履歴書の完全デジタル化は3.9%のみ。多くの企業で紙とデータの併用中 | 履歴書の形式についての実態調査

履歴書の形式についての実態調査

昨年から続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって、企業の採用活動は様々な影響を受けており、求人応募や面接でオンライン化が進んでいます。その一方で、紙の履歴書を使用する機会はまだ多く、面接への持参や企業への事前送付も珍しくありません。

企業活動の様々な場面でデジタル化が進む現在、履歴書はデジタル化が進んでいるのでしょうか。

クラウド型採用マーケティングツール『採用係長』を開発・提供する株式会社ネットオンは、履歴書デジタル化の現状を明らかにするため、採用係長のユーザーを対象に2021年5月7日(金)~5月20日(木)まで「履歴書の形式についての実態調査」を実施しました。

本記事ではその結果をまとめ、履歴書の今後について考察していきます。

履歴書の形態は「紙とデータの併用」が最多。都市部でデジタル化が進む

今回の調査の中で「履歴書の受領形態」について聞いたところ、「紙とデータのどちらでも可」と回答した企業は60.0%となりました。「データのみ」と回答した企業は3.9%と非常に少なく、「紙のみ(郵送・手渡しなど)」と回答した企業は32.6%となりました。(n=408)

また、地方企業と都市部企業で履歴書の受領形態について比較すると、都市部の企業の方が「データのみ」と回答した割合が5.3%多くなりました。

履歴書をデータのみで運用している企業は全体でもまだ割合が低くなっていますが、都市部の方がより履歴書のデジタル化が進んでいる状況が明らかになりました。(地方企業 n=215、都市部企業 n=193)
※都市部(東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県、兵庫県と設定)

地方企業

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都市部企業

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紙の履歴書を使用する理由は「丁寧さ・応募意欲の確認」と「管理上の都合」

履歴書の受領形態は「紙のみ」と答えた企業に、「紙の履歴書のみを使用する理由」を聞いたところ、「丁寧さを見ている」という回答が最も多く50.4%となりました。

次いで、「応募にかける真剣度合いが分かる」が44.4%、「原本の管理が行いやすい」が42.1%となり、丁寧かどうかという人柄や応募意欲の確認、管理上の都合で紙の履歴書を使用している現状をデータから読み取ることができます。(n=133)

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紙とデータの履歴書の併用する背景は「多様な応募者の獲得」

同様に履歴書の受領形態を「紙とデータのどちらでも可」と答えた企業に、その理由について聞いたところ、「履歴書の書き方にこだわっていない」という回答が最多で56.7%となりました。次いで「どんな求職者の応募にも対応できるように」という回答が50.2%、「求職者が応募するハードルを下げるため」という回答が42.9%となりました。(n=245)

紙とデータの履歴書を併用している企業では、多様な応募者を獲得するために、履歴書の形式にこだわらずに選考を進めている現状が分かります。

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履歴書の書き方は、「データでも手書きでも可」とした企業が最多

続いて「履歴書の書き方」についての設問では、「手書きもデータ入力も両方可」とした企業が最も多く85.0%となりました。「手書き」と答えた企業は9.6%、「データ入力」と答えた企業は2.7%となりました。(n=408)
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地方企業

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都市部企業

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手書きの履歴書を採用する理由は「人柄や一般常識の確認」が最多

履歴書の書き方について「手書き」と答えた企業にその理由を聞いたところ、「筆跡から人柄が分かる」という回答が64.1%、「一般常識の確認」という回答が48.7%、「昔からの習慣」という回答が35.9%となりました。
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「手書きもデータ入力も両方可」と答えた企業にその理由を聞いたところ、「履歴書の形式にこだわっていない」という回答が最多で61.4%、次いで「どのような求職者の応募にも対応できるようにするため」という回答が38.6%、「求職者が応募するハードルを下げるため」という回答が37.2%となりました。
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6割以上の企業が「履歴書のデジタル化」は進むと回答

「これから履歴書のデータ化は一般化するか」という設問では、「まあまあ思う」という回答が最も多く39.0%となり、「とても思う」と合わせても、履歴書のDXが進むと考える企業は63.0%にものぼることが分かりました。
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履歴書のデジタル化が進むと思う理由について、具体的な理由を自由回答で聞いたところ、

  • 「デジタル化・ペーパーレス化の流れがある」
  • 「コスト・管理コストの削減/効率化ができるから」

という回答が多くみられました。

一方で、デジタル化が進まないと考える具体的な理由については

  • 「セキュリティの問題」
  • 「応募者の年齢層が幅広い」
  • 「ネット環境の整っていない人もいると思うため」

といった個別の事情に配慮した回答も多くみられました。

まとめ

今回は企業の採用現場における履歴書のデジタル化の実態を明らかにするために、「手書き履歴書の形式調査」を実施しました。履歴書をデータのみで受領している企業は4.1%となったことからも分かるように、履歴書はまだ完全デジタル化が進んでいない実態が浮かび上がってきます。

現在の状況として、応募の入り口を広げて多様な人材を確保する観点から紙とデータの併用をしている企業が多く、紙の履歴書のみを使用している企業からは「人柄や一般常識の確認」といった伝統的な価値観を持っていることが分かりました。その傾向は地方企業で強く表れることも、データから読み取れるでしょう。

今後、履歴書のデジタル化は徐々に進んでいくと予想されます。現に6割以上の企業担当者が「履歴書はデジタル化が進む」と考えており、企業側でも履歴書のDXへの関心・意欲は高いことが分かります。

履歴書のデジタル化が進めば、採用にかかるコストを削減できるだけではありません。採用候補者のデータから、自社に応募のあった人材の傾向などを分析し、採用マーケティングにつなげることも可能です。特に採用に大規模な予算をかけづらい中小企業では、効率的に自社にマッチした人材を採用するきっかけにもなるかもしれません。

採用フロー全体を再点検しながら、履歴書のデジタル化の可能性についても検討してみてはいかがでしょうか。

調査概要

調査名 履歴書の形式についての実態調査
調査対象 『採用係長』利用事業所における人事・労務担当者様
有効回答数 408
調査期間 2021年5月7日(金)~5月20日(木)
調査方法 アンケートフォームを使用したインターネット調査
地域 全国
実施機関 株式会社ネットオン

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この記事を書いた人
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採用Webマラボ編集部

採用に関するお悩みならお任せ!採用業界に精通しており、Indeedや求人ボックスなどの求人検索エンジンから、リスティング・ディスプレイ広告などまで幅広い知識を持った、採用Webマーケティングのコンサルタントなどが記事を執筆していますm(_ _)m

監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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