採用活動を成功させるうえで重要な役割を担う「面接官」。
面接官としての立場をまっとうするには、「具体的にどのような役割を担うのか」「どのような心構えで臨むべきなのか」などを整理して、事前準備を徹底することが大切です。
採用活動において「面接官=自社の顔」です。
企業を代表する立場として応募者と面接をして、「この会社で働きたい」と思ってもらえるような対応をしましょう。
今回は、面接官として知っておきたい役割や心構え、必要な準備などを紹介します!
目次
そもそも面接官とは?
面接官とは、採用プロセスにおいて求職者と対話しながら、採用基準に合致するかどうかを見極める立場の人です。
誰が面接官を担うかは採用戦略や面接の段階によってさまざまですが、人事担当者や現場担当者が多い傾向にあります。
面接官は、応募者にとって企業の顔となる存在です。
応募者からすると「面接官への印象=企業への印象」になるため、責任の大きい役割であり、どれだけ好印象を与えられるかが入社意欲の向上につながります。
最近はSNSや就活情報サイトで企業の情報が掲載されることがあります。
仮に採用に至らなかったとしても、応募者に寄り添った対応をすることで良い情報が広がり、将来的な応募者の増加につながる場合もあるでしょう。
そういった意味でも、面接官は今後の企業成長に大きな影響をもたらす存在です。
面接官の果たすべき役割
採用活動を成功させるうえで、面接官はもっとも重要な役割を担うといっても過言ではありません。
特に大切な2つの役割について解説します。
自社とマッチする人材を見極める
面接官の主な役割の一つは「自社の文化や価値観に合った人材を選定すること」です。
経歴やスキルだけでなく、その人のパーソナリティや価値観が企業とマッチするかどうかを見極めることが求められます。
自社とマッチする人材は、入社後スムーズに馴染めるうえに、長期的に活躍してくれることが期待できます。
近年は「転職」が当たり前になってきているため、「この会社と合わない」と感じた社員は、入社してもすぐに離職する可能性があります。結果として、また採用活動を始めることになり、コストや労力だけが増えるのです。
企業が安定した成長を遂げるためにも、マッチする人材の見極めが大切です。
自社の魅力をアピールする
「応募者に自社の魅力を伝えること」も面接官の重要な役割です。
求職者優位になっている近年の採用市場では、自社に引き付けるために、企業の強みや特徴を伝えることが不可欠です。
他社にはない独自の魅力を伝えて、入社意欲を高めましょう。
自社に魅力を認識してもらうために、面接で応募者に質問する方法もあります。
「当社の魅力としてどのような点がありますか?」「当社と他社の違いは?」など、応募者に自社の価値を説明する質問を盛り込みましょう。
優秀な面接官の特徴
自らの役割をしっかりと遂行する優秀な面接官には、いくつかの共通項があります。
そこで、優秀な面接官の特徴をいくつか紹介します。
言葉の使い方に優れている
適切な言葉を選びながら質問やコメントを行えることが特徴です。
明確で分かりやすい表現を使い、応募者と円滑なコミュニケーションを図ることができます。
また、過度な専門用語を避け、分野に関わらず理解しやすい言葉を使うことも大切です。
面接官の発言内容が伝わらないと、応募者にとってストレスになったり、認識齟齬が発生したりします。
応募者に自己開示ができる
優秀な面接官は、自分自身についても適度に話すことができます。これにより、応募者との共感や信頼が生まれ、面接が対話的な雰囲気で進行するためです。
逆に面接官の自己開示がないと、一方的に質問をするような構図になり、圧迫感が出てしまう可能性があります。
自己開示の方法としては、アイスブレイクのあとに、氏名や担当業務、入社からのエピソード、趣味などを話すことが一般的です。
応募者の自己紹介を踏まえて、共通の話題を挙げることもおすすめです。
関心を持ち、応募者への問いが浮かびやすい
応募者一人ひとりに関心を持ち、その話に真剣に耳を傾けます。
そのため、「ここが気になる」「ここをもっと知りたい」など、次々と質問が浮かんできて、かつそれらの質問を適切なタイミングで行うことが可能です。
結果的に、応募者のことが深掘りされ、本質や適性を把握できます。
また、たくさんの質問をしてもらうことで、応募者は「この企業は自分に興味を持ってくれている」と入社意欲を高めることもあるでしょう。
応募者を見ながら質問内容を調整できる
応募者の反応や表情を観察しながら、質問内容を臨機応変に調整できます。
応募者にとって、面接は今後の人生を左右するかもしれない場面。緊張や不安などが顔や態度に現れ、満足に話せないことがあります。
面接官は、そういった応募者の状況に合わせたアプローチが求められるのです。
企業の顔であることを理解している
優秀な面接官は、自らが「企業の顔」となる存在であることを理解しています。
面接官とのやり取りを通して企業の印象が決まるため、礼儀正しさや尊重の念を持って接することが重要です。
企業文化や価値観を体現し、応募者に良い印象を与えることを心がけましょう。
注意すべきなのが、面接の途中で「この応募者は自社に合わないかもしれない」などと感じた場合。
企業の良くない情報は瞬く間に広がるものですし、何より、応募者は数ある企業の中から自社を選んで面接に来てくれています。内定の可能性が低くても、最後まで丁寧に接しましょう。
面接官が自社にマッチする人材を見抜くためのポイント
自社に合う人材を見極めるには、いくつかのポイントがあります。
「どのような視点が重要か」を事前に整理して、面接時に意識してみましょう。
ここでは、「新卒採用」と「中途採用」に分けて、面接時にチェックするポイントを紹介します。
新卒採用面接の場合のポイント
新卒採用では、下記のポイントを意識すると良いでしょう。
- 仕事に対して意欲や熱意があるか
- 自己成長に対する意欲があるか
- 自社の仕事への適性があるか
- 適切なコミュニケーション能力があるか
- 自社の雰囲気と合うか など
新卒採用の場合は、仕事の経験がないため、普段の考え方や学生時代の経験などからポテンシャルを見極める必要があります。
また、新卒採用で入社した人材は、自社で育成することが前提です。
つまり、探求心や意欲など、自らの成長のために前向きに仕事に取り組めるかが重要になります。
自社の雰囲気とのマッチ度をチェックすることもポイントです。
新卒入社の従業員にとって、最初に勤めるその職場での経験は、価値観の形成に大きく影響します。「仕事が楽しい」と思ってもらうためにも、雰囲気が合う職場で働くことが大切なのです。
中途採用面接の場合のポイント
中途採用の面接では、新卒採用と異なるポイントを見る必要があります。
- 前職での成果
- 自社について理解していて、志望動機が明確であるか
- 入社後のキャリアプランが具体的かどうか
- 過去に困難な場面に直面したとき、どのように解決したか
- チームプレーができるかどうか
中途採用の場合は、基本的に前職での経験や成果をもとに、能力や素質を探ります。
ある程度キャリアを積んできている人材であれば、今後のキャリアプランが明確かどうかも確認しましょう。
展望が明確であるほど、目標に向かって意欲的に就業してくれる可能性があります。
また、中途採用者を即戦力として期待する企業は多いはず。能力はもちろん、周りと協力して仕事に取り組む姿勢があるかどうかもポイントです。
面接官が面接を行う前に行うべき準備
面接官としての役割を果たすには、事前準備の徹底が重要です。
ここでは、面接官が面接前に行うべき準備をいくつか紹介します。
求める人物像を明確にする
採用活動を始める前にまずすることが、「採用したい人物像の明確化」です。
求めるスキルや経験、適性など、採用するポジションに必要な要素を整理し、採用基準を明確に定めます。
面接官が人間である以上、好みや相性が採用に反映されてしまう可能性があります。
人物像が明確であるほど、応募者の評価に一貫性が生まれ、最適な人材を採用することが可能です。
面接のスキルを磨く
面接という短い時間の中で、応募者について見極めるのは簡単なことではありません。
優れた面接官になるためには、面接スキルを磨くことが必須です。
適切な質問の仕方やコミュニケーションテクニックを学び、本質を引き出す能力を高めることで、応募者から有益な情報を得られます。
自分の対応を客観視するために、日常的にロープレをしてフィードバックをもらうことも必要です。
事業内容の説明ができるようにする
面接では、応募者に質問するだけでなく、自社の情報についても伝えます。
また、応募者からの質問や疑問に対して、的確に答えることが求められます。
そのため、自社の事業内容や展望について十分な知識を持ち、応募者に対して説明できるようにしておくことが重要です。
日頃自分が関わっている事業でも、いざ説明するとなると言葉がスムーズに出ないもの。
「大丈夫だろう」と思っている場合でも、一度説明の仕方を整理してみることがおすすめです。
質問の回答を用意しておく
応募者からの質問に対して、適切で具体的な回答を用意しておくことも重要です。
採用プロセスや職務内容、チーム環境など、応募者はさまざまな事柄が気になります。
応募者の疑問や不安に対して適切な回答ができないと、不信感を抱かれたり、ストレスを感じさせてしまったりするでしょう。
逆に質問に対して柔軟に情報を提供できれば、応募者の疑問や不安を解消し、信頼関係を築くことが可能です。
最終面接の担当者と基準をすり合わせる
最終面接を担当する人事担当者や上司と事前にコミュニケーションを取り、採用の基準や重要なポイントをすり合わせましょう。
基準が共有されていないと、最終面接で理想的な人材を逃してしまうことも……。
最後の最後に最良の選択をするためにも、面接官の間で意思疎通を図り、判断基準を明確にすることが求められます。
※こちらの記事では、面接前の準備についてより具体的に解説しています
→【人事担当者必見】面接の事前準備に必要な7つのポイント
採用面接で聞いておくべき質問例
採用面接での質問内容に「答え」はありません。応募者の本質を知るために、企業ごとに最適な質問を考える必要があります。
とはいえ、質問内容を定めるのは簡単な作業ではありませんよね。
そこで、多くの企業が面接で取り入れている基本的な質問を紹介します。
- 自己紹介
- 転職理由
- 志望動機
- 自己PR
- 素質やスキルに関する質問
- 自己理解・自己認識に関する質問
- 協調性・チームワークに関する質問
- 意欲に関する質問
- 性格や価値観に関する質問
- 応募者からの逆質問
上記をベースに、自社ならではの質問を構築すると良いでしょう。
なお、下記の記事では、質問の仕方について具体例を挙げながら解説しています。
→採用面接の質問方法・内容は?【質問例10選】面接官必見の人材の見極め方を解説!
質問をする上での禁止事項
厚生労働省では、採用活動において、下記の項目を就職差別につながる恐れのある「配慮すべき事項」として挙げています。
ふとしたときに話題にしてしまいそうな内容もあるため、十分に注意してください。
【本人に責任のない事項】
- 本籍や出生地に関すること
- 家族に関すること
- 間取りや近隣施設など住宅状況に関すること
- 生活環境や家庭環境に関すること
【本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)】
- 宗教に関すること
- 支持政党に関すること
- 人生観や生活信条に関すること
- 尊敬する人物に関すること
- 思想に関すること
- 労働組合や学生運動などの社会運動に関すること
- 購読新聞や雑誌、愛読書に関すること
【採用選考の方法】
- 身分調査などの実施
- 本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用
- 合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施
(出典:公正な採用選考の基本)
※下記の記事では、採用面接でNGな質問例について解説しています
→採用面接の質問方法・内容は?【質問例10選】面接官必見の人材の見極め方を解説!
採用面接を実施する際の注意点
「絶対に」というわけではありませんが、注意点として下記のポイントを意識しておくことがおすすめです。
- 応募者が話しやすくなる環境をつくる
- プライバシーに関わる質問をしない
- 企業側が「応募者に選ばれる立場」である意識を持つ
プライバシーな質問とは、例えば「結婚する予定はありますか?」「パートナーとの関係は良好ですか?」というような、採用と関係のない踏み込み過ぎた質問です。
会話が弾むとうっかり聞いてしまいそうになることもあるので注意しましょう。
また、忘れてしまいがちなのが「企業は応募者に選ばれる側でもある」という意識を持つことです。
近年は、求職者1人に対して求人のほうが多い、「売り手市場」の状況が続いています。企業が「選ぶ側」という意識を持つと、態度が大柄になったり、対応がおざなりになったりして、応募者が「他社にしよう」と思ってしまうかもしれません。
企業・応募者の双方が納得したうえで、理想的な採用を実現させるために、「自分たちは選ばれる立場」という意識を持つことが大切です。
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まとめ
面接官の言動一つひとつが、応募者に何かしらの影響をもたらします。
採用面接において責任が大きい面接官ですが、その分、やりがいも大きい仕事です。
それに、事前準備さえ徹底すれば、応募者との面接は楽しいもの。準備万端で面接当日を迎え、理想的な人材を引き付けてくださいね。
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