「苦労して新卒を採用したものの、入社後のミスマッチで早期退職し、採用活動に費やした費用や時間などが無駄になってしまった」といったケースはよく聞きます。このようなことは、企業にとって最も避けたい事態でしょう。
そこで、今回は新卒採用でミスマッチがなぜ起きるのか、ミスマッチをしないための対策について取り上げます。
目次
新卒採用でミスマッチが起きる要因
なぜ新卒採用でミスマッチが起きるのかについては、下記5つのことが考えられます。
- 企業の良い面のみ就活生にアピールしている
- 面接の印象が、合否の判断材料として大きく占めている
- 適性検査や試験が不十分
- 入社前後のフォロー不足
- エントリーシートや履歴書の内容を重視して判断する
企業の良い面のみ就活生にアピールしている
企業の良い面をアピールすることは、大切です。
しかし、ターゲットとする就活生は良い面だけでなく悪い面も気にしており、実際はどんな会社なのか分からないことに、不安を感じます。
例えば、よくある「風通しの良い社内の雰囲気で、コミュニケーションが取りやすい会社」もさまざまな捉え方があり、実情とは違っている場合もあります。
- ごく一部の発言力のある社員が、よく発言しているだけで他の人はそうでない
- 風通しは良くても意見は通らない
- コミュニケーションは取りやすいが、激務で給料が安い
選考時は仕事の懸念点が分からず「想像していた仕事と違う」といったミスマッチを生むこともあります。
良い面も悪い面も見て、実際に入社した社員が社内の実情を認識し、思い描いていたイメージとギャップがないようにアピールするのが大切です。
面接の印象が、合否の判断材料として大きく占めている
面接は、就活生の人柄やコミュニケーションスキルを確認するのに適しています。
しかし、人柄やコミュニケーションスキルが良くても、実際に利益を出すための働きができなければ、企業側にとってはミスマッチです。
そのため、企業が望む思考力や知識・能力を持ち合わせた学生であるかを判断するために、試験や検査の結果も判断基準に入れる必要があります。
適性検査や試験が不十分
適性検査を行っている企業は多くありますが、その適性検査で何を見るか決めておくことが重要です。
適性検査はあくまでも傾向を示したものなので、その結果だけで判断してしまうとミスマッチの原因になるでしょう。
あくまでも面接と適性検査を行い、総合的に判断することが大切です。
入社前後のフォロー不足
マッチしているかどうかについては、紙一重の場合もあり、入社時のモチベーションによってミスマッチを招いてしまう可能性もあります。
特に、就活生の内定後における連絡のやりとりや、入社前後のサポートが不足することで、モチベーションが維持されず、仕事での取り組みに影響が出る場合もあります。
入社後に、どのように周りとコミュニケーションを取ればいいのか悩む新入社員がいた場合、コミュニケーション不足が原因で離職を考える可能性もあります。
入社後に活躍してもらうためにも、継続的にフォローを行い、ミスマッチを防ぐ対策を取りましょう。
エントリーシートや履歴書の内容を重視して判断する
エントリーシートや履歴書は、就活生の能力を図る上で大切な情報です。
ただ、それらの内容はあくまでも学生がこれまで行ってきた活動や価値観を元に作成されたものです。就活生が自社とマッチしているか判断する材料としてエントリーシートや履歴書の内容を重要視しすぎるとミスマッチを招いてしまう恐れがあります。
新卒採用は性格や潜在能力を重視して選考を進めるため、あくまでも評価内容の一つとして考えると良いでしょう。
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新卒採用でミスマッチを起こさないための対策
新卒採用でミスマッチが起きる原因について簡単に触れてきましたが、ここからはどのような対策を行えばよいか具体的な方法について説明します。
企業の良い面と厳しい面の開示
職場における良い面と厳しい面の両方を含めて、紹介することが大切です。
特に「仕事内容」の説明をする際は、企業としての在り方や仕事の進め方、クライアントから求められるものを、実際の例に当てはめて説明すれば、簡単に紹介できます。
ここで重要なのは、実例を紹介することです。
なぜなら、就活生にとっても疑似体験することで、働くイメージができ、マッチしているかどうかを判断しやすくなるためです。
採用に至るまでのプロセスの見直し
企業によって求める就活生の適性はさまざまなので、既存の採用活動を見つめ直し、追加・削減すべき項目や改修すべき事柄を検討する必要があります。
まず、検討して改善するべき点として、「評価基準の見直し」「担当面接官の変更」が挙げられます。
例えば、会社の経営状況により、学生へ求める能力が以前と変わる場合は、評価基準の見直しをすることでミスマッチを防ぐことができるでしょう。
また、担当する面接官を他部署のマネージャーや社員に変えることで、現場の目線が加わるので、適性の有無について精度の高い判断ができる
ため、ミスマッチを防ぐことに繋がります。
人事担当者間での情報共有を行う
書類審査や面接後の情報共有は、ミスマッチを防ぐ上で非常に重要です。
面接の内容を全て共有する必要はないと思いますが、何度か面接をする場合は、どの面接官がどのような視点で面接をするのかをあらかじめ決めておき、結果を共有するのが望ましいです。
インターンや懇親会に参加してもらうよう呼びかける
就活生と企業側のマッチ度を図る最も良い方法として、実際の業務や社内の人間関係・雰囲気を見て、感じてもらう場を設けることも有効な手段です。
どの社員と相性が良さそうか、どんな業務と相性が良さそうか、逆に相性が良くなさそうな社員や業務、社内の雰囲気に合うかを企業側も判断できます。
性格診断をして長期的に働いている人の傾向を知る
勤続年数が長い社員の方は、各個人の何かしらの基準を満たし会社とマッチしていると考えられます。
今いる社員の性格診断などを行うことで、統計的にマッチそうなタイプを見極め、採用基準として取り入れるのも一つです。
ただ社員数が少ない場合は、正確なデータが取れないので、一定数の社員が在籍している企業が向いていると言えます。
まとめ
新卒採用を実施して採用に至ったもののミスマッチが生じて早期退職になった場合、それまでの苦労が水の泡になります。
先に挙げたミスマッチを防ぐ方法を行うことで、戦力になり定着して初めて新卒採用が成功したと言えるでしょう。
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