施工管理職の採用は難しい?採用難である理由と採用成功に必要なこと

施工管理 × 採用難

建設業においてなくてはならないお仕事である施工管理は、全職種の中でも採用が難しい職種の一つです。
今回は「施工管理職の採用」について、採用難である理由をデータから紐解き、採用成功までのポイントを解説します。是非最後までご覧ください。

施工管理職の有効求人倍率

施工管理職は、建築工事や土木工事などの工程や安全、品質や原価の管理を行う重要な仕事であり、建設業にとって必要不可欠な職種です。

また、施工管理職に就くには施工管理技士という国家資格が必要です。誰でもできる仕事ではないうえに工事現場に必要とされるため、需要に対して供給が追いついていない現状があります。
土木・建築系求人倍率推移参照:政府統計e-Stat 一般職業紹介状況『職業安定業務統計』をもとに作成

2019年には、全職業の平均有効求人倍率が1.45%に対し、施工管理職が含まれる建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.86%でした。これは、1人の求職者に対し約6件の求人があることになるため、施工管理職の求人倍率は非常に高いと言えます。

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施工管理職が採用難である理由とは

有効求人倍率から見てわかるように、人材需給のバランスが大きく崩れ近年は特に施工管理職の採用は難しくなっています。なぜ施工管理職の人材採用が難しいのか、その原因を詳しく見ていきます。

建設需要の拡大

以下の図は、建設投資額の年間推移をグラフにしたものです。 建設投資額の推移参照:政府統計e-Stat 『建設投資見通し』をもとに作成

建築・土木ともに、投資額が年々増大しています。東日本大震災や東京オリンピックの開催などにより、建設需要は2019年にいたるまで高まっています。それに伴い、現場管理を行う施工管理職の人材需要が拡大していると考えられます。

若年層の建設業界への入職者が少ない

【建設業】2000年と2019年の入職者数比較参照:政府統計e-Stat『雇用動向調査』をもとに作成

建設業界への入職者数を2000年と2019年で比較したところ、2000年に比べて2019年は、ほとんどの年代で入職者が減少しています。特に10~20代といった若年層の入職者が大幅に減っており、建設業界では高齢化が深刻です。

若年層の入職者減少の原因としては、建設業界の3Kと言われる「きつい・汚い・危険」のイメージが残っていることが考えられるでしょう。

施工管理職の主な転職理由

施工管理職は、採用できたのに離職してしまうケースが少なくありません。そこで、施工管理職の人材が転職を考える理由を解説します。

労働条件に不満がある

納期に間に合わせるため、休みが取れなかったり残業が多いなど、自分の時間が持てないことが転職を考えるきっかけになっています。さらに、それに見合った給与や評価がもらえないなど、待遇面に不満を持っていることが多いようです。

仕事内容に不満がある

待遇面に加え、やりたかった仕事ができていない、思っていた仕事内容と違うなど、入職前と入職後の仕事イメージの相違により転職を考えるケースも少なくないようです。

人間関係に不満がある

さまざまな世代、タイプの作業員や職人が集まる工事現場では、少しのミスが命の危機に直面するような独特の緊張感があり、人間関係のバランスを保つのが難しい場合もあります。

現場では常に気を張っているうえに、上司だけではなく関連業者にも怒られることがあり、人間関係が悪い職場があることが、転職の決め手になっています。

他職種から施工管理職に転職する理由

人手不足の現状により、他職種からの転職者も大きな戦力です。そこで、他業種から施工管理職への転職を考える理由や「施工管理職の魅力」についてご紹介します。

手に職をつけたいから

施工管理は建築・土木に関するさまざまな知識が要求されます。また、単なる知識だけではなく、現場のトラブルを未然に防ぐ判断力や、万が一トラブルが起きたときの対応力など、一度にさまざまなスキルを身に付けられます。

現場の監督者として手に職をつけながら責任がある仕事に就きたいと考えるキャリアップ志向の高い人材には、魅力的な職種として考えられています。

給与が良いから

国家資格が必要となり、工事現場において多くの責任を持つ施工管理職は、他職種と比べ、給与が高い傾向にあります。給与・待遇などの面で、現職と比べたときに施工管理職への転職を考えることがあるようです。

施工管理職の採用を成功させるためには

採用が難しい「施工管理職」の採用を成功させるために、今すぐできる対策を考えてみましょう。

ターゲットに沿った求人を作成する

「有資格者」「経験〇年以上」などと書かれた求人には、未経験者の応募は来ません。これは逆もしかりです。ほしいターゲットに合わせて求人の内容を変えて募集すること、求職者が求めている情報をしっかり記載することが大切です。

未経験者と経験者、ターゲット別にどのような記載が有効なのかを具体的にお伝えします。

未経験者の場合

経験がないため、専門用語などの記載があっても伝わりません。「より分かりやすく」を意識し、仕事内容や研修制度の内容を項目に分けて具体的に記載しましょう。働くことによって得られるスキルなどの記載も有効です。

例)◆経験〇年目
   未経験からスタート
   入社〇年目で●●の資格取得
   資格取得支援制度あり(講習、資格取得費用は会社にて全額負担)
   取得実績:●●、●●、●● など

経験者の場合

残業の頻度や時間、現場数や工期を記載することで、経験のある求職者が現場で働いたときのイメージを持ちやすくなります。また、昇給などに関わる評価制度の基準や年収例などの記載も有効です。

例)案件  :●●、●●などの建設現場
  案件金額:〇〇~〇〇円
  工期  :〇ヶ月、〇年など
  エリア :関東エリアがほとんど

 ◆残業:月平均〇h、みなし残業〇h
 ※残業超過分は別途支給 など

企業の魅力・雰囲気を伝える

社風や人間関係はどの業界、どの仕事においても求職者が重視するポイントです。「アットホームな会社です」「仲良くお仕事しています」といったの抽象的なPRではなく、

  • なぜアットホームなのか?
  • 何人働いているのか?
  • どういう人が多いのか?(男女比率など)
  • どういう人だと自社に合うのか?

などを具体的な事柄を記載することが重要です。また、他社にはない自社の魅力は何か?を従業員にヒアリングし、求人票に記載したり面接時に伝えることもひとつの手です。

候補者に寄り添ったスケジュールを提案する

現職に就いている求職者の場合、土日にしか休みがなかったり、夜遅い時間にしか面接にいけなかったりということが考えられます。そのため、候補者のスケジュールに配慮し

  • Web面接
  • 電話面接
  • 出張面接
  • 土日面接
  • 夜遅くの面接

などの、面接手法を用いて候補者に寄り添うことも大切です。

採用手法について

具体的には、どのような採用手法があるのでしょうか?

人材紹介会社

人材紹介会社は、採用活動への工数を抑えられることや、成功報酬型のため無駄なコストがかからないことがメリットの採用手法です。

派遣会社

派遣会社は、複数名をすぐに派遣してもらえたり、短期や長期などニーズに合わせた対応をしてもらえるので、工期など自社の状況に合わせて利用するのがオススメです。

従業員からの紹介

従業員の知人・友人に施工管理職の人材がいて、紹介してもらえる場合は、働くうえでのメリット・デメリットや仕事内容などを、あらかじめ紹介者から聞いたうえで転職を検討する傾向にあり、働く意欲が高いことが多いです。
ただ、離職を防ぐためにはメリットだけではなくデメリットについてもしっかり伝えることが大切です。

求人サイトへの掲載

全国各地の求職者にいつでも求人情報を閲覧でき、夜間など求職者の都合がいいときに求人票を見てもらえます。多くの求職者にアピールできるため、求人サイトの利用もオススメです。

まとめ

採用難である施工管理職の採用を成功させるためには、どれだけ自社の魅力を伝えられるか、ターゲットにあった求人を公開できるかが重要になってきます。

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採用Webマラボ編集部

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監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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