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【採用担当者必見!】トライアル雇用ってなに?メリット・デメリットから助成金申請方法まで解説

[公開日]2020.08.12
[更新日]2020.09.17
トライアル雇用

トライアル雇用に興味はあるけれど内容や申請方法がよく理解できず、導入していないという採用担当者は多いのではないでしょうか。
トライアル雇用制度を導入すれば、採用後のミスマッチを防げるほか、対象企業は最長3ヶ月間の助成金を受給できます。

今回は、トライアル雇用導入のメリットやデメリット、トライアル雇用助成金申請の支給額や申請の流れについて解説します。

トライアル雇用とは?

トライアル雇用制度は、病気や障がいがある人、就業経験不足や就労期間のブランクなどの理由によって就職が困難な求職者の就業救済措置としてつくられた制度です。

原則3カ月間の試用期間を設けることで求職者の能力や適性を見極め、採用のミスマッチを未然に防ぎます。また、企業はトライアル雇用終了後に「トライアル雇用助成金」を国から受け取れます。

求職者も試用期間中に企業や仕事についての理解を深め、自身にマッチするかどうかを判断できます。

トライアル雇用制度の目的

企業と求職者に対する目的はそれぞれで異なります。

企業:正規雇用する前に、求職者の能力や適性を見極めるチャンスを与える
求職者:就業経験などの不足によって就職が困難な求職者に就職のチャンスを与える

試用期間との違い

試用期間とは、採用した社員の能力や適性、スキルなどが自社にマッチするかどうかを判断する期間のことです。あらかじめ期間の定めのない契約を結ぶため、求職者が自社とマッチせずに解雇しなければならなくなってしまった場合は、試用期間で解雇をすることになった理由を具体的に示す必要があります。

しかし、トライアル雇用の場合は常時雇用の移行を目的としているものの、求職者の能力や適性を判断し、マッチしないと判断すれば3ヶ月の契約満了をもって雇用契約を終了できます。

「トライアル雇用」の対象者

前述で述べたとおり、トライアル雇用は就職が困難な求職者の救済措置として設けられた制度であるため、一定の要件を満たしている企業や求職者のみ適用されます。
適用される求職者は、公共職業安定所(ハローワーク)から企業(仕事)の紹介を受けられますが、下記5要件のいずれかの要件を満たしたうえで、紹介日に求職者本人がトライアル雇用を希望した場合のみ対象です。

トライアル雇用を希望する求職者

  1. 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している人
  2. 紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている人
  3. 妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている人
  4. 紹介日時点で、ニートやフリーター等で55歳未満の人
  5. 紹介日時点で、就職の援助を行うに当たって、特別な配慮を要する人
    (生活保護受給者、母子家庭の母等、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、中国残留邦人等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者、生活困窮者)

参考:厚生労働省「トライアル雇用」に応募してみませんか?

トライアル雇用の導入を希望する企業

トライアル雇用の導入を希望する企業は、28項目すべての要件に該当する事業主が対象です。過去に不正受給や保険料の滞納などがないことや、事業内容も審査の対象となります。要件の詳細はこちらをご確認ください。

参考:厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)のご案内」

トライアル雇用のメリット・デメリット

トライアル雇用を活用する前に、企業側と求職者側のメリット・デメリットをしっかりと理解しておきましょう。

企業のメリット・デメリット

メリット
  • 採用前に求職者の能力や適性を見極められる
  • 採用のミスマッチを回避できる
  • 採用コストを抑えられる

 

履歴書や面接では判断しづらい求職者の適性や能力を採用前に見極められる機会が、最大のメリットといえます。採用前に求職者が職場環境にマッチするかどうかも判断できるため、採用のミスマッチを回避できます。また、国からトライアル雇用助成金が支給され、採用コストを抑えられます。

デメリット
  • 申請書類の準備に時間と手間がかかる
  • 人材育成の負担が増す可能性がある

 

トライアル雇用は、就業経験の不足や就労のブランク期間が長い求職者を対象としているため、社会人としての基礎を一から教えるケースもあり、通常の中途採用に比べて人材育成の負担が大きくなる可能性があります。また、トライアル雇用助成金の支給を受ける場合は、求人票の作成から終了後の支給申請までさまざまな手続きがあり、申請書類の準備に時間と手間がかかることもデメリットの一つです。

求職者のメリット・デメリット

メリット
  • 書類選考が行われないため、採用されやすい
  • 入社後のミスマッチを回避できる
  • 未経験の職種にチャレンジできる

 

履歴書や職務経歴書に基づく書類選考はなく面接によって選考が行われるため、採用につながりやすいところが最大のメリットです。未経験の職種にチャレンジしたい求職者にとって、これまで経験のない職種に応募できる点は大きなメリットといえるでしょう。また、常用雇用前に職場で働くことで入社後のミスマッチを回避できます。

デメリット
  • トライアル雇用満了後の常用雇用が保証されていない
  • トライアル雇用の期間も職歴として残る
  • 同時に複数企業に応募ができない

 

3ヶ月間のトライアル雇用満了後は必ず常用雇用が保証されているわけではありません。トライアル雇用期間満了後に雇用契約を終了するか、常用雇用の契約を結ぶかは企業の判断に委ねられます。能力や適性がないと判断された場合は、期間満了後に失業するリスクを伴います。また、トライアル雇用であっても職歴として残り、複数の企業に同時に応募できない点がデメリットと言えるでしょう。

トライアル雇用助成金とは?

「トライアル雇用助成金制度」は、雇用する対象者によって種類が分けられます。企業が国から受け取れる「トライアル雇用助成金」は3種類あり、コースの種類によってトライアル雇用の期間や支給額が異なります。

一般トライアルコース

一般トライアルコースは、障がい者を除き、就業経験のない人や一定期間の就労ブランクがある労働者、紹介日時点でニートやフリーターなどの55歳未満の人、生活困窮者などを対象に支払われる助成金です。

・トライアル期間
原則3カ月間

・支給額と支給要件
対象者を雇い入れた日から原則として最長3ヶ月間支給され、支給対象者1人当たりの上限は月額4万円で対象期間中の月額合計が一括で支給されます。
また、支給対象者による期間中の離職や、トライアル雇用から正規雇用への切り替えによってトライアル雇用期間中の就労が1ヶ月に満たない月があり、休暇や休業があった場合には就労した日数から計算した額が支給されます。

通常:一人あたり月額4万円を最長3カ月間(一人あたり最大12万円)
対象者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合・若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の対象者:一人あたり月額5万円を最長3カ月間(一人あたり最大15万円)

障害者トライアルコース

障害者トライアルコースは、障がい者を対象にトライアル雇用を実施した際に支払われる助成金です。

・トライアル期間
原則3カ月間(精神障がい者は原則6カ月間)
身体障がい者と知的障がい者(重度を除く)は期間を1カ月間or2カ月間に短縮可能。
精神障がい者は12カ月間まで延長可能。

・支給額と支給要件
支給金額は、下記の合計額がまとめて1回で支給されます。

対象者が精神障がい者以外の場合:一人あたり月額最大4万円を最長3カ月間(一人あたり最大12万円)
精神障害者を初めて雇用する場合:一人あたり月額最大8万円を最長3カ月間支給後、一人あたり4万円を最長3カ月間(一人あたり最大36万円)

参考:厚生労働省「障害者トライアル雇用のご案内」

障害者短時間トライアルコース

障害者短時間トライアルコースは障がい者を対象に、雇入れ時の週の所定労働時間を10時間以上20時間未満に設定してトライアル雇用を実施した際に支払われる助成金です。

・トライアル期間
原則3カ月間以上、最長12カ月間以内

・支給額と支給要件
支給金額は一人あたり4万円を最長12カ月間、合計で一人あたり最大48万円が支給されます。
最初の6カ月間の合計額とその後の期間の合計額が2回に分けて支給されますが、まとめて1回で支給を受けることも可能です。
継続雇用する労働者としての雇入れを希望している者であって、障害者短時間トライアル雇用制度を理解した上で、障害者短時間トライアル雇用による雇入れについても希望している精神障害者または発達障害者が対象です。

支給対象者:一人あたり月額最大4万円を最長12カ月間(一人あたり最大48万円)

トライアル雇用を導入する方法

ハローワークにトライアル雇用求人を申し込む

求人票を作成後、ハローワークに求人の申し込みを行います。その際、「トライアル雇用求人」として助成金の給付を希望している旨を必ず伝えましょう。

紹介を受けて応募者と面接する

ハローワークから条件に合致する応募者の紹介を受けたら面接を行いましょう。

雇用条件を決める

トライアル雇用で採用する応募者が決まれば、給与などの雇用条件を明確にしましょう。トライアル雇用期間中であっても、一定の条件を満たしていれば雇用保険や健康保険、厚生年金への加入が必要です。また、時間外手当や休日手当など諸手当のほか、給与金額も最低賃金を下回らないように注意しましょう。

採用が決定したら有期雇用契約を結ぶ

雇用条件が確定したら有期雇用契約書を作成し、労働者に雇用契約書の内容を説明し、理解し納得したことを確認したうえで雇用契約を結びましょう。残業や休日出勤の可能性がある場合は雇用契約書に記載が必要です。

トライアル雇用を開始する

労働者と有期雇用契約を結んだら、トライアル雇用を開始しましょう。

採用から2週間以内にハローワークに「トライアル雇用実施計画書」を提出する

トライアル雇用を開始した日から2週間以内に、ハローワークに「トライアル雇用実施計画書」を提出します。下記URLをダウンロードしてご利用ください。

参考:厚生労働省トライアル雇用助成金の申請様式ダウンロード

審査後に助成金が支給される(3カ月分の支給額が一括で振り込まれる)

トライアル雇用助成金の申請は、トライアル雇用期間が終了後、または常用雇用の契約締結から2カ月以内に「トライアル雇用結果報告書兼トライアル雇用助成金支給申請書」を労働局に提出すれば完了します。要件や必要な項目などが満たされているかを審査されたうえで、3カ月分の支給額が一括で振り込まれます。

トライアル期間中に本採用したい場合

求職者と直接「常用雇用契約」を締結する

トライアル雇用期間中に能力や適性などを見て常用雇用に転換したいと考えたら、求職者と常用雇用契約を締結しましょう。

トライアル雇用期間中に新型コロナウイルスの影響で休業した場合

休業中の勤務予定日を除いて、終了予定日の翌日以降に追加できます。ただし、トライアル雇用を実施中の事業主に限ります。トライアル雇用期間を変更するには、以下の4要件を満たす必要があります。

  1. 令和2年4月1日~9月30日の間にトライアル雇用期間が含まれていること
  2. 上記期間中に新型コロナウイルスの影響で対象者を休業させたこと
  3. 休業により、対象者の適性の見極めが難しくなったこと
  4. トライアル雇用期間の変更について労働者との合意があること

参考:厚生労働省「新型コロナウイルスの影響で休業した場合、特例的にトライアル雇用期間を変更できるようになりました。」

詳細はこちらをご確認ください。

まとめ

トライアル雇用制度は、企業にとっても求職者にとっても入社前の選考で判断しにくいミスマッチを防げるなどの大きなメリットがあります。この制度の仕組みをしっかりと理解して、ぜひ積極的に導入してみることをおすすめします。

この記事を書いた人

K.Okamoto

K.Okamoto

ネットオン(採用係長)広報。採用係長のお知らせから採用に役立つ情報までお届けします。

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