「職場見学会を実施しようと考えているけど、具体的に何をすればいいのだろう?」
このように考えている企業の人事採用担当の方もいるのではないでしょうか。
職場見学会を実施すれば、見学者に自社の仕事内容の理解を深めてもらえるだけでなく、内定辞退の防止につながる効果もあります。
しかし、その期待に反して職場見学会を行ってもなかなか簡単には上手くいきません。職場見学会を成功させるためには、事前に注意すべきポイントを把握した上で念入りに準備することが大切です。
この記事では、そんな職場見学会の概要や実施する際のメリット・デメリット、開催方法、注意点などを詳しく解説していきます。
職場見学会の実施を検討されている企業の人事採用担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
職場見学会とは?
職場見学会とは、内定者フォロー・採用広報施策の一環で、職場の様子や雰囲気、入社後の業務内容について知りたいと考える内定者・採用候補者に対して行うものです。
職場見学会では、見学者自身が入社した際に働くことになる場所を見学し、直接先輩社員と話す機会や業務の一部を垣間見る機会を得られます。そのため、入社前に抱える不安の解消やモチベーションアップにつながる大切な施策です。
また、内定者の入社意欲を高める効果も期待できるため、複数回に分けて入社前に職場見学会を実施する企業もあります。
職場見学会の目的
職場見学会を実施する目的は、自社の事業や業務内容への理解を見学者に深めてもらうことです。
入社前に自社への理解が深まることで、働くことに対する不安の解消や、入社後の「イメージと違った」というギャップを極力減らせるため、離職防止につながります。
職場見学会では主に、入社後に配属予定の職場や施設、工場などに見学者を案内するのが一般的です。先輩社員が同行して社内を案内しながら、事業や業務についての説明を行います。内定者からの質問に随時応じながら説明すると尚良いでしょう。
職場見学会を実施している企業の中には、テーマを決めてグループワーク形式で職場見学会を実施するところもあるそうです。
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職場見学会のメリット
職場見学会を実施する最大のメリットは、見学者と時間をかけてコミュニケーションが取れるため、相互理解を促進できることです。
見学者にとっては、自分が働くことになる職場や施設の様子、業務で扱う備品やツールなどについて確認できるため、事業や業務への理解が深まります。
具体的に会社で働くイメージが持つことは、内定辞退の防止にもつながるでしょう。
一方で、企業側にとっても応募書類や面接だけでは知ることができない、内定者・採用候補者の側面を知れるため、より多角的に人材を見極められるメリットがあります。
職場見学会のデメリット
職場見学会のデメリットは、現場社員を巻き込むため、人件費などの追加コストや周囲の協力が必要になることです。
当日の職場見学会の内容や、注意事項などについて関係者で打ち合わせをしたり、職場見学会が終わった後に振り返りを行なったりと、やることが多く時間もかかります。
職場見学会は、現場社員の協力を仰ぐ場面が多く、人事採用担当者だけで完結することはありません。そのため、日頃から関係部署との連携や、良好な関係を築いておくことが大切です。
職場見学会の開催方法
企業が職場見学会を開催するには、
- 独自に開催する
- ハローワーク・自治体を通じて開催する
の2つの方法があります。それぞれ詳しく紹介していきます。
独自に開催する
1つ目は、独自に開催する方法です独自に開催する場合は、企画から実行まで全て自社で取り仕切るため労力が必要となりますが、日程や内容に縛りが無く自由に開催できます。職場に来て雰囲気を知ってもらうだけでも効果はありますが、現場社員との座談会を実施したり、選考では案内できなかった施設を紹介しても良いでしょう。
特に地方企業の場合、内定辞退を防ぐ意味でも職場見学会を実施するのは大変有効です。地方で暮らす上での環境や魅力を手厚くフォローすることで、見学者の自社への信頼度や安心感が増します。
また、今年はコロナウイルスの影響もあり、オフラインでの職場見学会を実施するのが難しい場合は、オンライン上で職場のバーチャルツアーを実施するのも一つの手段です。たとえ直接実施するのが難しくても、何もやらないよりは効果があるでしょう。
ハローワーク・自治体を通じて開催する
2つ目は、ハローワークや自治体が企画する職場見学会に参加する方法です。ハローワークや自治体を通じて開催するケースでは、自社のように時間や日程を好きなように決められるわけではありませんが、自社で開催するのが難しい場合には有効な手段です。
実際にどういう企画が行われているかについては、自治体や最寄りのハローワークに問い合わせてみると良いでしょう。
職場見学会の開催する上で注意すべきポイント
メリットが多い職場見学会ですが、実施するにはいくつか注意すべきポイントがあります。ここでは、職場見学会を実施する際に、具体的に注意すべきポイントを4つ紹介します。
安全管理の徹底
見学者に工場や建設現場など危険が多い場所を案内する場合、事故や怪我などが起きないように注意する必要があります。安全な案内ルートの確保、ヘルメットなどの安全用具の用意はもちろんのこと、もし何かあった際の対応についても、事前に協議しておきましょう。
機密情報の漏洩や精密機器の破損
内定者や採用候補者と言っても、入社前はあくまでも第三者の立場であることを企業側は忘れてはいけません。
万が一職場見学会で知り得た企業の機密情報が漏れると、大きなトラブルにつながってしまう恐れがあります。
そのため、機密情報の漏洩や精密機器の破損について、企業はリスク管理をしっかり行う必要があります。職場見学会の内容や場所によって、公開ができるか否かを見極めて、事前に社内の関係者にも周知しておくことが大切です。
しっかり挨拶をする
職場見学会に来た見学者に積極的に挨拶をするように心がけましょう。最近では、企業の良し悪しを判断する軸として社員がしっかり挨拶ができるかどうかを見ている内定者・採用候補者もいます。
ただし、挨拶する習慣が社内風土として根づいていないと、すぐにはできるようになりません。
そのため、日頃から来訪者に対してや従業員同士で挨拶を徹底することはもちろん、当日見学者と関わる社員は、挨拶だけでなく身だしなみや立ち居振る舞いにも気を配りましょう。
見た目や挨拶ができるかどうかで企業の印象は大きく変わるので、ないがしろにしないように注意してください。
社内の環境に気を配る
職場見学会では職場内を案内することもありますが、その職場が汚なければ見学者は幻滅してしまうかもしれません。最悪の場合、内定辞退につながることもあります。挨拶と同じように掃除や片付けができているかを細かく見ている見学者もいることを忘れないようにしましょう。
自身が働くことになる職場が汚ければ、印象が悪いのは言うまでもありません。そのため、日頃から掃除・片付けを徹底する必要があるのはもちろんのこと、実際に働いている従業員の声を聞きながら職場環境を改善していくことも大切です。
まとめ
職場見学会は、見学者の入社意欲を高めたり、企業理解を深めるため、内定者フォロー・採用広報の中でも重要な施策です。企業だけでなく学生にとってもメリットは大きく、お互いに理解が深まるため、入社後のギャップの減少や仕事へのイメージをより一層膨ませる効果があります。
しかし、機密情報漏洩のリスクや、安全管理には注意を払わなければなりません。そのため、事前に気をつけるべきことについて、職場見学会に携わる関係者で確認することが大切です。
また、直接来てもらって職場見学会を実施するのが難しい場合はバーチャルツアーで実施するのも一つの手段です。どのような形で実施するにしても、企業や仕事への理解が深まるように工夫を凝らし、会社全体で有意義な職場見学会を作り上げる意識を持ちましょう。
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