18歳未満の労働時間・深夜業|高校生アルバイトのシフトの組み方と求人票の書き方

高校生アルバイトのシフトと求人票、18歳未満の労働時間・深夜業のルールと書かれた記事のアイキャッチ画像

飲食店や小売店で高校生をアルバイトに入れるとき、22時までに上がらせれば大丈夫、と考えている店舗は少なくありません。終業時刻だけを見るなら、それで足ります。ですが18歳未満を雇うと、変わるのは終業時刻だけではありません。1週間の上限も、シフトの組み替え方も、雇い入れのときに事業場へそろえる書類も、成人とは別の条文が働きます。飲食店ではさらに、朝の側の線が労働基準法より1時間うしろにずれます。この記事では、労働基準法と年少者労働基準規則、それに飲食店だけにかかる風営法の条文をもとに、シフトの組み方と求人票の勤務時間欄への反映までを整理します。

18歳未満で変わるのは、この3つです

労働基準法は満18歳に満たない人を年少者と呼び、第6章に特別な規定を置いています。学校に在籍しているかどうかは関係ありません。高校3年生でも満18歳の誕生日を迎えれば年少者ではなくなり、逆に高校に通っていない17歳も年少者です。

実務で最初に効くのは次の3つです。

項目 18歳未満 成人(18歳以上)
働かせられない時間帯 午後10時〜午前5時(第61条) 制限なし(深夜割増の支払いは必要)
労働時間の上限 1日8時間・1週40時間(第32条)。週44時間の特例は使えない 1日8時間・1週40時間。常時10人未満の一部業種は週44時間の特例あり(後述)
36協定による時間外労働 できない(第60条第1項) できる

第60条第1項は、変形労働時間制とフレックスタイム制(第32条の2から第32条の5まで)、36協定による時間外・休日労働(第36条)、労働時間及び休憩の特例(第40条)、高度プロフェッショナル制度(第41条の2)を、満18歳未満には適用しないと定めています。つまり36協定を結んでいても、高校生には残業させられません。1か月単位・1年単位の変形労働時間制でシフトを組んでいる職場でも、18歳未満だけはその枠から外れます。

補足

第60条第1項の除外リストに第33条は入っていません。災害その他避けることのできない事由による臨時の必要がある場合(第33条第1項)は別扱いで、この場合は後述する深夜業の禁止も適用されません。ただしこれは非常時の規定なので、恒常的な残業の根拠にはなりません。

飲食店には、朝6時までのもう1枚の規制があります

ここが最も見落とされます。労働基準法第61条第1項は、満18歳に満たない人を午後10時から午前5時までの間に使用してはならないと定めています。多くの解説はここで終わりますが、飲食店営業には、これとは別にもう1枚の規制がかかります。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第32条第3項は、同法第22条第1項(第3号を除く)の規定を、飲食店営業を営む者に準用しています。準用される第22条第1項第4号は、営業所で午後10時から翌日の午前6時までの時間に18歳未満の人を客に接する業務に従事させてはならない、という規定です。

始まりは労働基準法と同じ22時ですが、終わりは1時間うしろの翌6時です。22時に上がらせて回している店なら、この壁が効く場面は限られます。効いてくるのは、朝5時台から店を開けている場合や、24時間営業でホールに人を立たせる場合です。5時を過ぎれば労働基準法の側は解けますが、この規制がかかる飲食店では、6時になるまで18歳未満を客に接する業務に就かせられません。罰則も労働基準法より重くなります。

18歳未満を働かせられない時間帯を業種別に比較した図。小売・スーパー・コンビニと主食を出す飲食店は労働基準法第61条により午後10時から午前5時まで、酒類が中心の飲食店は風営法第32条第3項が準用する第22条第1項第4号により、客に接する業務について午後10時から午前6時まで

業種によって、18歳未満を入れられない時間帯の終わりが変わります。酒類が中心の飲食店で午前6時まで延びるのは、客に接する業務についてです。

すべての飲食店にかかるわけではありません

風営法施行規則第102条が、この第4号(と、客としての立入りを定める第5号)の対象から外れる飲食店営業を2つ定めています。1つは、営業の常態として客に通常主食と認められる食事を提供して営む飲食店営業です。もう1つは、営業の常態としてコーヒー、ケーキその他の茶菓類以外の飲食物を提供して営む飲食店営業で、こちらは酒類を提供して営むものが除かれています。

読み替えると、判定は二段になります。まず第1号に当たるか、つまりご飯や麺、パンといった主食を出すのが営業の常態かを見ます(定食屋、ラーメン店、ファストフード、牛丼店など)。第1号には酒類の除外が付いていないため、酒を置いていてもここに当たれば外れる方向です。第1号に当たらない店は第2号を見ますが、こちらは酒類を提供して営むものが除かれているので、酒類の提供が常態で主食を出していない店(居酒屋、バーなど)は外れません。この場合、18歳未満を客に接する業務に就かせられない時間帯は午前6時までになります。

実務でいちばん多いのは、〆のご飯ものや麺を出す居酒屋のように、主食も酒類も出している店です。この型は、主食の提供が営業の常態と言えるかどうかで結論が分かれます。

自店がどちらに当たるかは、営業の常態という事実の判断になります。主食を出しているかどうかの線引きは店の実態で決まるため、判断に迷う場合は所轄の警察署(生活安全課)に確認してください。営業許可の種別、主食に当たるメニューをどの時間帯にどれくらい出しているか、酒類の提供状況、深夜の営業時間を伝えると話が早く進みます。この記事で断定することはできません。

労働基準法側の例外を使っても、この壁は残ります

労働基準法第61条には例外があります。第1項ただし書は交替制によって使用する満16歳以上の男性を除いており、第3項は交替制によって労働させる事業について、行政官庁(所轄の労働基準監督署長)の許可を受ければ午後10時30分まで労働させ、または午前5時30分から労働させることができるとしています。許可は年少者労働基準規則第5条の様式第3号で申請します。

この例外には注意点が2つあります。1つは、条文にいう交替制が何を指すかが、労働基準法にも年少者労働基準規則にも書かれていないことです。早番と遅番があるだけの一般的なシフト制がこれに当たるとは限りません。自店の勤務形態がこの例外を使える交替制に当たるかは、所轄の労働基準監督署に確認してください。もう1つは、第1項ただし書が性別を条件にしていることです。16歳以上の男子のみといった条件を求人の応募条件に転用すると、性別による募集の制限になります。以上から、一般的な高校生アルバイトの設計では、この例外を前提にしないほうが安全です。

そして重要なのは、これらの例外で労働基準法側の壁を動かしても、風営法側の壁は動かないということです。根拠となる法律が違うため、片方の許可がもう片方に効くことはありません。

飲食店・小売店は深夜業の適用除外に入っていません

第61条第4項は、深夜業の禁止が適用されない事業を挙げています。別表第一の第6号(土地の耕作、植物の栽培など農林の事業)、第7号(動物の飼育、水産動植物の採捕・養殖など畜産・養蚕・水産の事業)、第13号(病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業)と、電話交換の業務です。

物品の販売は第8号、飲食店・接客業・娯楽場は第14号で、どちらもこの除外に入っていません。スーパー、コンビニ、飲食店は原則どおり深夜業の禁止がかかります。

業種 18歳未満を入れられない時間帯 根拠
スーパー・コンビニ・小売店 午後10時〜午前5時 労働基準法第61条第1項
主食を出すのが常態の飲食店(定食屋・ラーメン店など。酒類の提供の有無を問わない) 午後10時〜午前5時 同上(風営法施行規則第102条第1号で第4号の対象から除外)
主食を出すのが常態ではなく、酒類を提供する飲食店(居酒屋・バーなど) 働かせること全般は午後10時〜午前5時/客に接する業務は午後10時〜午前6時 労働基準法第61条第1項+風営法第32条第3項・第22条第1項第4号
農林・畜産・水産・保健衛生・電話交換 深夜業の禁止は適用されない 労働基準法第61条第4項

なお深夜の割増賃金(午後10時から翌午前5時までの25%以上)は、18歳未満を適法に働かせられる場面がある事業でも同じようにかかります。就業させてよいかという話と、割増賃金を払うかという話は別の規定です。計算方法は割増賃金率の引き上げと計算方法で扱っています。

逆に、午前5時を過ぎれば労働基準法上は入れられます。開店前の品出しや朝の時間帯は、22時からの制限とは別に組めます。ただし主食を出さず酒類を提供する飲食店では、客に接する業務だけが午前6時まで残ります。

同じシフト表でも、高校生だけ週40時間です

常時10人未満の労働者を使用する小売業や飲食店には、労働時間の特例があります。労働基準法施行規則第25条の2は、別表第一の第8号(物品の販売など)、第10号(映画の製作を除く)、第13号、第14号(旅館、料理店、飲食店、接客業、娯楽場)の事業のうち常時10人未満の労働者を使用するものについて、1週間について44時間、1日について8時間まで労働させることができると定めています。

この常時10人未満は、会社全体ではなく、その店(事業場)ごとに数えます。施行規則第25条の2は、第1項で事業のうち常時10人未満の労働者を使用するものと定め、第2項をその事業場と受けています。3店舗を持つ会社でも、判定は店単位です。数えるのは在籍している労働者で、正社員・パート・アルバイトの別を問いません。同じ時間帯に何人立っているか、ではありません。人数が期間によって増減する場合の扱いは実態の判断になるため、境界にある店は所轄の労働基準監督署に確認してください。

この特例の根拠は労働基準法第40条です。そして第60条第1項は、その第40条を満18歳未満には適用しないと定めています。

結果として、常時10人未満の個人経営の店では、成人は週44時間まで組めるのに、高校生だけは週40時間が上限になります。同じシフト表に並んでいるのに、上限が4時間違います。1日7時間で週6日入れば42時間になり、この時点で超えます。

特例を使っている職場で18歳未満の週の労働時間が40時間を超えると、労働基準法第32条違反として扱われます。第60条自体は罰則の条文に列挙されていないため、適用除外の結果として第32条違反になるという形です。まず超過している週のシフトを組み直してください。法定刑は6か月以下の拘禁刑(従来の懲役・禁錮に代わる刑名です)または30万円以下の罰金です。

テスト期間のシフトは、1日10時間まで延ばせます

逆に、18歳未満だからこそ使える調整もあります。第60条第3項第1号は、満15歳以上で満18歳に満たない人について(満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの間は、第3項全体の対象外です)、1週間の労働時間が第32条第1項の労働時間(週40時間)を超えない範囲内で、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に短縮する場合に、他の日の労働時間を10時間まで延長できるとしています。

定期テストの前日を短くして、その週の別の日に長めに入ってもらう、といった組み方ができます。ここで延ばせるのは1日10時間までで、週40時間の枠は動きません。

同じ第3項の第2号は、1週間について48時間以下の範囲内で厚生労働省令で定める時間(労働基準法施行規則第34条の2の4により48時間)、1日について8時間を超えない範囲内で、変形労働時間制の例により労働させることを認めています。この第2号も、上と同じく満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの間は使えません。

雇い入れのときに、事業場へそろえる書類があります

労働基準法第57条第1項は、満18歳に満たない人について、その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければならないと定めています。事業場とは、その人が実際に働いている店や事業所のことです。本社でまとめて保管するのではなく、その高校生が働いている店に置くのが条文の求めている形です。多店舗で人事書類を本社に集約している場合は、写しを店に置く運用に変えてください。

実務では住民票記載事項証明書でも足りるとされています。山梨労働局は、すべての事業場が年齢証明書として住民票記載事項証明書または戸籍記載事項証明書(一部記載事項証明書)を労働者から提出させ、事業場に備え付けておく必要があると案内しています。あわせて、戸籍記載事項証明書については労働基準法第111条により、労働者からも使用者からも本籍地の市町村長もしくは区長に無料で証明を請求できるとしています。

山梨労働局の労働基準Q&Aページ。年齢証明書として住民票記載事項証明書または戸籍記載事項証明書を事業場に備え付ける必要があること、コンビニやファーストフード店では22時以降のシフトに就かせられないことが記載されている

年齢証明書の書類と、コンビニ・ファーストフード店での取り扱い(山梨労働局、2026年8月24日取得)。

契約は本人と結び、給料は本人に払います

第58条第1項は、親権者又は後見人は未成年者に代わって労働契約を締結してはならないと定めています。雇用契約書に保護者が署名する運用はこの条文に反します。

第59条は、未成年者は独立して賃金を請求することができ、親権者又は後見人は未成年者の賃金を代わって受け取ってはならないとしています。給料を保護者に手渡す運用も同じく違反です。どちらも30万円以下の罰金の対象です(第120条第1号)。

解雇したときは、帰郷の旅費を負担します

あまり知られていませんが、第64条は、満18歳に満たない人が解雇の日から14日以内に帰郷する場合、使用者が必要な旅費を負担しなければならないと定めています。ただし本人の責めに帰すべき事由に基づいて解雇し、その事由について行政官庁(所轄の労働基準監督署長)の認定を受けたときは負担しません。自己都合の退職は対象外です。遠方から来ている場合に効いてくる条文です。

保護者の同意書は、労働基準法上の義務ではありません

高校生を雇うには親の同意書が要る、という説明を見かけますが、労働基準法にその義務はありません。第57条第2項が学校長の証明書と親権者又は後見人の同意書の備付けを求めているのは、第56条第2項によって使用する児童(後述する、満13歳以上で満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの許可使用)についてです。高校生は対象外です。

トラブルを避けるために任意で同意書をもらう運用自体は問題ありませんが、法律上必要だと説明するのは誤りです。

就かせられない仕事があります

労働基準法第62条は、満18歳に満たない人を危険な業務や有害な業務に就かせてはならないと定め、具体的な範囲を年少者労働基準規則が定めています。飲食店や小売店で実際に問題になりやすいのは重量物です。

年少者労働基準規則第7条は、年齢と性別ごとに上限を表で示しています。条文は同表の下欄に掲げる重量以上の重量物を取り扱う業務と書いているため、表の数値ちょうども禁止側に入ります。

年齢・性別 断続作業(この重量以上は不可) 継続作業(この重量以上は不可)
満16歳未満・女性 12kg 8kg
満16歳未満・男性 15kg 10kg
満16歳以上満18歳未満・女性 25kg 15kg
満16歳以上満18歳未満・男性 30kg 20kg
e-Gov法令検索に表示された年少者労働基準規則第7条の重量物を取り扱う業務の表。年齢及び性の区分ごとに断続作業と継続作業の重量が定められている

年少者労働基準規則第7条の重量物の表(e-Gov法令検索、2026年8月24日取得)。

ビールケースは、中瓶を20本入れたもので約20kg、大瓶では約25kgになります。飲料の段ボールも商品によって10kgを超えます。搬入や品出しを任せる前に実際の重さを量り、そのうえで表のどちらの列を見るかを決めてください。開店前に数ケースを冷蔵庫へ移すような単発の作業は断続作業、納品のたびに繰り返し運び続ける作業は継続作業に近い扱いになります。

20kgのケースを表に当てると、継続作業ではどの区分も上限に届くため、18歳未満には任せられません。断続作業でも、満16歳未満は男女とも上限側に入ります。25kgの大瓶ケースになると、断続作業でも満16歳以上満18歳未満の女性が上限側に入ります。どちらの作業に当たるかの線引きは実態で決まるため、境界にある持ち場は所轄の労働基準監督署に相談してください。

同規則第8条は、就かせてはならない業務を46号まで列挙しています。飲食店・小売店で確認しておきたいのは、多量の高熱物体を取り扱う業務および著しく暑熱な場所における業務(第36号)、多量の低温物体を取り扱う業務および著しく寒冷な場所における業務(第37号)、足場の組立・解体・変更の業務(第25号。地上または床上における補助作業は除かれます)、高さが5メートル以上で墜落のおそれがある場所での業務(第24号)、酒席に侍する業務(第44号)、特殊の遊興的接客業における業務(第45号)です。

第36号・第37号にいう多量のや著しくがどの程度を指すかは、条文に書かれていません。厨房の火まわりや冷凍庫での品出しがこれに当たるかは作業の実態で決まるため、持ち場ごとに所轄の労働基準監督署へ相談してください。このほか、クレーン・デリック・揚貨装置の運転(第3号)とその玉掛け(第10号)、最大積載量が2トン以上の貨物自動車の運転(第6号)なども禁止されています。

よくある取り違え

第44号の酒席に侍する業務は、宴席で客をもてなす業務を指します。コンビニやスーパーで酒類を扱うレジ業務を禁止する規定ではありません。
また、ガソリンは危険物に当たりますが、山梨労働局は、スタンドでの給油作業過程に発火又は引火の危険は認められないことから給油作業に高校生アルバイトも従事させられるとしています。仕事内容に疑問がある場合は、具体的な作業内容を労働基準監督署に相談するよう案内されています。

求人票の勤務時間欄に、年齢の下限を書きます

ここまでの制限は、募集を出す段階でも効いてきます。求人に18時から24時と書いたまま年齢の下限を書かないと、応募してきた高校生を後から断ることになります。それだけでなく、募集の表示そのものが問題になりえます。

職業安定法第5条の3第1項は、労働者の募集を行う者に対して、募集に応じて労働者になろうとする者に賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならないと定めています。明示すべき事項は、同条第4項の委任を受けた職業安定法施行規則第4条の2第3項に列挙されており、その第4号が始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項です。

さらに同法第5条の4は、募集に関する情報を提供するときに虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならないとし、第2項でその情報を正確かつ最新の内容に保たなければならないとしています。深夜の時間帯を含む勤務時間だけを書いて年齢の下限を書かない求人は、誤解を生じさせる表示に当たりうる形です。

年齢制限を書いてよい根拠は、例外事由の第2号です

求人に年齢制限をつけることは、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)第9条により原則として禁止されています。ただし同法施行規則第1条の3第1項が例外を定めており、その第2号が、労働基準法その他の法令の規定により特定の年齢の範囲に属する労働者の就業等が禁止又は制限されている業務について、当該年齢の範囲に属する労働者以外の労働者の募集及び採用を行うときです。

深夜業を含む募集で18歳以上と書けるのは、この第2号が根拠です。厚生労働省の年齢制限禁止のQ&Aは、労働基準法第61条において満18歳に満たない者の深夜業が原則禁止とされていることから、深夜業については下限年齢を記載する必要があるとし、具体的な表記として、午前1時〜4時までは深夜業のため18歳以上、のように深夜の労働時間帯とその時間帯で許容される下限年齢を併記することが望ましいとしています。

厚生労働省の労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&AのQ3-2とQ3-3。最低年齢は求人等に記載する必要はないこと、深夜業については下限年齢を記載する必要があることが書かれている

厚生労働省の年齢制限禁止Q&A(平成29年4月3日現在版)。深夜業は下限年齢を書き、最低年齢は書かなくてよいとされています(2026年8月24日取得)。

逆に、書かなくてよい年齢制限もあります

同じQ&AのQ3-2は、労働基準法第56条の最低年齢について、社会通念上、当然に認識されている規定であると考えられ、かつ高年齢者雇用安定法第20条に定める理由の提示義務の対象外でもあることから、この規定による年齢制限については求人等に記載する必要はないとしています。中学生は雇えませんという趣旨を、求人票に書く必要はありません。

深夜業の下限年齢は書く必要があり、最低年齢は書かなくてよい。この非対称を押さえておくと、勤務時間欄に何を足すかが決まります。

書き換えの例

欄 直す前 直した後
勤務時間 17:00〜24:00の間で応相談 17:00〜24:00の間で応相談(22:00以降は深夜業のため18歳以上の方)
勤務時間(酒類提供が常態の飲食店) 17:00〜翌1:00 17:00〜翌1:00(22:00以降は18歳以上の方)
勤務時間(早朝シフト・酒類提供が常態の飲食店) 5:00〜9:00 5:00〜9:00(6:00までのホール業務は18歳以上の方)
応募条件 高校生歓迎 高校生歓迎(勤務は22:00まで。週の合計は40時間以内で調整します)

年齢制限を書く場合は、その理由と該当する例外事由をあわせて示します。求人媒体によっては例外事由を選択式で入力する欄が用意されています。書いてはいけない表現との線引きは求人広告のNGワード・禁止表現まとめにまとめています。

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年齢の線引きが変わるタイミング

年少者かどうかは、学年ではなく満18歳の誕生日で切り替わります。高校3年生でも誕生日を過ぎれば通常の労働者と同じ労務管理になります。ただし学業との両立への配慮は、法律上の義務とは別に必要です。

下の線引きも押さえておきます。労働基準法第56条第1項は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで使用してはならないと定めています。実務上は中学卒業までは雇えないということです。

第56条第2項は例外を置いていて、別表第一の第1号から第5号までに掲げる事業以外の事業に係る職業で、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつその労働が軽易なものについては、行政官庁(所轄の労働基準監督署長)の許可を受けて満13歳以上の児童を修学時間外に使用できるとしています。ただし山梨労働局は、製造業、建設業、運送業などの指定業種のほか、旅館、飲食店、娯楽場における業務など、児童の健康及び福祉に有害であり、かつその労働が軽易でないものとされている業務については労働基準監督署長の許可を受けることができないとしています。過去に許可された代表的な業務は新聞配達だったと案内されています。飲食店で中学生を使う許可は、実質的に下りないと考えてください。

なお、この許可で使用する児童については、労働時間は修学時間を通算して1週40時間・1日7時間となり(第60条第2項)、働かせられない時間帯も午後8時から午前5時までと、年少者よりさらに厳しくなります(第61条第5項)。

成人と同じように適用されるもの

  • 地域別最低賃金。最低賃金法第7条の減額の特例に年少者という区分はないため、高校生にも満額が適用されます。改定は毎年秋に行われるので、改定後の額で計算してください
  • 年次有給休暇。第60条第1項の適用除外リストに第39条は入っていないため、要件を満たせば年少者にも付与されます
  • 労働条件の明示。雇入れ時の書面交付は年齢に関係なく必要です(労働条件通知書の記入例と書き方)
  • 労災保険。アルバイトも対象です

罰則の重さは条文ごとに違います

違反する条文 罰条 法定刑
最低年齢(第56条)・坑内労働の禁止(第63条) 第118条第1項 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
深夜業(第61条)・危険有害業務(第62条)・労働時間(第32条) 第119条第1号 6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金
年齢証明書(第57条)・未成年者の労働契約(第58条)・賃金(第59条)・帰郷旅費(第64条) 第120条第1号 30万円以下の罰金
飲食店営業での午後10時〜午前6時の接客(風営法第32条第3項が準用する第22条第1項第4号) 風営法第51条第1項第4号 1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、または併科

風営法側でもう1つ押さえておくことがあります。同法第51条第2項は、第22条第1項第4号に掲げる行為をした者は、当該18歳未満の者の年齢を知らないことを理由として処罰を免れることができないとしています(過失のないときを除く)。年齢を確認していなかった、では通らないということです。年齢証明書の備付けは、労働基準法の義務であると同時に、この場面での備えにもなります。

いま雇っている高校生と、これから出す募集の確認項目

ここまで読んで、すでに当てはまる運用があった場合は、順番を決めて直します。いちばん急ぐのは、いま組んでいるシフトのうち時間帯と週の合計が超えているもので、これは翌週のシフトから直せます。年齢証明書の備付け、雇用契約書の署名欄、給与の振込先は、次の給与計算までに整えれば足ります。直したうえで、いつ何を変えたかを記録に残しておいてください。

  • 自店は主食を出すのが常態か、そうではなく酒類を提供する店か。判断に迷うなら所轄の警察署に確認する
  • 常時10人未満で週44時間の特例を使っているか。使っているなら18歳未満だけ週40時間で組み直す
  • シフト管理の仕組みで、18歳未満に22時以降の枠を割り当てられない設定にできるか
  • 年齢証明書(住民票記載事項証明書など)を提出してもらい、事業場に備え付ける手順があるか
  • 雇用契約書の署名欄が本人になっているか。給与の振込先が本人名義か
  • 重量物を扱う持ち場があるか。実際の重量を量って、年齢・性別ごとの上限と突き合わせる
  • 求人票の勤務時間欄に、深夜の時間帯と下限年齢を併記したか

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よくある質問

高校生を22時までのシフトに入れています。問題ありませんか

小売店や、主食を出すのが常態の飲食店であれば、労働基準法第61条第1項の範囲内です。酒類の提供が常態で主食を出していない飲食店の場合は、客に接する業務について風営法第32条第3項が準用する第22条第1項第4号がかかり、午後10時から翌日の午前6時までは18歳未満を就かせられません。22時に上がらせていれば、この点は満たしています。

18歳未満に残業してもらうことはできますか

36協定による時間外労働はできません。労働基準法第60条第1項が第36条を満18歳未満に適用しないと定めているためです。ただし第60条第3項第1号により、その週のうち1日を4時間以内に短縮すれば、他の日を10時間まで延長できます。週40時間の枠は変わりません。

常時10人未満の飲食店です。週44時間の特例は高校生にも使えますか

使えません。特例の根拠である労働基準法第40条を、第60条第1項が満18歳未満に適用しないとしているためです。同じ店でも、成人は週44時間、18歳未満は週40時間が上限になります。

年齢証明書は学生証でもよいですか

労働基準法第57条第1項が求めているのは年齢を証明する戸籍証明書です。山梨労働局は住民票記載事項証明書または戸籍記載事項証明書を提出させ、事業場に備え付ける必要があると案内しています。学生証はこれには当たりません。

保護者の同意書をもらわないと違法ですか

高校生については、労働基準法上、保護者の同意書を備え付ける義務はありません。第57条第2項が学校長の証明書と親権者の同意書を求めているのは、第56条第2項の許可で使用する児童(満13歳以上で、満15歳に達した日以後の最初の3月31日まで=おおむね中学生)についてです。任意でもらう運用は問題ありませんが、法律上必要だと説明するのは誤りです。

求人票に18歳以上と書いても大丈夫ですか

深夜業を含む募集であれば書けます。労働施策総合推進法施行規則第1条の3第1項第2号の例外事由に当たるためです。厚生労働省のQ&Aは、深夜の労働時間帯と、その時間帯で許容される下限年齢を併記することが望ましいとしています。理由を書かずに年齢だけを制限すると、原則禁止のほうに引っかかります。

まとめ

18歳未満をアルバイトに入れるとき、実務で効いてくるのは4か所です。働かせられない時間帯は午後10時から午前5時までで、主食を出さず酒類を提供する飲食店では、客に接する業務について午前6時まで延びます。常時10人未満の店で週44時間の特例を使っていても、18歳未満だけは週40時間です。雇い入れのときは年齢証明書を事業場に備え付け、契約と賃金は本人と直接やりとりします。そして求人票の勤務時間欄には、深夜の時間帯と下限年齢を併記します。

この4か所を先に決めてから募集を出すと、応募が来てから条件を変える手戻りがなくなります。

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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。 通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験し、Indeed・求人ボックス・スタンバイなどの求人検索エンジンを活用した採用支援を強みとする。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を持つ。 求人検索エンジンを活用した採用集客や、Google Analytics等の解析ツールを用いた効果分析・サイト改善を強みとしている。

監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験し、Indeed・求人ボックス・スタンバイなどの求人検索エンジンを活用した採用支援を強みとする。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を持つ。
求人検索エンジンを活用した採用集客や、Google Analytics等の解析ツールを用いた効果分析・サイト改善を強みとしている。