インターンシップを企業が実施するメリット・デメリットとは?メリットを高める2つの秘訣

インターンシップ 囲む人

新卒採用において、優秀な人材の確保が難しくなってきた昨今、インターンシップの重要性を改めて見直す企業も増えています。

しかし、インターンシップを実施するには、計画から実施まで手間がかかるので、実際に始めることをためらっている採用担当者の方も多いのではないでしょうか。

変化の目まぐるしい採用市場で、インターンシップを行うことのメリットやデメリットは何があるのでしょうか。

ここでは、インターンシップで考えられるメリット・デメリットをご紹介します。

社会の流れから見たインターンシップの3つのメリットとは

まず、変化する社会の中で、インターンシップの立ち位置・そのメリットもまた変化が起きています。

社会環境の変化に伴い、現在のインターンシップでは下記のようなメリットが期待できます。

  • 就活時期の変化に対応して、早期に優秀な学生とコンタクトが取れる

  • 有効求人倍率の上昇への対策として、若手人材を確保できる可能性が広がる

  • 学生のインターンシップ参加率の増加を受けて、多くの学生と出会える可能性が広がる

就活時期の変化に対応して、早期に優秀な学生とコンタクトが取れる

従来から就職活動のスケジュールは、経済団体連合会(経団連)の指針に基づいて行われており、2015年までは大学4年生の4月から採用選考活動が開始されていました。

そんな中、「学生の就職活動の負担を軽減する」ことを目的に、2016年からは8月、2017年以降は6月からと、従来の4月開始とは遅めに採用選考を開始する動きが取られました。

できるだけ早くから学生と接点を持ちたい会社は、インターンシップを行うことで早期に学生と接点を持ち、より選考を有利に進めることができるメリットが出てきたのです。

今後、経済団体連合会(経団連)は就活ルールを廃止し、新たなルールを定める議論が続いていますが、現在のところ2021年卒春入社までは、現状の就活スケジュールで実施されることが決定しています。

その後も通年採用のような流れになると、より就活で優位に立つために、インターンシップを活用するメリットが高まり、必須になる可能性もあるでしょう。

なお、インターンシップの参加者は1次面談免除など、実際には早期から選考に組み入れる形式で、インターンシップを実施している企業もあります。

有効求人倍率の上昇への対策として、若手人材を確保できる可能性が広がる

有効求人倍率の推移

引用:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「図14 有効求人倍率、新規求人倍率」

人口減少により有効求人倍率は、毎年着実に上昇を続けています。

今後、出生率が変わらない限り、働ける世帯の人口はますます減少すると見られており、企業による若手人材の獲得は、ますます激化することが考えられます。

インターンシップは企業側と学生の相互理解が図れ、採用時のミスマッチや内定辞退を防ぐことができます。

また、インターンシップで実際の業務を体験することにより、入社後のギャップもなくなるので離職防止につながる側面もあります。

インターンシップ参加率の増加により、多くの学生と出会える可能性が広がる

インターンシップ参加の割合。データは以下参照

引用:リクルート就職みらい研究所「就職白書2019」

早くから就職活動に取り組もうとする学生が多く、インターンシップの参加率は上記の通り、2018年から55%を超えて上昇しています。

今後ますます、インターンシップに参加する学生が増えることで、より多くの優秀な学生と出会える可能性も増えます。

従来の新卒採用選考のプロセスでは、お互いの相互理解を深める機会が少なく、判断が難しいこともありましたが、インターンシップを実施することで、お互いを深く理解でき、伝えることができるよい機会となります。

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インターンシップは種類ごとにメリット・デメリットはある?

全体的なインターシップのメリットを見てきましたが、インターンシップの種類ごとのメリット・デメリットはあるのでしょうか?

大まかにインターンシップの種類別に、下記の表でまとめました。

 

インターンシップの内容 メリット デメリット
短期・1day

・オフィス見学
・1日業務体験
・社員との座談会

・職場の雰囲気を伝れる

・学生が参加しやすい

・会社のことを十分に伝えきれない

・仕事理解が浅くなる

中期(5日 ~1ヶ月程度)

・業務経験など本格的な課題に取り組む

・会社や事業内容を理解してもらえる

・事業アイデアが生まれることがある

・ミスマッチが発生することもある

・実際に働くイメージを持てないこともある

長期(数カ月~半年程度)

・OJT形式で実際の業務に着手

・入社後のミスマッチが少ない

・入社後の定着率を高める

・手間や人員を要する

・学生の時間拘束が長い

インターンシップは短期の場合、より多くの人に会社を知ってもらえる機会が増えるものの、事業や仕事の内容など会社の深い内容について理解してもらうことは難しいでしょう。

中長期のインターンシップであれば、企業がインターンシップにかける労力の負担が大きくなりますが、その分、会社を深く知ってもらい、コミュニケーションも密に取れることから、入社確率や定着度が高まる点がメリットでしょう。

ただし、中長期でのインターンシップでは学業などで忙しい学生の負担になる可能性があるので、学生の希望を配慮する会社も増えています。

企業としてのメリットとデメリットを比較しながら、どのようなインターンシップが適しているかを考えて実施するとよいでしょう。

インターンシップのメリットを高める2つの秘訣とは

インターンシップ行うことで、企業と学生で相互のコミュニケーションを深め、最終的には優秀な学生に入社してもらうことが一番の目的です。

インターンシップを成功させる秘訣は、下記の2点を踏まえてインターンシップを実施することです。

インターンシップでの学生のニーズを押さえる

インターンシップ参加を通して学生が期待することは、仕事の内容、業界、事業内容、職場の雰囲気を知ることです。

そのため、学生のニーズを汲んで、理解してもらいやすい内容にすることが大切です

実施しても学生の満足度が低いと、自社を志望する学生も少なくなるため、上記を重点的に伝えられるインターンシップの内容にしましょう。

希望職種をふまえたインターンシップの内容が望ましい

希望する職種によって、インターンシップの内容を工夫することも大切です。

例えば、営業職とエンジニア職の希望者では、インターンシップで求める内容に違いがあります。

ITエンジニアなどの専門職種は、既に専門分野で即戦力として仕事ができる状態なので、具体的にどんな仕事をするのか」「仕事の内容が自分のスキルアップや経験値につながるか」などより具体的なことを知りたいと考える傾向があります。

営業職を希望している場合は、ビジネスの前線に立って顧客とのやり取りをすることをイメージしている学生も多いです。

顧客層がどういったところか、また営業スタンスがどうなのかといった部分を感じてもらうため営業会議に同席してもらい、実際の営業先に同行するなど、実践的なインターンを実施している企業もあります。

学生の志望している職種を把握して、アプローチすることが大切です。

まとめ

インターンシップは学生からの注目度も高く、これまでの採用フローでは人材確保が難しくなった今、企業にとっては欠かせない取り組みになる可能性があります。

メリットやデメリットもありますが、まずは自社のできる範囲でインターンシップを始めてみてはいかがでしょうか?

<参考文献>

日本経済新聞「21年卒の9割超「インターン参加予定」 早くも就活モード」

リクルート就職みらい研究所「就職白書2019」

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この記事を書いた人
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採用Webマラボ編集部

採用に関するお悩みならお任せ!採用業界に精通しており、Indeedや求人ボックスなどの求人検索エンジンから、リスティング・ディスプレイ広告などまで幅広い知識を持った、採用Webマーケティングのコンサルタントなどが記事を執筆していますm(_ _)m

監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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