ヘッドハンティングは転職市場では出会えない有能な人材を確保するために効果的な手段であり、近年では導入している企業が多く見受けられるようになってきました。
とはいえ、ヘッドハンティングという言葉に聞き馴染みはあるものの、内容についてしっかりと理解できていないといった採用担当者の方も多いかもしれません。
そこで本記事では、ヘッドハンティングの方法やメリット、注意点についてまとめました。
目次
ヘッドハンティングとは
ヘッドハンティングとは、企業で活躍している優秀な人材に外部企業から声をかけ、外部企業にこないかと引き抜くことを指します。
ヘッドハンティングで引き抜かれる人の特徴として、「経営幹部」や「管理職」に該当する人が挙げられるほか、「幹部候補生」や「トップセールスマン」などが引き抜かれるケースもあります。
もともとは外資系企業で多く見られた手法でしたが、近年では日系企業でも行われるようになりました。
ヘッドハンターとは
企業に勤める優秀な人材を見極め、その人物に声をかける役目を果たすのが「ヘッドハンター」と呼ばれる人たちです。ヘッドハンティング会社に在籍しているヘッドハンターは依頼に基づき、その依頼を満たす人材を見極め、声かけを行います。
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ヘッドハンティングとスカウトサービスの違い
ヘッドハンティングとよく混同されるものとして、スカウトサービスが挙げられます。
両者の違いとして、転職活動を行っている人が対象となるのがスカウトサービスであり、必ずしも転職活動を行っていない有能な人材が対象となるのがヘッドハンティングです。
むしろ、ヘッドハンティングでは転職活動を行っている人がターゲットとなるのは稀なことであり、基本的には第一線で活躍しており、その業界で名の知れた人がターゲットとなるでしょう。
ヘッドハンティングのメリット
ヘッドハンティングを行うメリットは、主に以下の3つです。
- 転職市場で出会えない人材にアプローチできる
- 業績向上が期待できる
- 水面下で採用活動を行える
それぞれについて、見ていきましょう。
転職市場で出会えない人材にアプローチできる
ヘッドハンティングにおける最大のメリットはなんといっても、転職市場では出会えない優秀な人材に対してアプローチが可能となることです。
少子高齢化にともなう働き手の減少などにより、人材獲得競争は年々激化の一途を辿っており、いままでと同じような採用手法を踏襲していては事態の改善が望めないでしょう。
そうした中、ヘッドハンティングを活用することで今まであまり出会うことのなかった人材に出会うことができ、企業の成長が期待できます。
業績向上が期待できる
ヘッドハンティングが活用される場として、低迷している現状になにか一石を投じたいなど何らかの変化を望んでいる状態がよく見られます。そうしたとき、一見誰も思い浮かばないような発想力や、困難を転機に変えられる実力を持つ人物がいればと考えることも珍しくありません。
そのような人材を社内で見つけ出すのが難しい場合、ヘッドハンティングの活用は非常に意味のある一手となるでしょう。外部から優秀な即戦力を探し出し、現状から脱するための力を得られます。
水面下で採用活動を行える
ヘッドハンティングはあらゆる採用手法の中でも特に内密に行われるケースが多く、どのような人材を欲しているのか他の企業に気づかれてしまうリスクが低いのが特徴です。
ヘッドハンティングをされた側にもメリットがある
ヘッドハンティングをする側のメリットを3つご紹介しましたが、ヘッドハンティングをされた側にも次のようなメリットがあります。
- 給与面などでの待遇がよくなる
- 今までと違う環境で新たなキャリアを築ける
- いきなり役職者になれる可能性がある
今の会社を退職してもらったうえ、別会社で働いてもらうことになるため一般的には現状よりも好待遇で迎え入れられることがほとんどです。
また、移籍先の会社で重要なポストにつける可能性が高まるほか、正当な評価を受けられる環境で働けるといったメリットも挙げられるでしょう。
ヘッドハンティングの注意点
ヘッドハンティングのメリットをいくつかご紹介しましたが、その反面で注意点についてもいくつか抑えておきましょう。
- それ相応の時間やコストがかかる
- 面談の回数が多くなりやすい
- 引き抜き元の会社とトラブルになる恐れがある
それ相応の時間やコストがかかる
先ほど述べたように、ヘッドハンティングは転職を考えていない層がターゲットとなります。そのためアプローチを図ってから、実際に転職してもらうまでそれ相応の時間やコストが生じるでしょう。
また、自社でヘッドハンティングを行うのではなく、ヘッドハンティング会社に依頼する場合にはコストが発生することも忘れてはいけません。
ヘッドハンターの活動費用はもちろん、ヘッドハンティングが成功した場合の成果報酬など所定の費用が必要となります。
面談の回数が多くなりやすい
転職の意思がない人に会社を別の企業に引き抜くためには、当然それなりの面談回数を重ねることになります。
また、採用にあたって多くのマンパワーも必要なことから、採用を急ぐ場合や一度に大量の人材を欲する場合にヘッドハンティング型の採用は向かないことも覚えておきましょう。
引き抜き元の会社とトラブルになる恐れがある
日本国民である以上、憲法第22条第1項において「職業選択の自由」が定められていることから、基本的にヘッドハンティングで会社を辞めようが問題ありません。また、就業規則で同業他社への転職が禁じられていたとしても、法律上違法行為となることはないでしょう。
しかし、それでも引き抜きによるトラブルはゼロとはならず、引き抜き元の会社から訴えられそうになるケースも散見されます。トラブルの例としては、有能な社員がヘッドハンティングをきっかけとして同業他社へ転職した際、既存の大口顧客も持っていかれたことから売上が減ったことなどが挙げられるでしょう。
中には競業禁止規定などを独自に定めている企業もありますが、転職することに関しては意味を果たしません。裁判に発展したところで、引き抜き元が勝訴することは難しいといえます。
ですが、トラブルに発展する可能性があるということだけは頭の片隅に入れておくことが大切です。
ヘッドハンティングの方法
ヘッドハンティングを行う方法としては、ヘッドハンティング専門の会社に依頼するほか、自社で行うことも可能です。
ここではそれぞれの方法について、詳しくご紹介します。
自社で行う場合
自社でヘッドハンティングを行う場合、アプローチしたいターゲット像を具体化したうえで条件に見合う人物を探し出すところから始まります。
候補者を探し出す方法は企業によりますが、TwitterやFacebookをはじめとしたSNSで情報収集を行うほか、ビジネス利用に特化したLinkedIn(リンクトイン)といったサービスが活用されるケースも目立ちます。また昨今では、Wantedlyやビズリーチなども企業が直接ヘッドハンティングをする際に活用されています。
スカウトツールを使用した場合の利用料は発生しますが、基本的には外部に委託するよりも採用コストを大幅に抑えられるのが自社で行う最大のメリットといえるでしょう。
ただしその一方で、こまめな連絡やフォローをする手間が生じるほか、人材発見までに時間がかかるといったデメリットも存在します。
外部のヘッドハンティング会社に依頼する場合
ヘッドハンティング会社に依頼して、ヘッドハンティングを行う場合には人材の発掘および交渉、そして採用までを頼むことになります。
従来のヘッドハンティング会社ではターゲットが経営・管理職がメインとなっていましたが、最近では時代の流れに伴い職種特化型やIT業界特化のサービスも登場し始めました。
自社で行うよりも圧倒的に手間がかからず、ターゲットが見つかるまでに要する時間も比較的短く済む一方で、それ相応のコストが生じます。
また、その額は比較的高額となるケースが多く、ある程度資金力にゆとりがなければ厳しいでしょう。
まとめ
今回はヘッドハンティングの方法とメリット、注意点についてお伝えしました。
年々激化するであろう人材獲得競争に打ち勝つためにも、ヘッドハンティングはぜひ取り入れておきたい採用手法のひとつです。
最近では自社でヘッドハンティングを行うにあたって便利なツールも数多く登場していますので、ぜひこの機会に一度検討してみてはいかがでしょうか。
この記事が少しでも参考になっていたら、幸いです。
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