面接後に行うべきフォローアップとは?入社意欲を高めるための施策をご紹介

「面接後のフォローアップ」は応募者の入社意欲を高め、採用を成功させるために重要です。

面接前や面接中の対応が注目されがちですが、面接後の対応で良くない印象を与えれば、それまでの良い対応が水の泡になってしまうことも……。
「どのようなフォローアップが必要か」を事前に整理したうえで、採用活動の中に落とし込みましょう。

今回は、面接後に企業が行うべきフォローアップについて紹介します。
「採用を成功させたい」と悩んでいる企業は、ぜひ当記事をお役立てください!

面接前に行うべきことは?

面接時の対応は、応募から採用まで全てつながっているため、面接前・面接中に行うべきことを整理するのも大切です。

まずは「面接前」に必要な対応について詳しく紹介します。

日程調整、関係者の招待

最初に行うのが、応募者との面接日の調整です。
応募者と直接やり取りしている場合は採用担当者が連絡を取り、人材紹介会社などを利用している場合は担当者を介して日程調整をします。

他部署の社員が面接官を担当する場合や、複数の社員が面接に関わる場合は、カレンダーなどを用いて関係者を招待しておきましょう。

会議室の予約・確保

日程調整が完了したら、面接会場となる会議室をすぐに確保します。
会議室が少ない企業であれば、日程調整の段階で会議室が空いている日を確認しておくと良いでしょう。

会議室の確保で大事なのは、情報が漏れない空間を確保することです。
面接ではさまざまな個人情報が交わされますし、面接官は一言一言に集中する必要があります。音が漏れるような部屋や、外から丸見えになっているような部屋は避けましょう。

候補者の応募書類の確認

面接で応募者のことを深掘りするために、あらかじめ応募書類を読み込んでおきましょう。
特に、人事部以外が面接官を担当する場合は、早めに履歴書や職務経歴書を共有しておくことが大切です。

応募書類を読み込んでいないと、表面的な質問になって本質を見抜けませんし、応募者に悪い印象を与えます。
「この企業は自分に興味がないのかもしれない」「もっと自分を求めてくれる企業に入社したい」と思わせてしまうので、確実に目を通して準備しておきましょう。

質問や評価基準の設定

面接時の質問も事前に決めておきます。
まずは採用基準を明確にしたうえで、その採用基準を満たしているのか判断するには、どのような質問が必要かを考えましょう。

また、評価項目と評価基準を可視化した「面接評価シート」を作っておくことがおすすめです。
求める人物像が明確になり、一人ひとりの面接官が客観的に応募者を評価できるようになります。

※下記の記事では、採用面接ですぐに使える質問例と、質問のポイントを紹介しています
採用面接の質問方法・内容は?【質問例10選】面接官必見の人材の見極め方を解説!

※下記の記事では、評価基準の設定方法について具体的に解説しています
効果的な面接の評価基準とは面接評価シートの作り方と項目、ポイントを解説

受付での出迎え

当日は、受付で応募者を出迎えると面接までがスムーズに進みます。配布書類などがある場合は、受付で渡しておくのも良いでしょう。

また、応募者にとって面接は人生を左右する場なので、不安や緊張でいっぱいです。受付で温かく出迎えることで緊張をほぐし、リラックスして面接に臨めるようになります。

※下記の記事では、面接の事前準備において押さえておくべき7つのポイントについて紹介しています
【人事担当者必見】面接の事前準備に必要な7つのポイント

面接中に行うべきことは?

面接中は、「応募者について知ること」に集中する必要があります。
下記の流れで進めることが一般的です。

  1. アイスブレイク
  2. 面接官紹介
  3. 企業説明
  4. 質問
  5. 応募者からの逆質問

まずはアイスブレイクで応募者にリラックスしてもらい、本音で話しやすい環境を作ります。

その後、面接官が自己開示することで、応募者からの信頼度を高めましょう。
名前や役職はもちろん、「どんな仕事を担当しているのか」「入社して何年目になるのか」など、仕事に関連する内容を簡単に話すのがおすすめです。

企業説明では、沿革や業績のほか、自社ならではの強みや成功ストーリーなどを話します。
その後、実際に質問をして応募者のことを深掘りして、最後に逆質問を受け付けます。

上記はあくまで一般的な流れなので、ベースにしながら企業ごとにカスタマイズしてみてください。

※下記の記事では、採用面接ですぐに使える質問例と、質問のポイントを紹介しています
採用面接の質問方法・内容は?【質問例10選】面接官必見の人材の見極め方を解説!

面接後に行うべきことは?

面接が終わっても、面接官にはやるべきことがあります。
面接前・面接中がどれだけ良い雰囲気であっても、面接後の対応がおろそかだと良くない印象で終わってしまいます。最後まで丁寧に対応することが重要です。

結果通知など次のステップの説明

応募者たちは、面接の結果や進捗について「できるだけ早急に知りたい」と思っています。
そのため、結果通知は迅速かつ丁寧に対応することがポイントです。

通知方法は「電話」や「メール」「書面」などさまざまで、企業の方針や人事担当者のスタイルによって異なります。
ただし、最近はコスト節約や通知時間の短縮などのために、「電話」や「メール」などで通知する企業が多い傾向です。

結果通知とあわせて、次のステップに関する詳細な説明を行います。
必要な書類や日程などを明確に伝えることで、応募者がスムーズに次の段階に進めるよう支援します。

面接の振り返り・ディスカッション

面接の結果に対するフィードバックがある場合は、面接後に提供します。
フィードバックは応募者にとって客観的に自分を見つめる機会となり、今後の成長につながります。

ただし、フィードバックを提供する際は、建設的かつポジティブな言葉を使い、攻撃的な表現を避けるようにしましょう。
「〇〇をすればもっと良くなる」というように、前向きになれるように伝えることが重要です。

応募者に対して感謝の気持ちを伝えることも大切です。
数ある企業の中から自社を選んで面接に来てくれています。感謝の意を示すことで、求職者が企業への興味を持ち続ける可能性も高まります。

※下記の記事では、合格・不合格通知や採用通知のメールテンプレートを紹介しています
【採用担当者向け】採用メールテンプレート集 | 面接調整や採用通知などの文例

※下記の記事では、不採用通知の送り方や注意点について解説しています
【コピペOK!例文付き】不採用通知メールの送り方、送る際に気をつけるべきこと解説

内定後の入社辞退が起きてしまう原因

内定後の入社辞退は、採用活動のやり直しやコスト超過など、企業にとって深刻な問題となることがあります。
優秀な候補者が入社を辞退する原因を理解し、対策を講じることが重要です。

以下に、内定辞退の主な原因をいくつかご紹介します。

  • 他社のほうがより魅力的に感じた
  • 応募者の疑問や不安が放置されたままになっていた
  • フォローアップが十分ではなかった
  • 自社の文化を十分に伝えられず「合わない」と感じさせてしまった
  • 内定通知が遅くて他社への入社を決めてしまった

自社の対応を客観的に分析したうえで、内定辞退の原因を探りましょう。

中小企業が内定者にアピールできる「自社の強み」とは?

中小企業が内定者にアピールするためには、「自社の強み」を明確に伝えることが大切です。
大手企業とは異なる魅力や特長を活かし、内定者に魅力を感じてもらうことで、入社辞退を防ぎます。

以下は、中小企業がアピールできる「自社の強み」の例です。

■従業員同士の仲の良さや風通しの良さ
中小企業は、従業員の数が多すぎず、アットホームな職場環境を持つことが多い傾向です。
個々のメンバーが密に連携し、風通しの良いコミュニケーションが取れる環境は、内定者にとって魅力的なポイントとなります。

■応募者のニーズに合わせた柔軟な対応
中小企業では、最適な採用活動の方法を模索している段階で、流れが固まり過ぎていないことがあります。
そのため、「面接当日に実際に働いている様子も見てもらう」「事業部長の手が空いていたらその場で呼んできて会ってもらう」など、柔軟な対応が可能です。

■責任と裁量の機会
個々のメンバーに対して責任と裁量を与えているケースがあります。
自らのアイデアや能力を存分に発揮できることに魅力を感じる応募者は多いでしょう。

■企業の成長に参加
中小企業は成長段階にあり、入社後は、その成長に直接参加できることが魅力的です。
新しいプロジェクトの立ち上げや事業拡大に携わる経験は、内定者のキャリアにおいて貴重な経験となります。

【企業向け】入社意欲を高める面接後のフォローアップ施策

面接後のフォローアップ内容に「答え」はなく、自社ができる施策を考えて実施します。
候補者が自信を持って入社を決断し、長期的なキャリアとして自社に貢献してくれるように、最適なフォローアップ施策を行うことが重要です。

以下に、効果的なフォローアップ施策をいくつかご紹介します。

内定の連絡は電話で伝える

内定の連絡は、電話を使って直接行うことが望ましいです。
メールや書面よりも温度感が伝わりやすく、候補者と出会えた喜びや感謝の気持ちがより伝わります。

また、内定連絡と同時に今後についての事務連絡をすることがあります。
電話であれば、応募者が疑問や不安を持った場合に、リアルタイムで回答することが可能です。

内定通知書は手渡しで行う

内定者に対して、内定通知書をできるだけ手渡しで提供しましょう。
感動や喜びをより強く印象づけることができますし、企業側の気持ちがしっかりと伝われば、内定者は入社を心待ちにするでしょう。

ただし、内定通知書を手渡しする場合、内定者に来社してもらう必要があります。また、内定通知書がすぐに手元に欲しい内定者もいるでしょう。
企業と内定者の日程調整が難しそうであれば、両者の負担を軽くするために、郵送やメール送信を選ぶのも手です。

内定者向けの職場見学を実施する

内定者に職場見学の機会を提供するのもポイントです。
新たな環境や同僚との交流を体験することで、入社へのモチベーションが高まります。
また、職場の雰囲気や企業文化を肌で感じることで、より強い帰属意識が生まれるでしょう。

先輩社員による面談を実施する

入社が決定した内定者に対して、先輩社員との面談の場を設ける方法もあります。
先輩社員との交流は、現場のリアルな声や働く魅力を伝えるのに役立ちます。同じ職場で働く先輩の経験や成功例を伝えて、内定者のやる気を刺激しましょう。

面談する社員は、成長ストーリーや成功ストーリーを持つ社員を選ぶのがおすすめです。
「自分もこの人のようになりたい」「自分もこんな成果を出したい」と、入社後の姿を具体的にイメージしてもらえます。

来社の際に食事に誘う

内定者を企業の一員として迎え入れる気持ちを表すために、面接後に食事に誘うのも良いアイデアです。
気軽な雰囲気でコミュニケーションを図ることで、新たな同僚とのつながりを築けます。

手書きの手紙で熱意を伝える

内定者に手書きの手紙を送ることがおすすめです。
熱意を個別に伝える手紙は、内定者にとって特別な存在となります。入社を心待ちにする気持ちを改めて伝えることで、内定者の満足度が向上します。

とはいえ、特に採用人数が多い場合、「手書きだと業務の負担が大きくなる」と感じる人もいるでしょう。
そういった場合、小さな手紙や付箋に一言メモを書くだけでも、受け取った側の印象が変わりますよ。

事務処理は誠実な対応がカギ

内定者との事務処理においては、丁寧かつ誠実な対応が大切です。

採用担当者にとっては簡単な書類でも、内定者は「ここはどう書くと良いのだろう?」と不安になりやすいもの。事務処理の対応は、丁寧すぎるくらいが丁度よいでしょう。
不安や疑問を逐一解消しながら、必要な書類の提出や入社に関する手続きがスムーズに進むようにサポートしてください。

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まとめ

近年、採用活動の難易度は上がっており、人材を1人採用するだけでも、企業はさまざまな工夫をする必要があります。
多くの企業が面接前・面接中の工夫に着目しますが、候補者を自社に確実に引き付けるためには面接後のフォローアップが欠かせません。

ぜひ、自社ならではのフォローアップを確立させて、採用成功につなげてください。

なお、「自社採用サイトを作って採用を強化したい」と考えている場合は、採用マーケティングツール「採用係長」がおすすめです。経験豊富な専門スタッフがそろっていて、皆さまの採用成功をサポートしますので、気になる方はぜひお問い合わせください。
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この記事を書いた人
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コンノ

公務員として4年間、人事労務の実務経験あり。 これまで100名以上の事業者をインタビューしており、「企業や個人事業主が本当に悩んでいること」を解決できる記事を執筆します。

監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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