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【最低賃金改定】採用を優位に進めるために必要なポイント3つ!2019年版 最新レポート

[公開日]2019.10.24
[更新日]2019.10.24

地域別の最低賃金が2019年10月1日から改定されましたが、事業者の皆様は既に対応などお済みでしょうか?

また、今回の最低賃金改定に伴い、人材採用において今後どういった影響が出てくるのかと懸念している方も多いのではないかと予想します。今回は最低賃金改定の傾向や、今後の採用活動を優位に進める為のポイントについてご紹介していきます。

4年続けて全体で約3%アップ

2019年度の全国の平均最低賃金額は901円となりました。前年度から比較する3.1%アップになります。2016年度からこの大幅引き上げの傾向は続いており、4年続けて約3%アップを維持しています。

こうした背景には、企業の人材不足により時給が引き上げ傾向にある採用面での事情と、2016年度に最低賃金を年3%程度引き上げる方針を明確化した政府の後押しという、ふたつの要素が大きく影響しています。

東京・神奈川で初めて1,000円の大台を突破!しかし地方格差を懸念する声も

今回の最低賃金改定では、東京都が1,013円、神奈川県が1,011円と初めて1,000円台に達したことも大きな注目を集めています。

しかし、一方で地域格差は依然として大きな懸念材料で、例えば最低賃金が低い地域である沖縄県と東京都2009年(平成31年度)の差は162円であったのに対し、今年の改定では223円の差となっています。

これほど大きな開きがあると、地方によって年収に大きな差が生まれます。一部の識者はこの資金の開きが、より都会への人口集中をうながしてしまうのではと危惧する声もあります。

全国平均で1,000円台を目指すべきという提言も政府機関から出ている

政府が2019年5月14日に行った経済財政諮問会議において、民間の有識者で構成される民間議員は、景気や物価に配慮しつつ「全国平均1,000円台をより早期に実現することを目指すべき」と提言しました。この提言があった影響もあり、今回の改定は注目度の高い改定となりました。

改定後の平均は901円ですので、まだ100円近くは開きがありますが、都道府県全体での引き上げ額は過去最大となっています。これは政府が全国平均1,000円台に動いていることの証明でもあるかもしれません。

非正規労働者の増加が最低賃金アップに拍車をかけている?

政府は働き方改革の目玉の一つとして、「同一労働同一賃金」を掲げています。これは、同じ内容の仕事に従事するなら、本来非正規社員でも正社員でも同じ賃金が支払われるべきであるという考え方です。西欧では、この考えが強く、アルバイトなど、非正規雇用者の時給はかなり高めになっています。今回、東京都、神奈川県が1,000円台を突破したという事実は、同一労働同一賃金により近づいているといえるでしょう。

ちなみに、2019年8月に総務省が発表した、「労働力調査(詳細集計) 2019年(平成31年・令和元年)4~6月期平均(速報)結果」によると、非正規の職員・従業員は2124万人で、前回の調査から29万人も増加しています。しかも、主な理由は男女共に「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も多く、やむを得ない事情ではなく、労働者個人の都合で非正規雇用を選択しているという部分が興味深いとこでもあります。多様な働き方のニーズは高まっています。

これだけ多くの非正規労働者がいるということが、最低賃金引上げの大きな後押しになっていると思われます。なお、非正規雇用者の6割以上は女性です。このなかにはパートタイプも人も含まれますが、男女の資金差を厚生労働省が指摘していることもあり、この面でも、最低賃金は上昇傾向になっています。

さらに、非正規雇用者の労働環境改善を目指す、「パートタイム・有期雇用労働法および労働者派遣法」が、2020年4月1日から施行されます(中小企業におけるパートタイム・有期雇用労働法の適用は2021年4月1日から)。同一労働同一賃金の方向に国が舵をきったこともあり、非正規雇用労働者の生活改善に貢献するため、今後しばらくは最低賃金の引き上げが続くのではと予想されます。

最低賃金の引き上げをしても人材を確保しないといけない時代に

ここ数年の最低資金増額傾向は、最低資金ぎりぎりで労働者を雇っている中小企業にとって無視できない程、大きな影響を及ぼします。人手不足倒産も起きている昨今、資金を上げばければ人材が集まらない局面に突入しました。

「ダイヤモンドを10円で買い取ります!」という広告を出しても誰も買い取り手がいないのと同じで、どんなに求人広告を出しても、求職者の希望に合わなければ、応募獲得にはつながりません。

8月に総務省が発表した完全失業率は2.2%で、これはほぼ日本全国の人材が雇用されている状態に近く、完全に売り手市場になっているといえるでしょう。しかし、労働者にだけメリットがある訳ではなく、雇用する企業側にも人材の質向上の可能性が含まれています。厚生労働省は最低賃金制度の意義・役割についての資料で下記の理由によって、労働能力のすぐれた労働者を確保することに役立つとしています。

 

(1)賃金の上昇によって、優秀な労働者を雇い入れることが容易になること。

(2)労働者の生活が安定することによって、労働能率の増進がもたらされること。

(3)労働者の収入の増加によって、労働人口中家計補充的な不完全就業者が減少すること。

 

資金の上昇に対応できる生産性を確保するためにも、雇用する側の企業はより優れた人材を探さなければいけない時代になったともいえます。元々、ここ数年が売り手市場である影響もあり、自社をより魅力的にみせるような企業PRの方法や、採用担当者の人材を見抜く力はさらに求められるようになるでしょう。

優秀な人材を採用する為に必要なポイント3つ

最低賃金も上昇し、採用の難易度も高まる中で、中小企業などはどういった行動はとればいいでしょうか。

ここでは中小企業などの事業者の方が効果的な採用活動のために取るべき具体的な行動について3点ご紹介いたします。

同業他社の求人募集賃金のリサーチ

例えばアルバイト人材を採用する場合、最低賃金が改定されたからといって、下限の時給を変更した程度では、希望する人材の応募獲得は難しいでしょう。

まずは、募集地域の同業者がどれくらいの時給設定で求人募集を行っているのか調査した上で、最適な時給を決定することが大切です。

賃金以外の職場のアピールポイントを伝える

採用において給与や時給設定は重要ですが、給与を簡単に上げることは難しいと思われます。そういった場合は給与以外の条件で自社がアピールできるポイントを伝えましょう。例えば「シフトの融通が利く」、「学生が多く活気がある」、「人材の定着率が高い」といった求職者が見て魅力に感じるポイントを全面に出すことで応募を獲得できる可能性を高めることが可能です。

求職者に知ってもらう為の採用媒体を活用する

給与見直しの実行などで、魅力ある求人条件を整えることが出来たとしても、自社の求人を求職者に広く知ってもらわなければ、人材採用はうまくいきません。

求人媒体は近年様々な種類がありますが、日本でも月間2,300万人のユーザーが利用しているIndeed(インディード)など採用検索エンジンを活用することで、求人を多くの求職者に見てもらうことが可能です。

Indeedと連携し効果的な採用ができるツールはこちら「採用係長

 

まとめ

10月1日から最低賃金が改定された訳ですが、2015年度(平成27年度)の内閣府の調査によると、この最低賃金で働いている労働人口は300~500万人程度いるといわれています。今年度はどの程度の人が最低賃金で働いているかの調査結果はありませんが、この数字をどう企業側が捉えるか、この機会に自社の給与制度について、今一度、見直されるのも良いかもしれません。

会社の財務面をふまえて「守りの人材採用」をするのも正しい方法のひとつではありますが、最低賃金で悩んでいる、もしくは不満に思っている人材を、雇用条件の見直しや効果的な訴求を行うことでで惹きつける「攻めの採用」も人手不足の時代には重要になってきます。

中小企業の事業者の方にとって、最低賃金改定を逆風と捉えるか、採用における攻め時と捉えるかで取るべき施策は変わってきます。今回ご紹介した採用を優位に進めるポイントを実践し、競合他社よりも優位に採用活動を進めましょう。

「攻めの採用」を実現するための魅力的な採用サイト作成ツールはこちら「採用係長

参考文献:

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧

平成14〜平成30年度地域別最低賃金の全国一覧

総務省統計局 労働力調査(詳細集計) 2019年(平成31年・令和元年)4~6月期平均(速報)結果

厚生労働省 最低賃金制度の意義・役割について

内閣府 最低賃金について

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