「Adecco(アデコ)」は、大手総合人材サービス企業のアデコ株式会社が提供する人材派遣サービスです。短期・長期派遣はもちろん、派遣可能期間(いわゆる3年ルール)の制限を受けない無期雇用派遣にも対応。紹介予定派遣や人材紹介なども行っています。
人材派遣は、採用に苦戦する企業にとって強い味方といえるサービス。
とくに昨今では、コロナ禍からの急速な景気回復に人材確保が追いつかず、派遣サービスの利用を考える採用担当者も多いのではないでしょうか。
人材派遣サービスは繁忙期など一時的なリソース確保のための短期派遣だけでなく、半年以上の長期派遣もあり、対応業種や職種もさまざまです。
この記事では、これまで派遣サービスを利用したことがない企業や、新たな派遣会社を探している採用担当者に向けて、Adecco(アデコ)のサービス内容と特長、手数料について紹介します。
目次
アデコ株式会社とは
Adecco Group (アデコグループ)はスイスに本社を置くグローバル企業。
世界60の国と地域で総合人材サービスを提供しています。その日本法人であるアデコ株式会社は、大手人材サービス会社として高い知名度を誇る企業です。
人材派遣サービス「Adecco(アデコ)」を中心に、人材紹介や人材教育、RPO(Recruitment Process Outsourcing/採用代行)など、顧客の業種・業界を問わない多様なサービスを展開しています。
アデコ株式会社の企業情報
社名 | アデコ株式会社 |
---|---|
所在地 | 〒107-0062 東京都港区南青山1-15-9第45興和ビル |
対応地域 | 北海道から沖縄まで全エリアをカバー |
事業内容 | 人材派遣、人材紹介、再就職支援、アウトソーシング、コンサルティング |
代表者名 | 代表取締役社長 川崎 健一郎 |
従業員数 | 37,200人(同社に所属するすべての雇用形態の従業員数) |
資本金 | 55億6,000万円 |
設立 | 1985年7月29日 |
URL | (企業HP)https://www.adeccogroup.jp/ (Adecco/アデコ)http://www.adecco.co.jp/ |
Adecco(アデコ)とは?
画像出典:Adecco 人材派遣
Adecco(アデコ)はアデコ株式会社における派遣事業のサービスブランドです。
人材派遣、紹介予定派遣を軸に、人材紹介、アウトソーシング、海外採用、Adecco Academy(人材育成)、HRソリューション(組織・人事に係る各種ソリューション)などを提供しており、企業の人材確保や定着、組織運営に関する課題の解決をサポートしています。
Adecco(アデコ)の派遣対象職種
対応職種は以下の通りです。
- 事務・オフィスワーク
- 営業・ラウンダー
- 販売・セールスプロモーション
- 金融専門職
- クリエイティブ
- メディカル
- 介護職
- 製造
Adecco(アデコ)の特長
全国40拠点、34,000人以上が在籍
Adecco(アデコ)に在籍するスタッフは34,000人以上。拠点は全国に40カ所以上あります。派遣場所や業務内容をはじめ、さまざまな企業ニーズに対応できるサービス力は大手ならではの強みです。
職種特化型の無期雇用派遣がある
Adecco(アデコ)では、短期雇用派遣(1〜3カ月未満)と長期派遣(3カ月以上)に加え、長期的な契約が可能な無期雇用派遣(派遣会社が雇用するスタッフを顧客企業へ派遣するサービス)を行っています。
さらに以下の業務領域に特化した無期雇用派遣サービスも提供。ある程度の経験が必要な業務をお任せしたい場合でも、職務特化型のサービスであれば安心でしょう。
- 事務職のスペシャリストを派遣する「キャリアシード」
- 若手の事務系人材を派遣する「キャリアシード・L」
- デジタル&IT人材を派遣する「デジタルキャリアシード」
- 介護職・介護福祉士を派遣する「さくらシード」
派遣スタッフの就業継続を可能にする「ハケン2.5」
有期雇用派遣の場合、労働者派遣法によって「3年を超えて同じ事業所で働くことはできない」とされています(3年ルール)。
そのため派遣スタッフの就業期間が3年を超える場合には、人材の入れ替えが必要です(無期雇用派遣を除く)。
この課題に対し、Adecco(アデコ)では独自制度「ハケン2.5」を導入しています。
「ハケン2.5」は、派遣スタッフが同じ派遣先での就業継続を希望する場合に、アデコ株式会社が無期雇用派遣社員として雇用する制度(※1)。
これにより派遣スタッフが同じ事業所での就業を継続できるため、企業は新しいスタッフの受け入れにかかる手間とコストを削減することができます。
「ハケン2.5」の特色は、Adecco(アデコ)以外から派遣されているスタッフにも適用される点。他社の派遣スタッフでも「ハケン2.5」へ応募でき、Adecco(アデコ)の無期雇用派遣社員として受け入れられれば就業継続が可能です。
※1 有期雇用派遣に登録する派遣スタッフは、派遣先で就業中のみ派遣会社と雇用関係にあり、派遣先での業務終了とともに雇用契約も終了します。一方、無期雇用派遣の派遣スタッフは、派遣先での業務終了後も派遣会社との雇用関係が継続します
グループで総合人材サービスを展開
アデコ株式会社は人材派遣サービス「Adecco」のほか、以下のサービスブランドを展開しています。
- キャリア人材紹介サービス「LHH転職エージェント(旧Spring転職エージェント)」
- 新卒人材紹介サービス「LHH就活エージェント(Spring就活エージェント)」
- ハイクラス・エグゼクティブ人材紹介サービス「LHH Executive &International」
またグループ会社であるAKKODiSコンサルティング株式会社は、ITフリーランス特化のマッチングサービス「AKKODiSフリーランス(アコーディスフリーランス)」を運営。Adecco Group全体で顧客ニーズに対応できる多様なサービスを提供しています。
Adecco(アデコ)の求人掲載料金・サービス利用料
Adecco(アデコ)は人材派遣サービスのため、人材募集を行う際の求人掲載には費用が発生しません。
サービスの利用にかかる費用は、派遣スタッフの就業時間分の賃金に加え、派遣会社に支払う手数料(※2)です。
※2 紹介予定派遣の場合は、入社後に紹介手数料が必要。紹介手数料の相場は一般的に、入社者の年収の15%~30%といわれています
派遣スタッフの賃金は業務内容や人材に求める要件によって異なりますが、Adecco(アデコ)に支払う手数料の割合は、「労働者派遣実績等公開情報」にて確認することができます。 以下は、Adecco(アデコ)の労働者派遣実績等公開情報の一部です。 画像出典:Adecco Group 労働者派遣実績等公開情報
上記表の「マージン率」が手数料の割合です。 派遣スタッフの社会保険、有給休暇、その他福利厚生にかかる必要などは派遣会社の負担。派遣会社に支払う手数料にはこれらの費用が含まれていると考えれば良いでしょう。 画像出典:Adecco Group 労働者派遣実績等公開情報
ここでは東京・大阪の2つの事業所(支社)における手数料の割合を紹介しましたが、地域によって変わることが分かります。 また上記表の「労働者派遣の料金の額の平均(1日8時間/円)」と「派遣労働者の賃金の額の平均(1日8時間/円)」も、派遣スタッフにかかる費用の目安として参考になるでしょう。
Adecco(アデコ)の口コミ・評判
国内には人材派遣サービス会社が数多く存在します。そのため派遣会社を選ぶ際には、事前に企業の評判を確認しておくことが重要です。 ここでは、Adecco(アデコ)を実際に利用している企業の声を紹介します。
(前略)アデコの良い点は、派遣社員の動員力や人材に対する教育のクオリティだけでなく、当社の課題を解決するためのソリューションを提供してくれるところです。 (中略)突発的なニーズにおいてもスムーズにご対応いただけるので、各部門の業務も円滑に行われ、良きパートナーとして私たちをサポートいただいています。(後略) <日本ロレアル株式会社/派遣管理デスクサービス>
引用元:Adecco 活用事例
(前略)アデコの派遣社員は、朗らかでコミュニケーションが円滑な方が多く、働きぶりも安定しています。派遣期間の長い方が率先して、GSKの企業理念や魅力を理解し、新人の派遣社員に伝えるなど、チーム・アデコとして受け入れる工夫をしてもらえるので採用後のギャップが少ないと感じています。(後略) <グラクソ・スミスクライン株式会社/IT・エンジニア派遣サービス>
引用元:Adecco 活用事例
(前略)アデコのSV がコールセンターに常駐し、スタッフの状況を日々確認したり、窓口になってくれているのも大きな安心につながっています。また、営業担当者とも週1回、定例のミーティングで情報を共有しています。突発的な勤怠の課題などにも迅速かつ冷静に対応してくれるので、とても助かっています。(後略) <株式会社びゅうトラベルサービス/人材派遣サービス>
引用元:Adecco 活用事例
Adecco(アデコ)の派遣サービスを利用するメリット
幅広い顧客ニーズに対応し、大手企業への派遣実績も豊富なAdecco(アデコ)の人材派遣サービス。中小企業にとっては、どのようなメリットがあるのでしょうか。Adecco(アデコ)ならではのメリットを整理しましょう。
雇用のリスクを抱えず、コストを抑えて人材確保ができる
派遣スタッフの場合、採用に費用をかけることなく人材の確保が可能です。
就業後の人件費は派遣スタッフの就業時間に応じて発生するため、給与以外のコストは必要ありません。
求人掲載にかかる費用も無料。繁忙期や従業員の休職中など、一時的に人手が必要な際に有効な手段といえます。
また長期派遣や無期雇用派遣では、定型業務の運用を派遣スタッフに任せることが可能です。
正社員がコア業務に集中できる環境を整えられるため、生産性の向上が期待できるでしょう。
さらに「紹介予定派遣」も提供しているAdecco(アデコ)なら、自社での直接雇用を前提に派遣スタッフを採用することもできます。
即戦力の派遣スタッフに出会える
Adecco(アデコ)の派遣サービスでは、派遣スタッフが就業先でしっかりと業務を遂行できるよう、専任のキャリアコーチがサポートしています。
さらにeラーニングやセミナー、イベントなど派遣スタッフ向けの教育プログラムも充実。
派遣スタッフの仕事の質にも期待することができます。
また特定の業務領域に特化した派遣サービスも展開しており、通常では採用が難しい職種においても即戦力として活躍できる人材に出会うことが可能です。
派遣スタッフの定着が望める
繁忙期など一時的に人材が必要なケース以外では、派遣スタッフに長期的に活躍してほしい企業も多いでしょう。
前述した「ハケン2.5」を導入しているAdecco(アデコ)なら、派遣スタッフが有期雇用派遣(最長3年)の場合でも、無期雇用派遣(期間の定めなし)への転換が可能。
3年を超えて同じ業務に従事してもらうことができます。
さらに「ハケン2.5」は、他の派遣会社のスタッフにも適用される点が大きなポイントです。派遣スタッフを長期的に活用したい企業にとって大きなメリットといえます。
Adecco(アデコ)の人材派遣(求人掲載)の申し込み方法
Adecco(アデコ)の各種サービスは、以下のお問い合わせフォームから申し込みを行えます。
希望するサービスや職種・業務内容を選択し、必要事項を入力して送信しましょう。
派遣求人サイト「Adecco」への求人掲載は、申し込み(契約)後に開始します。
▼問い合わせフォーム▼
https://www.adecco.co.jp/client/inquiry/input/contact
また人材派遣以外にも、以下のサービスについての問い合わせが可能です。
- 人材紹介
- 採用代行
- アウトソーシング
- 人事コンサルティング
- 出向支援
- 再就職支援
- 人材育成
- メンタルヘルスケア
- その他
無料相談
自社の課題に適したサービスについて相談したい場合は、以下の無料相談フォームに相談内容や連絡先などを入力し、送信しましょう。
▼無料相談フォーム▼
https://www.adecco.co.jp/client/inquiry/input/contact_02
サービス資料のダウンロード
問い合わせ前にサービス内容を確認したい場合は、資料のダウンロードも可能です。
専用フォームに必要事項を入力し、送信します。受信メールに記載されているURLから資料をダウンロードしましょう。
▼資料のダウンロード▼
https://www.adecco.co.jp/client/inquiry/input/download/company_brochure
採用のミスマッチを防止する、効果的な採用方法
採用では自社にマッチした人材を採用することがとても重要です。
募集要項にある採用条件に合致していても、仕事内容や職場環境、企業文化などが合わなければ、パフォーマンスの発揮は期待できないでしょう。
そのため人材募集の際には、企業の強みや仕事の魅力だけでなく、自社の価値観をしっかりと伝えることが大切。
その手段のひとつとして、近年では自社メディア(オウンドメディア)を運営し、採用ブランディングに力を入れる企業が増えています。
オウンドメディアによる採用ブランディングは、自社採用はもちろん、派遣スタッフへのアピールにも最適です。 採用ミスマッチの対策や、オウンドメディアリクルーティングに興味のある採用担当者は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
まとめ
派遣会社は国内に数多くありますが、どの企業にも得手不得手があるものです。
全国に拠点を設け、3万人以上の派遣スタッフを擁するAdecco(アデコ)の対応力は、大手派遣会社ならではの強みといえます。
Adecco(アデコ)には、有期雇用の派遣スタッフを無期雇用へと切り替える独自の制度「ハケン2.5」があり、他社の派遣スタッフにもその制度を適用しています。
いわゆる3年ルールの縛りにとらわれずに派遣スタッフを受け入れられるため、長期的に派遣スタッフを活用したいと考える企業や複数の派遣会社を利用している企業にとって、とくにメリットが大きいのではないでしょうか。
派遣会社を選ぶ際には、目的に合わせて適切な派遣会社(および適切なサービス)を選ぶことが重要です。
またそれと同じく、受け入れ体制の整備も欠かせません。従業員が活躍できる環境づくりは、雇用形態に関わらず必要でしょう。
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