近年、若年層のSNS利用者の増加を背景に、「ソーシャルリクルーティング」と呼ばれるSNSを活用した求人活動に取り組む企業が増えています。
今、注目度が高いソーシャルリクルーティングですが、どのように企業はSNSを活用して求人活動を行っているのでしょうか?
今回は、SNSを活用した求人活動の方法とメリット・デメリット、さらに実際にSNSを使った採用事例についてお伝えします。
目次
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは
そもそも、ソーシャルリクルーティングとは、SNSを利用した求人・採用活動のことです。
具体的には、ソーシャルリクルーティングを行っている企業はFacebook、X(旧Twitter)、InstagramなどのSNSを活用して求人活動を行っています。
それぞれのSNSには特徴があり、利用しているユーザーにも違いがあります。
例えば、Facebookは30代から50代を中心に登録者数の多いSNSで、XやInstagramは10代から20代前半までの利用者が多いSNSです。
そのため、ターゲットの年齢層を意識して、適切なSNSを活用することが重要です。
また、実際のソーシャルリクルーティングには、その方法にいくつかのパターンがあります。
求人広告を掲載したい方へ
採用係長は最大5つの求人検索エンジン(求人ボックス、Googleしごと検索、スタンバイ、Career jet、キュウサク)にワンクリックで連携できます。ぜひ一度お試しくださいませ。
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)が注目される背景
近年はSNSが日常生活にすっかり浸透して、特に若年層の間で情報収集や意思決定の大きな要素として利用されるようになりました。
求職者が採用活動で企業について知ろうとするとき、従来は公式サイトや検索エンジンを通じた調査が主流でした。しかし今では、クチコミやリアルな体験談を重視する流れが強まり、企業の公式発表だけでなくSNS上での企業イメージや社員の声が重要な判断材料となっています。
特にZ世代を含む若年層は、日常的にSNSで情報を集めるため、企業としては従来の求人手法では届きにくかった層へのリーチが可能となりました。また、SNSを通じて日常的な企業文化や職場の雰囲気を伝えれば、求職者との間で相互理解が深まりやすく、早期の内定辞退やミスマッチも軽減されるでしょう。
こうした背景から、採用競争の激化する現代において、ソーシャルリクルーティングは企業の差別化戦略として欠かせない存在になりつつあるのです。
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)を行う4つのメリット
それでは、採用活動にSNSを活用することでどのような利点があるのでしょうか。特に注目しておきたい4つのメリットについて紹介します。
求職者・募集企業である相互理解が深まる
通常の求人活動では、履歴書の確認から面接まで企業が応募者とコミュニケーションをとることは、決められた状況下で数回と限られています。
しかし、SNS上でつながった場合、求職者は企業情報を詳細に確認することで理解を深めることができ、企業側も応募者の日常的な投稿内容から人柄を把握できます。
また、SNS上のチャット機能を利用することで気軽にコミュニケーションをとることができ、短期間の採用フローではわからなかった情報を把握した上でお互いにアプローチを図ることができます。
ミスマッチを減らし、内定辞退を減らせる
SNSは、基本的にこまめに情報をアップするツールであり、気取らない内容でありのままの情報を求職者は手軽に入手できます。
そのため、入社しなければわからない会社の雰囲気や実際に活躍している社員の紹介など、SNS上で知る機会が増えるので入社後のミスマッチによる内定辞退を減らすことが期待できます。また、事前にマッチ度を高めることで、採用後の定着にもつながるでしょう。
より求める人材を確保できる
SNS上では、求職者の投稿から本人の興味、関心、性格、考えを知ることができますし、求職者も企業の文化や求めるスキルを正確に知ったうえで応募します。
また、「応募を待つ」のではなく「企業から接点をつくる」ことができるのもSNS採用の特徴です。そのため、求める人物像がいればスピーディーに接触でき、理想に近い人材を確保できる可能性があります。
無料または低コストで求人活動ができる
SNSは基本的に無料で使用でき、必要に応じて露出を増やすための有料プランも利用可能です。
そのため、自社のアカウントを作ってフォロワーと交流したり、求人募集を行うのに費用はかかりません。
また、アプリと連携して使用するサービスについては他の求人サイトへ記載するよりも比較的安価で利用でき、応募単価の安さで定評があります。
上手にSNSを活用して、効率的に応募者を集めることができれば、採用コストの削減に役立つでしょう。
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)を行う2つのデメリット
メリットが多い一方で、SNSでの求人活動を行うのにデメリットもあります。SNSでの求人活動を行うデメリットを2つ紹介します。
計画・情報発信に手間がかかる
SNSで求人活動を行うには、こまめに情報発信しながら鮮度の高い情報を届けることが必要です。
また、採用専用アカウントを運用する場合はコンセプトや運用方針も自社で計画を立てる必要があるでしょう。
SNSを運用することの手間や、運用担当者を確保しなければならない点がデメリットといえます。
フォロワーが確保できなければ効果が少ない
さらに、企業側のSNSを活用する場合は、一定のフォロワー数を確保していなければ、情報発信をしても効果がありません。
フォロワー数を確保するには、大手企業でなければ時間がかかるので、まだSNSをはじめたての企業が「すぐにソーシャルリクルーティングをはじめたい」と意気込んでも、なかなか成果が出るまでに時間が必要でしょう。ある程度長い目で改善と検証を繰り返しながら、効果を見極めていく必要があります。
主なSNSの種類
ここでは、代表的なSNSを7種類ご紹介します。利用ユーザー数や年代、プラットフォームの特徴を簡単にまとめました。どのSNSを採用チャネルに組み込むか検討する際の参考にしてください。
LINE
【利用ユーザー数・年代】
日本国内の月間アクティブユーザー数は9,000万人を超えるとされ、幅広い年代(10代~50代以上)に利用されています。友人や家族との連絡手段として欠かせない存在となっているのが特徴です。
【特徴】
- 日本市場において圧倒的なユーザー数と浸透度を誇る
- 企業公式アカウントを通じて、求職者に直接メッセージを送れる
- 比較的カジュアルなコミュニケーションが可能で、応募者との距離感を縮めやすい
企業の採用活動では、応募者との面談日程調整や情報提供に使われることが多いです。LINEを利用する若者はもちろん、中堅層・ベテラン層にも普及しているため、幅広い世代をターゲットにできる点が魅力です。
※LINEを使った採用活動の注意点について知りたい方はこちら
LINEを採用活動で使うべき!?過去の事例から有効性とリスクを解く
X(旧Twitter)
【利用ユーザー数・年代】
国内の月間アクティブユーザー数は6,000万人~7,000万人と言われ、10代~30代前半を中心に幅広い年代に支持されています。リアルタイム性が高く、拡散力も大きいのが特徴です。
【特徴】
- 140文字以内の短文で気軽に投稿でき、情報の即時性が高い
- リポストなどで瞬時に多くの人へ拡散できる
- タイムライン上で企業や担当者の人柄・日常を知ってもらいやすい
Xでは、企業アカウントを通じて採用情報や社内イベントの様子を発信すれば、多くのユーザーの目に留まりやすいので母集団形成にも活かせます。一方で投稿が流れるスピードが速いため、定期的な情報更新が必要です。
※Twitter採用のメリット・デメリットについて知りたい方はこちら
【Twitter採用とは】メリット・デメリットや注意点を解説します
【利用ユーザー数・年代】
国内の月間アクティブユーザー数はXと同等の6,000万人~7,000万人。特に20代~30代を中心に人気があり、女性利用者がやや多い傾向です。
【特徴】
- 写真や動画がメインで、視覚的な訴求が得意
- ストーリーズやリール機能を活用すれば企業の雰囲気が伝わりやすい
- ハッシュタグ検索から関連投稿を見つけるユーザーが多い
企業アカウントで社内の様子や社員のインタビュー、日常風景を“映える”形で発信すると、若年層の関心を引きやすいのがInstagramの強み。例えば女性のドライバー採用や建設業の若手採用などの難易度が高い採用活動では、ビジュアルで魅力を伝えることが効果的な場合が多いです。
※Instagram採用の具体的な方法について知りたい方はこちら
Instagram採用とは?採用での活用方法を徹底解説!
【利用ユーザー数・年代】
日本国内の月間アクティブユーザー数は2,600万人前後と言われており、登録者の中心は30代~50代のビジネスパーソンや主婦層など、比較的高めの年齢層です。
【特徴】
- 実名登録が基本で、プロフィール情報が比較的詳細
- ビジネスユースに向いており、企業ページで信頼感を与えやすい
- コミュニティ機能を使ってターゲットを絞った情報発信が可能
企業の公式Facebookページを充実させ、社内ニュースや採用情報を継続的に投稿することで、中堅~ベテラン層を中心にアプローチできます。管理職クラスや専門技能を持つ人材を採用したい場合にも有効です。
※Facebookでの求人募集方法を知りたい方はこちら
Facebookの求人募集方法と5つのコツを徹底解説!
TikTok
【利用ユーザー数・年代】
10代~20代の若年層を中心に国内月間アクティブユーザー数は2,500万~3,000万人とされ、世界的に急速に普及しているショート動画プラットフォームです。
【特徴】
- 15秒~3分程度の短い動画でコンテンツを配信
- エンタメ性が強く、ユニークな動画が拡散されやすい
- 若年層とのコミュニケーションに適し、親近感を得やすい
採用活動では、職場の雰囲気や仕事の流れを短い動画で紹介するなど、ビジュアルと音楽を組み合わせて伝えられる点が魅力です。「楽しそう」「面白そう」という好印象を与えることで、若手求職者の応募を促すケースが増えています。
Wantedly
【利用ユーザー数・年代】
ユーザー数400万人を超えるビジネスSNS。若手・中堅層のビジネスパーソンやベンチャー志向の学生が多く利用しており、スタートアップや中小企業を中心に導入が進んでいます。
【特徴】
- 仕事の魅力や企業理念を中心に訴求する独自のサービス
- 採用ページとして使っている企業もある
- 選考フローがカジュアルで、“話を聞きに行きたい”ボタンを活用して応募ハードルを下げられる
「給与や待遇を中心に比較する」のではなく、「会社のミッションやカルチャーに共感して応募する」といったスタンスの求職者に効果的。自社のビジョンや職場環境に惹かれる人材を集めやすいのが強みです。
※Wantedlyについて詳しく知りたい方はこちら
Wantedly(ウォンテッドリー)とは?機能や使い方、導入メリット、料金を解説
【利用ユーザー数・年代】
世界最大級のビジネス向けSNS。日本国内では数百万人規模のユーザーが存在すると言われていますが、海外人気が高いことから、特に外資系企業やグローバル人材を中心に活発に利用されています。
【特徴】
- 職務経歴やスキルを詳細に登録でき、ビジネスネットワーク拡大に強み
- 海外の企業や専門家とのつながりを持ちやすい
- 中途採用や専門職採用、英語力が必要な人材の獲得に効果大
エンジニアやコンサルタントなどハイレベルな専門職、またはグローバル人材を求める場合に最適です。他のSNSに比べると日本市場ではまだ成長途上のSNSですが、海外志向の高い求職者には特に注目されています。
※LinkedInについて詳細を知りたい方はこちら
LinkedInに求人を掲載しよう!無料で掲載できる?掲載するメリットは?
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)の事例
ここでは実際にSNSを活用している企業・団体を例に、運用の特徴を簡単にご紹介します。
株式会社ニトリ
(出典:ニトリInstagramアカウント)
【活用SNS】
LINE(https://page.line.me/677fiiyn)
Instagram(https://www.instagram.com/nitorishinsotsu/)
【概要】
生活雑貨や家具の販売で有名な株式会社ニトリでは、LINE公式アカウントやInstagramを活用して採用情報や社内の雰囲気を積極的に発信しています。
例えば、Instagramのストーリーズで店舗スタッフの1日や働く目的を紹介したり、LINEで採用イベントの通知を送ったりするなど、求職者が日常的に使うSNSを通じて気軽にコンタクトが取れる仕組みを整えています。
国土交通省
(出典:国土交通省Facebookアカウント)
【活用SNS】
Facebook(https://www.facebook.com/mlit.recruit/?locale=ja_JP)
【概要】
官公庁や公共機関の中でも、国土交通省ではFacebookページを中心に、広報活動と人材採用情報の発信を行っています。省内のイベントや施策の紹介だけでなく「職員紹介」を掲載しており、求職希望者に対して国土交通省の職務内容や職場環境をイメージしやすくする取り組みを展開。官公庁であるため、実名ベースのFacebookとの相性も良いです。
大京警備保障
(出典:大京警備保障TikTokアカウント)
【活用SNS】
TikTok(https://www.tiktok.com/@dkykeibi_tokyo)
【概要】
警備業務を手がける大京警備保障は、TikTokで日々の社内の様子を発信。ショートムービー形式で現場スタッフのリアルな声を届けることで、会社の雰囲気をオープンに伝えています。
講談社
(出典:講談社Xアカウント)
【活用SNS】
X(https://x.com/kodansha_saiyou)
【概要】
大手出版社である講談社では、Xの公式アカウントを通じて新卒採用・中途採用の案内や、イベント情報、社内の様子を発信。求職者が企業文化や業務内容を身近に感じられる環境を整えています。リプライやハッシュタグを使った読者とのコミュニケーションも活発で、採用ブランディングの一環として機能しています。
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)を成功させるポイント
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)を活用する上で、以下のポイントを押さえると成果につながりやすくなります。
ターゲット層を明確にする
まずは、どの年代層(10代・20代の若手、30代・40代の中堅など)・職種(営業職、専門技術職、管理職など)の人材を採用したいのかを具体的にイメージしましょう。
若年層を狙うならInstagramやTikTok、グローバル人材や専門人材を求めるならFacebookやLinkedInなど、ターゲットによって最適なSNSが異なります。
はじめにターゲット層を明確にしておかないと、SNS選定や選考での軸がブレてしまい、結果的に人材とのミスマッチが生じやすくなります。
※ターゲット設定の方法を知りたい方はこちら
応募が来ない時に試すことはペルソナ設定!求人票の書き方のコツをご紹介
ターゲットに合ったSNSを選定する
SNSごとに利用者数や年齢層、拡散性などの特徴があります。自社の採用ターゲットや雇用条件に合ったSNSをピンポイントで選ぶことが成功への近道です。
いくつかのSNSを同時に運用する場合は、管理担当者を複数名配置するか、運用ルールを明確にするなど、運営体制を整えて「投稿を継続できる仕組み」を構築しましょう。
無理に全てのSNSを網羅しようとすると、更新の手間や費用が増えてしまうため、効果を見極めながら優先順位を付けることが大切です。
継続的に情報発信を行う
SNS採用は「一度の投稿で終わり」ではなく、長期的かつ継続的に企業情報を発信する必要があります。職場の雰囲気や社内イベント、社員の声など、日常に近いコンテンツを定期的に投稿してフォロワーとの信頼関係を築きましょう。
更新頻度が低いとアカウント自体が「放置されている」と見なされ、企業イメージの低下にもつながる恐れがあります。週に1回、月に数回といった目安を決めて、定期的に投稿を続ける仕組みを作ることが重要です。
社内の広報担当や採用担当者同士の連携を強化し、新たな情報を素早く共有することで、タイムリーな発信が可能になります。
SNSと採用ページをうまく活用して求人活動を成功させよう
これからますます働き手となる世代のSNS利用は増えていくことが予想されます。
採用係長を使えば、複数のテンプレートから好みのデザインを選ぶだけで、「最短2分」でオリジナルの採用サイトを作ることが可能。
また、求職者の関心を高めるためのコンテンツ作成など「採用ブランディング」から「採用プロモーション」まで採用業務全般をしっかりサポートします!
さらに、下記のように複数のメリットがあります。
- 約70,000事業所が利用
- 『求人ボックス』『スタンバイ』など5つの求人検索エンジンとワンクリック連携
- SNSを活用した応募者集客も可能
- 応募者管理や面接サポートなど、採用活動における便利な機能が多数搭載
- 月額9,800円~/月で利用可能
- 中小企業がオススメする採用サイト作成ツールNo1に選ばれたことも!
当社ネットオンは、2004年の創業以来、採用Webマーケティングの分野で事業を展開し、零細企業や中小企業から大企業、さらには官公庁まで支援してきました。
電話やメールなど、お客様のニーズに応じて採用課題をサポートしますので、まずはお気軽にご連絡ください!
→採用係長に関するお問い合わせはこちらから
同じカテゴリ内の人気記事