近年、求人メディアのひとつの形態として注目を集めているのが「アグリゲーションサイト」です。
有名どころだと「求人ボックス」や「スタンバイ」がこれに該当し、インターネット上の求人情報をサイト上に集約・掲載しています。
採用に悩む企業にとっても、アグリゲーションサイトの活用が成功のカギとなるかもしれません。
本記事では、アグリゲーションサイトの概要や仕組み、ビジネスモデル、他サイト(キュレーションサイト・まとめサイト)との違い、さらには具体的な利用メリット・デメリットを解説します。
ぜひ、自社の採用戦略にお役立てください。
目次
アグリゲーションサイトとは
アグリゲーションサイトとは、インターネット上に散在する情報を収集・整理し、ユーザーがまとめて検索・閲覧できるようにしたWebサービスのことです。
「集める」「まとめる」「統合する」といった意味を持つ「アグリゲート(aggregate)」という言葉に由来しています。
求人分野においてアグリゲーションサイトは「求人検索エンジン」と呼ばれ、企業の求人ページや求人媒体に掲載されている募集情報を集約し、求職者が一括で検索できるように提供しているサイトを指します。
「求人ボックス」や「スタンバイ」「Googleしごと検索」などが求人分野のアグリゲーションサイトの代表例で、いずれもここ数年でユーザーは右肩上がりです。
アグリゲーションの仕組み
アグリゲーションサイトは、大きく「クローリング」「スクレイピング」と呼ばれる技術を利用して情報を収集し、ユーザーに分かりやすく表示しています。
それぞれ、どのような仕組みなのかを解説します。
クローリング
クローリングとは、「クローラー」というプログラムにより、Web上に公開されているページを自動巡回して情報を取得する仕組みです。
「Google」や「Yahoo!」などの検索エンジンがサイトを巡回するのと同様に、アグリゲーションサイトは求人情報が掲載されたページのURLや本文を解析し、必要なデータのみを抽出してデータベースに取り込みます。
スクレイピング
スクレイピングとは、取得したWebページのHTML構造などを解析し、必要なテキストや画像などを抽出する仕組みです。
サイト上には求人以外にもさまざまな情報がありますが、スクレイピングにより、求人情報のタイトル、応募条件、給与、勤務地などの必要な情報だけを抽出し、サイト内で一括検索できるように整理します。
アグリゲーションサイトのビジネスモデル
アグリゲーションサイトの収益モデルとしては、主に以下のような形態があります。
- クリック課金型:ユーザーがサイト内で求人情報をクリックすると料金が発生。1クリック当たりの広告費用を企業が支払う仕組み
- 掲載課金型:求人情報を一定期間掲載するごとに企業が料金を支払う仕組み
- 成果報酬型:応募や採用など、サービスごと定義する「成果」のアクションが起こった場合に費用が発生する仕組み
なお、多くのアグリゲーションサイトでは、基本的な情報掲載は無料でできる場合が多く、有料オプションとして求人の上位表示や掲載内容の拡充などを提供しています。
キュレーションサイトやまとめサイトとの違い
アグリゲーションサイトと混同されがちな「キュレーションサイト」と「まとめサイト」との違いを下表にまとめています。
アグリゲーションサイト | クローリングやスクレイピングなどの自動化された技術を利用して多種多様なデータを収集し、横断検索できるように整備している点が特徴です。人間の手というよりは、「機械的な自動収集」に重きを置いていると言えます。 |
キュレーションサイト | 専門家や担当者が独自の視点でコンテンツを選び取り、内容を要約・編集して提供するサイトを指します。基本的に人が主導しながら情報を取捨選択しています。 |
まとめサイト | 主に特定のテーマや話題に関する情報を集め、一覧形式で紹介するサイトです。ユーザーが投稿した情報やSNSのコメントなどを集約するケースも含みます。 |
求人情報に特化したアグリゲーションサイト
求人情報特化型のアグリゲーションサイト、いわゆる「求人検索エンジン」としては、「求人ボックス」「スタンバイ」「Googleしごと検索(Google for jobs)」「Careerjet(キャリアジェット)」があります。
各サイトの基本情報を下表にまとめました。
サイト名 | 運営 | 求人の掲載方法 | 無料掲載の 可否 |
有料オプションの 有無 |
公式URL |
求人ボックス | 株式会社カカクコム | ・クローリング ・データフィード ・直接投稿 |
有 | 有 | https://求人ボックス.com/ |
スタンバイ | Zホールディングスグループ | ・クローリング ・データフィード |
有 | 有 | https://jp.stanby.com/ |
Googleしごと検索(Google for jobs) | 求人票を構造化マークアップで連携(自社サイトとの連携が必要) | 有 | 無 | https://jobs.google.com/about/intl/ja_ALL/ | |
Careerjet(キャリアジェット) | Careerjet Ltd. | ・クローリング(求人サイト上のもののみ) ・直接投稿(マニュアル掲載) |
無 | 有 | https://www.careerjet.jp/ |
求人ボックス
【特徴】
株式会社カカクコムが運営する求人検索エンジン。操作がシンプルで使いやすいと評判が高い。
有料掲載(リスティング広告)はクリック単価型で、日・月毎に予算を設定できる。
【掲載】
Web上の求人情報をクローリングで集めるほか、企業が直接掲載申し込みを行うことも可能。
※詳細はこちら
求人ボックスとは?特徴や掲載方法、料金や活用事例を解説!
スタンバイ
【特徴】
Zホールディングスグループ(旧ヤフーグループ)の求人検索エンジン。Yahoo!の検索画面上で優先表示されやすい。
有料掲載(リスティング広告)では、デバイスごとにクリック単価を設定可能。
【掲載】
サイト内での直接投稿ができず、スタンバイ側は「データフィード」による掲載を勧めている。
※詳細はこちら
スタンバイとは?特徴や仕組み、メリット、掲載料金、導入方法などを解説
Googleしごと検索
【特徴】
Google検索に求人連携の機能を組み込んだサービス。Google検索結果の上位に求人情報が出るため、求職者が目にしやすい。
【掲載】
自社サイトの求人情報を「構造化データ(マークアップ)」形式で設定し、Googleにクロールしてもらう必要がある。
あくまで「求人の表示」に特化しており、サイト内の直接投稿はできない。
※詳細はこちら
Googleしごと検索(Google for Jobs)の求人の無料掲載方法を徹底解説!
Careerjet(キャリアジェット)
【特徴】
130か国以上で展開され、30以上の言語に対応。他のアグリゲーションサイトと比べてユーザーは少な目だが、その分競合性も低い。
【掲載】
無料掲載ができない。クローリングの場合、他の求人サイトに掲載した情報が連携されることがあるが、キャリアジェットにて改めて料金が発生することはない。
※詳細はこちら
キャリアジェット(Careerjet)とは?特徴や料金などを徹底解説
企業がアグリゲーションサイトを利用するメリット
アグリゲーションサイトの利用を検討する際は、メリット・デメリットの両方を踏まえて、自社にとってどちらの影響が大きいかを判断することが重要です。
そこでまずは、企業がアグリゲーションサイトを利用する代表的なメリットについて紹介します。
基本的に無料掲載できるためコストを抑えやすい
多くのアグリゲーションサイトでは、基本的な求人情報の掲載は無料で行えます。
そのため、初期コストを限りなく抑えて求人広告を出せる点が魅力です。
まずは無料枠で様子を見て、成果が出にくければ有料オプションを利用するといった柔軟な使い方もできます。
特にスタートアップ企業や中小企業は、求人広告に大きな予算を割くのが難しい場合があります。
通常であれば求人媒体に掲載するには数十万円のコストがかかるケースもあるため、無料掲載が可能なアグリゲーションサイトは初期投資を抑えるうえで非常に魅力的です。
利用ユーザーが多く集客力がある
アグリゲーションサイトは多数の求人情報を一括で検索できるため、求職者にとって便利なプラットフォームとなっています。
利用ユーザーが多い分、企業の求人情報も幅広い求職者の目に触れやすく、応募増加が期待できます。
また、GoogleやYahoo!などの検索エンジン上で、オーガニック欄よりも上に表示されやすいため、例えばGoogleで「東京 アルバイト」と検索したときのように、求職者がアグリゲーションサイトに流入することも多くあります。
SEO(検索エンジン最適化)において有利
求人検索に特化したアグリゲーションサイトは、SEOが強化されているケースが少なくありません。
検索結果の上位に表示されやすいため、自社サイトだけで求人募集を行うよりも露出を高めやすいメリットがあります。
例えば、ユーザーが「●● 求人」と検索した際、アグリゲーションサイトの関連求人が他の求人媒体より上位表示されやすい仕組みになっています。
多様な職種・エリアの求人にも対応
全国規模で求人を集約しているため、多様な業種・職種、地域の求人を扱うことができます。
地方の求人やニッチな職種でもターゲットを広く取り込むことができ、「ITエンジニア+地方名」のようなキーワードでもアグリゲーションサイト経由で求職者が流入します。
企業側がアグリゲーションサイトを利用するデメリット
ここからはアグリゲーションサイトの主なデメリットについて紹介します。
掲載されている情報が多いため求人が埋もれやすい
アグリゲーションサイトには大量の求人情報が集まるため、自社の求人情報が競合他社や他業種の情報に埋もれてしまい、十分な応募が得られない可能性があります。
特に無料掲載の場合は他求人に埋もれやすく、上位掲載などの有料オプションを検討するなど、何かしらの対策が必要です。
情報を頻繁に更新する必要がある
一度掲載すれば終わりではなく、求人情報が古いままだと応募が伸び悩む場合があります。
過去の情報を最新だと勘違いした求職者が応募してトラブルになったり、サイト側のガイドライン違反となったりする可能性も考えられます。
適切な時期に情報を更新し、最新の情報を提示することで、求職者からの注目度をキープする工夫が必要です。
アグリゲーションサイトへの求人掲載なら「採用係長」
アグリゲーションサイトに求人掲載したいなら、5つのサイトに一括掲載できる「採用係長」がおすすめです。
採用係長であれば、穴埋めするだけで簡単に求人を作成でき、ワンクリックで下記サイトに連携できます。
- スタンバイ
- 求人ボックス
- Googleしごと検索
- キャリアジェット
- キュウサク
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【採用係長の特徴】
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まとめ
今は企業と求職者のお互いが歩み寄ったうえで採用する時代ですから、多くの求職者に自社求人を見てもらうための取り組みは、採用成功のために重要です。アグリゲーションサイトは露出度アップという点で大きな強みを持っているため、ぜひ利用を検討してみてください。
なお、「アグリゲーションサイトに求人を掲載したいかも」と少しでもお考えであれば、ぜひ当社ネットオンにお問い合わせください。経験豊富な専門スタッフがそろっていて、皆さまの課題に応じた最適案をご提供いたします。
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