話題の「スクラム採用」について|効果やメリット・デメリットを徹底解説

今注目を集める採用手法「スクラム採用」。人事・採用担当者だけでなく社員全体が採用活動に関わることで、優秀人材を採用していこうという手法です。

では、スクラム採用とは具体的にどういった手法を指すのでしょうか。そしてどんなメリット・デメリットがあり、どうすればスクラム採用を成功に導くことができるのでしょうか。

今回の記事ではスクラム採用を成功させるための基礎知識を解説します。

スクラム採用という言葉は、株式会社HERP様が作った名称。記事後半では、同社が提供するスクラム採用専用の採用管理プラットフォーム『HERP(ハープ)』についても紹介します。

スクラム採用とはどういうものか?

スクラムとは、ラグビーでフォワード8人が肩を組み、相手チームのフォワードと押し合うフォーメーションを指します。これが語源となり、大勢で一丸となって何かを成し遂げることを、スクラムを組むと例えることがあります。スクラム採用は、まさにこのスクラムから来ている採用手法です。

従来の採用活動は、人事・採用担当者が主導で行うものでした。現場の社員に採用業務を手伝ってもらうことはあっても、あくまでも簡単な一次面接や先輩社員面談、説明会などのイベントなど。現場の社員が主体になるというより、人事・採用担当者のサポートが中心です。

これに対してスクラム採用は、部署の垣根を超え、人事・採用担当者だけでなく現場の社員たちも主体となって行う採用活動のことを指します。

リファラル採用や縁故採用という言葉はご存じでしょうか。これは現場の社員が知り合いや友人、家族などを紹介し、面接へとつなげていく採用手法です。確かにこれも社員主体で始まる採用活動ですが、リファラル採用や縁故採用が「人材の紹介だけ」に留まるのに対して、スクラム採用は求人作成や面接、選考、イベント、コミュニケーション、内定後のフォローなど採用活動全般に関わっていくことになります。

人事・採用担当者個人ではなく組織全体で目線を合わせて採用活動を行うことで、優秀人材の確保や社員の定着率向上へとつながります。

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スクラム採用のメリット・デメリット

たくさんの社員を巻き込んでプロジェクト化しながら動かしていくスクラム採用。今注目を集める優れた採用手法のひとつではありますが、当然ながらメリットとデメリットの両面があります。

メリット

優秀な人材に出会う可能性を高める

採用活動を行う際、まずは現場社員に確認の上、採用要件を設定します。その上で履歴書・職務経歴書などを確認し、さらに面接にて活躍できるかを見極め…と採用活動を進めていきます。

しかし人事・採用担当者は、現場業務の専門家ではありません。知識・技術を見極めるとなると、知見が足りずに判断を誤ってしまうこともあるでしょう。

スクラム採用であれば、現場の社員が自ら採用要件を設定し、書類選考・面接を行うことで、より自社で活躍できる社員を見極めることが出来るようになります。これまで見逃してしまっていた活躍人材を迎えられる可能性も高くなるでしょう。

人事・採用担当者の負担を減らせる

人事・採用担当者の業務負担は大きく、新卒採用に中途採用、社内の人事業務など、多岐にわたります。人員が足りずに、業務負荷が大きくなってしまっている企業は多いのではないでしょうか。

スクラム採用の場合、もちろん人事・採用担当者も採用活動に関与しますが、「プロジェクトオーナー」、つまり管理者として携わります。実働はプロジェクトに参加する現場社員が中心となるため、人事・採用担当者の業務負荷を減らすことにつながります。

デメリット

現場社員の負担が大きくなる

スクラム採用は本来採用活動には携わらない社員を動員するプロジェクトなので、当然ながら現場の負担は大きくなります。採用活動の負担次第では、本来すべき業務の量を減らさなければならず、業績が下がることもあり得ます。

だからこそスクラム採用を行う際は、現場の業務状況や繁閑を見極め、極力負担がかからないように、また人件費などのコストがかかり過ぎないように調整する必要があります。

人事・採用担当者のマネジメント力が必要

スクラム採用を取り仕切るのは、プロジェクトオーナーとなる人事・採用担当者です。採用に関する知識・経験が少ない現場の社員たちを指導・管理しながら、上手にプロジェクトをまとめ上げて成功に導いていくマネジメント力が必要です。

プロジェクトメンバー同士の情報共有が重要

プロジェクトの進捗や採用活動の状況、求職者とのやり取りなど、スクラム採用においてはメンバー同士の情報共有が重要です。

しかしメンバーは現場での業務と並行して採用活動に携わるため、連絡が行き違ったり、忘れてしまったりということも。またメンバーの数が多くなると、個々で共有方法や判断基準が変わってしまうこともあります。

こうした伝達ミスは採用の効率を落としてしまうだけでなく、求職者に迷惑を掛けてしまうことにもつながります。だからこそ、採用に関する目線合わせや情報共有の手段などは、プロジェクト開始の前にきちんと練っておく必要があります。

スクラム採用の効果と成功ポイント

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スクラム採用が有効だからといって、「じゃあさっそく今日から始めてみよう」というわけにはいきません。まずはスクラム採用を行うことでどんな効果を得たいのか、そしてどうすれば成功に導けるのかを整理し、関わるメンバー同士で共有しておくことが大切です。

スクラム採用の効果

スクラム採用は、求職者にとっては「採用への意欲が高い会社」「全員一丸となって雰囲気がいい」「大切に選考してもらえている」などの印象につながります。ゆえに企業への志望度が上がるという効果も期待できます。

また選考時から複数の現場社員とコミュニケーションを取ることで、業務内容や社風の理解促進にもつながります。入社前から雰囲気を知ることで、「思っていたものと違った」というミスマッチ防止につながり、結果的に入社後の定着率も上がります。

もちろん優秀人材の採用や社内コミュニケーションの活性化なども、スクラム採用の効果の一例です。何を重要指標とするかは企業ごとに異なりますが、どんな効果を目指すのかをメンバー全員で言語化し、共有しておきましょう。

スクラム採用の成功ポイント

スクラム採用は関わる人数が多いがゆえに、成功に導くためのポイントも通常の採用活動とは異なります。ここでは他社の事例を交え、成功のポイントを2つご紹介します。

採用への意識作り

スクラム採用は、携わる社員全員の士気が重要です。通常業務に加えて採用活動に携わるため、以下に採用への意識を高く持てるか、採用目標にコミットできるかなどが成功を左右します。そのためには、常日頃より採用業務の重要性を社員に伝えていくことが重要です。

早くからスクラム採用に取り組んでいる株式会社メルカリ様などは、経営陣が全社員に向けて度々採用の重要性を説いています。こうした取り組みが社員の採用への意識を醸成し、スクラム採用を成功へと導く起点となります。

参加・発信しやすい環境作り

現場の社員から参加メンバーを募るため、プロジェクトに参加しやすい環境、そして役職や年次に関係なく発信しやすい雰囲気を作ることが重要です。プロジェクト参加メンバーは現場での業務負担を若干減らすような工夫をするなど、会社全体としてのバックアップも必要です。

プロジェクトメンバーに裁量を与える

採用の方針や基準、最終決定などは、経営陣が判断を下すケースが多いかと思います。しかしスクラム採用の場合は、プロジェクトに関わるメンバーが採用要件の検討から面接・選考まで全てを行っていきます。

もちろん最終面接などでの合否判断は経営陣などがすべきかもしれませんが、方針決定に関する裁量は、プロジェクトを作り上げるメンバーに任せるべきです。

スクラム採用ツール「HERP(ハープ)」について

冒頭でも少し紹介しましたが、スクラム採用という言葉を生み出したのは株式会社HERP様です。この企業はスクラム採用を定義化し、スクラム採用専用のツール「HERP(ハープ)」を開発・提供しています。

HERPで出来ることは、

  • 求人票の作成・公開や求人媒体からの情報連携
  • メッセージの管理
  • リファラル採用・社員紹介
  • 面接スケジュールの管理
  • 効果分析など

採用活動に必要なものは、基本的に全て組み込まれています。

またSlackやChatworkとも連携しており、スクラム採用に参加するメンバー同士のスムーズなコミュニケーションも可能です。

ベンチャー・スタートアップから上場企業まで、200社以上がこのHERPを導入しており、中にはミクシィやクラウドワークス、BASE、日本経済新聞社なども名を連ねています。

スクラム採用はまだまだ新しい採用手法ですが、今後さらに多くの企業が導入する手法となるでしょう。学生や求職者側も、より多くの社員とコミュニケーションを取れるスクラム採用に価値を感じるようになるかもしれません。まだまだ黎明期の今こそ取り入れるべき手法なのではないでしょうか。

まとめ

ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、ソーシャルリクルーティング、そしてスクラム採用など、毎年のように新しい採用手法が生まれています。当然ながら企業もその手法を取り入れ、対応していく必要があります。

スクラム採用がこれまでの採用手法と大きく違うのは、採用をプロジェクト化し、たくさんの社員を巻き込んで動かしていくという点です。メリット・デメリット両面がありますが、上手に活用すれば優秀人材と出会える可能性は間違いなく上がります。

今回の記事では、スクラム採用専用ツールの「HERP(ハープ)」をご紹介しました。HERPはスクラム採用専用ツールの先駆者ですが、もちろんコストが掛かります。月額で29800円からで、採用規模によって料金は変わります。数ある採用管理ツールの中でも若干コストが高めという評価もあるようです。

もし低コストで採用管理ツールを使ってみたいのであれば、『採用係長』がオススメです。まずは無料で利用でき、求人票作成や応募者対応、効果測定など採用に必要なほとんどの機能が使えます。社内のコミュニケーションツールなどと併用すれば、スクラム採用にも充分活用できるツールです。

何より無料で始められるため、リスクもありません。「試しに採用管理ツールを始めてみたい」という人事・採用担当者にオススメしたいツールです。

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採用Webマラボ編集部

採用に関するお悩みならお任せ!採用業界に精通しており、Indeedや求人ボックスなどの求人検索エンジンから、リスティング・ディスプレイ広告などまで幅広い知識を持った、採用Webマーケティングのコンサルタントなどが記事を執筆していますm(_ _)m

監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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