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地方学生採用のポイントは?メリット・デメリットや地方の就職事情を紹介

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[公開日]2020.10.26
[更新日]2020.10.26
地方学生 採用

「地方学生を採用するメリットは?」
「地方学生を採用するときに注意することは何だろう?」
このようにお考えの人事・採用担当者の方もいるのではないでしょうか。

近年、新卒採用でも売り手市場が続いており、自社に合った人材をどうやって採用していくか悩んでいる企業の人事・採用担当者の方も多いかと思います。

そこで今注目されているのが、地方学生の採用です。

この記事では、地方学生を採用する上でのポイントや、メリット・デメリット、地方の就職事情などを詳しく解説していきます。
地方学生の採用をお考えの企業の人事・採用担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

地方学生の就職・採用事情

地方学生の就職活動には、都心部の大学に通う学生と比べると費用がかかるという調査結果※があります。
就職活動にかかる費用は、関東の学生は約13万円なのに対して、地方学生の平均費用は約18万円と約5万円も多くかかります。

特に、四国地方在住の学生が就職活動でかかる費用は、平均43万円とかなり高額なのが特徴です。
費用の内訳は、交通費と宿泊費が大半を占めています。

参照:就活実態調査2019公開!最大の悩みは就活費用で平均16万円強~就活は早期化が進む。就活満足度は自己分析と早期行動が大きく起因~

多くの企業が東京や大阪などの都心部に集結しているため、地方学生にとっては交通費の捻出が厳しいのが現状です。

一方で、都心部の企業による新卒採用は激化しており、競争が激しい市場(レッドオーシャン)と言えるのが現状です。しかし、地方学生にまだ目を向けてない企業も多く、採用市場の中でも競争が少ない(ブルーオーシャン)と言えるでしょう。

そのため、地方学生に目を向ければアプローチできる学生数が増え、今まで出会えなかった学生の採用につながる可能性があります。

ただし、最近は徐々に首都圏の企業が地方学生にアプローチし始めて、Web選考で接点を持つ企業も出てきています。今後は、今まで以上に多くの首都圏の企業が、地方学生にアプローチしていくことが想定されます。

地方の学生数は少ない

地方の学生数は、都市部と比べて少ないのは想像がつくかと思いますが、ここでは具体的な数字を紹介していきます。学校基本調査のデータによると、令和元年度の地域別の大学数と学生数は以下のようになっています。

【地方と都市部の大学数】

地域 大学数
北海道・東北地区 88校
関東地区 262校
中部地区 146校
近畿地区 149校
中国・四国地区 71校
九州地区 79校

参照:大学の都道府県別学校数及び学生数

【地方と都市部の学生数】

地域 学生数
北海道・東北地区 15,315人
関東地区 1,271,060人
中部地区 390,882人
近畿地区 603,044人
中国・四国地区 193,301人
九州地区 242,476人

参照:大学の都道府県別学校数及び学生数

このデータから、関東地区・近畿地区とその他の都市の大学数、学生数には大きく差があることが分かり、特に大学数・学生数ともに西日本は少ないことが顕著に出ています。

地域別の就職内定率(大学)

厚生労働省のデータによると、地域別の就職内定率は以下の通りです。

地域 就職内定率
北海道・東北地区 89%
関東地区 88.7%
中部地区 85.6%
近畿地区 88.3%
中国・四国地区 81.4%
九州地区 82.7%

参照:厚生労働省令和元年度大学・短期大学・高等専門学校及び専修学校卒業予定者の就職内定状況調査(12)

このデータから、北海道・東北地区、関東地区、近畿地区の就職内定率が88%~89%と、他の地域と比較すると約3%~約8%高い傾向にあります。そして、地方の大学を卒業後に都市部の企業へ就職する学生が多く、都市部へ人材が流れていることが分かります。

地方学生を採用するメリット・デメリット

求人で特定の層を集めたい時の注意点

採用が激化している中、新卒採用で地方学生を採用することは大きな労力がかかります。ここでは、地方学生を採用するメリットとデメリットについて、それぞれ具体的に紹介していきます。

メリット

地方学生を採用するメリットは、大きく分けて2つあります。

  1. まだ地方学生の採用に注目している競合が少ない
  2. 自社のブランディングにつながる

地方学生は都市部の学生と比べて、就職活動で得られる情報が少なかったり、経済的な理由により行動範囲が限られているため、接点を持てる企業数が必然的に少ない傾向にあります。

そこで、SkypeやWherebyなどのコミュニケーションツールを使ってWeb面接を行うなどオンライン選考を実施することで、地方学生の応募ハードルを下げられます。

地方学生は行動の制限や、交通費や宿泊費などの経済的な理由から企業を厳選して選考に臨む傾向にあります。オンライン選考が実施できると、今まで出会えなかった優秀な学生との出会いを創出できます。

また、自社のブランディングにつながるメリットもあります。地方学生に対して自社の知名度が上がるだけでなく「学生に真摯に向き合っている協力的な企業」という良い印象を与えることにつながります。

デメリット

地方学生を採用するデメリットは、企業が学生との接点の機会や費用面の課題を負担しなければならないことが挙げられます。

会社説明会や選考などの開催は、都心より地方の方が少ないため、学生は都心で募集している企業と出会う機会が多くありません。

地方学生の就職活動では、交通費や宿泊費の金銭面や、移動時間などが大きな負担となっているため、学生が応募をあきらめる可能性も出てきます。地方学生の採用を考えている企業は、このような学生の負担を軽減できるかが大切です。

また、地方学生は地元志向が多いことも都市部の企業が地方学生を採用する際のデメリットになり得ます。慣れ親しんだ地元の企業に就職したいと考える学生も多く、そのような学生を動機づけして採用するのも地方企業ができる一つの手段です。

しかし、「地元を出たがらない学生の比率が高い」という点は念頭に置きながら、採用活動に取り組む必要があります。

地方学生を採用する際に注意すべきポイント

地方学生を採用する際に注意すべきポイントについて、「都市部の企業が地方学生を採用する場合」と「地方企業が地元の学生を採用する場合」の2つに分けて紹介していきます。

都市部の企業が地方学生を採用する場合

都心部の企業が地方学生を採用する場合、なるべく人事・採用担当者が地方へ足を運んだり、それが難しければオンラインで選考を行うことを検討してみてください。オンラインで対応することにより、地方学生の悩みの種である「交通費」の懸念点を解消できます。

また、人事・採用担当者にとってもわざわざ出向かなくていいので、労力や費用がかからずに済むメリットがあります。

ただ、選考が後半に差しかかると、役職者を地方まで出張させることは難しかったり、最終面接はオンラインではなくオフラインで面接したい場合もあるでしょう。

その際は、交通費を支給するようにしましょう。交通費が出せないとそこで辞退される恐れもあり、優秀な学生を採用するチャンスを逃してしまうかもしれません。地方学生の交通費は採用コストにあらかじめ入れておいた方が良いでしょう。

地方企業が地元の学生を採用する場合

地方企業が地元の学生を採用する場合は、地方学生に注目している都心部の企業に負けないように地元の学生との接点を増やしたり、内定後に手厚いフォローを心がけましょう。

地方学生は地元志向が強い傾向にはありますが、最近ではサイバーエージェントのようなメガベンチャー企業も地方学生の採用に活発的です。「競合は地元企業だけではない」ことを念頭に置きながら、学生との接点を増やして、しっかり動機づけを行い、内定後のフォローを手厚くすることが大切です。

そうすることで、志望意欲と信頼度が高まるため、選考辞退や内定辞退を極力防ぐことができ、囲い込みができるでしょう。

まとめ

都市部の学生の採用は激化していて競合も多いですが、まだ地方学生の採用は都市部ほど採用市場が激化しているわけではありません。中には地方学生に注目してアプローチしている企業もありますが、今からでも遅くはありませんので、地方学生もターゲットにした新卒採用を行うと良いでしょう。

地方学生の中には、都市部との企業との接点が少ないだけで、優秀な人材が眠っている可能性があります。しかし、地方学生を採用するには選考の初期段階ではオンラインで対応したり、金銭面の支援を行うなど、懸念点を払拭することが大切です。そうすれば、地方の優秀な学生を採用できる可能性が高まるでしょう。

ぜひ、この機会に地方学生へアプローチをしてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

渡辺 大樹

渡辺 大樹

キャリアや採用などのHR領域でメインに記事執筆しているWebライターです。 2社の人材系企業で5年ほど営業をしていました。 テニスと旅行が好きで、今まで国内36都道府県、世界一周して海外30ヶ国51都市回りました。

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