【事業者向け】採用証明書とは?記入方法と必要な理由を解説します!

採用証明書は、新たに雇用する従業員から記入を求められる書類のひとつです。
ただし、採用証明書が必要となるケースは限られています。そのため、人事担当者や事業者でも、書き方が分からない人は多いでしょう。

本記事では、採用証明書が必要な理由や具体的な書き方を解説します。記入時に間違いやすい注意点も踏まえて解説するため、採用証明書の書き方に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

そもそも採用証明書とは?

採用証明書とは、失業手当を受給している失業者の再就職を証明する書類です。そのため、転職者を採用した場合に記入を求められることが多いでしょう。

失業者が再就職した事実を証明できるのは、再就職先の企業のみです。

ハローワークでは、提出された採用証明書の内容をもとに、さまざまな手続きを進めます。そのため、事業者側は、責任を持って正しい内容を記入することが重要です。

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採用証明書が必要な理由

採用証明書をスムーズに記入するために、採用証明書が必要な理由を明確にしておきましょう。

採用証明書が必要な理由は、以下の2点です。

失業手当の受給を停止するため

失業手当は、失業期間の生活を補助する制度です。失業者が就職活動に集中し、少しでも早く再就職してもらうことを目的としています。そのため、再就職が決まった場合は、失業手当の受給対象から外れます。

ただし、失業手当は雇入日の前日まで受給可能です。再就職が決まった日付や、採用証明書を提出した日付で受給が停止する訳ではありません。本人が理解していないケースもあるため、事業者側も覚えておくと良いでしょう。

再就職手当を受給するため

失業手当の受給期間中に就職が決まった場合、失業者に再就職手当が支給されます。再就職手当は、無事に再就職先が決まったことに対するお祝い金です。

ハローワークでは、採用証明書の内容をもとに、再就職の事実や支給の可否を確認します。

なお、再就職手当の受給には、失業手当の受給日数が一定以上残っているなど、特定の要件を満たしている必要があります。そのため、失業手当を受給していたすべての従業員が、再就職手当の受給対象となる訳ではありません。

採用証明書の記入方法

【採用証明書-1】全体出典:雇用保険の給付を受けている皆さまへ|東京労働局 東京ハローワーク

上記は、東京労働局が公開している採用証明書の様式です。
採用証明書の様式は、自治体ごとに若干異なります。しかし、書き方や項目は基本的に同じです。

ここでは、東京労働局で使用されている様式をもとに、具体的な書き方を紹介します。本人記入欄・事業所記入欄・事業主証明欄ごとに、各項目でのポイントや注意点を踏まえて見ていきましょう。

本人記入欄

【採用証明書-2】本人記入欄

本人記入欄は、上記の画像に該当する項目です。
東京労働局のように、様式によっては「本人記入欄」や「事業所記入欄」の記載が無い場合があります。

しかし、記入ミスの防止や事務の簡略化などの観点から、氏名や生年月日、住所などは、本人にあらかじめ記入してもらうと良いでしょう。ハローワークでも、本人に書いてもらうよう推奨しています。

では、具体的な書き方を見ていきましょう。

支給番号

支給番号は、雇用保険受給資格者証に記載されています。
雇用保険受給資格者証は、失業手当の受給にあたって、ハローワークから失業者に発行される書類です。

本人しか確認できない情報であるため、忘れずに記入してもらいましょう。

氏名、生年月日、住所、電話番号

氏名や生年月日などの個人情報は、本人に記入してもらったうえで、事業者側でも確認することが望ましいです。雇用関連の書類などと照らし合わせながら、内容の整合性を確認しましょう。

なお、何らかの事情から、事業者側で本人記入欄を記入するケースもあるかと思います。事業者側で記入した場合は、本人にも内容を確認してもらってください。

事業所記入欄

blank

事業所記入欄は、上記の画像に該当する項目です。

事業所記入欄では、企業や採用した従業員に関する情報を記入します。雇用契約書や労働条件通知書などと照らし合わせながら、正確な記入が重要です。

具体的な書き方を見ていきましょう。

雇入(予定)年月日、一週間の所定労働時間

雇入年月日とは、雇用契約が開始される日です。特に記入を間違いやすい項目なので注意しましょう。
よく間違われるケースとしては、以下のパターンがあります。

例:4月1日付で採用した場合、以下は、いずれも雇入年月日を4月1日と記入します。

  • 4月1日が休日や祝日で、4月2日から出勤する予定である
  • 4月1~30日を研修期間とし、5月1日付で正従業員とする予定である
  • 4月1日を体調不良で休み、4月2日から出勤した

上記のほかにも、雇用契約の締結日や内定日などと間違われることも多いです。

事実と異なる日付を書いた場合、給付金の返還が発生することがあります。
また、採用した従業員との労使トラブルを招いてしまう可能性もあるため、かならず正しい日付を書くようにしましょう。

従業員数

従業員数の欄には、全体の従業員数を記入します。支社や支店、営業所などすべての事業所を含んだ従業員数を記入してください。
また、パートやアルバイトなどの非正規雇用労働者も含みます。正従業員だけの人数にならないよう、注意が必要です。

職種

職種の欄には、本人が日常的に従事する業務内容が分かるように記載します。例えば、「総務事務」や「保育士」、「商品訪問販売員」などです。

厚生労働省では、職業を11種類に分類し、該当する職種を挙げています。記入内容に迷った場合は、以下のページを参考にする方法もおすすめです。

厚生労働省編職業分類|厚生労働省

雇入年月日前の貴社における就労の有無

雇入日の前に自社での就業があったかどうか、有・無を選びます。本採用とする前に、パートやアルバイト、日雇いなどで一定期間働いていた場合は、「有」を選んでください。また、「有」の場合は、実際の就労期間も記入する必要があります。

採用経路

従業員を採用した方法について、該当する項目を選びましょう。ハローワークを経由した場合は、「ア. 安定所の紹介(関連機関含む)」が該当します。また、様式によっては、利用した機関の名称や住所、担当者名などの記入が必要です。

雇用形態

採用した従業員の雇用形態を記入します。

なお、契約上の雇用形態を記入することがポイントです。たとえば、パートであっても、1年などの長期間に渡って日常的に勤務する予定であれば、「常用」に該当します。

あくまで、自社において、従業員をどのように雇用するのかを基準にしてください。
記入方法に迷った場合は、「その他」の欄に書くか、ハローワークに問い合わせると良いでしょう。

雇用期間の定めの有無

再就職手当を受給するには、「1年以上の勤務が確実である」必要があります。そのため、雇用期間の有無は、再就職手当の受給に大きく影響する要素です。

有期雇用労働者を採用した場合は、「有」を選んでください。

事業主証明欄

【採用証明書-4】事業主証明欄

事業主証明欄は、書類の内容どおりに採用したことを、事業者の責任をもって証明するための欄です。
事業主証明欄には、以下の項目があります。

  • 事業所所在地
  • 事業所名称、代表者氏名、押印
  • 電話番号
  • 雇用保険適用事業所番号

なお、押印が無いと証明書の効力が認められません。従業員に渡す前に、押印を忘れていないかを再度確認しましょう。

提出期限

提出期限は、採用が決まってから雇入日の前日までです。

しかし、事業者側の事情で、勤務開始日以降でなければ発行できない場合もあるかと思います。発行が遅れる場合は、採用する従業員に早めに伝え、ハローワークに相談してもらいましょう。

また、記入内容に誤りがあった場合は、再提出を求められる可能性があります。その分、従業員への再就職手当の給付が遅れることが考えられるでしょう。

期限に余裕を持って、早めに作成することがおすすめです。

まとめ

採用証明書は、失業手当を受給している失業者の再就職を証明する書類です。

「失業手当の受給停止」と「再就職手当の受給」の2つの目的のために記入する必要があります。採用証明書の内容をもとにハローワークで手続きが進むため、事業者側は内容に誤りが無いように、責任を持って記入することが重要です。

本記事では、東京都の様式を用いて具体的な書き方を解説しています。
各項目におけるポイントや注意点も取り上げているため、ぜひ、採用証明書を記入する際の参考としてください。

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