インバウンドの増加を背景に、近年ホテルの建設が相次いでいます。需要増加に応えて客室の供給が行われていますが、その一方で深刻化しているのが、ホテル・旅館業界の人手不足です。
少ない人手で運営しているホテル・旅館も多いのではないでしょうか。その状態が長く続けば、一人一人の労働量が多くなり今いる従業員まで離職してしまうことになりかねません。
今回は、ホテル・旅館業界における人手不足の解消に向けた、具体的な対策を紹介します。
また、Indeedを使って人材不足の解消に成功した企業の事例もぜひ参考にしてください。
目次
ホテル・旅館業界の人手不足の要因
ホテル・旅館業界で深刻化する、慢性的な人手不足の原因を探りましょう。
インバウンド対応によるホテル数の増加
国内宿泊施設を利用する宿泊者は毎年増加し続けています。
画像出典:観光庁『宿泊旅行統計調査』
中でも外国人延べ宿泊数(オレンジ色グラフ)の伸び率は高く、平成27年から令和元年の5年間で1.5倍以上も増加しています。
このようにインバウンドの増加にともない宿泊需要が高まったことから、ホテルの数も年々増えています。
参考:厚生労働省 『主な生活衛生関係施設数(年次別)』 よりグラフを作成
ホテル数の増加(=就業先の増加)により、業界内での人材獲得競争は年々激しさを増しています。それが、ホテル・旅館業界で起きている人手不足の要因のひとつです。
他業界より高い離職率
人材獲得競争が激しさを増していることに加え、ホテル業界における離職率の高さも人手不足の要因です。
厚生労働省の雇用動向調査によると、宿泊業・飲食サービス業における離職率(赤枠内緑色のグラフ)は全業種の中でもっとも高く、26.9%という結果がでています。
画像出典:厚生労働省『平成30年雇用動向調査結果』
このグラフの入職率(赤枠内白色)からは、宿泊業界を志望する人材も全業種においてもっとも高いことが分かります。しかし多くの人材が宿泊業界に就業する一方で、定着せずに離職してしまう人材も多いです。
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ホテル・旅館業界の離職率が高い理由
なぜ、ホテルや旅館など宿泊業界は離職率が高いのでしょうか。大きな3つの理由について解説します。
少ない休日日数
以下の表は、厚生労働省が行った年間休日に関する調査の結果です。
画像出典:厚生労働省『平成30年就労状況総合調査』
宿泊業における1企業あたりの平均年間休日日数は97.1日。これは、表に記載されている業種の中でもっとも少ない年間休日日数です。
これよりも年間休日日数の多いホテル・旅館は多くありますが、平均値だけを見ると年間平均休日日数の少ない業界であることには変わりないでしょう。
休日日数の少なさや長時間労働は、慢性的な疲労につながる可能性もあり心身の健康にも影響を及ぼします。そのことも離職率を高めている要因と考えられます。
不規則なシフト
24時間稼働している宿泊施設では、従業員の勤務形態は一般的にシフト制です。
シフトには夜勤が含まれることも多く、繁忙期には残業が増えるなど、従業員の負担が増加します。生活リズムが乱れやすく、身体的な負担も大きくなる不規則なシフトは、離職率を高める要因のひとつです。
給与水準の低さ
ホテル・旅館業界の離職率の高さは、給与・待遇面にも原因があります。
大手転職サイトが毎年行っている業界・職種別平均年収調査(※)によると、ホテルにおけるフロント業務の平均年収は、297万円(男性314 万円/女性 286 万円)です。
これは、販売サービス業界全体の平均328万円(男性356万円/女性297万円)を下回っており、調査対象の19職種のうち、下から3番目に低い水準でした。
(※)dodaエージェントサービスに登録した人の平均年収データ(2018年9月~2019年8月)
参考:doda様『平均年収ランキング 最新版【職種別】』 よりグラフを作成
長年宿泊業界に身を置く方であれば、こうした労働環境や給与・待遇にも慣れているかもしれません。しかし、他業種からの転職や新卒で入職する人材にとっては、想像していた労働環境とのギャップに驚くでしょう。
またホテルや旅館の業務は、サービス業の中でも高いサービス品質が求められる仕事です。提供する価値に対して得られる報酬が見合っていない点も、離職を加速させる要因であると考えられます。
ホテル・旅館業界の人手不足への対策方法
前述のとおり、宿泊業界は入職者の多い業界。離職者を防ぐと同時に、生産性を向上させて人手不足の状態から脱却を図りましょう。
生産性の向上も定着率の向上もそれぞれの対策が相乗効果をもたらすため、できれば同時に実施することが理想です。
働きやすい環境づくり
従業員の定着率を高めるためには、離職の原因となっている年間休日日数や長時間労働の見直しが不可欠です。
例えば、パート従業員を活用して一人あたりの労働時間の削減を図ることや、生産性向上のための業務のIT化などが挙げられます。
またシフトを固定制にして不規則な勤務をなるべく減らすことも、身体的な負担を軽減するための対策のひとつです。従業員が辞めない環境を作るためには、特別休暇の付与や連休をとりやすい環境づくりを検討しましょう。
給与の改善
給与改善や賞与額の見直しは、離職率を下げるために有効な対策です。給与や賞与の見直しがすぐにできない場合は、インセンティブの導入を検討しましょう。従業員のがんばりを給与に反映する仕組みがあれば、業務負担が増える繁忙期においてもモチベーションアップが期待できます。
ITツールの導入
予約や客室管理などを一元化するPMS(Property Management System)や、宿泊客が自分でチェックイン手続きができるスマートチェックイン、観光案内のAI化など、ITツールの導入によってホテル業務の省力化が可能です。
生産性の向上を図れることはもちろん、従業員が本来取り組むべき業務に集中できることで、顧客満足度と従業員満足度の向上にもつながるでしょう。
マニュアル作成
仕事の進め方や顧客対応が人ごとに異なる方法で行われている場合は、マニュアルを作成しましょう。教育コストの削減や必要のない業務を削減することができます。
昨今は『Teachme Biz』や『tebiki』、『ClipLine』のようなクラウド型マニュアル作成ツールもありますので、それらを活用しても良いでしょう。
人材の採用
従業員が辞めない仕組みを作る社内改善と同時に行いたいのは、新たな人材の採用です。ただし、一時的に「人手」を補うための採用ではありません。
今後も続くといわれる宿泊業界の人手不足への対策として、長期的に活躍してくれる「自社に合った人材」を採用しましょう。
そのためには、採用ターゲットに対して適切にアプローチし、自社の魅力を訴求することが大切です。
まずは採用ターゲットにアプローチするために、無料で求人の掲載ができるIndeedや求人ボックスなど求人検索エンジンへの掲載をおすすめします。
【事例】採用で人手不足の解消を実現した企業
Indeedを利用して人手不足の解消に成功した企業の事例を紹介します。
株式会社畑中様の採用事例
事業内容 | 宿泊業(料理旅館およびゲストハウスの運営) |
---|---|
勤務地 | 京都祇園 |
募集職種 | ホテリエ(外国人向けゲストハウスでの接客) |
応募数 | 15名(3カ月間) |
結果 | 他媒体と比べてミスマッチが少なく、ターゲットとしていた語学堪能な若手人材からの応募獲得に成功。費用対効果の高い採用を実現した。 |
この事例における成功要因は、採用ターゲットを「英語が話せる若手スタッフ」に絞りIndeedへの求人掲載をしたことです。応募条件はもちろん、求人票で訴求するメッセージもターゲットに刺さるように内容を工夫しています。それにより、採用につながる候補者からの応募獲得に成功しました。
Indeedへの求人掲載にはクラウド採用管理ツール『採用係長』を利用しました。『採用係長』で作成した求人票は、Indeedを含めた6つの求人サイトで掲載。例えば、「接客 英語が活かせる」や「ホテル 英語 求人」などで求人を検索した求職者(=ターゲット)の検索結果には、『採用係長』で作成した求人票が表示される仕組みです。
この仕組みを利用してターゲットへ訴求したことで、多数の問い合わせや応募へとつながりました。この結果に採用担当者は「他媒体と比べて、応募の多さと費用対効果の高さを感じた」と感想を述べています。
さらに詳しい情報は、以下の記事に掲載しています。
株式会社畑中様の採用成功事例
Indeedとホテルスタッフの人材募集について以下の記事で解説しています。
採用係長 活用・成功事例(宿泊業)
ユニネスト合同会社様
Indeedをはじめとした6つの求人サイトに一括連携できる点に魅力を感じ登録しました。有料広告オプションも併せて利用し、1週間で40件程の応募が来るようになり、アルバイト5名の採用に成功しました。
下記より詳細をご覧いただけます。
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まとめ
インバウンド需要は今後も増加が予測されており、業界の人手不足は今後も加速する可能性があります。人手不足は一朝一夕では解消できない課題ですが、まずは従業員が離職しない仕組みづくりに向けてできるところから取り組みましょう。
『採用係長』はホテル・旅館業界の採用実績が豊富にあります。
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