主婦・主夫を採用するメリットは?採用に効果的な求人方法とあわせて解説

企業が行う採用方法のひとつに「主婦・主夫採用」があります。主婦・主夫採用とは、文字通り、専業主婦・主夫をターゲットにした採用方法のことです。

近年は労働人口の減少が進んでおり、正社員の一括採用など、一般的な採用方法だけでは優秀な人材の確保が難しくなっています。従来の採用方法が揺らいでいる今、主婦・主夫採用の活用は、企業の人材確保や生産性向上のために有効です。

本記事では、主婦・主夫採用のメリットを解説します。採用に効果的な求人方法も紹介するため、主婦・主夫採用の導入を検討している企業の人事担当者は、ぜひ参考にしてください。

主婦・主夫の特徴

主婦・主夫とは、家事や育児を専業としている人のことです。
「専業主婦・主夫」という用語があるように、主婦・主夫の多くは家事・育児を本業としています。そのため、主婦・主夫が就職先を探す場合は、あくまで家事などを主としたうえでの副業的な位置づけであることが特徴です。

近年は、景気低迷や女性の社会進出などの影響から、共働き世帯が増えています。同時に、「夫が仕事、妻は家庭」のような古い概念は薄れつつあり、家庭に専念しつつも就職先を探す主婦・主夫は増えている状況です。

実際に、共働きの現状を確認しておきましょう。下表は、1980年~2020年における共働き世帯と専業主婦世帯の推移です。

 

(出典:専業主婦世帯と共働き世帯|独立行政法人 労働政策研究・研修機構

共働き世帯と専業主婦世帯の割合は、この40年間で逆転していることが分かります。主婦・主夫採用は、共働きが進んでいる今の時代にこそ、活用するべき採用方法なのです。

主婦・主夫を採用するメリット

主婦・主夫採用は、企業にさまざまなメリットをもたらします。
特に大きなメリットは、以下の3つです。

  • 長期的な就業が期待できる
  • 実務経験があるため即戦力になる
  • 採用に成功する可能性が高い

ここからは、各メリットの詳細を解説します。

長期的な就業が期待できる

主婦・主夫採用で雇用した従業員は、長期的に働いてくれる可能性が高いと言えます。主婦・主夫は「働きやすさ」を重視する傾向が強く、ミスマッチが生まれにくいためです。

実際に、「主婦が仕事を選ぶ際の就業条件の重視度」をまとめた、以下の調査を見てください。

blank(引用:主婦の就業に関する1万人調査|リクルートジョブズ

「働く場所」「労働時間・休日」「職場環境」など、働きやすさに関する項目が大半を占めています。やりがいや仕事内容を重視している人の割合は少ないため、勤務条件が合致すれば、長期的に就業してくれる可能性は高いと言えるでしょう。

たとえば、学生やフリーターであれば、卒業やインターン開始などのタイミングで辞める人が多い傾向です。また、「つまらない」「他に稼げるバイトが見つかった」などと簡単に辞めるケースもあります。

人材の流動化も進んでいる中、従業員の長期的な就業が見込めることは、企業にとって大きなメリットです。

実務経験があるため即戦力になる

主婦・主夫は実務経験を積んでいる点もメリットのひとつです。

主婦・主夫は社会人経験があることから、すでに特定の業界や業種における知識・スキルを有しています。そのため、即戦力としての活躍が期待できるでしょう。

ただし、採用する従業員の能力を存分に発揮するためには、実務経験を活かせる適材適所への配置が重要です。そのため、自社の事業計画や課題を踏まえ、企業が求職者に求める条件を明確にしましょう。

また、即戦力になってくれることで、採用コストを抑えられるメリットもあります。
労働人口の減少などにより、新卒採用における学生の取り合いは激しくなっている現状です。学生を採用する必要性が低い企業は、優秀な主婦・主夫を低コストで確保することも検討してみてください。

採用に成功する可能性が高い

主婦・主夫は、採用に成功する可能性が高いメリットもあります。
共働きの世帯が増えていることから、主婦・主夫の求職者数は多く、就業意欲も高いためです。

実際に、主婦の就業意欲に関する調査から、就職活動における主婦の動向を確認しておきましょう。

下表は、2017年の年間応募率を100とした場合の、2020年2月~2021年2月における主婦の就職意欲を調査したものです。

blank(出典:主婦の就職意欲調査2021年2月|しゅふJOBパート

全体的に見て、2017年と比べて主婦の就業意欲は高いことが分かります。上記の調査では「主婦」のみが対象ですが、主夫も同様に就業意欲は高いでしょう。

新型コロナウイルスの影響により経営状況が悪化し、アルバイト・パートの継続的な雇用が難しい企業も多くなっています。予算的に新たな従業員の採用が可能な企業にとって、コロナ禍は優秀な主婦・主夫を雇用できるチャンスなのです。

主婦・主夫の採用に効果的な求人方法

では、主婦・主夫採用は、どのような方法で行えば良いのでしょうか。
主婦・主夫の採用に効果的な求人方法には、以下の5つがあります。

  • ハローワークに求人を掲載する
  • 求人サイトに求人を掲載する
  • 人材紹介サービスを利用する
  • 求人情報誌やフリーペーパーに掲載する
  • リファラル採用を導入する

ここでは、各求人方法の特徴やメリットなどを詳しく解説します。

ハローワークに求人を掲載する

ハローワークは、多くの主婦・主夫が利用しており、応募者を増やすために有効な方法のひとつです。

さらに、「事業所登録」「求人申込み」の手続きを行うことで、求人を無料掲載できます。そのため、できるだけ採用コストを抑えたい企業におすすめです。

また、40歳以上の人が利用する傾向があるため、ベテラン層の主婦・主夫を採用したい場合にも有効だと言えます。

ただし、求人票に記載する内容は自社で考えなければなりません。主婦・主夫が知りたい情報を盛り込みながら、魅力的な求人票を作成する必要があります。

求人サイトに求人を掲載する

求人サイトを利用して、主婦・主夫向けの求人を掲載する方法もあります。
インターネットが普及している現代において、求人サイトの利用は年齢・性別などを問わず、幅広い人々に効果的です。

特に最近は、「しゅふJOBパート」や「シフトワークス」など、主婦・主夫の採用に適した求人サイトも多くなっています。ターゲットを絞りたい場合は、主婦・主夫に特化したサイトの活用も検討してください。

ほかにも、「Indeed」などの求人サイトがあります。Indeedは集客力の強さが特徴的であり、とにかく幅広い人の目に求人が留まってほしいと思っている企業におすすめです。

Indeedに求人を掲載する方法については以下の記事で解説しています。
インディード(Indeed)に求人を掲載する方法と注意点とは?有料掲載と無料掲載の違いまで徹底解説!

人材紹介サービスを利用する

人材紹介サービスでは、転職エージェントを介して求職中の主婦・主夫を紹介してもらえます。
「自社に合うかどうか」を実際の応募前に転職エージェントが判断してくれるため、求めるスキル・経験を兼ね備えた人材を獲得しやすい点がメリットです。

ただし、採用に成功した場合は、紹介手数料が発生するため、ある程度の予算を確保しておく必要があります。

求人情報誌やフリーペーパーに掲載する

求人情報誌やフリーペーパーへの求人掲載もおすすめです。
街中で何気なく手に取る人も多く、幅広い求職者を対象に情報が届くメリットがあります。また、特定の地域に限定して求人を掲載できるため、地域に密着した募集が可能な点も特徴です。

一方で、紙媒体であることから、掲載できる求人のスペースは限られています。そのため、盛り込む情報を厳選しなければなりません。
主婦・主夫は、「働きやすさ」を重要視する傾向にあるため、ポイントを押さえた情報を掲載できれば、求人効果を高められるでしょう。

リファラル採用を導入する

リファラル採用とは、既存従業員からの紹介により、新たな人材を採用する方法です。
自社の内情を知っている既存従業員からの紹介であるため、優秀かつ組織に馴染みやすい人材を確保できるメリットがあります。

一方で、従業員が組織に合わなかった場合や組織に定着できなかった場合に、紹介した側の従業員が責任を感じやすい点がデメリットです。
リファラル採用を導入する場合は、紹介する従業員に負担がかからないような仕組みづくりが重要となります。

まとめ

主婦・主夫採用は、共働き世帯が増えている近年において、人材確保のために効果的です。企業にとっては「長期的な就業が期待できる」「実務経験があるため即戦力になる」「採用に成功する可能性が高い」などのメリットがあります。

主婦・主夫を採用する方法として、本記事では「求人サイトに求人を掲載する」「リファラル採用を導入する」など、5つの方法を紹介しました。各求人方法の特徴を踏まえて、自社に合う方法を検討・導入してください。

労働人口が減少する中、従来の採用方法だけでは優秀な人材の確保が難しくなっています。ぜひ、本記事の内容を押さえたうえで、効果的な主婦・主夫採用を実施してください。

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採用Webマラボ編集部

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監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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