アルバイトの採用手法 最新のトレンドから注意点まで分かりやすく解説!

「アルバイトを採用したいのに応募がこない……」
「アルバイトを採用するための最適な方法が分からない……」
採用市場が目まぐるしく変化する中、このように悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

そこで当記事では、アルバイト採用に適した手法を紹介します。
採用活動における注意点も解説するので、ぜひ採用戦略を立てるためにお役立てください。

アルバイトの採用手法

まずは、メジャーな採用手法から紹介します。
「特徴」のほか「料金」「メリット」「デメリット」についても触れるので、自社に最適な手法を比較してみてください。

ハローワーク

「公共職業安定所」とも呼ばれるハローワーク。
厚生労働省によって運営される機関で、求職者や企業に対して、さまざまな無償サービスを提供しています。全国500か所以上に設置されているため、身近な存在としてアルバイト採用をサポートしてくれます。

求人情報はハローワークで直接紹介されるほか、ハローワークインターネットサービスを通してWeb上にも掲載されることが特徴です。

【料金】
完全無料。ただし、求人票作成などのサポートは手薄であるため、人件費や労力は考慮する必要があります。

【メリット】
・コストを抑えた採用活動ができる
・地元に思い入れのある人材と出会いやすい
Indeedのオーガニック欄にも掲載求人が表示される場合がある

【デメリット】
・リーチが限定的なので広いエリアの採用に向いていない
・掲載できる情報量が限られる
・専門性の高い人材と出会いにくい

※ハローワークに求人掲載する方法を知りたい方はこちら
ハローワークとは?求人掲載の出し方は?流れと記入のコツを解説

フリーペーパー

インターネットの浸透により存在感が薄くなってきたフリーペーパーですが、アルバイトの募集においてはまだまだ健在です。
駅やコンビニ、スーパーといった街中の目立つところに設置されるので、主婦・主夫や学生を中心に興味をひくことができます。
利用する企業は地元の中小企業が多い傾向です。

【料金】
1掲載あたり15,000円~50,000円程度

【メリット】
・求職者の目に偶然入るのでさまざまな層にアプローチできる
・その地域のことが好きな求職者にアプローチできる
・比較的安価で掲載できる

【デメリット】
・掲載できる人材・エリアに制限がある
・募集期間が限られるので中長期的な採用活動に向いていない
・掲載できる情報量に限界がある

※求人フリーペーパーのメリットや代表的な媒体を知りたい方はこちら
求人フリーペーパーのメリットは?料金比較も紹介!

折込チラシ

新聞の配布に合わせてチラシの折込を行う方法です。
新聞購読者に幅広く求人情報を届けることができるので、アルバイト採用において高い人気を誇ります。

【料金】
1枚3円程度

【メリット】
・手に取って見てもらえる可能性が高い
・デザインの自由度が高いので自社の魅力を届けやすい
・シニア・ミドル層に求人が届きやすい

【デメリット】
・新聞購読者にしかアプローチできない
・他のチラシに埋もれてしまう可能性がある
・魅せ方を工夫しないと印象に残りにくい

ポスティング

求人情報を掲載したチラシを各住宅に直接投函します。
アルバイトを探している主婦・主夫層やシニア層は日中自宅にいることが多いので、高確率で目にしてもらえるでしょう。

【料金】
1枚2~5円程度

【メリット】
・配布するエリアや時間帯を選べる
・自由にデザインを設定できる
・就職潜在層にもアプローチできる

【デメリット】
・目にする前に破棄される可能性がある
・掲載できる情報が限られる
・配布に時間がかかる場合がある

学校の掲示板

「学生」をターゲットにする場合、学校の掲示板を利用することも有効です。
求人を見た学生から他の学生へと「こんな求人があったよ」と連鎖的に広がっていくことが期待できます。なお、掲載の可否や掲載方法などは学校によって異なります。

【料金】
学校によりますが、無料で掲載できるケースもあります。
詳細は各学校のキャリアセンターや就職支援室に確認しましょう。

【メリット】
・費用を抑えて学生募集ができる
・「学校を通している」という信頼性が担保される
・学生に対して高確率でアプローチできる

【デメリット】
・学校との交渉や手続きに時間がかかるケースが多い
・ターゲットが学生に限られる
・エリア内に学校がない企業は不利

店頭ポスター

店頭ポスターやリーフレットは、低コストで求人情報を発信でき、求職者に直接訴えかけることが可能な手法です。
特に、人通りが多い道に面した企業は有利。店舗型のビジネスや地域密着型の企業にとって効果的でしょう。

【料金】
自作の場合は人件費や制作に必要な材料費のみ。
外注の場合は3万~10万円程度。

【メリット】
・自社制作であればコストを大幅に抑えられる
・ポスターを見てその場で応募してもらえる可能性がある
・偶然通りかかった人にも求人を見てもらえる

【デメリット】
・リーチできる人が近隣エリアに限られる
・天候によってはポスターが飛んでいったり損傷したりする
・情報の更新が大変である

知人・スタッフの紹介(リファラル採用)

最近人気を集めているのが、知人や既存スタッフに人材を紹介してもらう方法。このうちスタッフによる紹介は「リファラル採用」と呼ばれます。

既存スタッフは自社の文化や仕事内容を知っているので、組織との適合性が高い人材が集まりやすいことが特徴です。
なお紹介による採用は「組織へのフィット」「仕事へのフィット」の両観点から判断することが重要です。

【料金】
無料で始めることもできますが、制度促進のために紹介者へのインセンティブを導入することがおすすめです。

【メリット】
・職場の実情を知っている人材からの紹介なのでミスマッチが少ない
・本人に就職意欲がある場合スピーディーに採用できる
・市場にいない人材にアプローチできる

【デメリット】
・本人が就業中の場合などは採用までに時間がかかる
・会社として人材の傾向が偏る可能性がある
・不採用とした場合のケアを考える必要がある

※リファラル採用の詳細や成功のためのポイントを知りたい方はこちら
リファラル採用とは?メリット・デメリット・成功させるための促進方法まで徹底解説!

人材派遣

人材派遣とは、派遣会社に登録された人材を自社に派遣してもらうサービスです。
雇用契約はあくまで「派遣会社と人材」の間にあり、急な欠員やスポットでの採用にも向いています。

最近は派遣期間を経て正社員として採用できるサービスもあり、自社とのマッチ度を確認したうえで雇用できるので魅力的です。

【料金】
派遣会社所定の時間単価×実労働時間

【メリット】
・自社のニーズに応じて柔軟に利用できる
・派遣期間で「良い」と思ったら直雇用できるサービスがある
・スピーディーに人員補充ができる

【デメリット】
・業者によって人材やサービスの質にバラつきがある
・派遣期間しか働いてもらえない
・アルバイトやパートを直雇用するよりもコストが高くなるケースがある

外国人紹介サービス

アルバイトとして日本で働く外国人労働者は年々増えています。
そんな中、日本企業で働きたい外国人材と企業をつなぐサービスが誕生しています。

サービスの詳細は企業によって異なりますが、採用活動や雇用手続き全般をサポートしてくれる場合もあるので、外国人採用について不安がある企業も安心です。

【料金】
成功報酬型のサービスが多く相場は想定年収の「30~35%」程度。

【メリット】
・外国人のお客様に対応できるようになる
・組織が活性化する可能性がある
・海外進出を担う人材を育成できる

【デメリット】
・受け入れ体制を整える必要がある
・雇用手続きが日本人と異なる
・業務上必要なマナーやスキルをしっかりと教える必要がある

アルバイト採用の最新手法

ここからは、最近特に人気を集めている採用手法を紹介します。

求人検索エンジン

求人検索エンジンとは、求人特化型の検索エンジンのことです。
求人ボックス』や『スタンバイ』などが一例で、「求人版のGoogleやYahoo!」のようなイメージです。膨大なアルバイト求人が掲載されています。

求人検索エンジンにはインターネット上の求人情報が集約されており、求職者が検索したキーワードに合わせて求人が表示されます。
無料での掲載が可能ですが、露出度を高めるための有料オプション(スポンサー広告など)も用意されています。

【料金】
無料で求人を掲載できます。
効果を高めるには「有料オプション」がおすすめです。クリック単価制で企業の予算に合わせて単価を設定できます。

【メリット】
・無料で求人掲載をスタートできる
・利用している求職者が多い
・スポンサー広告はクリック課金型なので予算に合わせて活用できる

【デメリット】
・掲載企業が多いので競争が激しい
・求人効果を高めるにはある程度の予算が必要
・サポートが手薄なので自社にノウハウが必要

※こちらの記事では5つの主要求人検索エンジンを比較しています
求人検索エンジンとは?主要な5サイトの特徴やメリット・デメリットを比較!

オウンドメディア

オウンドメディアとは、自社が運営するWebサイトのことです。
オウンドメディアに採用情報や会社の魅力、働く環境などを掲載すれば、求職者に自社のことを詳しく知ってもらえます。

今は求職者が自ら情報を探しに行ける時代です。
「気になる!」という求人を見つけたら、その企業のサイトを訪問して詳しい情報を知ろうとする求職者が増えています。

【料金】
初期費用:30万~100万円が目安
運用費用:月5~20万円が目安

【メリット】
コンテンツを自由に掲載して自社の魅力を伝えられる
「自社らしさ」を伝えやすく記憶に定着する
一度作ればアルバイト以外の採用活動にも役立てられる

【デメリット】
集客に時間がかかる
メディアの更新やコンテンツ制作に労力が必要
初期費用が高めである

※こちらの記事では「オウンドメディアリクルーティング」の始め方を解説しています
【初心者向け】オウンドメディアリクルーティングとは? 今すぐ始める方法とメリットを解説

SNS

FacebookやX(旧Twitter)、InstagramなどのSNSを活用した採用手法も人気です。
これらの採用手法は「ソーシャルリクルーティング」とも呼ばれます。
日頃から仕事の魅力や自社の価値観を投稿して、オウンドメディアのように使うこともできます。

【料金】
SNSの利用自体は基本的に無料です。
一方で、効果が出るまでに時間がかかりますし、コンテンツ制作にこだわる場合は人件費などを考慮する必要があります。

【メリット】
・母集団形成にも向いている
・自社のリアルな雰囲気を伝え求職者とフランクに接点がつくれる
・普段の投稿から相手の考え方を知ることができる

【デメリット】
・効果が出るまで継続的な運用が必要
・SNSごとにユーザー層や特性が異なる
・炎上のリスクがある

アルバイトマッチングアプリ

アルバイトマッチングアプリとは、空いている日やスキマ時間を使ってスポットで働きたい求職者と企業をつなげるサービスです。
『タイミー』『シェアフル』などが代表例で、特に学生や主婦を中心に人気を集めています。

急な人手不足にも対応できるので、例えば「ディナーの予約が急増したのでアルバイトが足りない」という事態にも活用できます。

【料金】
「成功報酬型」のサービスが多いです。
実際に働いた後に金額が確定し、相場は労働者に支払う報酬の30%程度です。

【メリット】
・コストを抑えて採用できる
・急な人員不足やスポットでの採用に効果的
・お互いが気に入ったら直雇用につながることがある

【デメリット】
・専門性が高い人材の確保は難しい
・人材の質にバラつきがある
・受け入れ態勢を整えないと現場が混乱する可能性がある

リスティング広告

リスティング広告とは、インターネット上で特定のキーワードで検索したユーザーに、そのワードに合った広告を表示するものです。
採用活動においてもリスティング広告が使われており、ニーズに合致する求職者に自社求人を届けることができます。

【料金】
「クリック課金型」が多く、1クリックあたり数百円~千円が相場です。

【メリット】
・成果を数値化できるので効果測定がしやすい
・ターゲティングの精度が高い
・オーガニック画面よりも上に表示され求職者の目にとまりやすい

【デメリット】
・競争が激しいキーワードはコストが膨らみやすい
・掲載できる内容に制限がある
・求人自体が魅力的でないと応募にはつながらない

リターゲティング広告

リターゲティング広告は、「リマーケティング広告」とも呼ばれ、一度そのサイトを訪れたユーザーのオンライン行動を追跡して表示する広告です。

ほとんどのユーザーは、サイトを訪問しても最終的にアクションをとらず離脱すると言われています。しかし、一度でもそのサイトを訪問したということは、何かしらニーズが合致する可能性が高いです。
リターゲティング広告を表示して自社の存在を再度意識してもらうことで次のアクションにつなげます。

【料金】
「クリック課金型」が多く採用されており、1クリックあたり数十円~数百円が一般的です。

【メリット】
・ユーザーがおのずと意識するので効果が出やすい
・ターゲティングの調整も可能で柔軟に使える
・ユーザーの傾向から自社サイト改善にも活かせる

【デメリット】
・初期設定に専門知識が必要
・「しつこい」などネガティブな印象を与える可能性がある
・あくまで「広告」なので応募につなげるには求人自体の魅力が必須

アルバイトの採用担当者が注意するべきポイント

自社が求めるアルバイトを採用するには、いくつかのポイントを意識する必要があります。
特に下記のポイントを意識してみてください。
採用ターゲットを明確にする
まずは「自社がどんな人材を求めるのか」を明らかにします。
この理想像を条件化したものを「ペルソナ」と言います。ペルソナをできるだけ具体的に設定することで、最適な採用手法の選択が可能となり、その後の戦略立案においても軸がブレません。

【条件化する要素の一例】
・職種
・年代
・経歴、経験年数
・性格
・担当してもらう業務
・求めるスキル、資格

採用単価を予測する

採用単価とは「アルバイトを1人採用するために必要な費用」です。
採用単価を予測したうえで「その採用活動にかける予算」を明確にしましょう。

予算を決めるにあたっては、採用市場の状況を把握する必要があります。
具体的には、下記について調査することがポイントです。

  • そもそもペルソナに合致する人材が市場にどのくらいいるか
  • そのペルソナに対する競合他社がどのくらいいるか
  • 競合他社はどのような募集の仕方をしているか
  • 競合他社はどのくらいのコストをかけているのか
  • その業界の採用活動が活発になるのはいつなのか

採用手法を使い分ける

採用市場が複雑化する中、アルバイト採用においても「採用サイトを作ろう!」「求人サイトに求人を出そう!」というような計画的でない採用活動では、理想的な人材を確保することはできません。

そこで、ターゲットに合わせて採用手法を使い分けることがおすすめです。
例えば、主婦・主夫をターゲットにするのであれば、下記のように地域に密着した採用手法が効果が出やすいです。

  • ハローワーク
  • 地元エリアに特化した求人サイト
  • 主婦/主夫へのアプローチに特化した求人サイト
  • 求人フリーペーパーや折込チラシ、ポスティングなどの紙媒体

条件を分かりやすく記載する

求人に記載する条件を分かりやすく記載します。
求職者に疑問が残ってしまうと、応募を決断することはできません。

特に仕事内容の記載にあたっては、求職者が「その会社で働く自分」をイメージできることが重要です。
写真や動画で実際に働く様子や社内の雰囲気を伝えたり、アルバイトとして働く社員のインタビュー記事を載せるのも良いですね。

企業独自の魅力を伝える

自社求人に応募してもらうには「その会社でなければいけない理由」があるのが理想です。
そこで、「自社ならではの魅力」を伝えて差別化を図ります。

特にアルバイトとして働きたい層は「ワークライフバランス」を重視する傾向にあります。自社が設定したペルソナに沿って、「どんな魅力があれば応募したいと思うか」を考えてみましょう。

まとめ

市場全体で労働力が減少する中、アルバイト採用は企業が人手不足を解決するための有効な手段です。一方で、今後も優秀なアルバイトの採用が難しい状況は続くでしょう。

大切なのは戦略をきちんと立てたうえでアプローチすることです。一度採用戦略を立てることでPDCAを回しやすくなり、うまくいかなかった場合の改善もスムーズに進みます。

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この記事を書いた人
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コンノ

公務員として4年間、人事労務の実務経験あり。 これまで100名以上の事業者をインタビューしており、「企業や個人事業主が本当に悩んでいること」を解決できる記事を執筆します。

監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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