【採用側】雇用保険被保険者証とは?再発行の方法や紛失した求職者への対応についてもご紹介。

採用した従業員に求める提出物の1つが、「雇用保険被保険者証」です。
インターネット上では、雇用保険被保険者証に関して、下記のような言葉がよく検索されています。

  • 雇用保険被保険者証 再発行
  • 雇用保険被保険者証 もらってない
  • 雇用保険被保険者証 いつもらえる

これらを見て分かるとおり、雇用保険被保険者証の提出を新入社員に求めても、「持っていない」「前の勤務先からもらっていない」というケースが多いのです。

また、多くの労働者は、雇用保険被保険者証の用途や取り扱いに詳しくありません。
そのため、採用側が提出を求める際は、「提出してほしい」と伝えるだけでなく、用意する流れや再発行の方法まで案内するとスムーズに進みます。

当記事では、雇用保険被保険者証の概要や、紛失した労働者への対応方法などを紹介します。
担当者として雇用保険被保険者証の取り扱いについて知りたい方はもちろん、自分の知識を再確認したい方も、ぜひお役立てください。

雇用保険被保険者証とは?

雇用保険被保険者証とは、労働者が雇用保険に加入した際に発行される証明書です。

下記のような様式で、多くの場合、左側に「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書」がつながったままになっています。

(出典:雇用保険被保険者証とは|ハローワーク利用案内

通知書と合わせたサイズは横210mm・縦77mmと、横に細長い形になっています。
特徴的な見た目なので、「雇用保険被保険者証って何だろう?」という求職者には、形を伝えてあげると良いかもしれません。

雇用保険被保険者証には、下記の内容が記載されています。

  • 被保険者番号(11桁の数字)
  • 資格取得日
  • 氏名
  • 生年月日
  • 事業所名

被保険者番号は、最初に勤めた会社で発行され、転職しても基本的には同じ番号を利用します。
番号が抹消される例外もありますが(詳しくは後述)、1人に対して2つ以上の番号が同時に付与されることはありません。

会社が行う雇用保険の手続き内容については、厚生労働省の下記ページで詳しく解説されています。
事業主の行う雇用保険の手続き|厚生労働省

雇用保険の加入条件

雇用保険は、雇用形態にかかわらず、下記の条件を満たす全ての労働者が加入します。
会社の意思で加入の有無を決められるわけではないため、「紛失したなら加入できない」と誤った対応をしないよう注意が必要です。

【雇用保険の加入条件】
週の所定労働時間が20時間以上
見込み雇用期間が31日以上

加入条件は決して厳しくないので、アルバイトやパートも多くの場合対象になります。

なお、2022年4月より「マルチジョブホルダー制度」が開始され、複数の会社に勤務する65歳以上の高齢者を対象に、1か所で加入条件を満たしていなくても、一定の条件を満たしていれば加入できるようになりました。

厚生労働省では、下記のページでマルチジョブホルダー制度について詳しく解説しています。
【重要】雇用保険マルチジョブホルダー制度について|厚生労働省

雇用保険被保険者証の受け渡しのタイミングについて

会社と労働者が雇用保険被保険者証を受け渡すタイミングは、基本的には下記の2つです。

  • 転職者が入社するタイミングで受領
  • 退職のタイミングで本人に返却

雇用保険への加入確認や事務手続きのために、採用側は入社時に雇用保険被保険者証を受け取ります。
在職中は本人が紛失しないよう会社が管理し、退職時に返却することが一般的です。
退職時にスムーズに返却できるよう、厳重かつ分かりやすく管理しましょう。

なお、会社はあくまで雇用保険被保険者証を「預かる」だけであり、所有権は労働者にあります。

再就職せずに7年経過すると番号は抹消

先ほど、雇用保険の被保険者番号は、転職しても基本的に同じ番号を使い続けると説明しました。
しかし注意点として、転職者が以前の会社を退職し、再就職せずに7年以上経過している場合、付与されていた被保険者番号は抹消されます。
転職先の会社で、雇用保険被保険者証の発行手続きを新たに行う必要があるのです。

たとえば、下記のケースが該当します。

  • 前の勤務先を退職した後に個人事業主(フリーランス)や自営業になり、その後再就職した
  • 出産・育児・介護などで離職していた

履歴書や職務経歴書から、本人の経歴を確認しておきましょう!

雇用保険被保険者証を紛失している求職者への対応について

雇用保険被保険者証は、在職中は基本的に会社が管理するので、「どんな書類だっけ……」と、あまり馴染みがない労働者も多いです。
そのため、提出を求めてもすぐに準備できないケースがあります。
手元に雇用保険被保険者証がない新入社員には、下記の手順で確認してみてください。

【雇用保険被保険者証を確認する手順】
1. 前の勤務先を退職するタイミングで「雇用保険被保険者証」が返却されたか確認する
2-1. 返却されていないのであれば、前の勤務先に問い合わせて送ってもらうよう指示する
2-2. 不明、もしくは返却後に紛失したのであれば、ハローワークにて再発行申請をしてもらう

まずは、前職で雇用保険被保険者証が確実に返却されているかを確認しましょう。
その後、2-1のケースであれば特別な手続きが発生せず、雇用保険被保険者証が本人の手元に届くのを待つだけです。

2-2については、労働者本人か会社が再発行の手続きを進める必要があります。
労働者が手続きする場合、スムーズに再発行を進めるために、採用側がサポートすると良いでしょう。

再発行の手続き

雇用保険被保険者証の再発行は、最寄りのハローワークにて申請します。
本来は本人の所有物であり、前勤務先からの返却状況なども関係するため、労働者が自分で申請することが望ましいと言えますが、会社による申請も可能です。

窓口にて以下の書類を提出すれば、最短でその日のうちに再発行してもらえます。

【再発行に必要なもの】
雇用保険被保険者証再交付申請書
氏名、住所が確認できるもの(運転免許証やマイナンバーカード、住民票の写しなど)
印鑑

雇用保険被保険者証再交付申請書には、直近で勤めていた会社名や住所、電話番号を記載します。
窓口で直接記入する場合は、事前に必要情報を調べておくと良いでしょう。

※雇用保険被保険者証再交付申請書の様式は、下記のページで印刷できます。
雇用保険被保険者証再交付申請書|ハローワーク インターネットサービス

なお、今は電子手続きによる再発行も可能です!
ハローワークに行く手間がかからないうえに、時間と場所を選ばずに申請できます。
本人の負担を減らすために、電子手続きの方法を伝えてあげるのもおすすめです。

※電子申請は、ハローワークインターネットサービスの下記ページで利用できます。
雇用保険被保険者証再交付申請書|ハローワークインターネットサービス

まとめ

採用側が想定している以上に、労働者は雇用保険被保険者証について詳しくありません。
提出を求める際には、雇用保険被保険者証の特徴や再発行の手続き方法など、できるだけ詳しく伝えてあげることがおすすめです。
丁寧にサポートすれば、新入社員の不安も和らげられます。

雇用保険被保険者証の取り扱いが発生する入社・退職などの時期は、業務全体が立て込みやすいタイミングです。
そのため、労働者の提出が遅れれば遅れるほど、採用側の業務は停滞してしまいます。
逆に言うと、労働者への対応を事前に把握しておくことは、業務の生産性向上にもつながるのです。

新入社員を丁寧にフォローして自社への満足度を高めるため、そして業務をスムーズに進めるためにも、ぜひ雇用保険被保険者証の取り扱いについて基礎知識を固めてくださいね!

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採用Webマラボ編集部

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監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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