【令和5年最新版】内定承諾書とは?捺印は必要?入社承諾書との違いも解説。

採用にあたって会社と求職者がやり取りする書類の1つ、「内定承諾書」。
求職者は、内定をもらってから実際に入社するまで、不安でいっぱいです。
内定承諾書は、会社側にとって「当たり前」の書類ですが、求職者には丁寧に説明することが望ましいといえます。

求職者への丁寧なフォローは、入社意欲の向上にもつながります。
モチベーションを高めてポジティブな意識で入社してもらうためにも、内定承諾書の取り扱いについて求職者のニーズを知って対応することが大切です。

この記事では、内定承諾書の概要や提出方法、送るタイミングなどの基礎知識を、求職者側のニーズを踏まえて紹介します。
会社の採用担当者はもちろん、内定承諾書について知りたい求職者もぜひお役立てください!

内定承諾書とは?内定通知書や入社承諾書との違いは?

内定に関連して会社側が発行する書類には、さまざまなものがあります。
その中で「内定承諾書」は、「求職者が会社に内定承諾の意思を伝え、入社を誓約する書類」です。
一般的には、会社が発行して内定者に送付し、必要事項を記入のうえ返送してもらいます。(詳細は後述)

内定者には、入社の意思が固まった時点で提出してもらうよう案内するのが望ましいでしょう。
求職者側が自発的に準備して送付するケースもありますが、記載方法を一から調べてもらうことになるため、会社側が用意するほうがスムーズに進みます。

内定通知書や入社承諾書との違い

「内定通知書」「採用通知書」は、文字通り「内定や採用を通知するもの」です。
つまり、求職者がこれらの通知書を確認したあとに、内定承諾書を提出する流れになります。
内定通知書を送る際に内定承諾書を同封し、内容確認・署名捺印のうえ返送してもらう流れが一般的です。

内定承諾書と似ている言葉が「入社承諾書」です。
入社承諾書は内定承諾書と同じ意味を持つ書類で、会社によって呼び名が違うだけなので、そこまで気にする必要はありませんよ!

内定承諾書の法的拘束力について

過去の判例を参考にすると、会社が内定を出して労働者が合意した時点で、両者の間には「始期付解約権留保付労働契約」が成立します。(最高判 昭和54年7月20日「大日本印刷事件」)
(出典:最高裁判所判例集

「始期付解約権留保付労働契約」とは、労働開始時期は決まっているものの、それまでの期間に社会通念上相当な理由があれば、契約を解消できる制度です。
たとえば、内定者が犯罪行為をした場合や、在籍中の学校を卒業できなかった場合が挙げられます。

また労働契約は、労働者が2週間前に申し出れば解約できると定められているので(民法627条)、実質的には、学生に対する法的拘束力がありません。
基本的には内定承諾書の提出後でも内定辞退は可能です。

内定承諾書の提出方法について

特に社会人経験がない学生であれば、「内定承諾書をどのように提出するのだろう」と疑問を持つケースが少なくありません。

内定承諾書の提出方法として一般的なのは、下記の2通りです。

・添え状を同封して書面で送付する
・会社から案内し、メールでのやり取りで完結させる

近年は、メールをはじめとした電子的なやり取りが増えています。
書面の場合、添え状の作成や投函などの手間が発生します。
メールであれば書面でのやり取りに比べて求職者の負担を減らしやすいので、会社としてルールやこだわりがなければ、活用を検討すると良いでしょう。

ただし、情報漏えいのリスクが伴うため、個人情報の取り扱いには注意が必要です。

求職者が提出方法に疑問を抱いた場合、インターネットで検索したり、周囲に確認したりして、上記2つの方法があることを知るはずです。
負担を減らしてあげる意味でも、会社が最初から案内することをおすすめします。

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内定承諾書を送るタイミングについて

会社側が内定承諾書を送るタイミングとしては、「内定を決めてからすぐ」がベストです。
ほとんどの求職者は同時に他社の選考も受けているので、内定を伝えるのが遅れるほど、自社に入社してくれる可能性は低下してしまいます。

求職者が内定承諾書を提出する期限は、会社ごとに決められます。
とはいえ、提出期限が短すぎると求職者にとってプレッシャーになりますし、長すぎると自社の採用活動が停滞するでしょう。

1週間~1か月間を目安に、採用計画や自社の方針に合わせて期限を設定することがおすすめです。

内定承諾書に記載する内容

先ほど少し触れましたが、内定者に「内定承諾書」を送る際は、ほかに「内定通知書」や「労働条件通知書」を同封します。
入社までのスケジュールや入社式の案内、その他連絡事項・注意事項などを同封する会社も多いです。

内定承諾書に盛り込むべき基本事項は、以下の4点です。

・内定通知書を受け取った年月日(年月日は空欄にし、内定者自身に記入してもらう)
・入社を承諾した旨
・内定者本人の氏名と捺印欄
・保証人氏名と捺印欄(必要がある場合のみ)

上記をベースにし、会社ごとに必要な項目を記載してください。

内定取消事項の記載も忘れずに!

これらにプラスして記載したほうが良いのが、「内定取消事項」です。
内定と取り消しは、社会通念上相当な理由のみ認められます。

具体的には、下記のような内容が挙げられます。

(1)内定者が単位取得不足などで在籍校を卒業できなかった場合
(2)内定者が病気やケガなど健康上の理由により働けない状態になった場合
(3)内定者が犯罪行為をした場合
(4)内定者に重大な経歴詐称があった場合
(5)会社の業績悪化などにより、整理解雇の要件を満たす場合

内定を出した時点で労働契約が成立していることから、会社側からの一方的な契約解消は、「違法な解雇」として扱われる可能性があります。

しかし、上記のようにやむを得ない事情については、労働契約の解消が認められる場合もあるため、承諾書にも事前に明記しておきましょう。

「内定期間中に下記事項が生じた場合は、採用内定を取り消されても不服申し立てはいたしません。」という文言とともに記載しておくことがおすすめです。

まとめ

採用にあたっては求職者と多くのやり取りが発生するため、一つひとつの書類がどのような目的で必要なのかを、しっかり理解しておくことが重要です。
書類のやり取りがスムーズに進めば、業務の煩雑化防止になりますし、求職者の不安を落ち着かせることにもつながるでしょう。

以前は紙ベースが主流だった内定承諾書ですが、近年はメールをはじめとした電子的なやり取りが増えています。

取り扱いの仕方は決まっていないので、会社や求職者のニーズを踏まえて、ベストな対応を考えることがおすすめです。

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