地方で「採用できない」と悩む企業が求人を成功させる4つの方法

地方の風景

地方で採用がうまく行かない悩みを抱えている企業はどのように採用活動に取り組めばいいのでしょうか。広告予算を増やせばいいのか?待遇を良くすればいいのか?ことはそう単純ではないようです。地方における求職者の動きのデータから、地方の採用を成功させるために何が必要か探っていきます。

地方の採用が困難な理由

地方の採用が困難な理由は何でしょうか。人口や求人数のデータから分析してみます。

人口当たりの求人件数は地方間ではそこまで大きく変わらない

野村総合研究所による2017年の調査によると、全国平均で人口1000人当たりでは24件の求人があることがわかっています。

東京都は40件と突出していますが、東京以外に目を向けると岐阜県、滋賀県が30件前後で2番手につけています。最も求人数が少ないのが青森県、秋田県で13件程度ですが、その他の県では20〜25件程度となっており、地方間の極端な差は少ないのです。

求人当たりの応募件数は大きな格差が

次に同上の調査において、求人当たりの応募件数で比較してみると、地方によって大きな格差があることがわかりました。東京都は1つの求人に対して2件の応募があるのに対して、ほとんどの地域は1件未満の応募数です。

富山県、高知県、福井県、香川県、山形県、岩手県、佐賀県、徳島県、秋田県、愛媛県は採用が困難な都道府県トップ10です。求人当たりの応募数は0.5件にも達しません。

東京都はハローワークの調査をもとに発表されている有効求人倍率では1位で、採用が難しい自治体というイメージがあります。しかし、求人当たりの応募件数を見ると46位であり、全国で2番目に採用しやすい自治体という結果になりました。ちなみに全国で最も採用しやすい自治体は大阪府です。

地方は仕事を探している人が少ないのか

ここまで一旦整理すると「地方間では求人数自体にそこまで大差ない」「求人当たりの応募数には大きな隔たりがある」ことがわかりました。つまり地方にも求人はあるが、応募者が少ないことによって採用が困難になっていると言えるでしょう。しかし、応募者が少ない=求職者が少ないとは言えないようです。

2015年の総務省の各都道府県別の人口転入、転出数の調査を見てみます。採用困難な自治体首位の富山県は20〜24歳の転出者数は3105人、転入者は2333人となっており、求人市場の主役である若年層の流出が著しいことがわかります。

しかし、転出者と転入者の実数の差は年齢が上がるほど縮まっていきます。富山県の場合、25〜29歳の転出者数は2274人、転入者数は1689人。さらに30〜34歳では転出者が1593人、転入者が1246人とほとんど差がなくなりました。

もちろんそれでも流出する人口の方が多く、特に若年層の不足が深刻なのは確かです。

地方の中高年層の転入者は求職市場を構成する一つの要素です。転勤組やフリーランス、トレーダーなどの求職活動が必要ない層もいるかもしれませんが、地方にも仕事を探している人はいるはずです。

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地方の企業が求人活動を成功させる4つの方法

ここまでのデータから導き出せる地方の企業が求人活動を成功させる方法をご紹介します。鍵は地方に来る前に採用してしまうことと、柔軟な勤務体系、そして地方ならではの良さをアピールすることです。

地方の会社だからこそ全国に向けて求人を出す

新たに土地に来た人がその土地で仕事を探すのは自然なことですが、転入者の数が小さい地方が移住後に求職者の取り合いをするのは勝ち目が薄いです。むしろ全国に向けて求人を打つことで、Uターン・Iターン・Jターン転職を考えている人を先に囲い込むことができます。

即戦力の30代・40代をターゲットに

若年層の採用は待遇面でコストが抑えられますが、採用の競争は熾烈です。むしろ30代・40代に対して他の地元企業よりも条件のいい待遇の求人を出すことで、採用に繋がりやすく採用後の教育コストを抑えることができます。転入者の多くが大都市圏からというデータもあるため、有能な人材の獲得にも繋がりやすいでしょう。

専業主婦や60代以上もターゲットに

これまで求職市場に現れてこなかった専業主婦や60代以上も潜在的な求職者です。特に他地域から転居してきたファミリー層の場合、結婚前は社会人として働いていた女性が実は多く、柔軟な働き方さえ可能なら低コストな即戦力として雇用可能なケースがあります。週3日勤務や時短勤務などで能力を短時間で発揮してもらうという雇い方も一つの選択肢です。これは60代以上のシニア層にもいえます。

地方の良さをアピールする

都市部で生活している層に地方の暮らしやすさをアピールすることによって、採用につなげるのも有効な方法です。移住支援制度を用意する、自然が多い環境で子育て世代にアピールする、気候的な過ごしやすさや食べ物の美味しさなど、地方に移住したいと思ってもらうことが大切です。自治体によっては行政が行う地方創生との取り組みとの連携も視野に入れて、採用活動を行いましょう。

まとめ

地方の人材不足を解消するためには、むしろ全国の求職者に目を向けること、これまで対象としていなかった層の獲得を考えることが重要です。

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<参考文献>
梅屋真一郎(2018)『雇用ビッグデータが地方を変える』中央公論新社.

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