近年、IT技術と人材サービスを融合させた「HRTech」が注目を浴びています。2023年には国内市場規模が1000億円以上まで拡大する(※)と予測され、多くの企業がHRTechサービスの導入を進めています。
本記事ではHRTechについて解説後、おすすめのHRテックサービスをご紹介します。
(※)ミック経済研究所「HRTechクラウド市場の実態と展望 2018年度版」
目次
HRTechとは?
HRTech(HRテック)とは、人事を意味するHuman Resources(HR)と技術を意味するTechnology(Tech)を組み合わせた造語です。
HRTechサービスは、クラウドやデータ解析、人工知能(AI)などのテクノロジー技術を活用して、採用や人材育成、人事評価などの人事業務を改善・効率化するためのサービスです。PCやスマートフォン、タブレットを使って業務をおこなうことができるクラウド型が主流です。
人事業務のほかにも、勤怠管理や給与計算などの総務業務や、社会保険の手続きなどの労務業務を改善・効率化するためのサービスもHRTechに含まれます。最近では、求人票の採点サービスやAI技術を活用したマッチングサービスなど、新たな採用手法も次々と登場しています。
HRTechが注目される背景
厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)をもとにグラフを作成
HRTechが注目される理由の一つに、少子高齢化による慢性的な人手不足や採用難が挙げられます。厚生労働省の職業安定業務統計を見ると、有効求人倍率は2010年〜2018年まで9年連続で右肩上がりに上昇し、2014年からは有効求人倍率が「1」を上回っています。これは求職者数よりも求人数が多いことを表し、有効求人倍率の数値が大きいほど採用が難しい状況と言えます。
しかし、採用コストをかけても応募者が集まるとは限らず、採用できた場合もミスマッチが生じてすぐに離職してしまうケースが多く見られます。 これらの課題を解消するため、企業は人材確保だけでなく人材の定着や戦力化にも取り組む必要があります。
HRTechは人事業務の改善・効率化のほか、優秀な人材を見極め、適切な人員配置など組織全体での人材戦略をおこなうツールとして大きく期待されています。
HRTechの導入メリット
HRTechサービスを導入するメリットとして、人事関連業務に割く時間やコストの削減と生産性の向上が挙げられます。 勤怠管理や給与計算、各種証明書の発行などの煩雑な定型業務を自動化することで担当者の負担が軽減され、ゆとりが生まれます。ゆとりを持って取り組むことで、これまで「管理的」におこなっていた人事業務を「戦略的」におこなうことができるようになります。
たとえば、従業員一人ひとりのスキルや能力を把握して最適な人員配置をおこなうなど、組織全体のコンディションや生産性の向上にも役立ちます。
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注目のHRTechサービス
今や多くのHRTechサービスが誕生していますが、その特徴やメリットは各サービスによってさまざまです。今回は、「労務管理」「人材管理」「採用管理」の分野において、おすすめしたいHRTechサービスの特徴やメリットをそれぞれ解説します。
労務管理なら「SmartHR」(スマートHR)
画像出典:SmartHR(スマートHR)|シェアNo.1のクラウド人事労務ソフト
労務管理システムとは、入社手続きや社会保険、労働保険の手続きなどの煩雑な労務業務を自動化できるHRTechサービスです。
「SmartHR」を活用すれば、入社手続きや雇用契約がペーパーレスで完結し、必要な情報を入力するだけで必要な書類を自動作成できます。 従業員情報も自動で蓄積されるため、年末調整やWeb給与明細、さまざまな労務手続きも簡単におこなうことができます。さらに、電子申請機能でハローワークや年金事務所にもWeb申請が可能で、業務時間を3分の1に短縮できます。 時間や手間のかかる労務管理を自動化することで、業務改善や生産性の向上につながります。
<SmartHRの特徴>
・従業員が必要情報を直接入力
従業員に個人情報を入力してもらうことで間違いのない従業員データベースが出来上がり、人事担当者の負担も軽減されます。
・従業員情報を一元管理
収集した従業員情報が社員名簿に集約されるほか、住所変更や扶養変更などの手続きをおこなうたびに自動で従業員情報が更新されます。常に新しい情報が上書きされるため、従業員管理で煩わしい思いをすることはありません。
・オプション機能や外部連携が充実。さまざまな手続きにも対応
年末調整やWeb給与明細、その他の労務手続きに必要な外部サービスとの連携が豊富です。CSVによるデータの入出力はもちろん、API連携も簡単におこなえます。
人材管理なら「カオナビ」
画像出典:カオナビ 【シェアNo.1】 | 顔写真が並ぶ、クラウド人材管理システム
「人事評価システム」とは、従業員一人ひとりの能力や経験・所有資格などをデータベース上に管理できるHRTechサービスです。
「カオナビ」では、従業員のプロフィールを表示・参照できるため、複数の人事担当者が同じ情報を共有できます。例えば、新しいプロジェクトのメンバーを選定する際の材料として活用できるほか、昇給や昇格の判断を客観的におこなうことができるようになります。さらに、社内で不足しているスキルなどを確認できるため、求める人物像を把握し効率的に人員募集をおこなうことができます。 また、従業員一人ひとりの能力や評価を可視化できるため、従業員の満足度向上につながります。
<カオナビの特徴>
・今まで人事が管理していなかった情報も一元管理
従業員のスキルや評価履歴はもちろん、性格やモチベーションまで一元管理できます。今まで管理していなかった個々の能力や特性を有効活用することで、さまざまな課題の解決につながります。
・情報を共有して有効活用
課題の解決には、従業員の「今」の情報を活かしたマネジメントが必要です。 経営者や現場マネージャーなど、それぞれのポジションにあわせて一元化された従業員情報を適切に共有します。
・社員個々の生産性が上がり、組織力・企業力UP!
従業員一人ひとりの情報を充実させ、有効活用して課題解決に取り組むことで、生産性が上がり組織の活性化につなげることができます。カオナビの柔軟なデータベースと、課題にあわせた機能を使うことで新しいマネジメントの構築を実現できます。
採用管理なら「採用係長」
「採用管理システム」とは、応募者の履歴書管理や選考プロセスの進捗把握、応募者とのメールのやり取りなど一連の採用業務をシステム上で一元管理できるHRTechサービスです。
「採用係長」は、求人票の自動作成や求人検索エンジンへの自動掲載はもちろん、応募者情報を一元管理して選考状況を可視化します。無制限で利用できるWeb面接機能も備わり、求人票の作成から採用に至るまでワンストップでサポートしてくれます。 また、求人票に記載する企業PR文は、自動作成機能を使えば最短2分で完成し、最大6つの求人検索エンジンに掲載できます。求職者への訴求と集客力の向上を実現します。
<採用係長の特徴>
・PR文の自動作成機能付き!LINEでも採用ページを無料作成
会社情報や募集職種などの必要な情報を入力するだけで、パソコンやスマートフォンに最適化した採用ページを最短2分で無料作成できます。会社のPR文章も自動で作成できるほか、画像・動画掲載機能や、最低賃金チェックなど便利な機能が充実しています。さらに、LINEでも簡単な質問に答えるだけで採用ページを簡単に作成完了。LINEから応募できる機能を搭載し、LINE上でも気軽に応募者とメッセージのやりとりができます。(『採用係長』LINE ID:@kakaricho)
・最大6つの求人検索エンジンに掲載
作成した採用ページは最大6つの求人検索エンジンサイトやSNSに一括掲載できます。全国幅広い世代の求職者へ訴求し、集客力アップを実現します。
・Web面接機能も備わり、専任の担当者が採用までをサポート
無制限で利用できるカンタンWeb面接機能(β版)が備わり、採用面接のオンライン化と採用業務の効率化を叶えます。さらに、専任の担当者が『採用係長』の登録から採用ページの改善、求人検索エンジンへの掲載方法や集客方法までを手厚くサポートします。
まとめ
今回は、近年注目を浴びるHRTechとは?について、人事関連業務を改善・効率化するためにオススメのHRTechサービスについてをご紹介しました。 HRTechサービスを導入する際は、システムの導入を目的とせず、自社の人事・採用業務の課題や悩みを洗い出したうえで、必要なサービスを選定しましょう。
本記事が参考になれば幸いです。
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