採用面接を行う際には、「評価項目」と「評価基準」を可視化した面接評価シートを作ることをおすすめします。面接評価シートは、面接官が自社の要件に合致した人材を見極め、応募者を客観的かつ正確に評価するための重要な物差しです。
採用面接で最も大切なことは、応募者を客観的かつ正確に評価すること。
求める人物像や採用の評価基準が曖昧であれば、面接官の経験や主観に基づく評価による採用のミスマッチが発生しかねません。
採用のミスマッチを防ぎ最適な人材を獲得するためには、求める人物像を明確にし、面接官が客観的に応募者を判断するための評価シート(基準)が必要です。
今回は、面接評価シート作成のメリットやポイントと、人材要件に合った面接評価シートの作成方法をご紹介します。
費用をかけずに採用を始めたいけど、ひとつひとつの採用媒体を調べるのが面倒・・・
1クリックで5つの採用媒体に連携
目次
面接評価シートを導入するメリット
まずは、面接評価シートを導入することによって得られる5つのメリットを紹介します。
- 求める人物像について、面接官全員の認識を合わせられる
- 面接官の「主観に基づく評価」を脱却し、応募者を客観的に評価できる
- スムーズに面接を進行できる
- 履歴書や職務経歴書では見えない応募者の人柄を可視化できる
- 面接の記録を残すことで評価の振り返りを行い、次回の採用面接に活かせる
面接評価シート作成のポイント
続いて、面接評価シートを作成する際のポイントについて解説します。
面接評価シートにおいては、面接官ごとに応募者を評価するポイントが異ならないように、「求める人物像」の認識を合わせ、「評価基準」を明確にする必要があります。
面接官全員が公正に応募者を評価し、採用の合否を判断できるように「評価項目」と「評価基準」を設定しましょう。
採用基準については、以下の記事で解説しています。
⇒採用基準の作り方は?|マッチする人材見極めと定着のポイント
評価項目・基準を設定するポイント
求める人物像を明確にする
はじめに、採用したいポジションにマッチする「求める人物像」を明確にします。
より具体的な人物像がイメージできるように、面接官や管理職だけでなく、配属先のメンバーや活躍しているキーパーソンにもヒアリングをして話し合いましょう。
その際、求める素養や優先する条件も明確に設定すると、人物像の粒度が高まります。
求める人物像(ペルソナ)の設定については、以下の記事で解説しています。
⇒採用ミスマッチを回避!ペルソナを活かした求人票の作り方とは?
評価項目を可視化する
次に、「求める人物像」の評価項目を設定します。
まずは、ひとつ前のポイントで明確にした素養や優先する条件を評価項目として一覧化しましょう。
さらに、「会社として特に重視すること」や「募集職種で必ず必要な素養」など項目に優先順位をつけ、面接評価シートに反映して運用してみてください。
評価基準を点数化する
評価項目が決まったら評価基準を設定します。
評価基準を設定するときに重要なのは、面接官全員が共通認識をもって判定できることです。例として、評価基準を点数化する方法があります。
一般的な採用基準は「良い・普通・良くない」の3段階や、「当てはまる・やや当てはまる・どちらともいえない・やや当てはまらない・当てはまらない」の5段階の評点制度です。評点ごとの基準を明確にして面接官に共有しましょう。
面接の評価・点数の付け方
面接の評価・点数の付け方には、「加点方式・減点方式」と「段階評価」の大きく2種類があります。
それぞれ特徴があるため、自社の面接体制や戦略、選考段階に応じて決めることがおすすめです。
加点方式・減点方式で付ける
加点方式と減点方式は、それぞれ下記のような評価方法です。
【加点方式】
0点から点数を加算していく方式。候補者の良い部分や基準を満たしている部分に焦点を当てて評価する。
【減点方式】
100点から点数を引いていく方式。候補者の欠点や基準を満たしていない部分に焦点を当てて評価する。
減点方式は、候補者の「ネガティブな部分」に目を当てるため、消去法のような採用になる場合があります。また、減点要素を探すために、圧迫面接のような雰囲気が出てしまうかもしれません。
加点方式と減点方式で悩んだ場合は、加点方式がおすすめです。
段階評価で付ける
段階評価とは、下記のように段階的な評価基準を設ける方式です。
- 「良い・普通・良くない」の3段階
- 「当てはまる・やや当てはまる・どちらともいえない・やや当てはまらない・当てはまらない」の5段階
- 数字(1~5など)やアルファベット(A~Eなど)
特に一次面接では、候補者を足切りする場合も多いため、「何点未満を足切りにするか」「この項目が最低点だと不合格」のように、基準を明確にしておきましょう。
また、段階評価では、何名かの候補者が同じ点数で並ぶ可能性があります。
点数が並んだ際の内定者の決め方についても、事前に決めておくことがおすすめです。
面接の評価基準におけるイレギュラー
「人」を相手にする以上、面接では、イレギュラーな出来事が常に隣り合わせです。
例えば、下記のようなケースがあります。
【面接の評価におけるイレギュラー】
- 面接官によって感じ方が全然違う
- 評価が決められないほど悩んでしまう
- 最高点数の候補者が複数人いる
いずれのイレギュラーにも効果的な対策が、「面接記録を残すこと」です。
面接後に時間を空けてから記録を確認することで、より客観的な視点で判断することができます。また、記録を他のメンバーにも確認してもらえるため、恣意的な評価を防止して、多角的な視点で評価することが可能です。
面接評価シートに入れたい項目・基準
採用の合否を決める際、面接官同士で「評価基準」に基づいた客観的な議論を成立させることが面接評価シート導入の目的と言えます。
面接評価シートは、面接官全員の「評価の目線」を合わせるためのものです。なぜこの項目が必要なのか、なぜこの項目が優先事項なのかなど、意図や目的をしっかりと面接官同士で共有しましょう。
- 応募者情報
- 身だしなみ(マナー・第一印象)
- 視線・表情(マナー・第一印象)
- 話し方や声の大きさ
- 志望動機
- 自己PR
- 成功体験
- 失敗体験
- 主体性
- 行動力
- 課題発見力
- コミュニケーション能力
- 向上心
- ストレス耐性
- 面接官コメント記入欄
- 合否欄
など
面接内容の記録はもちろん、質問項目テンプレートや面接評価の可視化まで
求人作成~面接までサポートする「採用係長」を見てみる
面接の段階別にみる評価基準・項目
評価基準は面接段階によって変わります。
一次面接・二次面接・三次面接の3つの段階について、特に入れたほうが良い評価基準・項目を紹介します。
一次面接の評価基準
- 身だしなみ(マナー・第一印象)
- 視線・表情(マナー・第一印象)
- 話し方や声の大きさ
- 志望動機
- 向上心
多くの企業では、一次面接で基本的なマナーや人柄、社風とのマッチ度などを見ると思います。また、人事担当者が担当するケースが多く、現場レベルでの評価は二次面接以降で行うでしょう。
そのため、コミュニケーション能力や仕事に対する根本的な考え方・姿勢を確認できる評価基準がおすすめです。
二次面接の評価基準
- 自己PR
- 成功体験
- 失敗体験
- 主体性
- 行動力
- 課題発見力
- ストレス耐性
二次面接では、現場担当者が面接官を担当し、一次面接よりも実践的な内容を問います。
そのため、「その候補者が入社後に活躍できるのか」を具体的にイメージできるような評価基準が求められます。
面接時は、候補者の経験やスキルを踏まえ、自社の業務と照らし合わせながら深掘りすると良いでしょう。
三次面接の評価基準
- 入社意欲の高さ
- 社風や企業理念との合致度
一次面接と二次面接で候補者を絞り、三次面接は役員クラスが面接官をするケースが多いと思います。二次面接を通過した段階で、内定がほぼ決まっているケースもあるでしょう。
この段階で重要なのが「入社意欲の高さ」です。
内定後の辞退や入社後の短期間での離職は、かえって企業の負担を大きくしてしまいます。
一次面接からの発言内容に一貫性があるかをチェックしながら、入社にあたっての思いや熱意を確認しましょう。
面接評価シートのサンプル
面接評価シートには「自社の求める人物像」を判断するための評価項目を盛り込みましょう。面接評価シートは人材要件によって都度作成し、常にアップデートしていってください。
下記に、「身だしなみ」や「コミュニケーション能力」といった必須項目を記載した面接評価シートのサンプルを掲載します。
面接シートに盛り込む評価項目は、自社の「求める人材像」によって異なりますので、サンプルを活用して、採用基準を満たした自社オリジナルの面接評価シートを作成してください。
サンプル(エクセルファイル)のダウンロードはこちらから
⇒面接評価シート(サンプル)ダウンロード
まとめ
今回は、面接評価シート作成のメリットやポイントと、人材要件に合った面接評価シートの作成方法をご紹介しました。
面接の評価は、面接官によって辛口・甘口などの個人差が出てしまうもの。
面接のあとは必ず面接評価のフィードバックを行い、面接官の評価基準の目線を社内ですり合わせましょう。
採用係長なら面接実施をサポートする機能も充実!サービスを詳しく見る
同じカテゴリ内の人気記事