人材の流動化やIT化などにより、「働き方」を取り巻く環境は多様化しています。
立地や知名度の点で不利とされていた地方企業も、地域内外から新たな人材を採用したり、都市部の人材をリモート勤務で採用したり、柔軟な採用活動が可能になっています。
とはいえ、地方採用の成功は簡単ではありません。
地方企業が採用を成功させるには、地方採用の動向や課題を知り、的確にアプローチすることが重要です。
今回は、地方企業の課題やおすすめの採用手法などを踏まえて、理想的な人材を獲得するための方法について紹介します。
有名求人サイト「Indeed」が地方採用に効果的な理由も紹介しているので、地方採用にお悩みの企業は、ぜひ本記事をお役立てください。
目次
地方採用(ローカル採用)の動向・状況
まずは、地方採用を取り巻く環境について見ていきましょう。
地方や都市部における労働人口の動向や、有効求人倍率の状況などを解説します。
地元や地方への就職を望む求職者は多い
下記はマイナビが2023年卒の学生を対象に実施した調査で、地元への就職希望者(Uターン含む)をグラフにしたものです。
(出典:2023年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査|マイナビ)
地元就職を希望する2023年卒の学生は62.6%にも上り、昨年に続き増加傾向にあります。
マイナビでは、コロナ禍で経済状況が不透明であることなどから、地元への就職意欲が高まっていると推測しています。
次に、みらいワークス総合研究所における、「地方への就業意識調査」の結果の一部を見ていきましょう。
下記は、35歳~65歳の首都圏に住む労働者に、地方企業で働くことに興味があるかどうかを聞いたものです(有効回答数1,650)。
(出典:2022年度 首都圏大企業管理職に対する「地方への就業意識調査」~地方転職・副業への意欲が50%以上で過去最高値に!~|CAREER Knock)
地方で働くことに興味を持っている人材は、5割以上にも上っています。
2018年から年々増加傾向で、今後、興味を持つ人が増えることも期待できるでしょう。
もちろん、これらの調査はあくまで一例であり、労働市場の傾向として分析するための材料のひとつです。
ですが、地方企業が採用を成功させるうえで、追い風が吹いている可能性は高いと言えるでしょう。
有効求人倍率は増加傾向に
労働市場の状況を深堀りするために、有効求人倍率の推移についても紹介します。
下記は、平成22年から令和4年までの有効求人倍率の推移をまとめた表です(令和4年分については月ごとの推移)。
(出典:一般職業紹介状況(令和4年12月分及び令和4年分)について|厚生労働省)
令和2年に新型コロナウイルスの流行が始まって、有効求人倍率は一度大きく下がっていますが、その後は回復傾向にあることが分かります。
令和4年1月~12月を見ても数値は上昇傾向にあり、複数の企業が1人の求職者を争う状況は続くと見込まれます。
だからこそ、地方採用を成功させるためにも、自社なりに工夫をして、競合他社の先を行くことが大切なのです。
地方企業の採用における課題と対処法
地方企業が抱える採用課題は、都市部の企業が抱える課題とは異なります。
地方採用を成功させるためのカギは、課題を把握したうえで、的確な対処法を講じることです。
そこでここからは、地方企業が採用活動において抱えやすい課題と、その対処法を紹介します。
自社の採用課題がはっきりしていない
ひとつめが、採用課題が絞り込めていないことです。
自社が採用活動においてどのような悩みを抱えているのか、その悩みの背景にはどういった要因があるのかなど、まずは現状を整理する必要があります。
採用課題について考えるときに大切なのは、「外部要因」だけでなく「内部要因」にも目を向けることです。
【外部要因】自社の採用活動を取り巻く環境に関する要因 【内部要因】自社の内部にある要因 |
外部要因は自社を取り巻く環境に関することなので、変えるのは簡単ではありません。
一方で内部要因は、対処法を考えることで改善できるものです。
採用競争においては、他の企業も同様の外部要因を抱えている場合が多いので、内部要因をいかに解決するかが重要になります。
※下記の記事では、地方企業が採用を成功させるための5つのポイントを紹介しています。
⇒地方企業が採用を成功させるためには?|5つのポイントをご紹介
ターゲットが明確でない
「どのような人材を採用したいのか」というターゲットが曖昧なまま、採用活動を進めているケースもあります。
ターゲットが曖昧なまま地方採用を進めると、自社の望みとかけ離れた人材の応募が増え、時間やコストがかかってしまいます。
「こんな人材がほしい」という自社にとっての理想像のことを「ペルソナ」と言います。
ターゲットの明確化にあたっては、ペルソナをできるだけ具体的に設定することがポイントです。
例えば、飲食店経営をしている企業が、新店舗のオープンにあたって料理長候補となる従業員を採用したい場合、下記のようにペルソナを設定します。
【ペルソナの例】
・職種:シェフ(料理長候補) ・年代:30代 ・業界歴:シェフとして3年以上 ・求めるスキルのレベル:新店舗をなるべく早く軌道に載せたいため、即戦力級のスキルを持っていること。 ・その他の求めるスキル:3名のシェフの教育も担ってもらいたいので、マネジメント力や指導力を備えていると望ましい。 |
上記のように、職種や職歴だけでなく、入社後に任せたい業務や求めるスキルなども、できるだけ細かく設定しましょう。
※採用活動におけるペルソナの設定の仕方については、下記の記事で詳しく解説しています。
⇒応募が来ない時に試すことはペルソナ設定!求人票の書き方のコツをご紹介。
ターゲットに十分な訴求ができていない
採用課題を明確にしてペルソナを定めても、そのターゲットに対して的確にアプローチできていなければ、地方採用の成功にはつながりません。
例えば、特定のエリア内で人材を探したい場合は、フリーペーパーやハローワークなど、そのエリアに密着したコンテンツや機関を利用するのが良い場合があります。
一方で、全国から人材を探したい場合や、都市部の人材をリモートで採用したい場合は、インターネット上のサービスを利用したほうが良いでしょう。
また、ターゲットに合わせて求人に盛り込む内容を工夫することもポイントです。
どういった書き方をしたらターゲットの興味を引けるのかを考えながら、求人票を作成しましょう。
地方企業に関する認知が不足している
「求職者が地方企業に何を求めているのか」「地方に対してどのような認識を持っているのか」などを分析したうえで、地方採用を進めることが大切です。
求職者が地方企業に求めているものは、都市部の企業に求めているものとは異なる場合があります。
例えば下記は、転職サービス「doda」が2020年9月~10月に実施した「地方での副業に関する意識調査」において、地方副業に興味がある理由を聞いた結果です。
(出典:転職サービスdoda|PR TIMES)
いずれの世代でも、「スキルや仕事の幅を広げることができる」が1位であることが分かります。そのほか「収入のため」「いろいろな人とかかわる機会がある」なども上位です。
仮に上記の調査結果を踏まえると、副業人材を探すのであれば、「スキルや経験をどのように生かせるか」や「仕事を通してどのようなつながりが生まれるか」などをアピールするのが良いと言えます。
なお、上記の調査はあくまで一例なので、実際はもっと幅広く分析したうえでアプローチする必要があります。
経営陣・他部署を巻き込んで採用活動していない
地方採用に限った話ではありませんが、採用活動がうまくいっていない企業は、担当部署だけで採用活動を進めている場合があります。
経営陣や他部署を巻き込みながら、組織全体で採用活動を進めることが大切です。
その理由は、採用担当部署だけでは、自社の魅力を十分に伝えられないためです。
例えば、飲食店のシェフを採用したい場合、仕事の魅力や求められるスキルを整理するには、実際に現場で働いている従業員の声を聞かないと分かりません。
企業が事業に込めている思いを求人に載せるのであれば、経営者に確認する必要があるでしょう。
ターゲットに対して的確に訴求する意味でも、経営陣や他部署を巻き込んでみてください。
地方企業の採用に成功した事例2選
ここからは、地方企業が採用に成功した事例を紹介します。
事例①:双葉電子工業株式会社 様
【企業について】
企業名:双葉電子工業株式会社
所在地:千葉県茂原市
従業員数:約1,000~5,000名
事業内容:各種電子部品・電子機器・生産機器の設計、開発、製造および販売
【当初の課題】
・人材紹介会社や求人媒体を利用するも、出会える層が限られていることから、母集団形成に苦戦していた
・部門ごとのニーズが人事部門だけでは把握できず、人材紹介会社にうまく伝わらずにミスマッチが続いていた
・社内に40歳前後の中間管理職が不足していた
【実施した施策】
ダイレクトリクルーティングに特化した人材紹介サービス「ビズリーチ」を利用して、新しい母集団の形成を図りました。
また、ビズリーチはサポート体制が充実していることから、自社が求めている専門性を持った技術者や市場において需要が高いHR人材を採用するための、アドバイスを受けることを期待。
現状の人事部を、ダイレクトリクルーティングに対応できる体制に整備して、契約から1年半後に本格的なスカウト活動を始めました。
【結果】
ダイレクトリクルーティングの開始からわずか1か月で、新規事業推進人材を1名採用。
約半年で、生産管理担当と新卒担当人事などの採用にも成功し、結果として4名の人材を獲得できました。
約半年でスカウトを送った数は100件にも上ったそうです。
企業が能動的に手ごたえを感じながら採用活動を進めたり、直接スカウトすることで求職者に「求められている」という実感がわいたり、複数の好影響がありました。
(出典:「待ちの採用」からの脱却。千葉にあるニッチなメーカーが半年間で4名を採用できた理由とは|ビズリーチ)
事例②:BULB株式会社 様
【企業について】
企業名:BULB株式会社(現在は事業譲渡済み)
所在地:北海道札幌市
従業員数:30~100名
事業内容:スタートアップの開発支援、新規ビジネスの立ち上げサポート
【当初の課題】
スタートアップ企業の開発支援事業を展開しており、事業推進のためにコストを可能な限り抑えてエンジニアを採用したいと考えていました。
【実施した施策】
利用料金がお手頃な「Wantedly」を活用して、エンジニア採用を進めました。
「Wantedly」は共感をベースにマッチングを図るサービスで、企業はカジュアル面談から求職者との接点を作れるため、気軽にアプローチできることも導入の決め手になったようです。
Wantedlyのページ内に、社員インタビューをはじめとした社内のリアルな様子を伝えるコンテンツを充実させ、積極的に情報発信も行いました。
【結果】
全国から応募があり、4年間で40名の人材を採用できました。
Uターン・Iターン人材や国外に住む日本人からの応募もあったと言います。
(出典:地方採用で起きがちな課題から考える|採用成功に必要な6要素|Wantedly)
※Wantedlyについて詳しく知りたい方は、下記のページをご覧ください。
⇒Wantedly(ウォンテッドリー)とは?特徴・強みや掲載料金、掲載方法を解説!
地方採用におすすめの手法・サービスは?
地方採用を進める方法は多種多様であり、自社の課題や強みを踏まえて、適切なアプローチを選ぶことが大切です。
ここからは、地方採用におすすめの手法や、採用に活用できるサービスについて解説します。
採用広報
採用広報とは、求職者の応募意欲を高めるために、事業や理念、社風などの自社情報を発信することです。
採用広報をすることで、「地方就職・地方転職に興味があるけど、本格的な行動には移していない」のような、転職潜在層へのアプローチも可能です。
また、インターネット上で情報発信ができるため、首都圏や都市部の人材の応募意欲を高めることもできます。
SNSやオウンドメディア、採用サイトなど、さまざまな媒体が採用広報に使えるので、自社に合った媒体を選ぶと良いでしょう。
また、応募意欲を高めるためには、継続的な発信が必要なので、社内で担当者を決めることがおすすめです。
※採用広報の重要性やおすすめの方法などについて、下記の記事で詳しく解説しています
⇒【採用広報とは】その効果と最適なメディア・ツールを徹底解説
総合求人広告代理店
総合求人広告代理店とは、複数ある求人媒体(求人サイト・転職サイト)の中から、自社に合う媒体を選んで、採用活動を支援してくれる業者です。
働き方が多様化して、企業の採用競争が激しくなっている近年、求人媒体は増えています。
一つひとつの求人媒体を自分たちで調べていたら、人件費や時間がかかりますし、そもそも一つに絞ることが難しいかもしれません。
地方採用を成功させるには、専門的なノウハウも必要なので、採用活動のプロである総合求人広告代理店に任せたほうが安心できる場合は多いでしょう。
ただし、代理店によって料金は異なります。
何社か見積りをもらったり、ホームページで料金を確認したりして、利用する業者を決めることがおすすめです。
また、代理店によって支援してくれる範囲やサービスの質が異なるので、口コミなどを参考にするのも良いでしょう。
Indeed(インディード)
国内最大の求人サイトである「Indeed」も、地方採用におすすめです。
Indeedは、インターネット上に掲載されている求人を集約したサイトで、「求人版のGoogle」などとも呼ばれます。
Indeedで求人を検索する際は、下記のように「キーワード」と「勤務地」を入力します。
その地方に興味を持っている人材が、ダイレクトで自社の求人を見つけてくれる可能性があるのです。
(出典:Indeed)
また、Indeedでは、無料掲載と有料掲載を選んで求人掲載できます。
採用にコストをかけたくない企業や、一旦気軽に地方採用を始めたい企業にもおすすめです。
なお詳しくは後述しますが、Indeedの有料掲載はクリック課金型なので、必要以上にコストがかさむ心配はありません。
※Indeedの仕組みや求人掲載のメリット・デメリット、活用ポイントなどは、下記の記事で詳しく解説しています。
インディード(Indeed)とは?仕組み・メリット・デメリット・効果を出す方法・成功事例まで徹底解説!
※下記の記事では、Indeedを利用するうえで知っておきたい用語について、分かりやすく解説しています。
⇒【Indeed用語まとめ】Indeedで求人運用するなら知っておきたい用語集
求人広告を掲載したい方へ
採用係長は、作成した採用サイトを最大5つの検索エンジンにワンクリックで連携できます。
求人掲載が無料で始められる「採用係長」。ぜひ一度お試しくださいませ。
外国人材採用
外国人材の採用も地方企業におすすめです。
下記は厚生労働省が公表している、日本における外国人材の雇用状況です。
(出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和4年10月末現在)|厚生労働省)
国内の外国人労働者は年々増加していることが分かります。
外国人材を雇用している企業を業種別に見ると、建設業や製造業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業などが多い傾向です。
当業種の地方企業は、外国人採用を積極的に検討するのも良いでしょう。
ただし、外国人の雇用に関してはいくつかのルールが定められているため、下記ページなどで事前に確認してください。
⇒外国人の雇用|厚生労働省
※下記の記事では、外国人エンジニアの採用方法やメリットについて解説しています。
⇒人材不足を解消!外国人エンジニアの採用方法と採用のメリット・デメリット
Web会議ツール
地方採用においては、遠方の求職者が応募してくれたり、リモート勤務を想定して雇用したりするケースが少なくありません。
そのため、オンラインで面接や面談ができるよう、Web会議ツールの準備をしておくことが必要です。
オンラインツールに抵抗感を抱く企業もいるかもしれませんが、ZoomやGoogle Meetなど、無料ですぐに使えるツールもあるので、コストや手間をかけずに準備ができます。
ただし、インターネット環境やパソコン・タブレットなど、最低限のインフラを整備することは必要です。
求人票に「Web面接OK」と記載するだけで、応募のハードルを下げる効果も期待できるので、ぜひWeb会議ツールの準備を進めてください。
※下記の記事では、Web面接に必要な準備やトラブルの対処法などについて詳しく解説しています。
⇒WEB面接(オンライン面接)に必要な準備は?注意点やトラブル例も紹介
地方採用に特化した求人媒体
特定の地方が運営する求人媒体を利用する方法もあります。
フリーペーパーや求人誌、Webサイトがその一例です。
地方採用に特化した求人媒体であれば、自社のターゲットに訴求するためのサービスや支援が整っている場合もあります。
もしWebサイトを探す場合は、「関東地方 求人サイト」「東北地方 求人サイト」のように、地名を入れて検索してみてください。
自社に最適な求人媒体が見つかるかもしれません。
※下記の記事では、関東地方における地方採用に特化した求人サイトを、都県ごとに紹介しています。
また採用アカデミーでは、地方ごとに地方採用におすすめのサイトを紹介しているので、ぜひお役立てください!
⇒【関東地方(首都圏)編】地方採用に特化した求人サイト特集【茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県】
地方大学
オフラインで行う採用手法としておすすめなのが、地方大学を訪問して、キャリア支援や就職を担当している部署に、企業説明会への参加や開催を打診することです。
大学にはその地方への就職を考えている学生も多いため、自社の魅力を伝えられれば、応募に興味を持ってくれる可能性が高いと言えます。
また、大学側としても学生のキャリアの幅を広げる機会になるため、企業側からの打診に積極的に対応してくれるはずです。
大学と一度良い関係を築くことができれば、継続的な採用活動につながります。
長期的に見ても、地方採用に良い影響をもたらすでしょう。
※下記の記事では、地方学生採用のポイントについて解説しています。
⇒地方学生採用のポイントは?メリット・デメリットや地方の就職事情を紹介
リファラル採用(縁故採用)
リファラル採用とは、既存従業員の紹介を通して人材を採用する手法です。
自社について理解している従業員の紹介なのでマッチ度が高く、加えて、採用コストを抑えられるため人気を集めています。
地方は、人間関係において横のつながりが強い傾向にあるので、リファラル採用が効果的です。
ただし、知り合いだからといって無条件で採用せず、自社の理念や事業などを踏まえて、選考自体は通常と同じように慎重に進めることが大切です。
また、リファラル採用の制度設計にはいくつかのポイントやコツがあるので、事前に理解したうえで進める必要があります。
※リファラル採用について、下記の記事で詳しく解説しています。
⇒リファラル採用とは?メリット・デメリット・成功させるための促進方法まで徹底解説!
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、企業側から求職者に直接アプローチする採用手法であり、採用市場全体で近年行われています。
少子高齢化の進行をはじめとした労働市場の変化により、応募を待つだけの採用活動では、採用に至らないケースも増えています。
ダイレクトリクルーティングの一例が、スカウト機能を備えた採用サイトの利用や転職イベントへの参加、SNS上でのDMです。
主なメリットとしては、望む人材に対して直接アプローチできるためミスマッチが少ないことと、採用コストを抑えられることが挙げられます。
採用ノウハウをある程度持っており、地方採用を効率的に進めたい企業に特におすすめの手法です。
※ダイレクトリクルーティングの詳細について、下記の記事で詳しく解説しています。
⇒ダイレクトリクルーティングとは?メリットや費用、はじめる際のポイントを徹底解説!
地方採用を成功させるためのポイント
ここでは、地方採用を成功させるためのポイントについて、特に重要な6点を紹介します。
※下記の記事では、地方採用を成功させるためのポイントについて、より詳しく解説しています
⇒地方で「採用できない」と悩む企業が求人を成功させる4つの方法
①採用課題・ターゲットの明確化
自社が抱えている採用課題を整理したうえで、ターゲットを明確にします。
ターゲットを明確にすることで、求人に盛り込むアピールポイントやアプローチの仕方が定まり、自社が本当に採用したい人材に情報を届けられるようになるためです。
例えば、ブランディングや認知度アップを強化したいのであれば、「マーケティングに詳しい」などいくつかの条件を挙げながら、ターゲットを明確にしていきます。
ここで明確にしたターゲットに沿って、以降の採用活動を進めるため、地方採用の結果を左右すると言っても過言ではありません。
②自社の魅力を伝える施策の実施
自社の魅力を求職者に伝えるために、独自の工夫をすることも欠かせません。
近年は求職者1人に対する求人数が多い、いわゆる売り手市場の状態が続いているので、他社との差別化を図らないと、地方採用は成功しない可能性が高いためです。
代表的な施策として挙げられるのは、採用動画や写真、社員インタビューなどの掲載です。
自社のリアルな情報を伝えられれば、求職者の入社意欲を高めるとともに、「その会社が自分に合っているか」を事前に判断しやすくなるため、ミスマッチを防止することも可能です。
③U・Iターン人材へのアプローチ
まずは、就職・転職におけるUターンとIターンの言葉の意味を解説します。
・Uターン:進学や就職などで都市部に移った後、地元の地方に戻って就職すること ・Iターン:都市部で生まれ育った人が、地方に移って就職すること |
U・Iターン人材の多くは、「地元が好きだから力になりたい」「地方に住んでみたい」というように、地方への就職・転職に対してポジティブな意識を持っています。
そのため、企業からアプローチをかけた場合に、前向きに検討してくれることが期待できるでしょう。
最近は、U・Iターン希望者を対象とした求人サイトや説明会なども増えています。
自社のエリアを対象とするサイトやイベントが行われていないかを、一度確認することもおすすめです。
④副業・兼業としての募集・採用
正社員に限定するのではなく、副業や兼業として参画してくれる人材を探すこともポイントです。
最近は、副業・兼業に対するビジネスマンの興味関心が強くなっています。
地方企業であっても、遠方の優秀な人材に、リモートや月数回の出社で関わってもらうことが可能です。
副業・兼業として募集する場合、アルバイトやパートだけでなく、業務委託として参画してもらうことも視野に入れましょう。
例えば「SNS集客を強化したい!」と考えているのであれば、SNS運用やマーケティングに強みを持つ人材を業務委託で雇用すれば、ニーズを満たせる場合があります。
特に、専門性が求められる業務は、業務委託が効果的な場合が多いです。
自社の業務を細分化したうえで、必要な業務だけ外部の人材に委託することも検討してみてください。
⑤求職者に安心感を与える工夫
地方企業への就職に興味があっても、「馴染めるだろうか」「スキルや経験をうまく生かせるだろうか」のように不安を抱えている人は少なくありません。
安心感を与えて悩みを解消してもらうことで、応募につながる可能性はぐんと高まります。
「移住支援制度を用意する」「相談窓口を設置する」「面接時に不安をヒアリングする」など、自社にできる工夫を考えてみましょう。
⑥オンラインの環境整備
Webで面接やカジュアル面談をする場合、オンライン環境が整っているかどうかが、成功に大きく影響します。
ツールや環境を整備したつもりでも、音声が乱れたり、回線が途中で切れたり、何かしらのトラブルが起きることは珍しくありません。
社内で何度かロープレをするなど、トラブル防止のために事前の準備を徹底することが大切です。
Indeedは地方採用にも使える理由
求人サイト「Indeed」は、地方採用においても高い効果を発揮します。
ここでは、地方採用にIndeedが効果的な理由を解説します。
日本全国どこからでも掲載できる
Indeedはインターネット上で利用するサービスなので、全国どこにいても求人を掲載でき、かつ、その求人が全国の求職者から見られます。
地方採用において企業が悩みやすいのが、知名度が低く、地元以外の人材に知られる機会が少ないこと。Indeedであれば、それらの弱点をカバーすることが可能です。
SEOが強く上位表示される
IndeedはSEOに強く、多くの場合、Googleの検索結果画面において一番上に表示されることが特徴です(スポンサーサイトは除く)。
例えば、Googleで「東京都 事務」と検索すると、検索者の目にすぐ留まる位置に、該当する求人が表示されます。
特に「地名」+「雇用形態」または「地名」+「職種」で検索した場合に上位表示されやすい傾向にあります。
そのため、地名や雇用形態、職種について明確に記載することで、求職者に見てもらえる可能性が高まるでしょう。
※IndeedがなぜSEOに強いのか、下記の記事でも解説しています。
⇒IndeedがなぜSEOに強いのか?3つの理由から徹底解説
クリック課金型なので費用対効果が良い
Indeedには、自社求人の露出度を高める有料掲載プランがあり、料金体系はクリック課金型です。
クリック課金型とは、求職者が求人をクリックした段階で料金が発生する仕組みで、余計なコストが増えません。
地方採用では、最初は求人の閲覧数が伸びない場合もありますが、クリック課金型では、求職者に求人を見てもらえるまでは費用が発生しないため安心です。
※Indeedの掲載料や無料・有料広告の違いについて、下記の記事で解説しています。
⇒インディード(Indeed)の掲載料、無料・有料プランを徹底比較!
複数事業所を持つ企業でも使用可能である
地方採用を考えている企業の中には、複数の事業所を持っており、場合によってはいくつかの都道府県をまたいで多店舗展開していることも多いでしょう。
一般的な求人媒体では、掲載求人数やエリアごとにプランが決められているので、複数事業所を持つ場合は料金がかさみます。
しかしIndeedでは、掲載できる求人数やエリアに縛りがないため、複数エリアをまたいで採用活動を進めたい場合にも効果的です。
まとめ
地方採用を成功させるための手段はひとつではなく、本記事で紹介したように多種多様なアプローチがあります。
大切なのは、自社がいま抱えている課題や、置かれている状況を踏まえて、効果的な採用手法を選択することです。
まずは一度、自社の現状を分析したうえで、どのように地方採用を進めたら良いかを整理してみてください。
地方への就職・転職に目を向けている求職者は少なくありません。
一つひとつのステップを丁寧に進めれば、地方採用はきっと成功するはずです。
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