採用がうまくいかないとき、いきなり求人媒体を増やすより、まず採用の考え方を学び直すほうが近道になることがあります。とはいえ、採用に関する本はたくさんあり、どれから読めばよいか迷いがちです。
この記事では、採用の勉強に役立つ本を目的別に10冊紹介します。採用マーケティングを軸に、採用戦略・採用広報・採用ブランディング・求人広告の書き方まで、中小企業の経営者や採用担当者が自社の課題に合わせて選べるようにまとめました。
あわせて、本を読む前に押さえておきたいマーケティングの基礎知識も簡単に整理します。全体像から知りたい方は次の章へ、本の一覧を先に見たい方は目次から一覧へ進んでください。
目次
採用の勉強を始める前に|押さえておきたい考え方
採用マーケティングとは、マーケティングの考え方を採用活動に応用し、自社に合う人を集めて応募・入社まで導く取り組みのことです。「どんな人に来てほしいか」を決め、その人に自社の魅力を届ける、という流れはマーケティングとよく似ています。
そのため、採用の本を読むときも、マーケティングの基本的な用語を知っておくと理解が早くなります。ここでは代表的なものを簡単に確認しておきましょう。
採用に活きるマーケティングの基礎知識
本文で何度も出てくる考え方です。細かく覚える必要はありませんが、言葉の意味だけ押さえておくと本の内容が入ってきやすくなります。
- 3C分析:市場(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)の3つから、採用で勝てるポイントを見つける分析手法です。
- ペルソナ:採用したい人物像を、職業・年齢・価値観などまで具体的に描いた「明確な人物像」のことです。
- SWOT分析:自社の強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)・機会(Opportunities)・脅威(Threats)を整理し、現状を把握する手法です。
- セグメンテーション:求職者を趣味趣向や行動パターンなどでカテゴリ分けし、狙う層を定める作業です。
- ターゲティング:分けたカテゴリのなかから、実際に応募してほしい層を決めることです。
- ポジショニング:狙う求職者に対して、自社がどんな特徴・立ち位置の会社なのかを示すことです。
こうした考え方は、次に紹介する本のなかでくり返し登場します。用語につまずいたら、この章に戻って確認してみてください。

自社の課題に近いテーマから読み始めるのがおすすめです。
【目的別】採用の勉強におすすめの本10選
ここからは、採用の勉強に役立つ本を目的別に紹介します。自社の課題に近いテーマから読み進めるのがおすすめです。気になる本は、書名の下のリンクからAmazonの商品ページで最新の内容や在庫を確認できます。
採用マーケティング・採用広報・採用ブランディングを学ぶ
採用マーケティングの教科書(草深悠介)
採用を「マーケティング」の視点で体系的に整理した一冊です。自社に合う人をどう見つけ、どう魅力を届け、応募や入社まで導くかを、実務で使えるフレームに沿って解説しています。採用にマーケティングの考え方を取り入れたい方の最初の一冊におすすめです。
知名度が低くても“光る人材”が集まる 採用ブランディング 完全版(深澤了)
知名度や条件で大手に見劣りする会社でも、自社に合う人材を集めるための「採用ブランディング」の考え方と進め方をまとめた本です。応募が少ない、内定辞退が多い、定着しないといった悩みを、自社の見せ方から見直したい方に向いています。
採用戦略・採用の全体像を学ぶ
図解 採用入門(坪谷邦生・秋山紘樹)
採用の全体像を、理論と実践の両面から図解で整理した入門書です。母集団形成から選考、内定・定着まで、採用のプロセス全体をひととおり押さえられます。これから採用を体系的に学びたい担当者の一冊目に向いています。
誰も応募してこない時代 なぜあの中小企業は採れるのか? 令和版 採用戦略(HRForce・船井総合研究所)
応募が集まりにくい時代に、中小企業がどう採用戦略を組み立てるかを、事例をまじえて解説した本です。大手と同じ土俵で戦わずに採れている会社の考え方を知りたい、中小企業の経営者・採用担当者に向いています。
いい人材が集まる、性格のいい会社(佐藤雄佑)
中小・ベンチャー企業がどうすれば採用活動を成功に導けるのか、という切実な問いに、明確な道筋を示している本です。採用を経営の視点から考え直したい方におすすめです。
求人広告・求人票の書き方を学ぶ
上手な求人広告の出しかた―元リクルートのベテラン営業マンが教える、中小企業のための人材採用法(内田ひろし)
元リクルートのベテラン営業担当が、中小企業の採用担当者に向けて、効果的な求人広告の出し方を中途採用・新卒採用に分けて説明しています。正社員の募集を検討している方におすすめの一冊です。
非正規って言うな!(平賀充記)
数々の求人メディア編集長を歴任したアルバイトの専門家が、非正規雇用のリアルを3つの視点から語る本です。アルバイト・パートの募集を検討していて、働き手の実態を理解したい方に向いています。
なお、求人広告には、書いてよいこと・いけないことのルールがあります。最低賃金や労働基準法など、採用に関わる法令の基本は、厚生労働省のページでも確認できます。
マーケティングの基礎・フレームワークを学ぶ
この1冊ですべてわかる 新版 マーケティングの基本(安原智樹)
マーケティング業務の流れに沿って、各フェーズで重要な理論とポイントを、基本を押さえて網羅的に紹介している本です。採用マーケティングの土台として、まずマーケティング全体を押さえたい方におすすめです。
カール教授のビジネス集中講義 マーケティング(平野敦士カール)
マーケティングに必要な基本事項から理論、テクノロジーの分野まで、図解つきで分かりやすく学べる本です。さらに理解を深めたい方向けの書籍紹介もあり、入門から一歩進みたい方に向いています。
新人コンサルタントが最初に学ぶ 厳選フレームワーク20(マジビジPRO)
3C分析、ペルソナ、SWOT分析、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングなど、利用頻度が高く実用性のあるフレームワークを紹介しています。ワークシートもついているので、採用の場面ですぐ使いたい方におすすめです。
無料で始める採用ツール「採用係長」
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採用の本の選び方|どれから読むか迷ったら
10冊もあると、どれから読むか迷うかもしれません。自社の課題に近いものから選ぶのがおすすめです。
- 応募が集まらない・自社の見せ方に悩んでいる → 採用ブランディング・採用戦略の本から
- 採用を一から体系的に学びたい → 「図解 採用入門」など全体像がわかる本から
- 求人票・求人広告の書き方で困っている → 求人広告の本と、マーケティングの基礎から
- 採用にマーケティングの考え方を取り入れたい → 「採用マーケティングの教科書」から
本で得た知識を採用に活かすには
採用の勉強では、本を読んで知識を手に入れるだけでなく、その知識をどう使うかが大切です。
まずは、本に書かれているワークを実践してみるところからです。ペルソナづくりから始め、競合や自社の分析、採用ページの作成などを一つずつ進めてみましょう。
時間はかかりますが、少しずつでも実践していけば必ず力になります。「ライバル企業がこうしているから、うちも同じことを」と真似るだけでは、基本的にうまくいきません。会社ごとに課題や特徴が違うからです。
ワークを一つずつやっていくことで、自社の強みや競合との違い、本当に採りたい人物像が見えてきます。結果として、効率よく採用を進められるようになります。ぜひ、少しずつでも学びを実践に移してみてください。
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