採用面接を行う際には、「評価項目」と「評価基準」を可視化した面接評価シートを用意することをおすすめします。面接評価シートは、面接官が自社の要件に合致した人材を見極め、応募者を客観的かつ正確に評価するための重要な物差しです。
採用面接で最も大切なのは、応募者を客観的かつ正確に評価することです。求める人物像や採用の評価基準が曖昧なままだと、面接官の経験や主観に引っ張られて評価がブレやすく、採用ミスマッチが起きやすくなります。
採用のミスマッチを防ぎ最適な人材を獲得するためには、求める人物像を明確にし、面接官が客観的に応募者を判断するための評価シート(基準)を用意することが重要です。本記事では、面接評価シート作成のメリットやポイント、作り方に加え、Excel運用で起きがちなつまずきと運用ルールまで整理して解説します。最後に、すぐ使える面接評価シートのサンプルもダウンロードできます。
面接評価シート(サンプル)をすぐ使いたい方へ
- 評価項目・基準を統一して、面接官のブレを減らす
- 評価の入力→回収→共有→比較→合否連絡まで流れを作ると、ミスマッチが減る
テンプレだけで終わらせず、評価入力・共有・履歴管理まで一気通貫で運用したい場合は、採用係長(無料トライアル)で「評価入力→共有→意思決定→合否連絡」までの流れをまとめて確認できます。
目次
面接評価シートの基本(評価項目と評価基準)
面接評価シートは、面接官ごとの主観や経験に左右されがちな評価を、共通の軸で比較できるようにするためのツールです。ポイントは「評価項目(何を見るか)」と「評価基準(どう判断するか)」をセットで用意することです。
- 評価項目:応募者のどの要素を評価するか(例:志望動機、主体性、課題発見力など)
- 評価基準:項目ごとに、どの状態を合格/不合格(または点数)とするかの判断ルール
面接官のブレを減らすには、評価項目を並べるだけでなく、段階ごとの判断基準を文章で揃えることが重要です。
面接評価シートを導入するメリット
面接評価シートを導入すると、評価の一貫性が高まり、採用の意思決定が速くなります。主なメリットは次のとおりです。
- 求める人物像について、面接官全員の認識を合わせられる
- 面接官の主観に偏りにくくなり、応募者を客観的に評価しやすい
- 面接がスムーズに進行する(聞くべきことが整理される)
- 履歴書や職務経歴書では見えない人柄・行動を可視化できる
- 面接の記録が残り、振り返り・改善に活かせる
面接評価シート作成のポイント
面接評価シートを作成するときは、面接官ごとに評価するポイントがずれないよう、「求める人物像」の認識を合わせ、評価基準を明確にしておく必要があります。面接官全員が公正に応募者を評価し、採用の合否を判断できるように「評価項目」と「評価基準」を設定しましょう。
採用基準そのものの設計については、以下の記事で解説しています。
⇒採用基準の作り方は?|マッチする人材見極めと定着のポイント
1. 求める人物像を明確にする
はじめに、採用したいポジションにマッチする「求める人物像」を明確にします。面接官や管理職だけでなく、配属先のメンバーや現場のキーパーソンにもヒアリングして、必要な素養・優先条件を言語化しましょう。
求める人物像(ペルソナ)の設定については、以下の記事で解説しています。
⇒採用ミスマッチを回避!ペルソナを活かした求人票の作り方とは?
2. 評価項目を可視化し、優先順位をつける
次に、「求める人物像」に必要な素養や優先条件を評価項目として一覧化します。さらに、「会社として特に重視すること」や「募集職種で必ず必要な素養」など、項目に優先順位をつけて面接評価シートに反映しましょう。
3. 評価基準を段階化し、文章で定義する
評価項目が決まったら評価基準を設定します。重要なのは、面接官全員が共通認識をもって判定できることです。一般的には3段階または5段階の評価を用い、段階ごとの基準を文章で揃えるとブレを減らせます。
面接の評価・点数の付け方(方式の選び方)
面接の評価・点数の付け方は、主に「加点方式・減点方式」と「段階評価」の2種類があります。自社の面接体制や選考段階に応じて決めるのがおすすめです。
加点方式・減点方式で付ける
【加点方式】
0点から点数を加算していく方式。候補者の良い部分や基準を満たしている部分に焦点を当てて評価します。
【減点方式】
100点から点数を引いていく方式。候補者の欠点や基準を満たしていない部分に焦点を当てて評価します。
減点方式はネガティブ要素探しになりやすく、消去法の採用になったり、面接の雰囲気が圧迫的になったりする場合があります。迷った場合は、候補者の強みを見つけやすい加点方式が運用しやすいことが多いです。
段階評価で付ける
段階評価とは、段階的な評価基準を設ける方式です。
- 「良い・普通・良くない」の3段階
- 「当てはまる・やや当てはまる・どちらともいえない・やや当てはまらない・当てはまらない」の5段階
- 数字(1~5など)やアルファベット(A~Eなど)
一次面接では足切りが必要になる場合もあるため、「何点未満を足切りにするか」「この項目が最低点だと不合格」のように基準を明確にしておくと判断がぶれにくくなります。点数が並ぶ場合の決め方(優先項目・必須項目・最終判断者)も事前に決めておくと運用が安定します。
Excel運用でよくあるつまずき(CVにつながる“次の悩み”)
面接評価シートはExcelで始めやすい一方で、運用が進むほど次のようなつまずきが起きがちです。
- 面接官ごとに評価がバラバラで比較できない(基準の文章定義がない)
- 評価の回収・集計に時間がかかる(送付漏れ、締切遅れが起きる)
- 面接メモが散らばって、後から振り返れない(履歴が残らない)
- 誰がいつ入力するかが曖昧で、意思決定が遅れる
- 合否連絡までの後工程(メール/電話)が属人化して漏れが出る
テンプレを用意するだけでは、運用のボトルネックが残り続けます。次章で、面接評価の品質とスピードを両立するための運用ルールを整理します。
面接評価シートの運用ルール(入力・共有・すり合わせ・履歴管理)
面接評価のブレやミスマッチを減らすには、評価シートそのものよりも「いつ」「誰が」「どの粒度で」「どう共有するか」を決めることが重要です。ここでは実務で効く運用ルールの型を紹介します。
1. 入力タイミングを固定する(面接直後・当日中)
- 原則:面接直後(できれば30分以内)に一次記録
- 遅くとも:当日中に点数とコメントを確定
- 複数面接官の場合:すり合わせ前に各自で個別入力(先に話すと同調が起きやすい)
2. 「事実(発言・行動)」と「解釈(評価)」を分けて記録する
後で振り返ったときに判断がぶれないよう、面接メモは「事実」と「評価」を分けます。
- 事実:候補者の発言・行動(具体的なエピソード、数字、言い回し)
- 評価:基準に照らした判定(なぜその点数なのか)
3. 評価項目の定義をそろえる(例:コミュ力・主体性)
抽象度が高い項目は、面接官によって解釈がずれやすいです。項目ごとに「何を見れば高評価なのか」を定義します。
- コミュニケーション能力:結論→根拠→具体例の順で説明できる、質問意図を理解してズレずに回答できる、相手の前提を確認できる
- 主体性:自分で課題を見つけて行動した経験がある、関係者を巻き込んだ、結果と学びを言語化できる
- 課題発見力:現状と理想のギャップを言語化できる、仮説を立てて検証した経験がある
4. すり合わせ(フィードバック)の型を決める
面接官ごとの評価差を吸収するには、短時間のすり合わせが効果的です。
- 面接後:10〜15分で差分だけ確認(全項目を議論しない)
- 見る順番:必須項目 → 大きく点数が割れた項目 → 懸念点
- 結論:次工程(次面接/課題/内定)に必要な追加確認を決める
5. 足切りルール・必須条件を先に決める
評価が悩ましいケースでは、「最低限これができないと不合格」という必須条件が曖昧なことが多いです。次のようにルール化すると判断が速くなります。
- 必須項目(例:誠実性、基本的なコミュ力、職務の前提条件)で最低評価の場合は不合格
- 総合点よりも優先する項目(例:価値観の一致、学習姿勢)を定める
- 点数が並ぶ場合の決め方(最終判断者、優先項目、追加面接の条件)を定める
6. 履歴を残し、次回採用に活かす
面接記録は「その採用」のためだけでなく、次回の採用改善にも活きます。
- 評価シートを候補者ごとに一元管理する
- 入社後の活躍と面接評価を照合し、評価項目・基準を更新する
- 不採用理由の傾向を集計し、求人票や選考設計に反映する
面接評価の運用(入力・共有・比較・履歴管理)まで一気通貫で進めたい場合は、採用係長(無料トライアル)で、面接評価の記録・共有・可視化の流れを実際に試してみるのがスムーズです。
面接評価シートに入れたい項目・基準(基本セット)
面接評価シート導入の目的は、面接官同士で「評価基準」に基づいた客観的な議論を成立させることです。面接評価シートは、面接官全員の評価の目線を合わせるためのものです。なぜこの項目が必要なのか、なぜこの項目が優先事項なのかなど、意図や目的を共有したうえで運用しましょう。
- 応募者情報
- 身だしなみ(マナー・第一印象)
- 視線・表情(マナー・第一印象)
- 話し方や声の大きさ
- 志望動機
- 自己PR
- 成功体験
- 失敗体験
- 主体性
- 行動力
- 課題発見力
- コミュニケーション能力
- 向上心
- ストレス耐性
- 面接官コメント記入欄(事実/評価を分けると運用しやすい)
- 合否欄(足切り条件・必須条件のチェック欄があると便利)
面接の段階別にみる評価基準・項目
評価基準は面接段階によって変わります。一次面接・二次面接・三次面接の3段階について、特に入れたほうがよい評価基準・項目を紹介します。
一次面接の評価基準(基本・人柄・コミュニケーション)
- 身だしなみ(マナー・第一印象)
- 視線・表情(マナー・第一印象)
- 話し方や声の大きさ
- 志望動機
- 向上心
一次面接では基本的なマナーや人柄、社風とのマッチ度などを確認するケースが多いです。コミュニケーション能力や仕事に対する姿勢を確認できる評価基準がおすすめです。
二次面接の評価基準(実務適性・再現性)
- 自己PR
- 成功体験
- 失敗体験
- 主体性
- 行動力
- 課題発見力
- ストレス耐性
二次面接では現場担当者が面接官を務め、一次面接より実践的な内容を問います。「入社後に活躍できるか」を具体的にイメージできるよう、経験やスキルを業務と照らし合わせて深掘りするとよいでしょう。
三次面接の評価基準(意欲・価値観・理念適合)
- 入社意欲の高さ
- 社風や企業理念との合致度
三次面接は役員クラスが面接官になるケースも多く、最終的な意思決定に直結します。この段階では「入社意欲の高さ」が重要です。内定辞退や早期離職を防ぐためにも、一次面接からの発言内容の一貫性や、入社にあたっての思い・熱意を確認しましょう。
職種別の評価項目例(差分を作ると運用が安定する)
面接評価シートの項目は共通化しつつ、職種ごとに最低限の差分を用意すると評価がぶれにくくなります。ここでは例として、営業・事務・エンジニアの項目例を紹介します。
営業職の項目例
- 課題把握力(顧客の課題を言語化できるか)
- 提案力(解決策を構造的に説明できるか)
- 関係構築力(信頼獲得のプロセスが語れるか)
- 数値への意識(KPI管理・改善の経験があるか)
- 粘り強さ(失注・失敗からの改善が語れるか)
事務職の項目例
- 正確性(ミスを減らす工夫・再発防止があるか)
- 段取り力(優先順位付け・締切管理の習慣があるか)
- 報連相(状況共有・確認のタイミングが適切か)
- 対人調整力(社内外調整の経験が語れるか)
- 改善意識(業務効率化の提案・実行があるか)
エンジニア職の項目例
- 問題解決力(切り分け・仮説検証の進め方が語れるか)
- 品質意識(テスト、レビュー、運用を意識しているか)
- 学習力(新技術のキャッチアップ、アウトプット習慣)
- 協働力(仕様調整、関係者との合意形成の経験)
- 成果の再現性(どのように成果を出したか説明できるか)
面接評価シートのサンプル
Excel運用でよくあるつまずき
- 面接官ごとに評価がバラバラで比較できない
- 評価の回収・集計に時間がかかる(送付漏れも起きる)
- 面接メモが散らばって、後から振り返れない
面接評価を「記録 → 共有 → 可視化」まで一気にやるなら、面接評価テンプレ・質問テンプレも使える採用管理の仕組みが便利です。
下記に、「身だしなみ」や「コミュニケーション能力」といった必須項目を記載した面接評価シートのサンプルを掲載します。面接シートに盛り込む評価項目は自社の求める人材像によって異なりますので、サンプルを活用して自社オリジナルの面接評価シートを作成してください。
サンプル(ファイル)のダウンロードはこちらから
⇒面接評価シート(サンプル)ダウンロード
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合否連絡までの後工程もテンプレ化すると漏れが減る
面接評価が固まったら、次は合否連絡です。合否連絡はメール・電話ともに文面やルールが属人化すると、連絡漏れや対応品質のばらつきが起きやすくなります。評価→意思決定→連絡までを一連のフローとして整えることで、採用業務全体が安定します。
- 合否連絡(電話)の流れや例文:電話連絡(合否連絡)の例文・注意点
- 面接日程調整・合否連絡メールの文例:採用メールテンプレ集
Web面接(オンライン面接)の場合に気をつけたい評価ポイント
Web面接は対面と比べて、非言語情報が取りづらかったり、通信環境で印象が左右されたりしやすい特徴があります。評価基準を揃えるためにも、オンライン面接ならではの注意点を押さえておくと安心です。
Web面接の進め方や評価の注意点は、以下の記事も参考になります。
⇒Web面接の進め方・注意点
よくある質問(FAQ)
面接評価シートは何段階評価がよい?
一次面接は足切りが必要になることが多いため、3段階または5段階が運用しやすいです。重要なのは、段階ごとの基準を文章で統一し、面接官全員が同じ解釈で評価できる状態にすることです。
面接官ごとの評価のブレを減らすには?
評価項目の定義を明文化し、評価例(合格/不合格の具体例)を共有することが効果的です。さらに、面接後に短時間で差分を確認するすり合わせ(10〜15分)を行うと、判断の納得感が高まりやすくなります。
面接評価は加点方式と減点方式どちらが良い?
候補者の強みを見つけやすい加点方式は、ミスマッチ低減や納得感のある意思決定につながりやすいです。一方で、職種や採用方針によっては減点方式が合うケースもあるため、自社の評価文化や選考段階に合わせて選ぶのがよいでしょう。
面接メモはいつ、どの粒度で残すべき?
面接直後(できれば30分以内)に一次記録し、遅くとも当日中に点数とコメントを確定するのがおすすめです。記録は「事実(発言・行動)」と「評価(解釈)」を分けて残すと、後で見返しても判断がぶれにくくなります。
面接評価の集計を効率化する方法は?
テンプレの統一に加えて、評価の回収・共有・可視化ができる仕組み(ATSなど)を使うと工数と漏れを大きく減らせます。候補者ごとの履歴管理も一元化できるため、判断のスピードと再現性が上がります。
まとめ
面接評価シートは、面接官の評価の目線を揃え、採用ミスマッチを減らすための重要な仕組みです。評価項目と評価基準をセットで整え、段階ごとの判断基準を文章で統一すると、評価のブレが減ります。
また、テンプレを用意するだけではなく、「入力タイミング」「すり合わせ」「履歴管理」「合否連絡」まで運用ルールを決めて回すことで、採用の意思決定が速くなり、採用業務全体が安定します。
面接評価の運用(記録・共有・可視化)まで一気通貫で試したい方は、採用係長(無料トライアル)で、面接評価の流れをまとめて確認できます。
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