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SEOコンサルタントから、物流スタートアップの人事へ。マーケティングの論理思考を活かした採用戦略とは?

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[公開日]2021.06.25
[更新日]2021.06.25

前職は、マーケティング会社でSEOコンサルタントという異色の経歴をもつ平井さん。株式会社プレックスに入社後、未経験で人事業務に就きます。現在は、ひとり人事として採用業務や戦略設計など人事業務全般に携わっています。

本記事では、平井さんがプレックスに入社した経緯や人事業務で大切にしていることについて話を伺いました。

SEOコンサルタントから、未経験で物流スタートアップのひとり人事に

ーーまず会社の事業内容と現在されているお仕事について教えてください。

株式会社プレックスは、2018年の4月に創業した物流業界に特化したベンチャー企業です。
物流業界は非常に大きなマーケットですが、まだまだ情報の非対称性が見られる業界で、特に採用面において顕著です。現在は運送会社とドライバーをマッチングする採用プラットフォーム「Driver JOB」の運営をしていて、毎月3,000名の新規登録、累計70,000人以上のドライバーに登録いただいている状況です。

最初はSEOマーケティング業務をしていましたが、入社して半年ほどで人事に着任し、キャリアアドバイザー、セールス、マーケティングの3セクションの採用業務、人事戦略業務に従事しています。

ーーこれまでの平井さんのご経歴についてお伺いしても良いですか?

学生時代はバンドサークルやアルバイトに打ち込むごくふつうの大学生でした。就職活動では、大手企業を受けずベンチャーを中心に見ていました。自分が所属していたバンドサークルは年功序列の文化がなく、演奏がうまい人か人柄が良い人が人気みたいな雰囲気でした。なので飲み会が強制参加だったり、体育会ノリだったりする場所が苦手なんですね。

そういう条件で会社を探していたら、デジタルマーケティング事業を行うナイルと出会い、学生インターンを経て2014年に入社しました。ナイルではSEOコンサルティング業務を中心に、RPA導入や自社メディアの運用、インターン生のマネジメントなどをしていました。

ーー転職しようと思ったきっかけは?

実は、ナイル時代の先輩がプレックスで取締役をしているんですね。ナイルには不満もなかったし、今でも全然仲良いんですよ。途中から副業で手伝うようになって、そのうちにプレックスの仕事もおもしろいと思い始めました。2018年10月にナイルを退職し、2人目の社員として入社しました。

ーー入社の決め手は?

決め手は3つあって、1つ目がプレックスの経営陣が優秀で面白かったことですね。2つ目がマーケットから事業を作る手法や考え方が解像度が高くて良いと感じたこと、3つ目が社名の「Play and Experiment.」に込められた「成果を出すためのプロセスや改善を楽しもう」という仕事観にめちゃくちゃ共感したところですね。

ーー人事に着任した背景をお聞きしてもよろしいですか?

セールスやキャリアアドバイザーは候補者の面談や法人の商談でイレギュラーに日中の時間が埋まってしまいます。そこに採用面接が入ってくると、業務が成り立たなくなってしまうんです。そういう背景から、安定して時間を確保できる僕に白羽の矢が立ちました。それが入社して半年くらいの2019年5月ごろだったと思います。

スタートアップの採用業務の難しさ

ーー人事業務で大変なことや苦労したことはありますか?

採用は候補者さんと会社が合意してはじめて成立するものです。その双方の合意を取るには会社が求めるもの、会社が提供できるもの、候補者さんが求めるもの、候補者さんが提供できるもの、この4要素をマッチングすることが重要です。スタートアップやベンチャーだとスキルや経験は提供できますが、それ以外の要素は大手企業と比較すると見劣りしてしまうので、そこが難しいですね。

ーーひとり人事だと業務量も多いと思うのですが、業務の取捨選択はどのようにされていますか?

おっしゃるとおり、全部片っ端からしていたらリソースが足りなくなって採用が進まなくなってしまうので、投資対効果が良さそうなものから順に手を付けています。目的と照らし合わせて効果が高そうな施策から実行することが大切ですね。

ーー前職で培ったマーケティングの知見や経験が活きていると感じる場面はありますか?

前職ではユーザ心理をもとにSEOを考えていたので、前職の考え方や経験が活きていると感じます。

また、コンサルティングは、アウトプットに対して月50万とか100万とか支払ってもらうビジネスなので、新卒1年目であってもバリューを出さないといけないんですね。「アウトプットに対して妥協しない」みたい姿勢は磨かれたと思います。

嘘は言わない、キラキラさせない。候補者と誠実に向き合う

ーー採用で大切にしてる価値観や考え方はありますか?

まだまだ規模が小さい会社なので、最初に候補者さんの働きたい働き方やキャリアプランなどニーズを聞くようにしていますね。

ーー「御社の企業理念に共感して……」みたいな話ではなくて、本音ベースで何をしたいかを聞くということでしょうか?

そうですね。例えば個人のスキル成長の話なら業務の話をメインに、ポジションやキャリアの役割を広げる話なら事業拡大でどういう役割を求められるかなど、どちらかといえば候補者さんの話主体でこっちの話す内容を調整していますね。

ーーとはいえ、相手起点にしていると採用できるかなという焦りはありませんか?

採用できるかどうかという焦りはありますが、弊社への興味を高めてもらわないといけないので。候補者さんの希望を先に聞かないと、何が刺さるかもわからないですからね。

たしかに、候補者さんからOKをもらうためだけなら「新規事業やマネージャーのポジションが空いてます」と伝えれば良いですが、結局、途中で辞めてしまえばそこにかけた労力が全部無駄になってしまうので。

ーー候補者と誠実にコミュニケーションを重ねられているんですね。

そうですね。変に嘘をついたりキラキラさせたりせずに「事業拡大するからポジションは増えるけど、そこになれるかどうかは努力と能力と求める要件次第です」と事実に基づいて話すようにしていますね。

ーー採用で”ここだけは譲れない”というポイントはありますか?

さきほどもお話しした「Play and Experiment.」に共感できるかを重視しています。ただ、仮説検証を楽しむだけでやりっぱなしもダメですし、逆に業務プロセスを楽しめないと会社にマッチしません。仮説検証を楽しみつつ成果や成し遂げたいことを実現できるかが重要ですね。

Twitterの運用で意識していること

ーーTwitterの運用で意識していることはありますか?

会社にやらされている感が出ないようにツイートすることですね。日々の学びやインプットをツイートするようにしています。やらされ感のままだと発信する本人も楽しくないし、見ている側も会社のPRばかりで興味ないと思うんですよね。

ーーこれからTwitterの運用をしたい人事担当者に向けてアドバイスするとしたら?

成果が出るまでに時間がかかるので、続けることが大事ですね。本当に続けることに価値があるので。始めるきっかけは承認欲求でも何でも良いと思います。

ーーTwitterを続けるうえで意識していることはありますか?

いろいろな人に話を聞いたり、社内の情報にアンテナを張るなどしてインプットの意識は高くもつことですかね。

ーーただルーティン業務をこなすだけではなくて、いろいろなところに目を向けることが大切なんですね。SNSで発信する方法や内容で意識していることはありますか?

採用対象者に発信の思考や抽象度を合わせることですね。採用やマーケ側のマネージャーをしていると、つい抽象度の高いツイートばかりになってしまいます。キャリアアドバイザーやセールスにも届けたいので、その人たちの学びになりそうなツイートを意識しています。

「仮説検証」と「成果を出す」ことを楽しめる方と、物流の未来を支えたい

ーープレックスでは、現在どのような方を求めていますか?

入っていただきたいと思う方は、以下の7つです。

  • 未開拓の巨大マーケットで高難易度のセールスに挑戦したい方
  • 人材紹介未経験だけど、求職者と企業をマッチングするキャリアアドバイザー業務に挑戦したい方
  • 人材紹介の経験はあるが、よりスキルを磨きたい、リーダーやマネジメントなど役割を広げたい方
  • 複数事業を展開していく経営方針に興味、共感がある方
  • 仮説検証のプロセスを楽しめる方
  • 事業を伸ばすことに楽しみを見出だせる方
  • 将来的に自分で事業を作ってみたく、事業づくりの考え方やプロセスを知りたい方

弊社はまだまだ小さな会社なので、変化が多いです。変化を成長の機会ととらえられる人にはもってこいの環境ですが、ストレスと感じる人にはしんどい環境かなと思いますね。1週間前に決まったチームの方針が、1週間後に変わる……なんていうのはよくある話なので。

ーーでは、最後に今後の展望について教えてください。

まず会社の展望についてお話しすると、新規事業を2つほど検討していて、その事業の収益化を進めたいと思っています。また、同時に現在注力している運送会社とドライバーをマッチングする採用プラットフォーム「Driver JOB」もグロースさせたいですね。

個人の展望としては、まず会社の事業成長に寄与できるようにスキルを伸ばしたいです。これから新規事業を増やす予定なので、事業を立ち上げるゼロイチのスキル、あとはマネージャーが物事をどう捉えているかみたいな抽象度の高い内容をメンバーやリーダー、これから入ってくる人に整理して伝えられるスキルも身につけられると良いですね。

とはいえ、視座の高さは思考や行動に対してフィードバックをもらった回数で上がっていくものだと思うので、ゆくゆくは社員全体のレベルを底上げするための取り組みもしていきたいです。

編集後記

前職のSEOコンサルタント時代に培った戦略思考が随所に垣間見える、そんなインタビューでした。

特に「採用は候補者さんと会社が合意してはじめて成立する」という言葉が印象的でした。当たり前だけど、採用に夢中になるがあまり、ついつい忘れてしまいがちですよね。

株式会社プレックス様、平井様、今回の取材に応じていただきありがとうございました!

株式会社プレックス キャリア事業部 HRマネージャー 平井 完

2017年4月、ナイル株式会社にSEOコンサルタントとして新卒入社。大手~ベンチャーまで規模感問わず50以上のクライアントのコンサルティングを担当。2018年10月に現職の株式会社プレックスに入社。現職では3つのメディアのSEOを担当した後、1人目の人事として、採用を主軸にHR周りを担当。
株式会社プレックス採用サイト:https://plex.co.jp/5

この記事を書いた人

俵谷龍佑

俵谷龍佑

1988年東京都出身。ライティングオフィス「FUNNARY」代表。大手広告代理店で広告運用業務に従事後、フリーランスとして独立。人事・採用・地方創生のカテゴリを中心に、BtoBメディアのコンテンツ執筆・編集を多数担当。

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