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【採用広報とは】その効果と最適なメディア・ツールを徹底解説

[公開日]2020.04.30
[更新日]2020.05.22
採用広報のイメージ画像

有効求人倍率は依然として高く、2020年2月には全国平均が1.45倍と発表されました(独立行政法人労働政策研究・研修機構『職業紹介-都道府県別有効求人倍率』より)。人材採用を行う企業にとっては厳しい状況が続き、悩んでいる経営者・人事担当者は多くいるはずです。

そんな状況下で、これまでのように待ちの採用活動に徹していても優秀な人材は採用できません。企業自ら採用活動について認知を広げることで求職者に注目してもらい、応募数や採用数の向上につなげるような攻めの採用活動が必要となります。

今回の記事では、売り手市場が続く今だからこそ取り組んでいきたい「採用広報」について解説します。

採用広報とは

広報とは、「企業の商品やサービスの情報発信を行うこと」を指します。
これに対して「採用広報」は、企業自身が求職者に応募を促すために、会社や仕事・社風などについて情報発信することを指します。

すでに転職活動を始めている求職者には、転職サイトや人材紹介会社などを活用すれば出会えるかもしれません。しかし売り手市場の中で応募数を増やすためには、まだ転職活動を始めていない潜在的な求職者にもアプローチし、自社を知っておいてもらう必要があります。

その有効な手法こそが「採用広報」の活用です。採用候補者をに対して自社の特徴や良さ・強みをアピールすることで潜在的な志望動機を高めていく。例えるなら採用候補者を育成していくようなイメージです。

採用広報が求められる背景

採用活動が受動的から能動的なものへと変わってきたのは、採用難や人手不足が最大の理由です。
加えて、入社後のミスマッチも問題視されています。入社したものの求人広告や人材紹介会社の説明が不十分で退社してしまう場合もあります。そうなると、採用に掛けたコストや手間が水の泡となります。

だからこそ企業自身が積極的に情報を発信することによって企業・仕事理解が進み、結果的に入社後のマッチ度を高められるのです。

一昔前は求職者に情報を伝えるためのツールも限られていましたが、今は多様なメディアやツールがあります。自社のwebサイトやSNS、個別のメールなど様々な手法で求職者や転職ニーズ潜在層に情報を届けられるのです。

採用広報は誰の担当領域?人事?広報?

「採用」は人事担当の業務で、「広報」は広報担当の業務です。では「採用広報」は人事と広報、どちらが担当する業務なのでしょうか。実は明確な住み分けはなく、人事と広報、両方が積極的に関わるべきです。

採用に関しては人事担当が、そして広報に関しては広報担当のほうがノウハウや知識を持っています。お互いに得意分野を補完しあうべき業務でしょう。

また人事や広報だけではなく、会社全体が協力しあう姿勢が大切です。例えば各部署の業務内容や組織の風土を広報していくとなれば、現場の社員たちの協力体制が不可欠です。採用広報は、部署を横断して採用プロジェクトとして作り上げていく体制が必須です。

採用広報の最大の目的は、会社のことを知ってもらい「応募したい、入社したい」と思ってもらうことです。各部署の協力が得られない状態で、自社についての情報を提供しても求職者の志望度向上にはつながりません。

採用広報に最適なメディア・ツール

いざ採用広報を行っていく際には、どんなメディアやツールが活用できるのでしょうか。
手法は多様ですが、今回はすぐに活用できて、効果につながりやすいメディア・ツールを紹介します。

SNS

求職者個々に対して広くメッセージを届けるために有効なのは、SNSです。特に企業の採用広報に適しているのは、ユーザー数も多いFacebookやTwitter、Instagramなどが挙げられます。

SNSユーザーのほとんどは、転職活動を目的として利用していませんが、潜在的な転職ニーズに訴えかけることで応募数や採用数、そして志望度を向上させることに繋がります。

では実際にどのようにSNSを活用しているのか、一例を紹介します。

Facebook

◆アマゾンジャパン合同会社様

AmazonJapan画像出典:https://www.facebook.com/AmazonJapanCareer/

アマゾン様の採用広報用のFacebookページです。各部門の仕事紹介やビジネスコラムそしてアマゾンからのメッセージなど、様々な記事・コンテンツを投稿しています。

投稿を通してアマゾンの考え方や仕事への向き合い方を知ることができ、「もし自分がアマゾンで働いたら」という未来をイメージしやすくしています。

◆合同会社DMM.com様

DMM.com画像出典:https://www.facebook.com/DMMcom/

DMM.com様もSNSでの採用広報に力を入れている企業です。プレスリリースを中心に、サービス展開や企業姿勢を紹介しており、中には社員個々人の働き方や社内イベントに関する記事なども取り上げられています。

若くてアクティブな風土を分かりやすく伝えており、この会社なら自分も新しいことに挑戦できそうだという印象が持てます。

Twitter

◆株式会社ディー・エヌ・エー様

DeNAツイッター
画像出典:https://twitter.com/DeNA

幅広いwebサービスを展開するディー・エヌ・エー様。Twitterでは、新卒採用に関する情報を細かく発信しています。Twitterは気軽に情報が発信でき、ユーザーもアクティブなため、よりライトな採用広報に向いています。

Instagram

◆ヒルトン東京(日本ヒルトン株式会社)様

ヒルトン東京画像出典:https://www.instagram.com/insidehiltontokyo/

ヒルトン東京様の採用広報Instagramアカウントです。職場風景やスタッフの様子を魅力的な写真・映像で紹介しています。

Instagramの最大の特徴は、写真・映像を用いて視覚に訴えられる点です。文章よりも情報量が多く、魅力や風土をダイレクトに伝えることができます。

◆株式会社サイバーエージェント様
新卒採用サイバーエージェント
画像出典:https://www.instagram.com/ca_recruit_info/

広告業界で成長を続けるサイバーエージェント様の新卒採用広報Instagramアカウントです。OB&OG訪問の様子や内定者紹介を行い、サイバーエージェントで働く仲間の様子を就職活動中の学生の目線に合わせて投稿を行ってます。

就職活動状況や選考情報をInstagramのLIVE配信機能を用いて週に1回程度配信するなど、Instagramならではの工夫も。

ビジネスSNS

SNSの中でもビジネスに特化した「ビジネスSNS」も活用しやすいツールです。そもそもビジネスや転職などに興味を持っているユーザーが多いため、情報を発信することで興味喚起につながりやすく、応募数の向上も期待できます。

ただ、そうしたユーザーを狙って採用広報を行うライバル企業も多いため、広報するコンテンツの質の高さも求められるでしょう。

日本ではWantedlyやLinkedInの人気が高く、活用するならこのいずれかがオススメです。

Wantedly

Wantedly
画像出典:https://www.wantedly.com/

Wantedlyは企業と求職者をマッチングするビジネスSNSです。
給与などの待遇面ではなく、仕事の面白さややりがい・業務環境・風土などでのマッチングをメインにしています。仕事を通じた成長への意識が高い若手にアプローチが出来る点が魅力です。

個人ユーザーは200万人以上・利用企業は33,000社以上と、ビジネスパーソンだけでなく学生の利用者も多く、どういったターゲットにでも広報しやすいサービスです。

Wantedlyは「共感採用」を掲げており、社風や業務内容・社員個人の紹介など、社内の風土が分かるコンテンツが豊富です。

LinkedIn

LinkedIn
画像出典:https://jp.linkedin.com/

LinkedInはビジネスSNSの代表ともいえるサービスで、全世界で6億人以上のユーザーがいるといわれています。日本でも200万人以上が登録していますが、若手が多いWantedlyと比べるとハイクラス人材やグローバル人材が中心。より優秀な即戦力を採用したい場合は、LinkedInの活用がオススメです。

またLinkedInを利用しているユーザーはビジネスへの意識が高い方が多く、そうした人材へのアプローチができる貴重なツールといえるでしょう。

PR

PRとはパブリックリレーションズ、つまり企業が大勢に対して情報を発信する手法を指します。企業の商品・サービス展開や取り組み、イベントなどを公的な形でリリースすることで求職者に届けます。ここで解説するのは、主にプレスリリースやニュースリリースによる採用広報についてです。大きなニュースメディアなどに取り上げられるとより多くの人に認知してもらえます。

日本においては『PR TIMES』の注目度が高く、日本国内の上場企業のうち約40%が活用しているほどです。またスタートアップであれば月に1回配信が無料になります。

PR TIMES

PR TIMES画像出典:https://prtimes.jp/

PR TIMESは今までに紹介したSNSやビジネスSNSとは異なり、情報を発信する事に長けたツールです。デジタルメディアの進化により新たなマーケティングPRツールとして多くの企業から選ばれています。プレスリリースやニュースリリースの掲載はもちろん、自社の風土や社会貢献をアピールし、潜在的な転職ニーズに訴えかけるチャンスです。
現在転職を考えていない潜在層にも、自社を知ってもらい、採用ブランディングの確立に繋げることにできます。

1記事の配信は3万円から、定額プランになると月額8万円から複数記事を公開できます。

オウンドメディア・採用ブログ

外部のサービスではなく自社のメディア・ツールを作る手法です。オウンドメディアや採用ブログの特徴は、その自由度の高さ。決まったフォーマットもほぼなく、伝えたいことを自由に伝えられるため企業の特色を出しやすいといえます。その分コンテンツの企画内容や作り込み次第で質が大きく変わるため、ある程度のノウハウや知識が必要です。

オウンドメディアを利用した採用活動について、以下の記事でも解説しています。
オウンドメディアリクルーティングとは? | これから必要な攻めの採用手法

自社でイチから採用オウンドメディアを立ち上げている企業もあります。

サイボウズ式

サイボウズ式

画像出典:https://cybozushiki.cybozu.co.jp/

webサービスを展開するサイボウズ様のオウンドメディアです。社員や風土、働き方などにスポットを当てた記事だけでなく、対談や漫画、コラムなどコンテンツがとにかく豊富。純粋な読み物としての質も高く、オウンドメディアの代表格として注目を集めました。

 

メディアそのものを作るとなるとコストや手間も掛かりますが、noteやはてなブログなどの既存サービスを活用してブログを立ち上げれば、コストを抑えた状態で始められます。

note

note
画像出典:https://note.com/

noteはクリエイターが表現活動を行うためのプラットフォームです。先程ご紹介した『PRTIMES』と同じく、自社で行っている事や社会への貢献性をアピールし認知してもらう点は採用広報ツールとしての使い方は変わりません。
漫画やライフスタイル、写真など幅広いジャンルを取り扱っており、読者・利用者も気軽に閲覧する方が多いです。自由度の高いブログツールとして無料で画像や文章を作成し、情報の発信を行えます。
有料プランでは定期購読マガジンの申し込み、共同運営機能・投稿予約機能・Amazonウィジェットの記載などが可能になります。

はてなブログ

はてなブログ
画像出典:https://hatenablog.com/

はてなブログは、些細な日常や忘れられない出来事などを「書きたい」気持ちに応える事をコンセプトとしたブログサービスです。『note』と同じく幅広いジャンルを取り扱っており、読者・利用者も気軽に閲覧する方が多い傾向にあります。
また、すでにWordPressなどで採用ブログを作成している場合は、インポートして利用できます。
ヘルプセンターに記事を書く基本の情報やツールの詳細が記載されていて、ブログツール初心者でも扱いやすいのが特徴です。
有料版になるとカスタマイズできる箇所が追加されたり、独自ドメインの設定、広告の非表示、ブログの複数人管理が可能となります。

自社採用サイト

自社の採用専用のWebサイトを作る手法です。採用活動を行うのであれば、採用サイトは必須ともいえるもの。しかし採用サイトを作っていない企業も多くいます。サイト制作にコストが掛かることや、どう制作すべきかが分からないことなどが採用サイトを作っていない理由として挙げられます。

最初から大きな金額を掛けて立派な採用サイトを作る必要はありません。まずは簡単でも構わないので、企業の採用への姿勢や募集中の求人を紹介するようなサイトを作っておきましょう。

どう作れば分からないという方には『採用係長』がオススメです。簡単な採用サイトであれば無料で作れますし、採用サイトに乗せる求人情報も制作できます。

ネットオンTOP

しかも作った求人情報は1クリックでIndeedやGoogleしごと検索(Google for Jobs)、求人ボックス、Yahoo!しごと検索などの最大7つの求人検索エンジンに掲載できます。

まとめ

売り手市場の今、受け身の採用手法だけで優秀な人材を獲得できるのは、採用力のある大企業や有名企業だけ。ほとんどの企業は能動的に情報を発信し、求職者に見てもらい、応募を集めていく必要があります。

採用広報は、その有効な手法のひとつ。転職サイトや人材紹介などのようにすぐに応募が集まるなど結果が出るものではありませんが、地道な採用広報活動が応募数やマッチ度向上へとつながっていきます。

今回すぐに始められる採用広報のメディア・ツールについて紹介してきました。特にSNSや採用サイトなどは1時間程度ですぐに始められるので、まずは試しに登録してみましょう。

この記事を書いた人

採用Webマラボ編集部

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