保育士の採用単価はどれくらい?|採用単価を抑えるための採用手法

保育士 × 採用単価

保育士の人材不足はいま社会的な注目を集め、官民を問わずさまざまな取り組みが行われています。保育園運営に携わる現場の担当者もどうやって保育士の採用を行うか、試行錯誤を重ねていることでしょう。

試行錯誤を重ねる中で、

  • 保育士の採用単価は高騰化している?
  • 平均的な採用単価はどのくらいなのか?
  • どうやったら今よりも安く保育士を採用出来るのか?

とお考えの採用担当者もいらっしゃると思います。

今回は上記のような疑問やその解決方法について説明します。

保育士の採用単価はいくらか?

一口に保育士の採用単価と言っても、雇用形態や求人方法によって費用が変わってきます。
ここでは

  • 人材紹介を利用した場合
  • 求人媒体を利用した場合

2つのケースを取り上げ、保育士1人当たりの平均採用単価を算出してみます。

人材紹介を利用した場合

人材紹介を利用して保育士を採用する場合「成果報酬型」の料金形式です。つまり、採用が決定して候補者が入社した場合のみ紹介会社に料金を支払います。紹介会社によって詳細は異なりますが、一般的に紹介手数料(報酬料金)は採用した人材の年収の約30~40%と設定されています。

ここで、保育士の平均年収を見てみましょう。厚生労働省が発表している2019年度の保育士の平均賃金は363.4万円(※)です。
(参考:賃金構造基本統計調査|厚生労働省)

※[きまって支給する現金給与]×12ヶ月分+[年間賞与、その他特別給与]

この数字をもとに手数料30%の紹介会社を利用し採用単価を計算すると以下の通りです。

年収363.4万円 × 紹介手数料30% = 約109万円

あくまで保育士の平均年収と紹介会社の一般的な料率をかけ合わせた金額なので、実際の採用単価は算出した料金から変動します。


参照:e-stat政府統計 政府統計窓口 賃金構造基本統計調査

上記のグラフは、2010年から2019年までに公表された保育士(保母・保父)の年収に、紹介会社の一般的な料率をかけた採用単価を年ごとに算出したグラフです。採用難の保育業界では給与の引き上げが起きているため、人材紹介における採用単価も年々高騰していると予想できます。 

求人媒体を利用した場合

求人媒体を利用する場合の料金体系は、人材紹介と同じ「成功報酬型」と「掲載報酬型」の2パターンです。

「成功報酬型」の求人媒体は、人材紹介と同じく採用が決定して候補者が入社した場合のみ料金が発生します。求人の掲載自体は無料となっていることが多いです。
報酬料金に関しては、これもまた人材紹介と同じく媒体によって異なりますが、少なくとも人材紹介よりも高いということはないでしょう。

「掲載報酬型」は求人媒体に求人広告を掲載する際に料金が発生します。上位表示の頻度や掲載サイズ、掲載期間によって料金プランが異なります。大手求人媒体のほとんどはこの「掲載報酬型」を採用しています。「掲載報酬型」の求人媒体に求人広告を掲載した場合の正社員保育士とパート保育士の採用単価については、以下で細かく解説します。

正社員雇用

マイナビ中途採⽤状況調査2020年版によると、保育・教育・通訳分野において、採用者1人当たりの求人広告費は83.9万円という結果が出ています。

求人広告に掛ける費用画像出典:マイナビ中途採⽤状況調査2020年版|株式会社マイナビ

教育・通訳業務も含まれていますが、求人媒体に出す際の採用単価は83万円前後ということが分かります。

人材紹介と比較すると安く感じられますが、掲載報酬型の求人広告は、仮に応募が0件でも掲載費用が掛かる点に注意する必要があります。つまり、いくら費用を掛けて求人を掲載しても、内容や条件次第では「応募が1件も来ない」「採用実績ゼロ」という事態もありえるのです。

アルバイト・パート雇用

保育士の求人を専門に掲載している保育士の求人の【保育パートナーズ】様では、アルバイト・パート保育士の採用に成功した場合の報酬料金を12万円と設定しています。
(参考:プラン・機能一覧|採用ご担当者の方|保育士の求人の【保育パートナーズ】)

一概には言えませんが、アルバイト・パート保育士の採用単価はだいたい12万円程度が相場と認識して問題ないでしょう。

しかし、保育士は人手不足による採用難から、他の業種に比べて採用単価が年々高騰しています。それでは、高騰する保育士の採用単価を抑え、安く採用する良い方法はないのでしょうか。

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保育士の採用単価を抑える4つの方法

深刻な人手不足による採用単価の高騰は、小規模な保育園にとって大きな負担です。上記で述べたように、保育士を採用する場合、少なくとも1人当たり100万円程度の投資を覚悟する必要があります。

では、採用にそこまで費用を掛けられない保育園は、どうやって限られた予算内で保育士の採用単価を抑えながら、採用活動を行っていけばよいのでしょうか。

採用単価を抑える方法として、

  • ハローワークに求人を掲載する
  • リファラル採用・アルムナイ採用を利用する
  • 求人検索エンジンに掲載する
  • 採用管理システムを導入する

以上4つの採用手法をご紹介します。

ハローワーク

日本全国に展開するハローワーク(公共職業安定所)に、無料で求人を掲載する方法です。また、ハローワークインターネットサービスにより、インターネット上からも求人情報を掲載できます。

ハローワークで求人掲載を行う具体的な方法については、以下の記事で解説しています。
2020年度版 ハローワークで求人を掲載する方法【画像付き解説】|無料掲載できる他媒体も紹介

2020年1月よりハローワークインターネットサービスに大幅なリニューアルが行われ、採用活動を行う事業者はインターネット上で「求人者マイページ」を開設出来るようになりました。求人者マイページの開設はハローワークインターネットサービスのトップ画面、もしくはハローワーク窓口より行えます。

求人者マイページで出来ることは以下の通りです。

  • 求人の申込み(仮登録)
  • 求人内容の変更
  • ハローワーク経由の応募者を管理
  • ハローワークからの紹介者とのメッセージのやりとり
  • 求職者の検索

求職者の検索が可能になったことにより、職種や勤務地など条件にマッチした求職者を見つけ出し、ハローワークを通して紹介してもらうこともできます。
(参考:求人者マイページ利用者マニュアル

ハローワーク経由で採用まで至った場合は、求人広告費や紹介手数料などの採用における外部コストは一切掛からず、人件費といった内部コストのみで済みます。

リファラル採用・アルムナイ採用

リファラル採用・アルムナイ採用については言葉を聞いたことはなくとも、既に自然と取り入れている保育園は多いかと思います。それぞれについて詳しく、メリット・デメリットを踏まえながら解説します。

リファラル採用

リファラル採用とは、自社に勤める社員に知人や友人を紹介してもらう採用手法です。
特に保育士は横のつながりが強く、保育専門学校や大学の同級生といったルートからの紹介での採用が見込めます。

リファラル採用のメリットは、保育の現場経験者からの紹介であるためマッチ度が高く、既に知人や友人がいることで不安がなく定着しやすい点です。求人広告費や紹介手数料、その他採用に掛かる外部コストの削減もできます。

デメリットは、紹介する側の保育士がいま働いている環境に満足していなかったり、紹介したいと思わなければリファラルが行われない点です。
上記のようなデメリットを解消する施策として、紹介する側へのインセンティブを設けると良いでしょう。株式会社MyRefer様の調査によると、多くの企業がリファラル採用成功時のインセンティブとして約1~30万円を設定しております。
(参考:リファラル採用の報酬(インセンティブ)の設定方法|リファラル採用活性化サービスのMyRefer)

アルムナイ採用

アルムナイ採用とは、さまざまな理由で企業を離職・退職された方をいつでも元の企業で再雇用できる採用手法です。ヤフー株式会社様が導入したことでニュースにもなりました。
育児や介護など家庭の事情、体を痛めてしまった、定年退職といった理由で退職してしまった保育士に対し定期的に情報を発信し、本人の希望があれば再雇用します。

アルムナイ採用のメリットは、過去に雇用していた人材を再雇用するため、採用に費用は掛からない点です。また、もともと保育園をよく知っている人材であるため、マッチ率が高く、雇用側も求職者側もお互いの情報を持った状態で円滑にコミュニケーションが取れる点です。

デメリットは、離職者・退職者に対して良好な関係を維持しなければ再雇用に至らないため、関係を維持するためのコミュニケーションコストが掛かる点です。

アルムナイ採用の詳細については以下の記事で解説しています。
「アルムナイ」とは?アルムナイ制度のメリットや活用事例をご紹介!

求人検索エンジンに掲載する

Indeedや求人ボックスといった求人検索エンジンは無料で求人を作成・掲載できます。既に採用サイトをお持ちの場合は連携させることにより、自動で求人掲載を行うことも可能です。

特にテレビCMなどで知名度を上げているIndeedでは、約25万人が保育士の求人を検索していると言われています(2020年5月Indeed採用市場レポートより)。

また、求人検索エンジンの多くは無料で求人を掲載するだけでなく、「スポンサー広告」といった有料オプションを利用して、より採用効果を高めることもできます。

Indeedの業界別クリック単価相場について」によるとIndeedで保育士の求人をスポンサー掲載した場合、クリック単価相場は40円~250円とあります。仮にクリック単価を200円と仮定し、1000クリックで5人の応募があった場合、応募単価は以下になります。

200円×1000クリック÷5応募=40,000円

5応募のうち1人採用に至った場合、採用単価は以下のように算出されます。

40,000円(応募単価)÷1/5(採用者/応募数)=200,000円

先程紹介したクリック単価はあくまで2018年度の弊社調査によるものであり、またクリック単価は常に変動していることから、一概に20万円が保育士の採用単価だとは言い切れません。

ですが、人材紹介会社や求人広告媒体を利用した場合よりも採用単価を下げて採用できる可能性は十分にあります。

Indeedを利用して保育士の採用単価を下げることに成功した例

Indeedの「スポンサー広告」を利用することによって保育士の応募単価を約8,300円まで下げられた事例もあります。詳細はこちらのページで解説しております。
Indeed有料広告で応募単価を大幅に下げることに成功【保育士業の求人成功事例】

採用管理システムを導入する

採用管理システムとは、応募から入社までに関わる「求人情報」「応募者情報」「面接の選考管理」「応募者に対する採用担当者の評価」「内定者の管理」業務を一元管理できるシステムのことです。導入に費用が掛かるものもあれば、無料で利用できるものまでさまざまな種類のシステムが存在します。

採用管理システムを利用することで、煩雑な選考管理や個々の応募者へのメッセージなど、採用業務の効率化ができ、採用コストの中の人的リソース削減につながります。
もし、有料で導入する場合は、月額2万円~6万円といった比較的安価な料金を設定しているところが多いです。
(参考:採用管理システム全70個を徹底比較【2020年 最新情報】|特徴・料金から最適なサービスを導入しよう )

採用管理システムを導入するメリットについては、以下の記事で解説しています
採用管理システムを導入するメリット|採用業務の効率化のために

忙しい採用担当者の方には無料で今すぐ利用できる『採用係長』の導入をおすすめします。

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  • 応募者の一元管理ができる
  • Indeedを含めた最大6つの求人検索エンジンに連携が可能
  • 地方の採用実績がある
  • 簡単にWeb面接とWeb面接日時設定ができる(有料プランのみ)
  • LINEからの応募・メッセージが可能
  • オートリプライ機能で即時対応可
  • 簡単にオシャレな求人ページが作成でき、修正も簡単
  • PR文・仕事内容を自動で作成が可能

…など、採用を成功させるためのさまざまな機能をそろえています。

まとめ

社会的に注目される保育士の人手不足により、今後も保育士の獲得競争は続いていきます。
また、グラフで紹介した保育士の採用単価も競争の激化に比例して上がっていくでしょう。厳しい採用市場の中で、必要な人数の保育士を採用し保育園の運営を続けていくためには、採用単価を抑え効率よく採用していくことが求められます。

この記事でご紹介した方法を参考に、いまの採用を見直し効率の良い保育士の採用に取り組んでみてははいかがでしょうか。

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