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「ブラック企業」と求人から判断されないようにするために必要なこと【採用担当者向け】

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[公開日]2021.07.21
[更新日]2021.07.16
ブラック企業 求人

昨今、テレビでよく目にするようになった「ブラック企業問題」。

ブラック企業に明確な基準は存在しないものの、厚生労働省では労働基準関連法令に違反した企業を公開しており、それらの情報は誰でも閲覧可能です。
そうしたこともあり、ブラック企業に対する世間の風当たりは今後も強くなることが予想されるだけでなく、求職者が企業を見る目もより厳しくなるでしょう。

そこで今回の記事では、採用担当者向けに、自社の求人がブラック企業と判断されないようにするうえで必要なことをご紹介します。

ブラック企業と判断されることのデメリット

近年、政府が「働き方改革実行計画」を発表したことにより、これまで深刻に取り上げられてこなかった長時間労働や劣悪な処遇に対して抜本的な改革が講じられるようになりました。各企業が働き手目線に立った働き方改革への取り組みが増えている一方で、残念ながら未だに「ブラック企業」と呼ばれる会社が存在することもまた事実です。

世間からブラック企業と判断されることによって生じる採用面でのデメリットは、主に次の2点です。

  • 新入社員が入ってこない(優秀な人材を集められない)
  • 既存社員の離職率が上がる

特にインターネットによる情報網が発達している昨今において、一度「ブラック企業」というレッテルを貼られてしまうと、そのイメージを払拭することが難しくなります。

ブラック企業というレッテルを貼られるだけで、実際はそうでなかったとしても残業代が出ない、休みたくても休めない、パワハラが横行しているなど、世間からマイナスのイメージをもたれてしまうでしょう。

実際に、2017年に株式会社ディスコ様が実施した「ブラック企業についての考え」に関するアンケートでは次のような結果となりました。
画像出典:https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2017/11/BlackKigyo_2

アンケート結果からも、世間から見たブラック企業がマイナスイメージを多く抱えていることがわかるでしょう。

ブラック企業かどうかというのは、そこに勤めている人、まして立場が偉くなればなるほど気づきにくいものです。そのため、社内で不満の声が多く聞かれるようになってきたら、早期に何らかの対策を講じなければなりません。

ブラック企業というレッテルを世間から貼られてしまった会社の多くは、予兆があったにもかかわらず対策を取らなかったことが原因だといえるでしょう。

ブラック企業というレッテルは採用活動にも影響を及ぼす

前述のとおり、ブラック企業というレッテルは採用活動にも多大な影響を及ぼします。

求職者がブラック企業だと判断した時点で応募を見送るほか、すでに選考が進んでいる場合には途中で辞退されてしまう可能性もゼロではありません。また、「ブラック企業」という言葉が先行していることもあり、なにがブラック企業なのかよく理解もせずに求人内容や福利厚生といった待遇面を中心に判断を下す傾向が強まっています。

そのため、求職者のほうが企業よりも全般的に厳しい目でブラックかどうかを判断しているといえるでしょう。

ブラックに見える求人の特徴

ここではブラック企業と判断されやすい求人の特徴について、まとめてみました。

常に求人が掲載されている

通常、求人は募集している内容に見合った人材が見つかった時点で掲載が終了します。
いつ見ても求人が掲載されている企業は、求職者から「離職者が多いのではないか」「入っても長続きしないような内部環境なのではないか」と判断されてしまっても不思議ではありません。

また、採用数が不自然に多い場合もブラック企業ではないかと怪しまれる傾向にあります。
採用してからふるいにかけて大量に脱落させるケースを想像されるほか、あらかじめ一定数が早期に離脱することを見越して求人を出しているのではと求職者に思われることもあります。

抽象的な言葉ばかり使われている

「若手が活躍しています!」「アットホームな社風!」「成長を感じられる仕事」といったような抽象的な言葉が求人に並んでいる場合も、求職者からブラック認定されやすいので注意が必要です。

事業内容や仕事内容を見ても一見イメージの良さそうな横文字が多く、実際に何をしているのかいまひとつわからない会社ほどこういった表現を多用すると考えられています。

給与表記に「みなし残業」や「年俸制」との記載がある

求人に基本給の金額や残業代の明記がない場合は、「みなし残業制」の悪用や残業代の不払いといった違法労働につながる恐れがあるため、求職者から警戒されます。

給与があまりに高すぎる・安すぎる

掲載されている給与があまりに安すぎる場合、法律で定められた最低賃金を下回る「違法労働」ではないかと疑われるほか、あまりに高すぎる場合も警戒されます。

求人における給与記載のポイントについては以下の記事で解説しています。
【最低賃金改定】採用を優位に進めるために必要なポイント3つ

求職者からブラック企業と判断されないようにするためには

インターネット 繋がり

ブラック企業と判断されやすい求人の特徴についてお伝えしましたが、そうした事態を避けるためにはどうしたらよいのでしょうか。

ここではその対策を3つ、ご紹介します。

求人の書き方を改善する

まず、求人の書き方を改善することから始めてみましょう。前述のとおり、抽象的な言葉や不必要な横文字(カタカナ語)を見直すほか、記載されている内容に誤解を生むような表現がないか確認することが大切です。

特に以下の点はおさえておきましょう。

  • 雇用形態は明確な理由とともに記載する
  • 就業時間と休憩時間は嘘偽りなく書く
  • 給与は「年俸制」「歩合給」「みなし残業代」といった文言に注意する
  • 育児・介護休業の取得実績を記載する
  • 休日の表記は明確にする

求人を書くうえでの前提として、誰が読んでもわかるような日本語を使用するように心がけるほか、具体的に仕事内容や社風がイメージできそうな表現を心がけるようにしましょう。

給与の記載は正しく行うように心がけるほか、手当や休日に関しても情報不足とみなされないように気を付けることが大切です。
また、もし大量に求人を募集する場合には、なぜ多くの人材を必要としているのか理由を明記するようにしてください。(例:事業が急成長していることにともなう採用強化など)

最後に、求人広告を作成する人とチェックする人を分けるほか、チェックは複数人で行うようにしましょう。

求人の方法を変える

日本の求人では、その多くが自社の良いところをアピールし、ネガティブな側面を隠す傾向にあります。というのも、ネガティブな面(会社にとって不都合な面)を隠さなければ応募が集まらないのではといった固定観念に捉われてるためです。

しかし、米国ではネガティブな面をあえて隠さずに説明する採用手法である「PJP理論」が40年以上前から研究されており、実際にその手法を導入している会社も多く見受けられます。
参考:https://mitsucari.com/blog/evil_company_posting/

マイナスに捉われてしまいそうなことを正直に伝えることで、入社後のギャップを最小限に止めるほか、そういった側面も踏まえて自身に見合った職場かどうか求職者が判断しやすくなるといったメリットが挙げられます。

採用広報・ブランディングを強化する

数多くいる求職者に対し、「この企業で働きたい!」と感じてもらえるように自社の理念やビジョン、社風や入社するメリットなどを積極的にPRしていくこともまた有効です。そうした情報を正しく広めることで、「あの企業は他社にはない○○といった魅力がある!」という企業ブランドの確立につながります。

実際に効果が出始めるまでにそれ相応の時間はかかりますが、他の手法と組み合わせながら長期的な視点でブランディングを強化していきましょう。

「採用広報」については以下の記事で解説しています。
【採用広報とは】その効果と最適なメディア・ツールを徹底解説

まとめ

以上、ブラック企業に対する世間の目が厳しくなっている中、求職者からブラック企業と判断されないために必要なことについてお伝えしました。

一度ブラック企業のレッテルを貼られてしまうと、そのイメージを払拭することはそう簡単ではありません。求職者からブラック企業だと思われないような求人記載を心がけるほか、採用広報やブランディングの強化にも力をいれることが大切です。

この記事を書いた人

織瀬ゆり

織瀬ゆり

某信託銀行退職後、フリーライターとして独立。宅建士およびFPなど複数資格を所持しており、金融や不動産ジャンルを中心に幅広いジャンルで執筆活動を行っています。プライベートでは2児の母として育児に奮闘中。

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