「若者雇用促進法」とは?詳細やメリットを徹底解説!

若者雇用促進法

皆さんは「若者雇用促進法」という制度をご存知でしょうか。

売り手市場であるとされる現在、これからの企業を担っていく若者の力は、これまで以上に重要になってきています。そんな、企業と若者の”これから”を守るために制定されたのが「若者雇用促進法」です。

新たな人材を探している企業にとっても、仕事を探している若者にとっても、知っていて損になることは決してない制度となっていますので、この機会に是非、概要を知っていただけますと幸いです。

「若者雇用促進法」とは?

「若者雇用促進法」は、もともとは「勤労青少年福祉法等」の法律の一部を改正する形で制定された制度となります。

「勤労青少年福祉法等」は、”適切な職業選択の支援に関する措置、職業能力の開発・向上に関する措置等を総合的に講ずることにより、青少年の雇用の促進等を図り、能力を有効に発揮できる環境を整備する”ことを目的としていました。

そして今回、少子化に伴う労働力人口が減少や、青少年の離職率が高まっている背景を受けて、より若者が安定した雇用の中で経験を積みながら職業能力を向上させ、働きがいを持って仕事に取り組める社会を築くために改正されたのが「若者雇用促進法」となります。

今回の改正により導入された新制度は以下の3つです。

  1. 職場情報の積極的な提供
  2. ハローワークにおける求人不受理
  3. ユースエール認定制度

順を追って解説していきます。

「若者」の定義

新制度について解説していく前に、そもそも、制度の名称にも含まれている「若者(=青少年)」とは、一体どういった方を指しているのでしょうか。

厚生労働省より告示されている「青少年雇用対策基本方針」(平成28年厚生労働省告示第4号)によると、以下のように定義がされています。

  • 35歳未満であること
    ※ただし、個々の施策・事業の運用状況等によっては、おおむね「45歳未満」の者についても対象とする
  • 現に働いている者に限らず、求職者やいわゆるニート等も含まれる

一般的に「若者」と聞いてイメージされやすい年齢に比べ、実際の対象の幅が35歳までとかなり広くなっているので注意が必要です。

参照:青少年雇用対策基本方針

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「若者雇用促進法」の主な内容

事業主による職場情報の積極的な提供

特に、新卒者のミスマッチによる早期離職を解消するため、新設された制度です。

経験が浅いうちに離職となると、再就職が難しく、若者の労働機会の損失に繋がり、結果的に日本全体での大きな損失に繋がってしまいます。そういったミスマッチによる離職を防ぐため、明確な労働条件をはじめ、就労実態等の職場情報も提供する仕組みとなっています。

具体的な内容としては下記の2点となります。
これらは、企業規模を問わず、新卒者の募集を行う企業全てに対して適用されます。

①幅広い情報提供を”努力義務”とする
②応募者等から求めがあった場合は、以下の3類型ごとに1つ以上の情報提供を”義務”とする

注意点として、①については”努力義務”となっています。そのため、新卒説明会や配布資料、または新卒採用HPにて、可能な限り情報提供することが求められていますが”義務”ではありません。言いかえると、応募者にとっては求めている情報が得られない場合もあるという状態となります。

しかし、②において、応募者等から求めがあった場合は”努力義務”から”義務”に代わり、企業側は以下の3類型ごとに1つ以上(=計3つ以上)の情報を提供する必要が発生します。

②が守られない場合、ハローワークにて新卒求人を一定期間受け付けてもらえなくなるといった「不受理(※次項にて説明)」という罰則が発生するため、注意が必要です。

情報提供義務の3類型
1.募集・採用に関する状況 過去3年間の新卒採用者数・離職者数
過去3年間の新卒採用者数の男女別人数
平均勤続年数
2.職業能力の開発・向上に関する状況 研修の有無及び内容
自己啓発支援の有無及び内容
メンター制度の有無
キャリアコンサルティング制度の有無及び内容
社内検定等の制度の有無及び内容
3.企業における雇用管理に関する状況 前年度の月平均所定外労働時間の実績
前年度の有給休暇の平均取得日数
前年度の育児休業取得対象者数・取得者数(男女別)
役員に占める女性の割合及び管理的地位にある者に占める女性の割合

ハローワークにおける求人不受理

特に、新卒で就職した企業で労働関係のトラブルは、新卒者の今後の職業生活に長期的な影響を及ぼす恐れがあるため、新設された制度です。簡単に言うと、直近で労働関係法令の違反があった企業は、ハローワークにて一定期間、新卒求人を受け付けてもらえなくなります。これを、前項でも触れた求人の「不受理」と言います。不受理の対象となる場合は以下の通りです。

参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000498451.pdf

①労働基準法と最低賃金法に関する規定において

  • 1年間に2回以上、同一条項の違反について是正勧告を受けている場合
  • 違法な長時間労働を繰り返している企業として公表された場合
  • 以下の対象条項違反により送検され、公表された場合   
    ―過重労働の制限などに対する規定
    ―仕事と育児などの両立などに関する規定
    ―その他、青少年に固有の事情を背景とする課題に関する規定

②職業安定法、男女雇用機会均等法、育児介護休業法に関する規定において

  • 法違反の是正を求める勧告に従わず公表された場合

ユースエール認定制度

若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を、厚生労働
大臣が「ユースエール認定企業」として認定する制度です。

認定されると、国が企業に対しての情報発信の後押しするため、企業が求める人材の円滑な採用や、求職中の若者とのマッチング向上が見込めるようになります。

認定基準や、受けられるメリットに関しては以下の通りです。
下記、認定基準を全て満たす中小企業(常時雇用する労働者が300人以下の事業主)であれば、認定企業となれますので、条件を満たしているようでありましたら、ぜひ申請することをオススメいたします。

※申請手続き詳細ページ:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000100266.html

認定基準(全ての基準を満たす必要があります)
学卒求人など、若者対象の正社員の求人申込みまたは募集を行っていること
若者の採用や人材育成に積極的に取り組む企業であること
以下の要件をすべて満たしていること

  • 直近3事業年度の正社員として就職した新卒者等のうち同期間に離職した者の割合が20%以下
  • 前事業年度の正社員の月平均所定外労働時間の平均が20時間以下かつ、月平均の法定時間外労働60時間以上の正社員が1人もいないこと
  • 前事業年度の正社員の有給休暇の付与日数に占める取得日数の平均が70%以上または取得日数の平均が10日以上
  • 直近3事業年度において、男性労働者の育児休業等の取得者が1人以上または女性労働者の育児休業等の取得率が75%以上
  • 「人材育成方針」と「教育訓練計画」を策定していること
以下の青少年雇用情報について公表していること

  • 直近3事業年度の新卒者などの採用者数・離職者数、男女別採用者数、35歳未満の採用者数・離職者数
  • 平均継続勤務年数
  • 研修内容、メンター制度の有無、自己啓発支援・キャリアコンサルティング制度・社内検定などの制度の有無とその内容
  • 前事業年度の月平均の所定外労働時間、有給休暇の平均取得日数、育児休業の取得対象者数・取得者数(男女別)、役員・管理職の女性割合
過去に認定を取り消された場合、取り消しの日から起算して3年以上経過していること
過去に⑦~⑫までに掲げる基準を満たさなくなったため
認定辞退を申し出て取り消した場合、取消しの日から3年以上経過していること
過去3年間に新規学卒者の採用内定取消しを行っていないこと
過去1年間に事業主都合による解雇または退職勧奨を行っていないこと
暴力団関係事業主でないこと
風俗営業等関係事業主でないこと
雇用関係助成金の不支給措置を受けていないこと
重大な労働関係法令違反を行っていないこと

 

ユースエール認定企業6つのメリット
ハローワークなどで重点的PRを実施してもらえる
認定企業限定の就職面接会などへの参加が可能
自社の商品、広告などに認定マークの使用が可能
若者の採用・育成を支援する関係助成金を加算
日本政策金融公庫による低利融資
公共調達における加点評価
その他「若者雇用促進総合サイト」にて認定企業の求人検索ができるようになります

※参考ページ:若者雇用促進総合サイト

まとめ

「若者雇用促進法」は、少子化に伴う労働力人口が減少や、若者の離職率が高まりつつある昨今の日本において、今後の若者の雇用促進とキャリア形成を支援する重要な役割を担っている制度です。企業側にとっては、情報の開示義務や、認定基準のクリアなど課題は多くあるものの、共に成長していけるような長く働いてくれる若者を雇用したいと考えているのであれば、きっと大きな力になることでしょう。今回の記事を通して、少しでも「若者雇用促進法」が秘める可能性に気付いてもらえたら幸いです。

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監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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