人材紹介の手数料の相場とは?注意点についても解説!

いざ採用活動をおこなうにも「採用業務に工数を割く余裕がない」「マッチする人材からの応募が来ない」と、お悩みの採用担当者様も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、多くの方が一度は検討されたことがあるであろう採用手法の一つ「人材紹介」です。
人材紹介の特徴や手数料の相場など、料金形態についても詳しくご紹介します。

人材紹介とは?

そもそも「人材紹介」とは、企業からの求人・求職の申込みの依頼を受けて、企業と求職者の間の雇用関係の成立を斡旋することを指しており、国や自治体などが行う「無料職業紹介」と民間企業などが行う「有料職業紹介」の2つに分かれています。

「無料職業紹介」での代表例としては公共職業安定所(愛称:ハローワーク)などが挙げられます。公共職業安定所は、厚生労働省設置法第23条に基づき設置された「国民に安定した雇用機会を確保すること」を目的として厚生労働省が設置する行政機関であり、職業安定法によって、手数料や紹介料を徴収することは禁じられています。

ハローワークは国際労働機関の職業安定組織条約(ILO第88号)を基とした、批准国に設置されることが要求されている公的職業安定組織です。日本はこの国際労働条約に批准しています。批准国は、誰でも職業紹介のサービスが利用できるよう公共職業安定組織を維持し、運営することが求められています。

一方「有料職業紹介」は、厚生労働大臣から許可を受けた「有料職業紹介所」(人材バンクや転職エージェントなど)、が企業から募集の依頼を受けて募集要項にマッチした人材を紹介するサービスであり、成立した場合に手数料や紹介料を徴収し主な収入としています。

また、有料職業紹介においても国際労働期間で規定が定められており、国に承認を得た料率か、定めた料率に基づく料金・費用以外を徴収してはならないとされています。 一般的に「人材紹介」と言えば、有料職業紹介のことを意味します。

人材紹介の特徴

人材紹介の特徴を確認してみましょう。 人材紹介は一般的に成功報酬型となっており、初期費用をかけずに利用ができるのが特徴です。人材の採用が成功した際に紹介会社に手数料を支払う料金形態となっています。
紹介会社の担当者が依頼企業の採用条件に合う人材を選別してから面接をおこなうため、希望する人材とのみ面接ができます。採用活動に工数が割けない場合でも、最小限の時間で求めている人材を効率的に採用できます。

人材紹介を利用するにあたり、まずは担当者と打ち合わせを行い、希望する人材の条件や採用の目的を伝えます。そして勤務条件や待遇、業務内容をまとめた求人票などを提出し、その後は担当者から人材の紹介連絡が入るのを待つというのがオーソドックスな利用の流れです。

人材紹介の種類

人材紹介サービスは2つの種類に分けられます。

一般紹介/登録型

人材紹介会社に登録した求職者を、担当者が企業の求人と照らし合わせて登録者の中から要件にマッチした求職者を企業に斡旋する方法です。料金は紹介手数料のみで入社が決定して初めて費用が発生するため、初期費用がかからないのが特徴です。大抵の場合は人材紹介会社と企業は無期限契約であり、採用に至るまでのサポートをしていることが多いです。

サーチ(エグゼクティブサーチ/ヘッドハンティング)型

人材紹介会社が企業から依頼を受け、条件にマッチした人材を探す方法です。人材をスカウトやヘッドハンティングを行い確保します。サーチ型の場合は、紹介手数料以外にも着手金(リテーナーフィー)が必要な場合があります。大抵の場合は、人材紹介会社と企業との間の契約は期限つきで、人材が充足すれば契約終了となることが多いです。

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人材紹介の手数料とは?

人材紹介における「紹介手数料」とは、採用が決まった際に支払う報酬のことを指します。 人材紹介の多くは企業が人材を採用した時に初めて費用が発生する、成功報酬型です。採用難易度の高い業界や人材のスカウトやヘッドハンティングの場合は、着手金(リテーナーフィー)が発生することがあります。

人材紹介の手数料設定については2つの種類がある

紹介手数料の算出方法には、「上限制手数料」と「届出制手数料」の2つの種類がありますが、現在ほとんどの人材紹介会社が「届出制手数料」を採用しています。 今回は、「届出制手数料」についてのみ解説します。

届出制手数料について

届出制手数料の場合、紹介手数料は採用した人材の初年度の理論年収に対し事前に定めている料率をかけた金額となります。 当然ながら上限が定められており、上限は求職者の想定年収の50%です。

紹介手数料の相場について

上記で説明した通り、届出制手数料の上限は50%ですが、相場として設定されるのは30~40%程度です。採用難易度が高い業界などの場合は35%を超えて設定することもあれば、契約時の内容によっては25%から30%と低めに設定する場合もあります。

※仮に届出制手数料を35%とし、理論年収が500万円の人材が入社すると紹介手数料は175万円となります。

理論年収とは?

理論年収とは、採用された人材が1年を通して働いた場合、いくらの収入を得るのかを推定した金額のことです。
人材紹介会社ごとに少し異なりますが、基本的には採用された人材の「月次給与12ヶ月分+賞与+通勤手当以外の各種手当、奨励金および一時金」を合計した金額を指します。 あくまで理論年収のため、実際に支払われる年収とは異なるケースがあり注意が必要です。

紹介手数料が発生するタイミング

紹介手数料を支払うタイミングは入社する前の段階ではなく、原則採用された人材が「入社した日」となることが多く、本当に入社をしたかどうか、人材紹介会社が確認を行った後に請求書が発行されます。 入金を入社日前に設定することができないため、請求書が到着したら速やかに対応することが必要です。

採用者が退職した場合はどうなる?

人材紹介により入社した人材が自己都合で退職となってしまった場合、サービスの保証期間内であれば、多くの人材紹介会社は早期離職が発生した際に紹介手数料の一部を返金する「返還金規定」を設けています。

紹介手数料が100%返ってくるとは限りませんが、人材紹介会社ごとに返金が可能な期間や金額が異なります。人材紹介会社と契約を結ぶ際には返還金規定についてあらかじめ把握・確認しておいた方が良いでしょう。

一般的には入社30日未満の退職で紹介手数料の70~80%前後、90日未満で50~60%前後に設定されています。 ここで注意が必要なのは、返還金規定が適用されるのはあくまでも自己都合による退職の場合のみであり、企業の業績悪化や労使トラブルなどの会社都合は適用不可ということです。

その他、人材紹介を利用する際の注意点

ここからは、人材紹介サービスを利用する際の注意点についてご紹介します。

必ず紹介を受けられるとは限らない

首都圏や大阪など産業が多いエリアには転職サービスの登録者が集まる傾向にはありますが、地方での採用をする場合には登録者が少なく紹介できる人材にも限りがあるため地域や職種、業種によっては希望にマッチした人材がいない可能性があります。

地方での採用を検討する場合は採用要件や転職市場を事前に確認したうえで紹介会社の担当者に一度相談してみましょう。

採用実績がないままだと紹介されなくなる

人材紹介会社の性質上、積極的に採用を行う企業へ人材を紹介する傾向にあるため、紹介を受けるだけで全く採用をしないと紹介会社側からフェードアウトされてしまう可能性があります。

人材紹介会社の主な売上は紹介手数料であるため、企業と人材のマッチングだけを最優先に考えて紹介しているわけではない可能性があることを留意しておく必要があるでしょう。
また、書類選考突破や採用率を上げるためにもより具体的な求める人物像や面接当日の主な流れなどを伝えておくことも大切です。

候補者への直接連絡は行わないようにする

企業間での信用・信頼を失いかねないため、紹介された人材と紹介会社を介さない連絡はとらないように注意し、必ず担当者を介して候補者と連絡をとりましょう。

候補者と企業が共謀して、人材紹介会社への紹介手数料を支払わずに、本来の紹介手数料にあたる一部を求職者に支払うなどの行為は「中抜き」と呼ばれています。 「中抜き」と認定されてしまうと、企業自体の信用に大きな損害を与えるリスクがあるため、決してルール違反を起こさないよう注意しましょう。

まとめ

本記事では人材紹介の特徴や手数料の相場などの料金形態についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

人材紹介を利用し採用する際のコストは他の採用手法と比較すると決して安くはないかもしれません。しかし人材紹介を利用することで、自社の希望にマッチした人材と面接をおこなうことができ、効率良く採用ができます。

また、専任の担当者のフォローにより採用業務にかかる工数を抑えることができる点や、初期費用がかからない点などメリットは多岐に渡ります。 さまざまな採用手法を試してみたが「なかなか採用に至らない」とお悩みの採用担当者の方は一度、人材紹介での採用も検討してみてはいかがでしょうか。

本記事が少しでも採用活動のお役に立てれば幸いです。

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採用Webマラボ編集部

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監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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