中途採用が難しい5つの理由|解決策や失敗例、成功事例を交えて解説

企業の成長を支えるために欠かせない中途採用
しかし、近年は「中途採用が難しい」と感じる人事担当者が増えています。
採用が思うように進まず、優秀な人材を確保できないと頭を抱えるケースも少なくありません。

売り手市場化や転職希望者の価値観多様化など、採用難易度が上がる背景はさまざまです。
また、採用要件の不明確さや応募者のミスマッチが原因で、定着率が上がらないと悩む企業も多いのが現状です。

本記事では、中途採用が難しいとされる理由を明らかにし、失敗例や解決策、成功事例を交えて具体的に解説します。
これからの採用戦略を考えるうえで、ぜひ当記事をお役立てください。

中途採用が難しいとされる5つの理由

中途採用が難しいと感じる理由は、さまざまな要因が絡み合っているためです。
ここでは、特に多くの企業が直面している5つの課題について解説します。

有効求人倍率の上昇と売り手市場化

少子高齢化が進む日本において、労働人口の減少は深刻な問題です。
これにより、有効求人倍率が上昇し、企業が求める人材を確保しづらい求職者優位な「売り手市場」が続いています。

一例として、厚生労働省が公表する一般職業紹介状況の最新データを見てみましょう。

(出典:一般職業紹介状況(令和7年2月分)について|厚生労働省

令和6年度は有効求人倍率1.2~1.3倍で推移していることが分かります。
求職者一人に対して複数の求人が存在する状況であり、企業間で人材の奪い合いが発生し、特に経験豊富な人材を確保するのが難しくなっています。

即戦力人材へのニーズが高く競合が多い

企業にとって、即戦力となる中途人材は企業成長のための心強い存在です。
しかし、業務経験やスキルを持つ優秀な人材はすでに職場で活躍しているため、転職市場にはなかなか出てきません。

また、最近はリファラル採用も活発化しており、優秀な人材が紹介や人脈の中で転職するケースもあります。

その結果、採用市場では即戦力となる人材が限られ、企業が求めるレベルに達している応募者を見つけるのが困難になりがちです。
競合が多い中で、自社の魅力を伝える工夫が必要となります。

採用にかけられるリソースが不足している

中途採用は新卒採用と異なり、ポジションごとに求めるスキルが異なるため、採用基準の策定が難しくなります。
さらに、採用担当者が少ない企業では、通常業務との両立が求められ、「バックオフィス全般を担当している」というように、採用活動に割ける時間が限られているのが現実です。

これにより、採用計画が曖昧になり、効果的な母集団形成ができず、結果的に応募者が集まらないという課題が生まれます。

見極めが難しい

中途採用者は即戦力として期待される一方で、短時間の面接だけでその実力を見極めるのは容易ではありません。

例えば、業界経験があるからといって自社業務にフィットするとは限らず、適性や価値観のミスマッチが発生するケースも少なくないのです。
スキル面だけでなく、社風やチームへの適応力を評価する視点が求められます。

転職希望者の価値観多様化でミスマッチが生じやすい

働き方改革やコロナ禍によって、求職者が企業に求める価値観が多様化しました。

「ワークライフバランスの重視」「リモートワークの推進」「キャリアアップを求める姿勢」などが多岐にわたり、企業が提示する条件とマッチしないケースが増加しています。
結果として、応募が集まっても、内定辞退や早期離職につながりやすくなっているのです。

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中途採用でよくある3つの失敗例

中途採用が難しい理由を理解した上で、次に注意すべきは「よくある失敗例」です。
ここでは、特に多く見られる3つの失敗パターンを紹介します。

採用要件が漠然としており応募者が集まらない

中途採用を行う際、採用要件が漠然としていると、求職者が「自分に合っているかどうか」を判断できず、結果的に応募が集まらないという事態に陥りがちです。

特に「経験年数」「スキルレベル」「仕事内容」を曖昧に記載してしまうと、ターゲットに適した応募者が集まりにくくなります。

【失敗例】
ある製造業の中小企業では、営業職の募集要件を「営業経験3年以上」「コミュニケーション力がある方」と設定して求人を掲載しました。
しかし、これだけでは具体的な仕事内容や求めるスキルが不明確だったため、応募者が「自分に合っているのかわからない」と感じ、エントリーがほとんど集まりませんでした。
結局、採用活動の初期段階からつまずき、求人広告を何度も掲載し直すことになりました。

選考辞退・内定辞退が発生する

中途採用では、求職者が複数の企業に応募していることが一般的です。
そのため、選考フローが長引いたり、連絡が遅れると、その間に他社で内定を獲得され、辞退されてしまうケースが多発します。

特に面接日程の調整が遅かったり、役員面接が何度も延期されるなどすると、求職者のモチベーションが下がり、辞退につながります。

【失敗例】
IT系ベンチャー企業でのケースです。選考フローが長く、書類選考から最終面接まで4週間以上かかりました。
さらに、役員面接の調整が難航し、何度も日程が変更になったため、求職者の不安が募ってしまいました。
最終的には、面接日程の変更が続きネガティブな気持ちが大きくなった求職者が、途中で選考を辞退。内定を出した他の候補者にも、既に他社の内定を優先されてしまいました。
このように、迅速な対応ができないことが致命傷となり、人材確保に失敗しました。

早期離職が発生し定着に繋がらない

中途採用では「即戦力」として期待する一方で、入社後の定着が課題となることが多く見られます。
特に求人票に記載した内容と、実際の業務が大きく異なっている場合や、社内の雰囲気が求職者の期待と異なる場合に、早期離職が発生しがちです。

【失敗例】
ある飲食チェーン店では、「やりがいのある職場」「チームワークを重視」とだけ記載して、具体的な業務内容についてはあまり触れていませんでした。
その結果、入社した人材が「忙しすぎてついていけない」「思っていた仕事と全然違う」と感じ、3か月以内に退職するケースが続出しました。
求人票と現場の実態が異なることが原因であり、結果的に採用コストがかさんでしまったばかりか、欠員補充のために再度採用活動を行うことになりました。

中途採用が難しいときの解決策5選

では、中途採用がうまくいかないときは、どのような解決策が有効なのでしょうか。ここからは、特に効果的な5つの対策について、ポイントをあげながら紹介します。

ターゲット像の明確化や採用計画を見直す

中途採用が難航する要因の一つとして、「どのような人材を採用したいのか」が不明確であることが挙げられます。
特に即戦力を求める場合、必要なスキルや経験を細かく定義しておかないと、採用計画そのものがブレやすくなります。

ターゲット像を明確にすることで、求人票の作成や採用プロセスが一貫し、無駄のない採用活動が実現するでしょう。

例えば、求めるスキルや経験が曖昧だと、多様なバックグラウンドを持つ応募者が集まり、選考に時間がかかってしまうリスクがあります。

しかし、ターゲット像が具体的であれば、最初から条件に合う応募者を集めやすくなり、選考の効率化が図れます。

【ポイント】

  • 採用ペルソナを作成し、必要スキル・経験を細かく定義
  • チームリーダーや現場担当者とヒアリングを行い、実務レベルの要件を洗い出す
  • 業務内容とスキル要件を基に、求人票をブラッシュアップ

※ターゲットの具体的な設定方法を知りたい方はこちら
応募が来ない時に試すことはペルソナ設定!求人票の書き方のコツをご紹介

※採用計画の立て方について知りたい方はこちら
【テンプレートあり】採用計画とは?立て方や作成のポイントを紹介

採用スピードを上げるために採用フローを見直す

中途採用では「スピード感」が重要なポイントです。求職者は複数の企業に同時に応募しているケースが多く、選考が長引くと他社に流れてしまう可能性が高まります。
採用スピードを上げるためには、採用フローそのものを見直す必要があります。

採用スピードを上げることで、優秀な人材を他社に取られるリスクを減らせます。
また、迅速な対応は求職者に好印象を与え、「この企業はレスポンスが早く、働きやすそうだ」という印象を与えることにもつながるのです。

特に即戦力を求める中途採用では、選考プロセスの短縮が成功の鍵となります。

【ポイント】

  • 面接回数を2回程度に絞り、現場責任者も初回から参加させる
  • 面接予約から実施までのリードタイムを短縮する
  • 内定連絡は1週間以内に行い、迅速さをアピール

他の採用手法を活用する

中途採用の成功率を高めるためには、従来の求人サイトやエージェントだけでなく、さまざまな採用手法を並行して使うことが重要です。
特に、リファラル採用やダイレクトリクルーティングなど、アプローチの幅を広げることがポイントです。

1つの手法に固執すると、母集団形成が難しくなりがちです。
特に中途採用はターゲットが多岐にわたるため、さまざまな方法でアプローチすることが必要です。

リファラル採用では、社員のつながりを活かして信頼性の高い人材を集められるため、定着率が高いというメリットもあります。

【ポイント】

  • リファラル採用を推進し、社員経由で人材を確保
  • ダイレクトリクルーティングを活用し、ターゲット人材へ直接アプローチ
  • 採用チャネルを多様化し、母集団形成を強化

※どのような採用手法があるのかメリット・デメリットをあわせて知りたい方はこちら
【2025年最新】新卒・中途の採用手法14選!トレンドから定番まで紹介

求人情報をより魅力的な内容に改善する

求人情報が魅力的でないと、せっかくアクセスしても応募につながりません。
企業の魅力や仕事内容をより具体的に伝え、求職者が「働きたい」と思える内容にしましょう。

中途採用者は、企業の安定性や職場環境に加え「自分がどう貢献できるか」を重視します。
曖昧な表現や一般論が多いと、「結局どんな仕事なのかわからない」と判断され、応募を避けられるリスクがあるため注意が必要です。

【ポイント】

  • 成果を出している社員インタビューを掲載し、職場のリアルな声を伝える
  • 具体的なキャリアパスや成長支援制度を明記する
  • 給与や福利厚生だけでなく、社風や働き方の柔軟性を強調
  • 「自社ならではの魅力」を明確にする

※求人票のアピールポイントの書き方を知りたい方はこちら
【例文付き】求人票のアピールポイントの書き方やポイントを解説

企業口コミなどの評価を向上させる

口コミサイトでの評価は、応募者が企業を選ぶ際の重要な判断基準です。ネガティブな評価が多いと応募をためらうため、口コミ対策を含めたブランディングが欠かせません。

転職者は事前に企業の評判を調べるケースが増えています。評価が低いと、応募前に選択肢から外されてしまいやすくなります。そのため、現職社員への働きかけを行い、ポジティブな口コミを増やすことが採用率向上につながります。

【ポイント】

  • 定期的に社員アンケートを実施し、フィードバックを活用
  • クチコミサイトに書かれた改善要望を検討し、対応策を社内に共有
  • オープンな企業姿勢を示し、改善報告を公式ページで公開する

※企業口コミサイトの対策について知りたい方はこちら
求人掲載もできる企業口コミサイト5選!対策や求職者の動向も解説

中途採用の成功事例

中途採用に成功するイメージをより深めていただくため、ここからは当社ネットオンがご支援した成功事例を3つ紹介します。

長く働いてくれる従業員の採用に成功

業種:接客/サービス
所在地:大阪府堺市南区

大阪府で貸し切りバス事業および旅行事業を展開しているSSツアーアシスト株式会社は、採用活動において課題を抱えていました。
売り手市場の中、採用が難しく、定着せずに退職されるケースも多かったのです。

そこで「採用係長」を導入。特に定期的なサポートや求人票作成支援が役立ち、これまで利用してきた他社サービスと比べて応募数が増加。
累計応募数は31件に達し、その中から長く働いてくれる従業員の採用にも成功しました。これにより、慢性的な人手不足を解消し、安定した雇用体制を確立できたといいます。

※詳細はこちら
サポートがありがたい!採用成功につながっています!|採用係長

短期間で大量採用に成功

業種:レジャー/エンタメ
所在地:千葉県佐倉市

株式会社サンアメニティは、夏のプール事業において短期間での大量採用を求められる状況でした。
これまでも様々な採用ツールを試したものの、予算面や管理しやすさを考慮した結果、「採用係長」を選択しました。

複数の検索エンジンを利用できる点やマイページでの応募者管理が便利で、特に母集団形成に役立ったとのことです。その結果、1か月という短期間で50人以上を採用。

さらに、応募者同士の紹介もあり、最終的には70名の採用に成功しました。応募者の協力体制も功を奏し、効果的な大量採用を実現できました。

※詳細はこちら
短期間で多くの応募!最終的には50人以上もの大量採用に成功!!|採用係長

面談実施で採用に成功

業種:接客/サービス
所在地:東京都荒川区

東京都荒川区で理容店を経営するヘアカット ウィンは、従来の採用活動では応募が少なく、苦戦していました。
そこで「採用係長」を利用し、求人票を改善しながら応募数の増加を図りました。

特に注力したのが面接のスタイルです。従来の形式的な面接ではなく、リラックスした「面談」を実施。応募者の個性や意欲を引き出すために、和やかな雰囲気で対話を重視しました。

その結果、トータル10名の応募があり、うち2名を採用。両者とも希望通りの人材であり、その後も安定して働いています。選考方法を見直したことで、採用成功率が飛躍的に向上しました。

※詳細はこちら
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まとめ

中途採用の成功には、柔軟な採用戦略と工夫が欠かせません。自社の採用課題を客観的に把握し、効果的な施策を打つことで、より確実に優秀な人材を確保できるでしょう。
採用における悩みがある企業は、事例を参考にしながら、自社に合った方法を見つけて実践してみてはいかがでしょうか。

なお、本記事をご覧になっている方の中で
「希望する人材からの応募数を増やせずに困っている」
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そんなときは、ぜひ当社ネットオンにお問い合わせください。お悩みに寄り添える経験豊富な専門スタッフがそろっていて、皆さまの課題に応じた最適な採用計画をご提案いたします!
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この記事を書いた人
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コンノ

公務員として4年間、人事労務の実務経験あり。 これまで100名以上の事業者をインタビューしており、「企業や個人事業主が本当に悩んでいること」を解決できる記事を執筆します。

監修者
監修者
辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
Indeedはもちろん、インターネット広告やDSP広告を組み合わせた効率的な集客や、Google Analytics等の解析ツールを利用した効果分析、サイト改善を強みとしている。