採用活動では、自社の魅力を求職者に広く知ってもらうことが大切です。
自社の魅力を発信するためには様々な方法があり、その中の一つに「採用ブログ」の運用があります。
採用ブログとは、企業の人事・採用担当者が求人募集や採用サイトだけでは伝えきれない自社の魅力をPRするため、社内イベントや仕事中の様子、価値観など採用に関する情報を写真付きでブログ記事として公開しているものです。
この記事では、採用ブログを始めたいけど、何から手を付けて良いかわからないという人事・採用担当者に向けて採用ブログの運営事例から作成方法までをご紹介します。
目次
採用ブログと普通のブログの違いについて
ブログは、文章や画像などのコンテンツを日記のように時系列で投稿するウェブサイトの一種で、正式名称は「WebLog(ウェブログ)」と言います。
プライベートの日記公開や他者からの意見交流を目的に、主に個人発信のメディアとしてブログは進化をとげてきました。
しかし近年では、個人にとどまらず企業の人事・採用担当者が求人募集や採用サイトでは伝えきれない自社の情報をタイムリーに発信する目的で、採用ブログ(人事ブログ)としてブログを開設するケースが増えてきています。
ブログという身近なツールを使って、
- 社内イベント
- 仕事中の様子
- 仕事に対する価値観
- 求める人物像
- 会社の最新情報
など、採用に関する情報を写真付きで投稿できるため求職者も気軽に見やすく、自社に対する興味・関心を高められます。
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採用ブログの運営事例
採用ブログのイメージを掴むために、採用ブログを効果的に運用していて、自社のカルチャーや社内の様子がきちんと伝わる企業の採用ブログを2つご紹介します。
LINE HR BLOG 【LINE株式会社】
出典:LINE HR BLOG
LINE HR BLOGは、LINE株式会社が運営する採用ブログ(オウンドメディア)です。「コミュニケーション」をテーマに、社員のワークスタイルや価値観などを発信しています。
コンテンツは
- インフォメーション(会社情報)
- 社内の様子
- はたらく机(仕事へのスタンスなど)
- スタッフインタビュー
- 講演、登壇情報
このようなラインナップです。
「はたらく机」に対して「はたらかないイス」という表現で、子供と遊んでいる様子などの社員のプライベートも発信しています。
特徴的なのは、「社員による自発的な発信」をしていることです。
「人事からこういった内容で書いてください」という依頼はせず、各メンバーが自由に内容を考え、ブログを発信しています。
mercan(メルカン) 【株式会社メルカリ】
出典:メルカリのAI社員HISASHI、新入社員として入社しました | mercan (メルカン)
mercan(メルカン)は「メルカリの人を伝える」というコンセプトに基づいて運営されている、メルカリグループのメンバー全員が発信できる採用ブログです。
コンテンツは
- 活躍しているメンバー
- 社内の出来事
- イベントレポート
などで、文章や音声、動画など、複数のメディアを駆使しながら発信しています。
メルカン編集部は、組織やチームの垣根を超え、さまざまなメンバーによって構成されています。メンバーは主に毎日更新される連載「メルカリな日々」を担当。チームの特徴やカラーに応じた情報発信をしています。
※merukan HPから引用
mercanは、年間350本以上のブログを公開していて、月間PV数は約30万にものぼります(2018年11月9日投稿記事「メルカン歴代編集部員が集結。今までのすべてを明かすミートアップレポートを公開」より)。
コンテンツによって文章のボリュームは様々ですが、採用候補者となる人たちが「何を求めているのか?」「どういう情報を発信すべきか」など「価値あるコンテンツを発信すること」に注力していることがうかがえます。
採用ブログはどのように運用すれば良いの?
まずターゲットとコンセプトを決めます。
採用ブログの場合は、ターゲットは自ずと「求職者」です。職種によって求める人材像が異なりますが、ターゲットを細分化すると限りが無いので、ターゲットは広義の求職者で設定したほうがコンテンツの幅が広がります。
次にコンセプトについてですが、先ほど紹介した企業のように自社ならではのテーマを設定し、そこからコンセプトを考えていきます。
コンセプトが決まればブレインストーミングなどを行い、コンテンツ案を列挙します。そしてコンテンツが決まれば、記事にしていきましょう。
ブログを始める方法としては、「自社サイト内に専用ページをつくる」か「外部ツールを使う」かのどちらかになります。
自社サイト | 外部ツール | |
ブログ開設の難易度 | 高い | 低い |
集客(アクセス)効果 | ◎ | △ |
費用 | WordPressのビジネスプランを使用する場合は月額2,900円(年一括払い) Web制作会社に委託する場合はそれぞれの会社の金額に準ずる |
0円~(有料ツールもあり) |
自社サイト内に専用ページをつくる
すでに運営している自社のコーポレートサイトがあれば、サイト内に専用のページを開設して、採用ブログを掲載していきます。
自社サイト内であれば、ブログ記事から採用情報ページへと回遊性が良くなるメリットがあります。しかし、自前でWordPressなどのシステムを使って構築する必要があるため、Webの知識が乏しかったり、Webエンジニアがいなかったりする場合は実現が難しいかもしれません。
外部ツールを使う
自社のコーポレートサイト内に採用ブログを開設するのが難しい、もしくはコーポレートサイトがない場合は、ビジネス用のSNSなど外部のツールを使うとよいでしょう。
ビジネス用のSNSについては以下の記事で解説しています。
⇒【2020年最新版】SNSが求人の強い味方に?ソーシャルリクルーティングとは
外部のツールを使う場合、自社サイトに誘導するための工夫は必要ですが、簡単にブログを開始できます。
採用ブログを開設するにあたりにオススメの外部ツールについて以下でご紹介します。
採用ブログにオススメのツール
Wanedly フィード機能
出典:Wantedly
『Wantedly』とは、働くすべての人が共感を通じて「つながりを深める」ためのビジネスSNSです。
2012年2月にリリースされ、現在までで登録企業数35,000社、個人ユーザー数は約220万人です。(2020年4月2日時点PR TIMES参照)
『Wanedly』のフィードは、同社がが提供するブログ機能のサービス名称です。
社内の様子や社員の紹介、会社のストーリーを投稿することで、会社のカルチャーが伝わるようなブログ運営ができます。
フィードは、会社のストーリーや社員の想い、イベントや勉強会の様子などの記事を投稿できる機能で、「タイトル」「カバー写真」「本文」の3つの基本要素で構成されています(Wantedly HP参照)。
WordPress等のブログ構築システムが使えなくてもFacebookに記事を投稿するような要領で簡単にフィード(ブログ)を投稿できます。投稿されているフィードを見ていると「社内行事」「社員インタビュー」「福利厚生」の紹介など、多種多様な形で自社のPRをしている企業がほとんどです。
登録ユーザーは、成長意欲があり、比較的ITリテラシーが高い人たちが多いようです。 職種の幅は広く、さまざまな分野での活躍が期待できます(Wantedly HP参照)。Wantedlyのフィードに「自社ならではの情報」をあえてオープンにすることで、情報感度の高い人達を惹きつけることができます。
Wantedlyには募集掲載や登録ユーザーへ直接アプローチができるスカウト機能などもありますが、フィード機能のみ利用したい場合は、無料プランで利用することが可能です。
note
出典:note
『note』は、文章、写真、イラスト、音楽、映像などの作品を投稿して、クリエイターとユーザーをつなぐことができる、まったく新しいタイプのWebサービスです。2014年4月サービスを開始し、note株式会社によって運営されています。
2019年1月には、ユーザー数が1,200万人を突破し、投稿記事数は約220万件(2019年1月時点)にのぼりました。
noteの特性については下記の3つです。
1.SNS感覚で使える
記事を投稿するだけではなく、Twitterのように「つぶやく」機能があります。WordPressなどのようにHTMLを使えなくても記事を書くことができます。
2.フォロワーがつきやすい
採用ブログにおいては多くの人に見てもらうための集客が大変ですが、noteではnote内でのコミュニティ(サークル機能)があるため、最低限の表示は確保出来ます。
3.運営元が拡散をサポートしてくれる
運営元に記事を紹介してもらえた場合、フォロワーが数万人を超えることもあります。時期ごとにnote内でイベントがあるので、そこで人気投稿に表示されやすくもなります。
日々の業務が忙しくて、記事を量産ができない人事、採用担当者はつぶやく機能から試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は「採用ブログを始めたいけど、何から行えば良いかわからない」という人事・採用担当者向けに「採用ブログの始め方」についてご紹介しました。
ターゲットやコンセプトの設定→コンテンツの立案→記事作成まで工程は多いですが、ひとつひとつ取り組んでいけばゴールは見える業務です。
ターゲットとなる求職者が入社した際に「採用ブログを見ました!」と言ってもらえることもあり、やりがいも感じることができるので、ぜひこの機会に取り組んでみてはどうでしょうか?
採用ブログやビジネスSNSを利用する、「採用広報」については以下の記事で開設しています。
⇒【採用広報とは】その効果と最適なメディア・ツールを徹底解説
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