近年、学生のインターンシップが活発になっており、参加率は9割以上とも言われています。
それに伴い、多くの企業がインターンシップにあたって「面接」を実施するようになりました。インターンシップで面接を実施すれば、本選考に進んだ際に、自社とのマッチ度が高い人材を引き寄せることもできます。
一方で、「そもそもインターンシップで面接は必要なの?」「面接では何を聞けばいいの?」と疑問を抱いている方もいるでしょう。
たしかに、インターンシップの面接は、採用面接の面接とは目的が異なり、質問の仕方にもコツがいります。事前にポイントを押さえて、戦略的に実施することが重要です。
今回は、インターンシップ向けの面接で聞くべき質問例と、自社に合った学生を見抜くポイントについて紹介します!
【参考】
・【2024年卒 就職活動TOPIC】3月時点でのインターンシップ等の参加割合は約9割|就職みらい研究所
・インターンシップ等に関する特別調査|株式会社ディスコ キャリタスリサーチ
目次
インターンシップ向けの面接を行う目的
まず、そもそもなぜインターンシップ向けに面接を行うのか、その目的について解説します。
目的の設定は企業ごとに異なりますが、一般的には下記のとおりです。
参加目的や熱意を知るため
面接を通じて、学生の参加目的や熱意を明確に把握します。
目的や熱意がない学生のインターンシップを受け入れると、企業側の負担ばかりが大きくなってしまうかもしれません。
また、「学生がなぜインターンシップに参加したいのか」「どのような経験やスキルを得たいのか」を尋ねることで、その志向性が分かります。
熱意のある学生は、企業に貢献しようと努力してくれますし、学習意欲が高いので将来の成長に期待ができます。将来的に自社に入社してくれた場合も、熱量を持って仕事に取り組んでくれるでしょう。
コミュニケーション能力を把握するため
インターンシップではコミュニケーションが不可欠です。
従業員や顧客、インターンシップ生同士など、さまざまな場面でコミュニケーションが発生するため、面接でその能力を確認しておきましょう。
面接では、「素の状態での話し方や表情」「質問に対して自分なりの言葉で返してくれるか」などを評価します。
インターンシップと言えど顧客とのやり取りは発生しますし、従業員とは毎日のように会話をします。コミュニケーションの取り方が自社と合わない学生は、全体の業務を停滞させることにもなりかねないため、面接時に忘れずにチェックしてください。
ビジネスマナーがあるか確認するため
インターンシップでは、実際の仕事現場というプロフェッショナルな環境で働きます。
そのため、面接を通じて、学生がビジネスマナーを理解し、実践できるかを確認することが大切です。
例えば基本的な部分で言うと、「服装」や「態度」「礼儀正しさ」などが評価対象となります。スーツと指定しているのに着てこなかったり、初対面から敬語を使わなかったりすれば、ビジネスマナーもできていない可能性が高いでしょう。
ビジネス環境での適切な行動ができる学生は、企業のイメージ向上に寄与し、信頼性のある仕事仲間として期待されます。
優秀な学生を見極めるため
インターンシップ向けの面接は、本採用も見据えたうえで優秀な学生を見極めるための重要なステップです。
学業成績や過去の経験に加えて、学生の総合的な能力やポテンシャルを評価しましょう。
例えば「所有スキル」や「問題解決能力」「リーダーシップ資質」などは将来の成長と貢献度を予測する材料となります。企業は長期的な視野で、組織に価値をもたらす学生を選び出すことを目指します。
インターンシップ向けの面接を行う必要性
では、そもそも、なぜインターンシップ向けの面接を行う必要があるのでしょうか。
一番大きな理由は、「企業と学生の双方にとってミスマッチを防止するため」です。
まず、企業にとってインターンシップは、将来の有望な従業員を発見して、育てる機会となります。面接を通じて学生の能力や適性を評価し、採用の適性候補者を選び出します。
学生にとっては実務経験を積める貴重な機会です。インターンシップで業界や職場環境に触れることで、キャリアの方向性が定まっていくでしょう。
インターンシップは、双方にとってこういった重要な意味を持つため、面接でミスマッチを減らすことが必要なのです。
逆に言うと、面接で双方の期待や要求を明確にできれば、それがインターンシップの成功を後押しします。
特に近年は、少子高齢化の進行などにより労働市場は学生優位となり、多くの企業が「選ばれる側」にいます。
インターンシップは自社に理想的な人材を引き寄せるためのチャンスであり、面接はその入口として非常に重要なステップなのです
インターンシップ向けの面接で見るべきポイント
インターンシップ向けの面接では、短い時間で学生の適性や志向性を評価しなければなりません。そこで、効率的かつ効果的に面接を進めるために、「見るべきポイント」について解説します。
自社の研究や業界研究をしているか
インターンシップ向けの面接で重要なポイントの一つは、学生が自社や業界に関する研究をしているかどうかです。
熱心な学生は、自社の事業や業界に対する理解が深く、積極的な学習意欲があります。また、研究を通じて学生の自己学習能力も評価できます。
研究をしている学生とそうでない学生は、回答ひとつとっても差が出るものです。自分で調べた内容を踏まえて回答しているかをチェックしましょう。
求める人物像に合うか
どの企業にも「求める人物像」があるはずです。その人物像を明確にしたうえで、合致する学生を探しましょう。
インターンシップの段階で人物像に合う学生を採用できれば、その後、本選考に進んで採用に至った場合に、社内の環境に満足してくれる可能性が高くなります。
ただし、実際に働いてみないとその学生の本質が見えない部分もあります。インターンシップを通じて「自社に求める人物像かどうか」が分かる場合もあるので、面接では「自社に合うかどうか」に固執しすぎないことも大切です。
ビジネスマナーは身に付いているか
面接の段階でビジネスマナーのレベルをある程度確認しておくとよいでしょう。
面接中に確認できることとしては、「適切な服装」や「敬語」「挨拶」「話すときの表情」などがあります。
ポイントは、アイスブレイクや穏やかな雰囲気づくりをして、応募者にリラックスしてもらうことです。学生の中には、緊張して敬語がおかしくなったり、表情が固くなったりする人もいます。リラックスした状態でのマナーを確認してみてください。
※下記の記事では、アイスブレイクで使えるネタについて紹介しています
→面接におけるアイスブレイクの重要性と使えるネタをご紹介!
コミュニケーション能力はあるか
面接での受け答えで、コミュニケーション能力を確認することもできます。
例えば、「質問に対して明確に回答できているか」が指標の一つです。極端な例ですが、「自分の強みは何か」を聞いているのに、「自分が学生時代に頑張ったこと」を話しては、コミュニケーション能力が高いとは言えません。
また、「明るくハキハキと話せているか」「攻撃的な言葉づかいをしないか」など、基本的な部分についてもチェックしておきましょう。
インターンシップ向けの面接の質問例
ここからは、インターンシップ向けの面接で実際に使える質問例を紹介します。
「ポイント+質問例」を紹介するので、ぜひ実践でお役立てください。
①自己PR
自己PRの質問は、学生が自分自身をどれだけ良くアピールできるかを評価するための重要な一歩です。学生が自分の強みや経験を的確に伝えることが求められます。
企業は、自己PRの内容から「学生の強みを自社でどう生かせるか」をイメージします。「客観的な実績を示しているか」「具体的なエピソードはあるか」などを深掘りしましょう。
【質問例】
- 自己PRをお願いします。
- 自己PRについて、具体的なエピソードを交えてお話ください。
②志望動機
志望動機を探る質問は、「学生がなぜその企業や業界に興味を持っているのか」を理解するために重要です。学生の中には、「とりあえずインターンシップに行っておこう」と考えている人もおり、そういった場合は志望動機が曖昧なケースが多い傾向にあります。志望動機を深掘りすれば、学生の熱意と企業への適合度を評価することも可能です。
【質問例】
- なぜ当社のインターンシップに応募しようと思ったのですか?
- 業界や職種に対するあなたの興味や理由を教えてください。
③インターンで経験したいこと
学生がインターンシップを通じて何を学びたいのかを知る質問です。この質問に明確に回答するには、企業研究や業界研究が必須であるため、学生の意欲度を測ることもできます。
学生の意欲や目標を把握しながら、インターンプログラムの適切な設計に役立てましょう。
【質問例】
- このインターンシップを通じて、何を得たいと思っていますか?
- 具体的なインターンシップの目標や取り組みたいプロジェクトはありますか?
④インターンを通して習得したいスキル
学生がどのようなスキルを習得し、成長したいと考えているのかを知る質問です。学生が身に付けたいスキルが、自社での業務を通して身に着くものなのかを確認しましょう。習得したいスキルがあまりにかけ離れている場合、それを学生に伝えて応募自体を再考してもらってください。
【質問例】
- このインターンシップを通じて、どのようなスキルを身につけたいと思っていますか?
- インターンシップで学びたいことについて、自己成長やスキルの向上に焦点を当てて具体的に話していただけますか?
⑤学生時代に頑張ったこと
学生が過去にどのような取り組みをして、その活動からどんな成果を得たかを知る質問です。学生の積極性や努力を評価し、過去の経験が今後の成功にどのように貢献するかを考察します。また、頑張ったことが「チームに関すること」である場合、協調性や仲間を思う心なども把握できます。
【質問例】
- 学生時代、特に力を入れて頑張ったことについて、具体的なエピソードと合わせてお話ください。
- 学生時代に取り組んだプロジェクトや、その活動の成果を教えてください。
⑥長所・短所
学生の自己認識と向上心を知るために、長所と短所について質問します。自己評価が客観的かつ現実的であるかを評価するとともに、長所・短所が自社での業務にどのように影響するかをイメージします。
【質問例】
- 自分の長所と短所について教えてください。
- 短所を克服し、成長するための具体的な取り組みは行っていますか?
⑦大学で学んでいること
学生が大学で学んでいる内容や専攻について知るための質問です。学生の専門知識や学業への取り組みを把握し、インターンプログラムへの適合度を評価します。
【質問例】
- 大学での専攻や学習内容について教えてください。
- 大学で学んだ知識やスキルが、当社のインターンシップでどのように活かせると思いますか?
⑧業界に興味を持ったきっかけ
学生が、自社の業界に興味を持った動機やきっかけを知るための質問です。
学生の業界への熱意を知るとともに、自社への応募経路を知ることで、今後の母集団形成に役立てられます。
【質問例】
- なぜこの業界に興味を持ち、インターンシップを希望したのですか?
- どのような経緯で、弊社のインターンシップに応募したのですか?
⑨逆質問
面接の最後に、学生のほうから質問する機会を与えます。学生の不安や疑問を解消して、前向きな気持ちでインターンシップに臨んでもらうことが目的です。
【質問例】
- ●●さんのほうから質問はありますか?
- 企業やインターンシッププログラムについて知りたいことがあれば、どんどん質問してください。
※下記の記事では採用面接の質問のポイントやテンプレートを紹介しているため、ぜひお役立てください
→面接のテンプレートを自己紹介、転職理由、志望動機、自己PR、逆質問別に紹介
インターンシップで優秀な学生を見抜くための質問
インターンシップの面接を通して、優秀な学生かどうかを見極めたいと考えている企業もあるでしょう。そこで、ここまで紹介した基本的質問のほかに、学生の本質を見抜くための質問もいくつか紹介します。
①座右の銘
座右の銘を尋ねることは、学生の価値観や信念を理解し、その人物像を明確にするための方法です。座右の銘には、学生の人生観や行動原則が反映されます。「いつからその座右の銘を据えているのか」「それを座右の銘にするきっかけは何か」などを深掘りすることがおすすめです。
【質問例】
- あなたの座右の銘は何ですか?それがあなたの日常の意思決定や行動にどのように影響を与えていますか?
- あなたの座右の銘と、それを座右の銘とするようになったきっかけを教えてください。
②周りからどのような人物と言われることが多いか
学生が「自分のことを客観的に見れているか」「他人からどのように評価されているか」を知るために、周りからの評価を聞きます。その人物像を多角的に把握するのに役立ちますし、他人との関わり方や印象について詳しく知ることができます。
【質問例】
- あなたは周囲からどのように評価されていますか?または、どのような印象を持たれることが多いと思いますか?
- 他人との関係において、あなたの強みや特徴は何だと思いますか?
③自分をものに例えるとしたら何だと思うか
学生が自分自身を「他の何か」に例えることは、自身の特性や価値観をどのように捉えているのかを知るための興味深い質問です。「動物」や「電化製品」など、面接官側で例えるものを指定したほうが、スムーズに回答できる場合があります。
【質問例】
- もし自分を動物に例えるとしたら何だと思いますか?その理由を教えてください。
- 自分を他の何かに例えてください。
④苦手な人
学生が苦手なタイプの人物について語ることは、その人物像を深く理解する手助けとなります。
それに、組織で仕事をする以上、苦手な人と協力しなければならない場面もあります。苦手な人との関わり方を聞き、組織への適応力を確認することが可能です。
【質問例】
- 苦手なタイプの人物がいれば教えてください。また、苦手な人と同じチームになった場合、それがあなたにどのような影響を与えますか?
- 苦手な人物との関係を改善するために、どのような取り組みを行ってきましたか?
⑤幼少期の性格・人柄
学生が幼少期に持っていた性格や人柄について語ることは、その成長や価値観に関する洞察を得るのに役立ちます。過去の経験が今日の学生にどのように影響を与えたか、どういった成長を遂げてきたのかを深掘りしましょう。
【質問例】
- 幼少期はどのような子どもでしたか?性格や価値観が変化した点はありますか?
- 子どもの頃から持っていた特別な興味や特技が、今のあなたにどのように影響を与えていますか?
⑥得意分野
思わぬ特技が仕事において生きることもあります。得意分野について質問して、大学での学習やビジネス関連以外に、何かしら仕事に役立つものがないかを確認しておきましょう。
【質問例】
- ここまでお話いただいた以外に、得意なことがあれば教えてください。
- 仕事や学業以外に、何でも構いませんので得意なことはありますか?
インターンシップ向けの面接の流れ
ここからは、インターンシップ面接の基本的な流れを紹介します。
対面面接の場合
対面面接は、面接官と学生が同じ場所で顔を合わせながら行う形式です。以下は、インターンシップ向けの対面面接の一般的な流れです。
1.出迎えと受付
学生が到着したら、フレンドリーな雰囲気を作ります。初対面の緊張を和らげ、学生のリラックスをサポートしましょう。受付では、氏名や応募情報などを確認し、提出書類などがあれば受けとっておくことがおすすめです。
2.入室&自己紹介、会社の紹介
面接が始まる前に、面接官と学生が自己紹介を行います。ここで、面接官のほうも自己開示をすることで、穏やかな雰囲気ができやすくなります。
また、会社の概要やインターンシッププログラムについての簡単な説明も行うとよいでしょう。
3.質問
面接官が学生に対してさまざまな質問を投げかけながら、本質を見極めます。序盤で作ったリラックスした雰囲気を保ちながら、質問をすることが大切です。学生は、質問に対して具体的かつ自信を持って回答することが求められます
4.逆質問
面接官の質問を終えたら、学生からの逆質問を行うことが一般的です。
緊張している学生や控え目な学生は、自分から質問することが難しい場合もあるため、「何でも質問してくださいね」などの言葉がけをするとよいでしょう。
5.次のステップの説明
面接の終わりに、面接官は次のステップや今後の選考プロセスについて説明します。学生に対して、結果が出るまでの期間や連絡方法などを明確に伝えましょう。
6.感謝と挨拶
面接が終了したら、感謝の意を伝えて挨拶をします。学生にとって面接をポジティブなものにするためには、面接官の礼儀正しい挨拶が大切です。退室する瞬間まで、しっかりと見送ってあげましょう。
オンライン面接(Web面接)の場合
基本的な流れは対面面接と同じですが、オンライン面接ならではの気を付けなければいけない点もあります。ここからは、オンライン面接の流れについて解説します。
1.オンラインプラットフォームの選択
『Zoom』や『Google Meet』など、面接に使うツールを選択し、面接のリンクを共有します。通話品質やセキュリティ、搭載機能などを踏まえてツールを選びましょう。
2.Web環境の確認
面接前に「通信環境は安定しているか」「スピーカーとマイクは正常か」などのWeb環境を確認します。これは学生側も必要なステップなので、事前に通知しておくとよいでしょう。
3.入室&録画開始
指定したURLから入室して学生を待ちます。学生が入室したら挨拶を交わし、面接の様子を録画します。
4.自己紹介、会社の紹介
ここは対面面接と同じ流れです。相手の通信環境が安定していない場合は、学生に対応を促しましょう。
5.質問
ここも基本的には対面面接と同じ流れで進めます。オンライン面接では、画面を見ると相手の画面から目線が下がって見えるため、カメラに目線を向けることがポイントです。
また、言葉だけでなく、表情やジェスチャーにも注意を払います。対面面接よりも大げさに身振り手振りをすることを意識してみてください。
6.逆質問
対面面接と同じように、学生に逆質問の機会を与えます。
7.次のステップの説明
対面面接と同様に、面接官は次のステップや今後の選考プロセスについて説明します。学生に対して、結果が出るまでの期間や連絡方法などを明確に伝えましょう。必要に応じて、資料などを画面共有しながら流れを説明します。
8.退室&動画の保存
すべての流れが終わったら、学生に退室を促します。面接内容の録画をデバイスに保存することも忘れないでくださいね。
※下記の記事では、オンライン面接ツールの選び方やオンライン面接のメリットなどを解説しています
→【2023年】WEB面接(オンライン面接)ツールのおすすめ5選!選び方も解説
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