアの取材ライティングやSEOライティング、採用HPのライティングなどに携わっています。

監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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