【飲食店の人員配置】適正なスタッフの人数はどれくらい?

飲食店の人員配置

2020年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、一時的に飲食店の人手不足が軽減されたものの、飲食業界は人手不足問題と常に隣り合わせといっても過言ではありません。

慢性的に人が足りない中で、飲食店を経営していくためには適切な人数のスタッフを適所に配置しなければなりません。

飲食店の経営者や採用担当者、店長は、
「店舗の適切なスタッフ人数は何人なのか」
「スタッフをどの様に配置するのが適切なのか」

など、スタッフの適正人数や配置についてお悩みではないでしょうか。

そこで今回は、飲食店における適切なスタッフの人数や配置について、わかりやすくまとめてみました。

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飲食店の適切な人員配置はどうやって決めればいい?

飲食店に限らず、人員配置とは「従業員1人ひとりの適正を見極めたうえで、適材適所に配置すること」を指します。

そして、店全体の業務効率化や利益率向上を成し遂げることを目的としており、お店の規模や形態によって必要な人員数は変化します。

ここでは適切な人員配置が求められる理由と、適切なスタッフ数の計算方法について見ていきましょう。

 

適切な人員配置が求められる理由

適切な人員配置が求められる理由として、次のような事柄が挙げられます。

  • 生産性の向上および人件費の削減
  • 人材の流出や離職の抑制
  • スタッフのストレス軽減

まず、生産性の向上および人件費の削減ですが、この2つは数値として確認できるため効果を実感しやすいといえるでしょう。

適材適所にスタッフを配置することで効率的に業務を進めることができ、結果として生産性の向上につながります。また、むやみにスタッフを増やす必要もなくなるため、人件費の削減も期待できます。

そして、適切に配置されたスタッフは業務に対する不満を抱きにくく、モチベーションが維持されやすいことに加え、業務の質と量からくるストレスも軽減されるでしょう。

このように、適切な人員配置によって業務や経営にさまざまなメリットが期待できます。

適切なスタッフ数の計算方法

お店の規模によっても異なりますが、店の収容人数やテーブル数から必要なホールスタッフ数を求めることが可能です。

店舗運営に必要なホールスタッフを求めるには次の計算式を用います。

「収容人数÷4(=適切なテーブルの数)÷4=適正人数」

仮に、収容人数が50人のお店があるとしたら、ホールスタッフは3人程度必要になります。

ここに、店長はもちろん、調理スタッフや洗い場に配置するスタッフを考慮すると合計で7~8人前後のスタッフが必要になるでしょう。

とはいえ、この人数はあくまでピーク時の人数であり、アイドルタイムは少ない人数でお店を回すことも可能です。

そして、一度スタッフ数を決めた後は「人時売上高」と「FL比率」にも目を向けるようにしてください。

人時売上高

「人時売上高」とは、1人のスタッフが1時間でどれだけの売り上げを出したかを数値化したもので、理想的な金額は5,000円前後とされています。(平均値は3,000円~4,000円程度) 人時売上高の計算式は以下の通りです。

人時売上高=店舗の月間売上高÷店舗の月間総労働時間

月間の売上高が280万円として月間の総労働時間が640時間である場合、人時売上高は4,375円です。 理想値である5,000円には達しないものの、平均値を上回っていることからスタッフ数は適正であると考えられるでしょう。

ただ、人時売上高が高ければ高いほどいいといったものではない点にも、注意が必要です。 人時売上高が高いということは、それだけスタッフ数が少ないということになり、場合によってはスタッフに必要以上の負荷がかかっている可能性があります。

現場の声を聞きつつ、適切なスタッフ数を調整していくようにしましょう。

FL比率

人時売上高と併せて押さえておきたいものに、「FL比率」があります。 FL比率とは、F(食材費=Food)とL(Lobor=人件費)を足して求めた比率のことで、自分のお店が儲かっているかどうかを判断する指標になります。 FL比率の計算式は以下の通りです。

FL比率=(F⦅食材費⦆+L⦅人件費⦆)÷売上高

FL比率は一般的に55~60%が望ましいとされており、50%以下であればかなり効率よく店舗を運営できているといえるでしょう。 また、F(食材費)は30%前後、Lは25%前後を目安としてください。

もちろんお店の業態や状況によってFLは左右されるものの、60%を超えてしまっている場合には、改善できるポイントがないか一度見直すことをおすすめします。

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人件費の比率はどれくらいが理想なのか?

さて、飲食店における適切なスタッフ数とその考え方を理解したところで、人件費の比率について気になる方も多いですよね。 人件費を考える際は、「売上高人件費率」を確認してみましょう。

売上高人件費率は、会社の売上高のうち人件費がどの程度の割合を占めているかを示した指標のことで、以下の計算式によって求められます。

売上高人件費率=人件費÷売上高×100

売上高人件費率も業種によって理想となる数値が異なりますが、一般的に飲食店の場合には30%以内に収めるようにしましょう。

また、30%を上回ってしまった場合の比率の下げ方ですが、上記の「人件費」には給与や賞与のほかに採用コストも含まれています。 そのため、採用コストを抑えれば売上高人件費率を低く抑えることが可能です。

採用コストを抑える方法として、早期離職を防ぐ環境づくりはもちろんのこと、求人広告媒体や人材紹介会社を見直す方法が挙げられます。 実店舗の状況を振り返り、問題があると感じる場合にはまず、採用コストの削減から積極的に取り組むことをおすすめします。

飲食店のスタッフはどうやって採用すればいい?

飲食店 悩む人

飲食店におけるスタッフの採用方法は大きく分けて、以下の2つです。

  • 求人広告を掲載する
  • 自店の採用サイトを作る

ここではそれぞれの採用方法について、見ていきましょう。

求人広告を掲載する

最も一般的な方法が、紙媒体やWeb媒体を利用した求人広告の掲載です。

ターゲット層によって使用する媒体を考える必要がありますが、いずれも一定のコストがかかるケースが多く、利用前によく検討するようにしましょう。

また、昨今ではさまざまな求人広告掲載方法や採用支援ツールがありますが、手始めに採用支援ツールを利用するのであれば『採用係長』がおすすめです。

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自店の採用サイトを作る

採用コストを最大限カットしたい場合、自店のホームページで求人情報を掲載したり、店舗に求人の張り紙をするといった方法もあります。

自店の採用サイトを作ることで、店舗として伝えたいメッセージや店舗の雰囲気、一緒に働く人など、求人票だけでは伝えられない情報を伝えられます。 求職者は採用サイトに記載されている情報を見て、店舗に共感・理解した上で応募や問い合わせを行うでしょう。

そのため、他の求人方法に比べて意欲の高い人が応募してきやすいことにくわえ、求職者と店舗間における採用後のミスマッチを減らすことができるかもしれません。

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他にもコストを抑えられることに加え、近隣の住民や来店客にアピールできるといったメリットがありますが、範囲が狭いために応募が限られてしまうといったデメリットも存在します。 そのため、基本的には他の求人方法と併用することをおすすめします。

また、お店のオープニング時は反応が取りやすいこともあり、求人の張り紙を必ず軒先に掲示したり、採用サイトでオープニングスタッフ募集であることを記載しておきましょう。

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まとめ

今回は飲食店における適切なスタッフの人数や配置について、お伝えしました。

人員配置はお店を効率的に運営していくうえで、欠かせない経営戦略の一手法です。

現状をきちんと把握し、店舗における適正なスタッフ数を把握したうえで、コストをなるべく抑えた採用をするように心がけましょう。

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この記事を書いた人
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採用Webマラボ編集部

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監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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