「採用係長」「Airワーク」「engage」の違いとは? 無料で使える採用管理ツールを徹底比較

自社の採用サイト制作や求人票作成、求人検索エンジンへの掲載、応募管理などを行える採用管理システム。近年主流になりつつある、求人検索エンジンを活用した採用活動を行ううえでは欠かすことのできないツールです。

特に無料で利用できるサービスは、限られた予算の中で採用活動に取り組む中小企業にとってとても魅力的でしょう。
しかし、採用管理システムの導入を検討する際には、「無料だから」という理由だけで選ぶことはおすすめできません。自社の採用活動や採用担当者の業務理解度に応じたシステムを使ってこそ、自社とマッチする求職者からの応募を獲得し、採用へとつなぐことが可能になるからです。

もちろん、無料でも応募効果が期待できる採用管理システムはあります。その中から今回は、代表的な3つの採用管理システム(「採用係長」「Airワーク」「engage」)を紹介。無料で使える機能やサービスの内容をはじめ、有料プランを利用した場合のそれぞれ特長も比較していますので、自社に合った採用管理システムを選ぶ際の参考にしてください。

無料で使える『採用係長』『Airワーク』『engage』の特長

『採用係長』『Airワーク』『engage』は、すべてクラウド型の採用支援ツールです。
採用管理システムとしての基本機能に大きな違いはなく、どのサービスも以下の機能を無料で利用することができます。

  • 求人サイト作成
  • 求人票作成(求人検索エンジンや求人サイトに自動掲載)
  • 応募管理(応募者とのやりとり、選考状況の一元管理など)
  • 求人票管理(求人票の編集・更新、掲載停止・再開など)

これらの基本機能に加え、『採用係長』『Airワーク』『engage』ではそれぞれに特長的な機能が搭載されています。

採用初心者にも優しい『採用係長』

採用係長には、採用活動を円滑に進めるためのさまざまな機能が搭載されています。中でも「応募分析機能」は、掲載している求人票のアクセス(閲覧)数や応募数はもちろん、求人票への流入経路(どのサイトを経由して求人票にたどり着いたのか)まで把握が可能。無料プランでも効果測定ができるため、アクセス数や応募数に応じて求人票の改善を行いながら、応募効果の向上を目指せます。さらに有料プランでは、Googleアナリティクスを導入することも可能です。

下記の記事では、採用係長の特徴について解説しています。
採用係長とは? 採用係長でできることを詳しく解説。導入事例や評判も紹介します

ポスター出力機能や電話・メールサポートなど、独自の機能・サービスを提供

求人票をポスターにできる「ポスター出力機能」は、採用係長独自の機能。出力したPDFファイルを印刷すれば、すぐにポスターが完成します。店舗などでの掲示はもちろん、就職・転職イベント等での配布用としても活用できるユニークな機能です。
さらにオプションを利用すれば、無料プランでも独自ドメインを取得することが可能。独自ドメインは、SEO対策を行ううえで有利となるため、長期的に自社の採用メディアの運用を考えている企業にとってはメリットでしょう。

一方、サービス面ではプランの内容に関わらず、電話またはメールによるサポートが用意されています。システムの使い方だけでなく、効果的な求人票の書き方や応募獲得方法について専門的なアドバイスを受けられるため、採用活動に慣れていない担当者でも安心して取り組むことができます。

サービス提供会社 株式会社ネットオン
求人掲載先 「indeed」「Googleしごと検索」「求人ボックス」「careerjet」「スタンバイ」「キュウサク」
※無料プランでは、「careerjet」を除く5つに自動掲載

デザイン性に優れた採用サイトが作れる『Airワーク』

Airワークの特長は、魅力的な採用サイトが“最短5分”で作成できる手軽さです。デザインテンプレートは80種類、背景画像は50種類。ハイクオリティなテンプレートを活用することで、オリジナル性の高い採用サイトを作成することができます。

下記の記事では、エアワークの特徴について解説しています。
Airワーク(エアワーク)とは?特徴から料金や掲載方法、他ツールとの違いまで解説!

リクルート求人メディアを利用している企業は、メリットあり

『タウンワーク』や『はたらいく』などのリクルート求人メディアを利用している、またはしていた企業は、当該応募管理画面(おうぼうける君)のアカウントとAirワークを連携すれば求人票の取り込みが可能です(※)。リクルート求人メディアで採用活動をしている企業にとっては、求人票作成の手間をかけずに、自社採用サイトとIndeedを活用した採用活動をすぐに始められるメリットがあるでしょう。
ただし、Airワークは連携する求人検索エンジンが他のサービスよりも少ないため、露出面で劣る可能性は否定できません。

※求人メディアでの掲載開始日以降、掲載終了日から一年以内の原稿が対象(参考:Airワーク採用管理 ヘルプページ)

サービス提供会社 株式会社リクルート
求人掲載先 「indeed」「Googleしごと検索」「求人ボックス」

機能が豊富な『engage』

engageは、豊富な機能を備える採用管理システムです。オンライン適性検査や動画面接、離職リスクを可視化するツールなど、応募獲得後の業務をサポートする機能も充実しています。

下記の記事では、engage(エンゲージ)の特徴について解説しています。
「engage(エンゲージ)」とは? 意味や特徴、料金、口コミなどを解説!

DM(ダイレクトメール)の送信も可能

同社が運営する、会員数900万人超(2021年4月時点)の転職サイト『エン転職』の会員に対して、DM(2022年4月26日までの名称は「スカウト」)の送信が可能です。求人メディアを運営する企業ならではの独自サービスは、engageの強みといえます。

一方で、これらの豊富な機能を有効活用するには、採用活動に関する一定の理解が欠かせません。使いこなせる程度に知見のある担当者にとっては、魅力的な採用管理システムでしょう。

サービス提供会社 エン・ジャパン株式会社
求人掲載先 「エンゲージ」「Indeed」「Google しごと検索」「スタンバイ」「求人ボックス」「LINEキャリア」
※有料プランでは、「エン転職」を含む20以上の求人メディアに掲載

『採用係長』『Airワーク』『engage』の無料で使える機能(比較表)

  採用係長 Airワーク engage
採用サイト制作
求人票作成
応募者情報の閲覧
1件まで
求人検索エンジン・求人サイトへの自動掲載
5つの求人検索エンジン

3つの求人検索エンジン

5つの求人検索エンジン・求人メディア
電話・メールサポート
メール
× ×
他媒体の求人情報の取り込み
ハローワークのみ

リクルート求人メディアのみ

エン転職のみ

採用サイトの作成から求人票掲載までの基本的な機能はほとんど同じです。
その他の付加機能を豊富に搭載している『engage』に対し、無料プランでも電話・メールによるサポートを提供する『採用係長』は、サービス面が充実しているといえますね。

『採用係長』『Airワーク』『engage』の有料プランの違い

採用管理システムは、有料プランになるとそれぞれの強みが色濃く表れます。採用活動を強化していく中で、無料プランから有料プランへと移行する企業は少なくありません。将来的に有料プランを利用する可能性を踏まえ、それぞれの有料プランの特長についても確認しておきましょう。

採用のプロからアドバイスを受けられる『採用係長』

採用係長には4つの有料プラン(ライト/ベーシック/プロ/エンタープライズ)があり、上位プランになるにつれて機能が一層充実していきます。
また便利な有料オプションも用意されており、中でも1件につきわずか1万円で求人票の作成をプロに依頼できる「求人票の作成代行」は、工数削減と効果的な求人票作成を同時に実現できる、費用対効果の高いサービスです。

専任のコンサルタントから採用ノウハウを学べる

採用係長を提供しているのは、採用マーケティング会社である株式会社ネットオン。採用管理ツールを利用しながら、より良い採用を行うためのノウハウを学べる点は、他の採用管理システムにはない特色といえるでしょう。
前項で解説したとおり、電話・メール相談は無料プランでも行えますが、有料プランでは専任の担当者からサポートを受けることができます。採用活動が初めてでも、充実した機能と手厚いサポートによって戦略的な応募獲得が狙えるでしょう。

Indeedへ有料掲載できる『Airワーク』

Airワークの有料プラン「Airワーク 採用管理 iブースト」には、3つのプラン(2万円/3万円/4万円)があります。有料プランを利用すれば、その金額に応じてindeedの有料枠(スポンサー求人)への掲載が可能です。またタウンワークを利用する企業向けに、Airワークと併用してindeedへ有料掲載を行う「タウンワークオウンドパック」も用意されています。
有料プランに移行しても機能面が充実するなどの変化はありませんが、indeedへの有料掲載によって応募効果の向上が期待できるでしょう。

ただし、求人票が掲載されるメディアの数が他のサービスよりも少ないため、緊急度の高い採用には不向きかもしれません。「良い人がいれば、採用したい」と考えている企業にとっては、自社の採用メディアを持つことができ、無料または低予算で長期的に求人掲載を行える採用管理システムです。

使いこなせれば費用対効果の高い『engage』

engageの有料プラン(engageプレミアム)は、無料プランよりもさらに利用できる機能が増加。動画面接の「Video Interview」やオンライン適性検査「Talent Analytics」など便利な機能が制限なく自由に利用できます。

スカウトメールと20以上の求人メディア掲載で応募を促進

有料プランでは、20以上の求人検索エンジンや求人メディアに掲載されるため、求職者への露出が一気に広がります。さらにAIが推薦する候補者に対してスカウトメールが送れる「プレミアムAIスカウト」も、無制限で配信が可能です。
応募効果を高め、採用までサポートする機能が豊富なengageの有料プランは、無料プランと同様、採用初心者では使いこなすことが難しい可能性がありますが、これらの機能を十分に活用できる採用担当者にとっては、効率的な採用活動が期待できるサービスといえるでしょう。

『採用係長』『Airワーク』『engage』の有料サービス(比較表)

  採用係長 Airワーク engage
有料プラン数 4プラン 3プラン 1プラン
求人検索エンジン・求人サイトへの自動掲載
6つの求人検索エンジン

3つの求人検索エンジン

20以上の求人メディア
オンライン面接機能 × ×
求職者へのスカウト配信 × ×
「エン転職」会員に配信
適性テスト機能 × ×
電話・メールサポート
専任担当者によるサポート
× ×
独自ドメインの使用
オプションで利用可能(3,000円/月)
× ×
求人票の作成代行
オプションで利用可能(10,000円/件)
× ×

まとめ

近年の採用活動では、自社の採用メディアを通じた求職者へのアピールや、求人検索エンジンを活用した応募獲得が主流となってきています。採用管理システムは、その採用活動に欠かすことのできないツールのひとつ。さまざまなシステムが登場しており、無料で利用できるサービスも数多くあります。

今回比較した『採用係長』『Airワーク』『engage』は、操作性など使い勝手の評価においては大きな差はみられません。機能面ではそれぞれの特色がありますが、どの機能も活用できて初めてメリットを享受できるため、無料プランを利用するのであれば、担当者が「使いやすい」と感じたサービスを選ぶこともひとつの方法です。

ただし、有料プランの利用を見据えている場合は、その選び方では不十分な可能性があります。採用計画や予算、人材確保の緊急度、採用担当者の業務への精通度合い、採用メディアの運用…。これらを踏まえて十分に検討することをおすすめします。自社に合った採用管理システムを選ぶことができれば、採用活動を加速させるときに強い味方となってくれるでしょう。

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この記事を書いた人
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馬嶋 亜衣子(samusillee)

採用・キャリア関連、医療分野を中心に執筆を行うフリーランスライター。 各種メディアの取材ライティングやSEOライティング、採用HPのライティングなどに携わっています。

監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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