病院・クリニックの人材確保は、年々難しくなっています。
少子高齢化による労働力の減少に加え、医療職は専門的な知識・スキルを必要とすることが原因です。実際に、スタッフ不足に悩んでいる病院・クリニックは多いのではないでしょうか。
本記事では、病院・クリニックのスタッフを採用するために効果的な方法を紹介します。
スタッフの採用を考えている、または採用力を高めたいと考えている病院・クリニックの方はぜひ参考にしてください。
目次
医療専門技術職の採用は難しい?
はじめに、本当に病院・クリニックの人材確保が難しいのか、現状を明らかにしておきましょう。
下記は、厚生労働省の調査をもとに、医療専門技術職の有効求人倍率をまとめたものです。
【表】医療職専門技術職の有効求人倍率(2013~2020年)
2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
職業計 | 0.83 | 0.97 | 1.08 | 1.22 | 1.35 | 1.45 | 1.45 | 1.08 |
医師、歯科医師、獣医師、薬剤師 | 6.91 | 6.66 | 6.15 | 5.97 | 5.57 | 4.70 | 3.77 | 2.49 |
保健師、助産師、看護師 | 2.72 | 2.63 | 2.56 | 2.47 | 2.35 | 2.29 | 2.26 | 2.06 |
医療技術者 | 2.53 | 2.71 | 2.93 | 3.00 | 2.92 | 3.08 | 3.20 | 2.73 |
【グラフ】医療職専門技術職の有効求人倍率(2013~2020年)
いずれの医療専門技術職も有効求人倍率が2倍を超えており、全職種の平均値を表す「職業計」を上回っています。また、医療専門技術職同士を比較すると「医療技術者」の有効求人倍率が最も高く、2020年においては2.73倍と全職種中で最大の値です。一方で、医師・歯科医師・獣医師・薬剤師の有効求人倍率は、ここ数年で減少傾向にあります。
有効求人倍率を見ると、医療専門技術職の需要は供給を上回っている現状が分かります。
少子高齢化の進行により、医療の需要が高まっていることを踏まえても、医療技術専門職は不足しているのではないでしょうか。
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病院・クリニックにオススメの採用方法
医療職の採用難が続くなか、従来の採用方法だけでは、病院・クリニックの人材確保は難しいといえます。施設の目標や状況に応じた、採用方法の工夫が必要です。
ここでは、病院・クリニックにオススメの採用方法を6パターン紹介します。
主婦・主夫採用
主婦・主夫採用は、家事や育児に専念している人を雇用する方法です。近年は共働き世帯が増加しており、主婦・主夫は就業意欲が高い傾向にあります。
また、多くの主婦・主夫は社会人経験があるため、医療職の業務経験や資格を持っているケースがあります。主婦・主夫採用でスタッフを確保できれば、即戦力として活躍してくれる可能性が高いでしょう。
主婦・主夫をスムーズに採用するためには、勤務条件の柔軟な対応が重要です。家事や育児と仕事を両立しやすいほど、入社を前向きに検討してくれます。
【メリット】
- 就業意欲が高い人材を獲得しやすい
- 即戦力として活躍してくれる場合が多い
【デメリット】
- 勤務条件が限定される場合がある
- 応募が集まらない可能性がある
主婦・主夫採用の方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
⇒主婦・主夫を採用するメリットは?採用に効果的な求人方法とあわせて解説
リファラル採用
リファラル採用も、病院・クリニックのスタッフ確保に活かせます。リファラル採用とは、現在雇用している従業員の紹介により、新たなスタッフを確保する方法です。医療職は、養成施設や勤務先で多くの同職種とつながるため、リファラル採用が機能しやすいと言えます。
リファラル採用を実施する場合は、資格や経験など、自分たちが求めるスタッフの条件を明確にしましょう。むやみな紹介により組織に合わないスタッフを採用してしまうと、かえって組織の生産性を低下させる場合があります。
【メリット】
- 採用における労力やコストを省ける
- 内面や自社に合うかどうかを判断しやすい
【デメリット】
- 紹介する責任の重さから、リファラル採用自体が機能しない場合がある
- 紹介された人材を採用しなかった場合、紹介した従業員が責任を感じやすい
下記の記事では、リファラル採用のメリット・デメリットや成功させる促進方法について解説しています。
⇒リファラル採用とは?メリット・デメリット・成功させるための促進方法まで徹底解説!
ダイレクトリクルーティング
医療職の獲得競争が激しくなっている中、理想とする人材を確保するためには、「待つ」採用ではなく、「攻める」採用活動も有効です。そこでおすすめの採用方法に、ダイレクトリクルーティングがあります。
ダイレクトリクルーティングとは、自分たちから求職者に直接アプローチする採用方法です。SNSを活用したり、「LinkedIn」や「ビズリーチ」などの専門サービスを使ったりして行います。
ダイレクトリクルーティングは、気になる人材にピンポイントでアプローチできるため、理想的な人材を獲得できるメリットがあります。ただし、アプローチをかけた人材がそもそも転職するつもりがない場合もあるため、注意してください。
【メリット】
- 気になる人材にピンポイントでアプローチできる
- 採用における無駄な労力やコストが省ける
【デメリット】
- 従来の採用活動と流れが大きく異なるため、プロセスの大幅な見直しが必要になる
- 気になった人材が転職を考えていない場合がある
Indeed
Indeedに求人を掲載する方法もあります。Indeedは、求職者が検索エンジン上で調べたキーワードに応じて、関連性が高い施設の求人が表示される特徴があります。そのため、求人をとにかく多くの目に留めて、採用チャンスを広げたい場合におすすめです。
たとえば、「病院 勤務」「医療職」など、直接的ではないキーワードの検索でも求人が表示されます。転職に対して、潜在的なニーズを持つ人を引き込める可能性も高まるでしょう。
クリック課金型で料金が発生するため、採用コストを節約したい場合にもおすすめです。
【メリット】
- 求人が多くの人の目に留まる
- 無料で求人を掲載できる
【デメリット】
- 運営の手間が発生する
- 東京・大阪など企業が多いエリアでは求人が埋もれる可能性がある
Indeedでの求人掲載方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
⇒【誰でも簡単】Indeedに求人情報を無料・有料で掲載する方法|画像解説
Indeedの仕組みや利用メリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
⇒Indeed(インディード)とは?仕組み・メリット・デメリット・効果を出す方法・成功事例まで徹底解説!
医療特化型の転職サイト・転職エージェントへの求人掲載
近年は、特定の業種に特化した転職サイト・転職エージェントが増えています。医療職に特化したサービスに求人を掲載すれば、医療分野に精通したエージェントが、採用活動をサポートしてくれる点がメリットです。
たとえば、応募の段階でエージェントが自施設の説明を行うため、入社後のミスマッチを防止できます。面接の日程調整や待遇交渉を代行してもらえば、採用担当者にかかる負担が減り、コア業務に専念できるようになるでしょう。ただし、サービス利用の費用は発生するため、一定の予算を確保しておく必要があります。
【メリット】
- エージェントが採用活動をサポートしてくれる
- 応募の段階でミスマッチをある程度防止できる
【デメリット】
- サービスを利用するコストがかかる
- 採用ノウハウが自分たちの元に蓄積されない
自社採用サイト
自社採用サイトを作成して採用する方法もあります。自社採用サイトから応募してくれる人は、基本的に入社意欲の高い人です。医療職は離職率が高い傾向にあるため、長期的な就業の観点からも、入社意欲が高いスタッフの確保はメリットが大きいと言えます。
自社採用サイトは、一度導入すれば今後の採用活動にも活かせます。病院・クリニックの人材不足は続くと見込まれるため、早めに導入しておけば将来的な採用でも有利になるでしょう。
【メリット】
- 自社に興味を持っている人材の応募が集まる
- 一度導入すれば、今後の採用活動にも活かせる
【デメリット】
- 導入するシステムを選ばないとコストがかさむ
- 運用になれるまで手間がかかる
以下の記事では、自社採用サイトを格安で作成できるツールを紹介しています。
⇒採用サイトの作成が無料もしくは格安でできるオススメのツールを紹介!
まとめ
医療職の有効求人倍率は高い水準を維持しており、病院・クリニックの採用は困難な状況です。少子高齢化による労働力不足や高齢者増加が相まって、採用は今後さらに難しくなるでしょう。
採用困難が続く中で病院・クリニックがスタッフを確保するためには、採用方法の工夫が重要です。本記事では、「主婦・主夫採用」「リファラル採用」「ダイレクトリクルーティング」「Indeed」「医療特化型の転職エージェント」「自社サイト」の6つを紹介しました。
メリット・デメリットも取り上げているため、ぜひ自社に合った採用方法を見つけ、スタッフ確保に活かしてください。
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