求人広告のNGワード・禁止表現まとめ|遵守すべき法律や罰則についても解説

求人広告の作成にあたって、押さえておくべきNGワードや法律がいくつかあります。
「禁止表現を使っている」「法律に違反している」という求人広告は、採用に失敗するどころか、求職者とのトラブルや悪いイメージの浸透などに発展してしまうかもしれません。

当記事では、求人広告に用いてはいけない・用いるべきでない言葉や、押さえておきたい法律についてまとめて紹介します。クリーンで効果的な求人広告を作りたい方は、ぜひ当記事をお役立てください。

求人広告の作成時に遵守するべき法律

求人広告を作成する際には、さまざまな法律を遵守する必要があります。
法律を守るということは、労働者の権利を守るだけでなく、企業の信頼性向上や求職者とのトラブル防止にもつながります。
求人広告作成時に遵守すべき法律は下記のとおりです。

労働基準法

労働条件の最低基準を定めた法律で、労働者の権利を保護する目的があります。
労働時間や賃金、休暇、解雇規制などについて規定されており、企業はこの基準を下回る条件で労働者を雇用することは認められません。
(参照:労働基準法|e-GOV法令検索

男女雇用機会均等法

働く男女の差別をなくし、均等な雇用機会を確保するための法律です。
採用や配置、昇進、退職などにおける性別による差別を禁止し、妊娠・出産といった女性特有のライフイベントに伴うハラスメントや不利益な取り扱いも禁じています。
(参照:男女雇用機会均等法のあらまし|厚生労働省

労働施策総合推進法(旧:雇用対策法)

正式名称は「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」で、現在は「パワハラ防止法」とも呼ばれます。
雇用の安定と労働力の確保を目的としており、若年層や高齢者、障がい者の雇用促進策の推進や、職業訓練・能力開発を支援する仕組みも含まれています。
「長期的なキャリア形成のために若年層を採用する」など一部のケースを除き、募集・採用に年齢制限を設けることも禁止されています。
(参照:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律|e-GOV法令検索

職業安定法

職業紹介や労働者の募集に関するルールについて定めた法律です。違法な労働条件での求人を防止し、労働者と企業の間で適正な雇用関係を築くことを目的としています。
(参照:職業安定法|e-GOV法令検索

最低賃金法

労働者が健康で文化的な生活を送るために、最低限の賃金額を保障する法律です。地域別・産業別に最低賃金が定められ、これを下回る賃金での雇用契約は無効となります。
アルバイトやパートを含むすべての労働者に適用され、違反した場合は未払い分の支払いや罰則が科される可能性があります。
(参照:最低賃金法|e-GOV法令検索

求人広告に掲載してはいけないNGワードと禁止表現

ここからは、求人広告に用いてはいけないNGワードと禁止表現について紹介します。
これらの表現は「避けるべき」ではなく「使ってはいけない」言葉なので注意が必要です。

性別を差別する表現やワード

【NG例】
女性スタッフ募集
男性スタッフ募集
男性○名、女性○名募集
主婦歓迎
働くママ歓迎

【言い換え例】
「女性スタッフ募集/男性スタッフ募集」→「男性活躍中/女性活躍中」
「男性○名、女性○名募集」→「募集人数○名」
「主婦歓迎」→「主婦(夫)歓迎」
「働くママ歓迎」→「働くママ・パパ歓迎」

男性だけの募集、女性だけの募集のような特定の性別を理由とした表現は男女雇用機会均等法で禁止されています。
しかし、仕事内容の関係などにより、下記のように性別をやむなく限定されてしまう場合は性別制限をすることができます。

・芸術・芸能の分野における表現の真実性などの要請がある場合
・守衛、警備員等のうち防犯上から男性を募集・採用する場合
・宗教上、風紀上、スポーツにおける競技の性質上の必要性から特定の求職者を募集・採用する場合

年齢を差別する表現やワード

【NG例】
18歳〜40歳くらいまで
30歳までの方
25歳以上の方
若者歓迎

【言い換え例】
年齢不当
20代活躍中

雇用対策法により、求人広告に年齢を差別する表現やワードを記載することは原則禁止されています。
ただし、長期勤続によるキャリア形成を図る場合や、若年者を対象として期間を定めず募集・採用する場合など、年齢制限に合理的な理由があると認められれば、例外として年齢制限を設けることが可能です。
(参照:労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A

人種や国籍を差別する表現やワード

【NG例】
日本国籍の方のみ募集
外国人不可

求人広告で人種や国籍を差別する表現やワードも禁止されています。求人広告では国籍に触れる表現はしないようにしましょう。
すべての人に平等な雇用機会を与えるため、中立的な表現を使うことが大切です。

虚偽、誇張した表現やワード

求人広告に虚偽の表現、ワードを使用することも禁止されています。
また、労働基準法に反する内容が記載されていると法律違反になってしまうので、注意してください。

【NG例】
・求人広告に記載の給与と実際の給与が異なる
・実際は残業があるのに、求人票には残業なしと記載
・労働時間が8時間を超えているのに休憩が無かった

求人広告での使用を避けるべきNGワードと表現

法律違反や禁止ではないものの、求人広告での使用を避けた方がいいワードと表現も存在します。
求職者に正確な情報を伝え、自社の求人に興味を持ってもらうためには、抽象的な表現ではなく、具体的な表現をしましょう。

抽象的な表現やワード

【使用を避けるべき例】
「やりがいのある仕事」:具体的な仕事内容が不明確で、人によって感じ方が大きく異なります。
「成長できる環境」:成長の定義が曖昧で、求職者にとって具体的なイメージが湧きにくい表現です。
「福利厚生充実」:どの程度充実しているのか、具体的にどのような福利厚生があるのかが不明確です。

【言い換え例】
「やりがいのある仕事」→「新規事業の立ち上げに携わることができます」
「成長できる環境」→「OJTや研修制度が充実しており、キャリアアップが可能です」
「福利厚生充実」→資格取得支援(会社半額負担)、○○資格手当(○0円/月)支給

精神論的な表現やワード

精神論的な表現やワードも具体性に欠けるため、避けた方が良いでしょう。

【使用を避けるべき例】
情熱を持って仕事に取り組める方

【言い換え例】
お客様の笑顔のために、新しい商品企画に積極的に取り組める方

求人広告にNGワードや禁止表現を使ってしまうとどうなる?

では、求人広告にNGワードや禁止表現が表記されていると、どういったトラブルが考えられるのでしょうか。代表例を紹介します。

応募者とのトラブル

応募者とのトラブルの原因となる恐れがあります。

たとえば、「女性限定」や「○○歳まで」といった表現を掲載した場合、男女雇用機会均等法や雇用対策法に違反していると判断され、求職者から法的措置を取られる可能性もゼロではありません。

また、実際の採用過程で性別や年齢による不採用が行われた場合、訴訟に発展するリスクもあるため、企業側に大きな負担を強いることとなります。

企業イメージや信頼性への影響

NGワードを使っていることがSNSやメディアなどで拡散されると、企業イメージに深刻なダメージを与えます。
一度失った信頼は回復するのが難しく、求職者だけでなく顧客や取引先からの信用も損なわれるかもしれません。

特に現代では、情報が瞬時に広まるため、対応が遅れるほど影響が拡大する可能性があります。

法的違反のリスクと罰則

法的違反による直接的な罰則も無視できません。
たとえば、職業安定法第65条では、虚偽の求人広告を掲載した場合に「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科されると規定されています。
このような事態を防ぐためには、求人広告作成時に法律を十分に理解し、正確かつ公正な表現を用いることが不可欠です。

法律を遵守した求人広告で自社の魅力を伝えよう

NGワードと禁止表現以外に、「求人票に明記すべき項目」があることも忘れてはなりません。
例えば下記の項目は、職業安定法第5条の3において、募集要項に記載すべき内容として義務付けられています。

  • 業務内容
  • 契約期間
  • 試用期間
  • 就業場所
  • 就業時間・休憩時間
  • 休日
  • 時間外労働の有無と時間
  • 賃金
  • 加入保険
  • 受動喫煙防止措置

(出典:2024(令和6)年4月1日施行改正職業安定法施行規則 募集時などに明示すべき労働条件が追加されます!|厚生労働省

また、求人サイトや求人検索エンジンを使う場合、媒体によってガイドラインが定められているのも注意点です。
利用する媒体のガイドラインを確認したうえで、使ってはいけない表現がないかチェックしておきましょう。

とはいえ、禁止表現ばかり意識してしまうと、求人広告の作成に支障が出てしまうかもしれません。

そのためにもまずは、最低限必要な項目を正確に記載することが重要です。
仕事内容や勤務時間、給与、休日・休暇、福利厚生などをかため、求職者が安心して応募できる環境を整えたうえで、自社なりの魅力を求人情報に盛り込めば、後のトラブルを未然に防ぐことができます。

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まとめ

人材採用においては、求人広告のNGワード・禁止表現を知ることで、「この項目は別の伝え方が良いな」「求職者からするとこの情報はこう見えてしまうかも」など、自然と求職者目線で考えるようになります。
結果としてより質の高い求人広告になるでしょう。

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この記事を書いた人
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コンノ

公務員として4年間、人事労務の実務経験あり。 これまで100名以上の事業者をインタビューしており、「企業や個人事業主が本当に悩んでいること」を解決できる記事を執筆します。

監修者
監修者
辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
Indeedはもちろん、インターネット広告やDSP広告を組み合わせた効率的な集客や、Google Analytics等の解析ツールを利用した効果分析、サイト改善を強みとしている。