【雇用形態別】採用コストの平均ってどれくらい?上手な求人費用の掛け方

採用コストのかけ方

「採用には、いったいどのくらいの予算を割り振ればいいのだろう…」

経営者の方であれば、一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。

採用にはできるだけコストを掛けたくないけれど、コストを抑えすぎて採用できないのも困りますよね。では採用コストはどんなふうに掛けていくべきなのでしょうか。

今回は業界や雇用形態別に、世の中の企業がどのくらいの採用コストを掛けているのか、そしてどうやってコストの投下先を決めるべきかなどを解説していきます。

採用コスト(採用単価)とは?採用に掛かる平均コスト

どのくらいお金を掛けるべきかを考えるためには、まず平均の採用コストを知ることから初めてみましょう。今回は雇用形態や企業規模などによってどの程度平均採用コストに違いがあるのかも紹介します。

※採用コストとは、求人掲載だけでなく説明会や面接、研修など採用活動全体に掛かるコストのことです。

雇用形態別の1人当たりの平均採用コスト

中途採用 62.5万円
新卒採用 53.4万円
パート・アルバイト採用 5.1万円

出典:株式会社リクルート様「就職白書」(2019)、株式会社ツナグ・ソリューションズ様(2014)

採用コストは中途採用が最も高くなっています。新卒採用は掲載単価が高いのですが、一度の掲載で複数名を採用する企業が多いため、1人当たりの採用単価が抑えられています。

パート・アルバイトの平均採用コストは5.1万円と比較的安価に見えるのですが、飲食や販売、製造などの業種の場合はたくさんの人数を採用しなければならないため、費用がかさみがちです。

中途採用の1人当たりの業界別平均採用コスト

IT・通信 39.8万円
製造・メーカー 112.4万円
サービス・レジャー 26.6万円
流通・フード 26.5万円
金融・保険 39.4万円
建築・土木 46.2万円
運輸・流通 109.2万円
医療・福祉 122.7万円
広告・デザイン 39.8万円

出典:株式会社マイナビ様「中途採用状況調査」(2018)

中途採用は業界によって平均採用コストが大きく異なります。サービスや飲食などは単価が低いのですが、製造や運輸、医療などは1人当たり100万円を超えるほどです。

この金額の違いは、一度の掲載で複数名を採用できるかどうかも関わっています。ホールスタッフや販売員などの求人を掲載する場合は複数名募集のことが多いですが、製造や医療系の専門職の場合は少人数の採用が中心。かつ資格の取得などによる採用の制限があります。ゆえにコストが高くなりがちです。

アルバイト採用の1人当たりの職種別平均採用コスト

フード(キッチン) 5万円
販売(アパレル) 4万7000円
イベント派遣 1万2000円
警備員 13万6000円
仕分け・シール貼り 2万2000円
配達・配送・宅配便 6万9000円
施設内介護・看護 10万1000円
塾講師・チューター 7万3000円

出典:株式会社ネオキャリア様(2019)

イベント派遣や仕分け作業など学生・フリーターに人気がありそうな職種は単価が低くなっています。その反面、警備員や介護・看護といった不人気の職種は採用単価が10万円を超えており、難易度の高さが伺えます。

中途採用の企業規模別平均年間採用コスト

300名以上の企業 1290万円
60~299名の企業 397万円
60名未満の企業 209万円

※出典:株式会社マイナビ様「中途採用状況調査」(2018)

上記の平均年間採用コストは、求人掲載以外にも転職フェアや面接会への参加、説明会の開催など様々なコストを含んでいます。

やはり大きな企業ほど採用にお金を掛けていますが、60名未満の規模の企業でも年間で平均200万円以上の予算を割いています。

中途採用の企業規模別平均年間求人掲載コスト

300名以上の企業 445万円
60~299名の企業 215万円
60名未満の企業 120万円

出典:株式会社マイナビ様「中途採用状況調査」(2018)

こちらは求人掲載に掛かるコストのみです。求人掲載だけに絞っても、60名未満の規模の会社でも100万円以上を割いています。

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採用コストの計算方法

一人あたりの採用コストは、下記の式を使って算出します。

採用人数=クリック数×応募率×採用率

実際に数値を入れて計算してみます。

【計算例】
応募率1%、採用率50%、クリック単価100円と仮定

STEP1:1人の採用に必要な応募数を算出
⇒応募数=採用人数(1人)÷採用率(50%)=2名

STEP2:2人に応募してもらうためのクリック数を算出
⇒クリック数=応募数(2人)÷応募率1%=200クリック

STEP3:200クリック集めるための採用コストを算出
⇒採用コスト=クリック数(200)×クリック単価(100円)=20,000円

採用コストの内訳

①内部コスト

内部コストとは、採用活動において従業員、あるいは応募者にかかる費用のことで、下記が代表例です。

・採用にかかる活動の人件費
・面接に来る応募者に支払う交通費
・新入社員の親睦会費
・新入社員に支給する引っ越し費
など

内部コストを減らすためには、「採用活動を効率化して人件費を減らす」「採用する人材を減らす」「交通費の支給を最終面接だけにする」などの工夫があります。

しかし、下手に節約すると、従業員や応募者の満足度を低下させ、かえってマイナスの影響を生みかねません。
内部コストを節約するには、従業員へのメリット・企業へのメリットの両方を踏まえた検討が必要です。

②外部コスト

外部コストは、外部に支払った費用のことで、例は下記のとおりです。

・求人媒体の利用費
・人材紹介費
・採用ツールの利用費
・会社説明会の開催費
・採用パンフレットの制作費
・内定者への研修委託費

採用コストのうち大きな比率を占めるのは外部コストで、内部コストと比べて金額が大きくなりやすい傾向にあります。

採用コストを見直す際、特に意識したいのが「求人媒体の利用費」と「人材紹介費」です。1か月あたり数十万~数百万のコストが発生する一方で、「とりあえず求人を掲載し続けている」というように、それらのコストが成果につながっていない可能性があります。

まずは「自社が何にいくらかけているか」を整理してみることがおすすめです。

採用コストが増える理由は?

求める人材の市場価値が高いから

求める人材の希少価値が高い場合、複数企業で一人の人材を争うことになります。

そのため、他社と差別化を図るために求人広告の運用に力を入れたり、積極的に会社説明会を開催したり、コストをかける必要があるのです。なかなか採用が決まらず長期化した結果、人件費がかさむ場合もあるでしょう。

例えば、飲食店が料理長候補を探しており、「シェフとしての経験5年以上」「過去にマネジメント経験あり」という条件を出したとします。当然ながら、一般のシェフに比べて、条件にマッチする人材は少なく、採用活動の難易度は上がるでしょう。

採用コストが増えている場合、採用ターゲットを見直してみるのもひとつの手です。

求人媒体を過剰に掲載しているから

求人サイトなどの媒体を複数利用している場合や、高額なプランを利用している場合、余計な採用コストが発生している可能性があります。中には、期間を決めずに求人を掲載し続けている企業もあるでしょう。

掲載料金や掲載できる内容、掲載期間、集客力などは、求人媒体によって異なります。
例えば、A社とB社の求人媒体を併用しているとします。この場合、もっと安い料金で利用できるC社ひとつで、A社+B社以上に応募を増やせるかもしれません。

また『Indeed』『求人ボックス』のように、無料で求人掲載できる求人検索エンジンもあります。まずは自社が使っている求人媒体を整理して、他の媒体で代替できないかを検討してみてください。

採用ツールをむやみに導入しているから

採用ツールを導入しすぎて余剰コストが発生しているかもしれません。

例えば、応募者管理ツールと採用サイト作成ツールを使っている場合、それらの機能が両方備わったツールを活用すれば、ひとつ分のコストで済みます。
採用パンフレットを準備していても、もし過去に毎年余っていたのであれば、印刷数を少なくしてもいいはずです。

ちなみに、採用管理ツール『採用係長』では、採用ページ作成から検索エンジンとの一括連携、応募者管理まで、これひとつで行えます。気になった方は、下記ページからご確認ください。
採用係長についてはこちらから

採用活動のどこにお金を掛けるべきか

上記のように採用活動にはお金が掛かります。説明会や面接会を開催すれば会場費や資料作成費、人件費が必要です。求人を出すなら求人広告掲載費や転職エージェントへの紹介報酬、入社後は社内外の研修受講や教育など。すべて完璧に、となるとお金はいくらあっても足りません。

そこで大切なのは、まずはどこにお金を掛けるべきかを考えること。採用においてまずコストを検討すべきなのは、採用の最初の入り口となる『求人の掲載』です。

しかし一口に求人といっても、有料のものから無料のものまで様々。そこでまずは、求人の種類を有料か無料かで大別していきましょう。

無料で求人を掲載できるもの

  • ハローワーク
  • 店頭ポスター
  • 無料求人検索エンジン(Indeed、求人ボックス、Googleしごと検索(Google for Jobs)など)
  • 知人からの紹介、リファラル採用など

無料ということで利用のハードルは低く、活用したことがある方も多いのではないでしょうか。

ハローワークや店頭ポスターなどは特になじみのある採用の方法だと思います。知人や既存社員による紹介での採用も、中小企業であればよくあるパターンです。

有料で求人を掲載できるもの

  • 求人情報誌(タウンワーク、ジョブアイデムなど)
  • 求人情報サイト(リクナビNEXT、タウンワーク、マイナビ、dodaなど)
  • 転職エージェント(リクルートエージェント、マイナビエージェントなど)
  • 人材派遣会社(スタッフサービス、テンプスタッフなど)

金額は媒体やプランによって様々ですが、掲載単価はパート・アルバイトであれば1~5万円、中途採用であれば10~30万円、新卒採用であれば80~150万円くらいが相場です。

転職エージェントの場合は、入社した方の年収の約30%程度を報酬として支払うことになります。

お金を掛けなくても求人は掲載できる

お金を掛けなくても求人は掲載できます。しかし無料の求人掲載は、情報を届ける相手が限られてしまいます。

例えばハローワークに掲載する場合、基本的に応募してくれる方は職業安定所に登録している人だけ。店頭ポスターの場合は直接店に足を運んでくれた人だけですし、社員や知人の紹介となると更に範囲は狭くなります。

Indeedなどの無料の求人検索エンジンであればより多くの人に情報を届けられますが、無料の場合はページの上位に表示されにくく、なかなかユーザーにクリックしてもらえないという事情もあります。

お金を掛けなくても求人は掲載できますが、多くの応募を集めることや、優秀な人材からの応募を狙うことは難しくなると言えるでしょう。

採用コストを削減するには

広告の内容を見直して広告掲載費を削減する

自社に適した広告掲載をしているかを見直します。

よくあるのが、初回利用時に案内されたプランを使い続け、必要のないオプションが付いたままになっていること。
例えば、採用動画を掲載できる高額プランを申し込んでいても、動画を閲覧している求職者が少なかったり、「テキスト+写真」で十分に魅力を伝えられているのであれば、割安な下位プランでいいでしょう。

広告掲載費は採用コストの中でも特に高額で、成果に直結しやすいので、コストを大幅削減できるかもしれません。

求職者とのミスマッチをなくす

ミスマッチを防止することも、採用コストの節約につながります。

例を挙げると、自社が求めるスキルや経験を満たしておらず、明らかに不採用の人材と面接しても、面接官の人件費や面接会場費、応募者への交通費などがかかります。

ミスマッチの防止において大切なのは、自社が採用したい人材像を明確にすることです。
年代やスキル、経験、性格など、具体的に条件を設定することで、応募や面接の段階でミスマッチを判断できるようになります。

オウンドメディアリクルーティングを導入する

オウンドメディアリクルーティングとは、自社メディアを使った採用活動のことです。
採用サイトやSNSが代表例で、仕事内容や従業員の声、企業としての思いなどを発信しながら、求職者に興味を持ってもらいます。

オウンドメディアリクルーティングは内部で運用することがほとんどなので、費用が高額になりません。

ほとんどの求職者は、応募前にその企業の自社サイトやSNSをチェックします。オウンドメディアで自社の魅力を伝えられれば、応募への後押しになるでしょう。

※オウンドメディアリクルーティングについて、下記の記事で詳しく解説しています
【初心者向け】オウンドメディアリクルーティングとは? 今すぐ始める方法とメリットを解説

リファラル採用を導入する

リファラル採用とは、既存従業員に知人・友人を紹介してもらい、採用に繋げる手法です。
メリットは、応募者を集めるためのコストを節約できること。さらに、自社についてよく知っている既存従業員からの紹介なので、ミスマッチを防止しやすいことも挙げられます。

ただし、リファラル採用を浸透させるためには、紹介してくれた従業員にインセンティブを支給するなどの工夫が必要です。
コストをゼロにできるわけではありませんし、リファラル採用ならではの難しさもあるので、実施前に入念に検討することがおすすめです。

※リファラル採用について、下記の記事で詳しく解説しています。
リファラル採用とは?メリット・デメリット・成功させるための促進方法まで徹底解説!

ダイレクトリクルーティングを導入する

ダイレクトリクルーティングは、企業から求職者に直接アプローチする採用手法です。

求人サービスに登録された人材データベースからスカウトメールを送る方法や、大学や就職イベントに行って直接スカウトする方法、SNS上で気になる人材にメッセージを送る方法などがあります。

ダイレクトリクルーティング専門のサービスは、求人媒体の中でも安価な傾向です。
また、自社からアプローチするため、応募を待つだけの採用活動よりも早く採用に成功する可能性があります。

※ダイレクトリクルーティングについて、下記の記事で詳しく解説しています。
ダイレクトリクルーティングとは?メリットや費用、はじめる際のポイントを徹底解説!

求人掲載の上手なお金の掛け方

ある企業が求人掲載にお金を掛けたら

ではお金を掛ける前と後で、応募・採用数にどんな変化があるのか、事例をご紹介します。今回紹介するのは、社員30名規模のメーカーです。

無料ツールのみ利用していたとき

採用手法 ハローワーク・ポスター
求人掲載費 0円
年間応募数 正社員4名・アルバイト7名
年間採用数 正社員1名・アルバイト2名

採用はできていたものの、退職者数に対して採用数が足りておらず、欠員の状態は続いていました。また幹部候補となれるようなスキル・経験を持った人材は採用できておらず、未経験者を採用して育成している状態でした。

有料求人サイトを利用すると

採用手法 有料の転職サイト・アルバイトサイト
求人掲載費 65万円
年間応募数 正社員34名・アルバイト22名
年間採用数 正社員3名・アルバイト4名

採用コストは上がっていますが、その分応募数・採用人数も増えています。現在は欠員もない状態です。かつ正社員はリーダーのポジションを任せられる経験者が採用できています。

これはあくまで一例ですが、求人掲載にコストを掛けることで、応募数や採用数、そして優秀人材を獲得できる可能性も格段に高くなります。

媒体やプランの決め方

いざ求人に予算を割くことを決めても、掲載媒体やプランの決め方は特に難しいところです。どの媒体が自社の採用活動に最も合っているかを見極めなければなりません。

そこで大切なのが、分からない中でいきなり大きなリスクを取るのではなく、まずはチャレンジしやすい安価な媒体から初めてみるということ。

例えばIndeedなどの無料求人サイトに掲載し、様子を見ながら広告オプションなどの有料サービスを利用してみてもいいかもしれません。

媒体・プラン選定の失敗例

A社の場合(飲食店)

アルバイトを10名採用したいと、アルバイト求人サイトに掲載。オプションなどを含めて2週間15万円で掲載したが、応募はわずか2名。しかも採用には至らず。会社がある地域はユーザー数が少なく、そもそも応募が見込みにくい地域だった。

B社の場合(製造業)

営業を募集するために転職サイトへ16万円で掲載。1ヶ月間掲載して2名しか応募が来なかったため、さらに1ヶ月間、24万円のプランに上げて掲載。しかし応募はやはり2名しか来なかった。

まずは安価に効果を出せる『採用係長』から

まずは少ないコストで試してみたいという方には、『採用係長』がオススメです。豊富なデザインテンプレートから選んで無料で簡単に求人ページを作成でき、さらにその求人ページをワンクリックでIndeedやGoogleしごと検索、求人ボックスなどの媒体に連携することができます。

またポスター出力やコールセンターによるサポートも無料で受けられます。

これだけでなく、月額19,800円からのプランを活用すると、より豊富なサービスも利用可能。もちろんIndeedの広告出稿や運用代行といった効果に直結するオプションもあります。

いきなり月に10万円、20万円というコストを掛けるのではなく、こうした安価なサービスからスタートしてみてはいかがでしょうか。
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採用係長を活用した採用事例

C社の場合(不動産運用・管理)

掲載当初はなかなか応募が集まらなかったが、有料広告オプションを申し込んでからは週に40件ほど応募が。その結果、アルバイトを5名採用できた。

D社の場合(飲食店)

無料で使えることにメリットを感じ、採用係長に登録。無料ということで期待していなかったが、掲載後すぐに3名応募がきたので、手ごたえを感じてライトプランへプランアップ。その後応募数は順調に伸び、結果的にアルバイト8名と正社員2名を採用できた。

E社の場合(ホテル運営)

他のネット媒体で反応が薄かったので期待はしておらず、応募は週2件程度と思っていた。しかしふたを開けてみると月間応募は約60件で、これまでに200名以上を採用できた。

ここで紹介したのは一例です。無料でスタートでき、リスクも少ないので、興味があればぜひ試しに『採用係長』を活用してみてください。

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まとめ

採用活動は、自社の成長において重要な取り組みなので、コストをかけて成功させることは大切です。ただし、戦略的にコストを運用しないと、自社への大きな負担になってしまいます。

採用コストのうち、外部コストは特に金額が大きく「見直してみたら余剰コストが発生していた」ということは少なくありません。
採用手法自体を変更することも選択肢にいれながら、ぜひ一度、採用コストについて見直してみてください。

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