飲食店の人手不足の現状 原因や解決策、人材定着のヒントを詳しく解説

飲食店 人手不足

年々深刻化している飲食店の人手不足。解消の糸口は、人手不足の原因を見極め、対策していくことにあります。
そこで、今回は飲食店が人手不足に陥る原因を紹介した上で、

(1)条件・環境編
(2)募集~定着編

の2パートに分けて、具体的な解消方法例を紹介していきたいと思います。

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人手不足に悩まされる飲食店の現状

(出典:人手不足に対する企業の動向調査(2024年4月)|帝国データバンク

日本では、慢性的に飲食店の人手不足が叫ばれてきました。
帝国データバンクが2024年4月に行った調査によると、正社員の人手不足に悩む飲食店は56.5%、非正社員に至っては74.8%に上っています。

少子高齢化により、ただでさえ労働市場全体で人手不足に悩む企業が多い現在。飲食業界の人手不足は、今後も続くと見込まれます。

人手不足に陥る原因

飲食店の退職原因として、よく挙げられるポイントは以下の3つです。

  • 勤務時間が合わない
  • 職場環境に不満要素がある
  • 福利厚生が充実していない

また、実際に飲食店を退職したアルバイト100名の意見を集めたアンケートでは、

  • 給料に変化がなかった
  • 立ち仕事で体力が続かない
  • 人間関係が嫌になった

などの意見も多く寄せられています。
参考:ミルトーク『飲食系のアルバイトをしていたけど辞めた方、その理由はなんですか?』

とはいえ、上記の原因が分かったとしても、どのように改善していけばよいのでしょうか。
その対策を探るために、人手不足に陥る原因を深掘りしていきます。

下記の記事では、採用課題を解決するポイントについて解説しています。
飲食業界が抱える採用課題を解決するための3つのポイント

新型コロナウイルスの影響

2020年春から新型コロナウイルスが流行して外出自粛が続いたことで、多くの飲食店は顧客の大幅な減少に悩まされたのではないでしょうか。
顧客が減ることで売り上げが出ず、求人募集を停止したり、労働条件を変更するなどして、店舗の人的リソースを減らすケースが多かったと思います。

しかし、新型コロナウイルスに伴う規制がなくなって顧客が回復したことに伴い、一度人的リソースを減らした飲食店は、現在人員不足に悩むことになっています。
また、コロナ禍でテイクアウトやネット販売など、新たなサービスを始めたことも人員不足の要因の一つです。

人材定着率が低い

飲食業界の人手不足には、業界全体で人材定着率が低いことも関係しています。

厚生労働省より公表された「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)」によると、高卒者、大卒者の産業別就職後3年以内離職率は、下記のとおりです。

高卒者の離職率
宿泊業・飲食サービス業 60.6%
生活関連サービス業・娯楽業 57.2%
教育・学習支援業 53.5%
小売業 47.6%
医療、福祉 45.2%
大卒者の離職率
宿泊業・飲食サービス業 49.7%
生活関連サービス業・娯楽業 47.4%
教育・学習支援業 45.5%
医療、福祉 38.6%
不動産業、物品賃貸業 36.1%

(出典:新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します|厚生労働省

高卒者と大卒者のいずれにおいても、宿泊業・飲食サービス業の離職率が1位となっています。

離職率が高い理由は「労働条件が過酷になりやすいこと」や「将来性が不安な業界であること」などが挙げられます。

業務負担の大きさ

飲食店の人手不足の原因の一つは、従業員の業務負担が大きいことです。

料理の調理から接客、清掃まで多岐にわたる業務は、従業員にとって身体的・精神的な負担を増加させています。
長時間労働や休日出勤が頻繁に発生し、これが従業員のモチベーション低下や離職の原因となることが珍しくありません。

アルバイトの範囲を超えた業務

飲食店でのアルバイト従業員が、本来の業務範囲を超えた業務をこなすことがあるため、人手不足が顕著化しています。

キッチンスタッフが接客業務を担当することや、ウェイターが調理補助をすることなどが一例です。

「人手が足りずに範囲を超えた業務を任せる」→「負担に感じたアルバイトが離職する」→「新たなアルバイトを採用する」という悪循環に陥っている飲食店もあるでしょう。
これは従業員の負担を増やす一因となるうえに、品質の低下につながる可能性もあります。

報酬や待遇に不満がある

飲食業界では、全体的に時給や報酬が低く、これが従業員の不満の種となっています。
個々の成果が可視化されにくいことから、インセンティブの導入をはじめ、報酬制度を工夫するのが難しいことも、飲食店を悩ませる要因です。

また、長時間労働や休日出勤に対する適切な報酬が得られないと、従業員は他の職種や業界への転職を検討することがあります。報酬や待遇の改善が難しい場合は、福利厚生を充実させるなど、広い視点で従業員の幸福度を高める必要があります。

人間関係のトラブル

従業員間の人間関係のトラブルも離職につながります。

飲食店では、従業員同士の密なコミュニケーションが必須であるため、どうしても人間関係の悩みが生じやすくなります。
高ストレス環境下での勤務や、忙しい時間帯の連携不足が原因となり、コミュニケーションの困難が生じることもあるでしょう。

飲食店は、「採用の段階で自店舗の雰囲気に合う人材を採用する」「コミュニケーションツールを導入してやり取りを円滑にする」などの工夫が必要です。

クレーム対応などによるハラスメント

飲食業界は、他業界と比べて、クレーム対応や難しい顧客への接客が発生しやすい傾向にあります。そのため、顧客によるハラスメント、いわゆる「カスハラ」が発生して、それが離職の原因となります。

「顧客対応に関する研修の実施」「トラブル時のサポート体制の確立など」顧客によるハラスメントを想定した対策をしましょう。

売り手市場

飲食業界は現在、「売り手市場」と言える状況です。
つまり、求職者が多くの求人から就業先を選びやすい状況で、雇用主が人材を獲得するのが難しいということです。

このため、企業は魅力的な待遇や働きやすい環境を提供することで、競争力を維持し、人材を確保する必要があります。

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人手不足を解消するための方法

この章では具体的な人手不足の解消方法例をご紹介します。

条件・環境面を見直す

勤務時間

勤務時間は、求職者が最もよく確認するポイントです。
アルバイト・パート人口として多い大学生や主婦(主夫)の場合は、

「大学の授業の合間で働きたい」
「子供の送り迎えなどがあるので夕方までで働きたい」

などの希望が多くあります。

そのため、「週4日~OK」や「1日6時間~OK」などの条件だと、まとまった時間が取れないという理由から応募が少なくなってしまいがちです。
確かにまとまった時間働いてくれる従業員がいれば仕事に早く慣れてもらいやすく、シフト・労務・給料の管理なども簡単ですが、急に退職されてしまったときの穴も大きいはずです。

まずは少しずつ働ける大学生や主婦(主夫)を多く雇用するのも人手不足脱却への一歩になります。
大学生や主婦(主夫)の層を獲得する場合は、

「週1日~OK」
「1日4時間~OK」
「土日のみOK」

といったように、応募のハードルを下げて従業員数を増やし、人手が不足しがちな時間帯の穴を埋めることも有効です。

しかし、この方法は出勤日の間隔が開いてもアルバイト・パートの方がスムーズに業務にあたれることが最低条件となります。業務マニュアルがまだしっかりと整っていない場合、まずはマニュアルの見直しから始めましょう。

業務効率の改善

業務内容や業務プロセスを見直して、効率化を図る方法があります。
新しいツールの導入も選択肢にいれつつ、自社にできることを検討してみましょう。

例えば、お客さんがQRコードを読み込んで自分たちのスマホから注文できる「セルフオーダー」を導入すれば、注文対応業務を効率化できます。
現金のみの会計としている場合、キャッシュレス決済を導入するだけでも、会計業務の人員と時間を節約できるでしょう。

業務効率化のために新たなツールを導入すると、初期費用がかかりますし、慣れるまでに一定の時間がかかります。しかし、長い目で見ると、企業の負担を減らしてくれることが多く、業務効率化による全体のコスト削減にもつながります。

職場環境

給与や勤務時間の条件がよくても、職場環境が悪ければ退職してしまうことは珍しくありません。飲食店は立ち仕事で体力を使うので、しっかりと休憩できる時間を確保したり、従業員同士が気軽にコミュニケーションを取りやすい雰囲気を作ることが重要です。

意外と見落とされがちですが正社員とアルバイトの業務内容の切り分けも重要です。
正社員とアルバイト・パートとで業務内容の切り分けが出来ていないと、お互いの仕事量に対する給与の割合に不満を感じ、退職の原因となります。

メンバーにどういった業務を任せるのかの見直しを行い、業務範囲を文章にすることも、今後は必要となってくるでしょう。

教育制度

教育制度を充実させ、従業員のスキル向上を図るとともに、自社内で柔軟なキャリア構築ができるようにすることもポイントです。

一人ひとりの能力が向上して少数精鋭の組織になれば、新たなスタッフを雇用する必要がなくなるかもしれません。

また、「将来的に店長になりたい人のための教育プログラムを準備する」というように、キャリアビジョンに応じた教育体制を整えることで、従業員の定着率が上がることが期待できます。

福利厚生

福利厚生は、勤務時間や職場環境などの条件に加えて「あったら嬉しいな」といったプラスアルファの要素として注目されることが多いです。
近年は、ライフワークバランスを重視する求職者が増えており、福利厚生への注目度が高まっています。

特に飲食店ですと「交通費の支給」「まかない等の食事手当て」といった部分へ関心が集まりやすいので、それぞれ制度として導入できそうであれば、前向きに検討してみましょう。

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【募集】Indeedの活用

日本では2010年からのスマホの普及に始まり、2023年現在では9割以上の人ががスマホを所有しています。 スマートフォン比率
画像出典:株式会社 NTT ドコモ モバイル社会研究所|スマホ所有率レポート

そして、今や求人募集はWeb上で行うことが主流となっています。 しかし、いざネットで募集をしようにも色々な方法があり、「どうやって募集すれば良いのかが分からない」といった方も多いのではないでしょうか。

そんな方にオススメしたい方法が、月間サイト訪問数約3,250万人(SimilarWeb,総訪問数,2023年9月調べ)と、国内で圧倒的なシェアを誇るIndeedの利用です。

Indeedをオススメする理由は、3つあります。

  • WEBで検索したときに上位に表示されやすい(=求職者の目につきやすい)
  • 飲食店の仕事を探している求職者が多い(2020年4月時点:1,071,542人 ※Indeed労働市場分析調べ)
  • 無料で掲載できる

今までWeb上で求人募集をしたことの無い方でも、費用をかけることなく求人募集を始められますので、ぜひ一度お試しください。

Indeedにおける求人募集のテクニックなどは以下の記事で解説しています。
『Indeedは飲食店の求人募集に向いている? | 実際の事例も紹介』

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【募集】外国人や高齢者の採用

外国人や高齢者をターゲットに採用活動をするという方法もあります。

参考までに、厚生労働省の公表によると、令和4年10月末現在の外国人労働者数は1,822,725人で、前年から95,504人の増加となっています。多くの業界・業種で、積極的に外国人の採用が行われています。
(出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)|厚生労働省

外国人の採用は、組織のダイバーシティを促進するうえでも大きな一歩となります。

また、「人生100年時代」と言われる現在、労働市場に確かなスキルや知識を持った高齢者が溢れています。自社に合った高齢者を採用できれば、ベテランならではの経験から、店舗の成長に寄与してくれるでしょう。

なお、飲食店が外国人や高齢者を採用する手法は、『Indeed』をはじめとした求人検索エンジンや自社採用ページ、折込チラシなどさまざまです。
下記の記事を参考にしていただき、戦略や予算などに応じて最適な手法を選択してみてください。
【飲食 × 求人】飲食店の採用の始め方。人手不足解消のために、最初にすべきこととは?

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【面接】ミスマッチを防ぐ面接の流れ

長く働いてくれる従業員を獲得するには、最初の面接でマッチするかどうかを見極めることが重要です。

とはいえ、面接の方法について誰かに教わるといった機会が少なく「どういったところに気をつけて面接をすれば良いのか?」「そもそもどういった流れで行うのが良いのか?」と疑問を持っている方も多いでしょう。

そこで、面接の流れの例と、それぞれの項目で注意すべきポイントをご紹介します。

面接の流れ 注意すべきポイント
ステップ1 :案内する ■面接場所を事前に準備しておく
ステップ2 :自己紹介する ■企業側の面接担当者から、自己紹介をする
ステップ3 :履歴書を受け取る ■一通り目を通した後は面接に集中する
ステップ4 :リラックスさせる ■座り方、テーブル配置にも注意を払う ※プレッシャーを与えないように
ステップ5 :相手を理解する ■相手の話を相槌を打ちながら聞く ■相手の癖を見ておく
ステップ6 :業務内容の説明 ■分かりやすく、簡潔にまとめて話す
ステップ7 :勤務条件の説明 ■勤務の条件(時給や最低勤務日数)を明確に相手に伝える
ステップ8 :確認を取る ■必要事項の確認を忘れないこと(給与の渡し方・制服サイズ・いつから出勤可能か等)
ステップ9 :採否の連絡 or 即決 ■連絡方法、合否までの必要日数などを明確に伝える
ステップ10:感謝と御礼 ■求職者もお客様だということを忘れずに

参考:ディー・アイ・コンサルタンツ編著『誰もが認める実力店長シリーズ① 実力店長のパート・アルバイト採用編』同友会(2009年)

【定着】早期の退職を防ぐフォロー例

募集、面接などのいくつかの工程を経てようやく採用した従業員。

しかし、せっかく採用ができても従業員がすぐに辞めてしまうのでは意味がありません。
入社直後の従業員は「ここでうまくやっていけるだろうか」といった不安を抱えています。 長く働いてもらうにはそういった不安を最初に取り除き、定着までのフォローをしっかりと行うことが肝心です。

そこで、今すぐできる定着率向上のための施策例を2つご紹介します。

<スタッフボードの作成>

一緒に働くメンバーを知ることは店舗内のコミュニケーションを円滑にし、わからないことを気軽に聞きやすい雰囲気を作り出します。 しかし、従業員同士の勤務時間などが違うと、既存のメンバーですら同じ店舗で働いているメンバーの顔と名前を知らないということは珍しくありません。

そこでオススメしたいのが、スタッフボードの作成です。

スタッフボードとは、コルクボードやホワイトボードなどに在籍している従業員の顔写真や名前を貼りだしたものです。 スタッフボードにより自分のお店に在籍しているのが何人で、どんなメンバーがいるのかを簡単に知ることが出来ます。

<店舗ルール表の作成>

入社直後の従業員にとっては「何をやってはいけないのか」が分からず、自分の行動に自信を持てません。 そこでオススメしたいのが、店舗ルール表の作成です。

内容は、

  • 勤務開始15分前には出勤する
  • 整理整頓を心掛ける
  • 他人の悪口を言わない
  • 元気に挨拶をする

など基本的なもので構いません。

従業員の行動のブレが少なくなり、従業員の結束力の強化、顧客満足度の向上に繋がります。 「やってはいけないこと/やってほしいこと」を従業員に質問し、それぞれ紙に書いてもらい集めるなどしてルール表を作成すると良いでしょう。

参考:ディー・アイ・コンサルタンツ編著『誰もが認める実力店長シリーズ① 実力店長のパート・アルバイト採用編』同友会(2009年)

※下記の記事では、飲食店の適切な人員配置について解説しています
【飲食店の人員配置】適正なスタッフの人数はどれくらい?

まとめ

今回は人手不足で悩む飲食店様に向けた、人手不足解消のヒントをいくつか紹介しました。
福利厚生面や職場環境の改善などすぐに実行することが難しいものもありますが、面接方法の見直しやスタッフボードの作成など、比較的実行しやすいものもあるかと思います。

今回ご紹介した内容はあくまで一例にすぎませんが、少しでも人手不足で悩む飲食店様の改善の助けになれば嬉しく思います。

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この記事を書いた人
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コンノ

公務員として4年間、人事労務の実務経験あり。 これまで100名以上の事業者をインタビューしており、「企業や個人事業主が本当に悩んでいること」を解決できる記事を執筆します。

監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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