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個人事業主が従業員を雇う際に必要な手続きと最適な雇用方法について解説

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[公開日]2021.05.19
[更新日]2021.05.18

個人事業主として飲食店や商店を経営していると、その規模が大きくなるにつれて従業員を雇わなければならない場面も出てきます。

その際、どういう公的手続きを行い、どうやって雇用すればよいのかと悩む事業主の方も多いのではないでしょうか。本記事では、個人事業主が従業員を雇う際に必要な手続きと最適な雇用方法についてわかりやすく解説します。

個人事業主でも従業員を雇用できる?

「法人でないと従業員の採用はできない」と考えてしまいますが、結論からいうと個人事業主でも従業員の雇用はできます。

個人事業主でも正社員から、契約社員・アルバイト・パートといった人材の雇用が可能です。また、従業員ではありませんが、業務委託など仕事を依頼するだけの契約もできます。

個人事業主が従業員を雇用する際に必要な手続き

では、個人事業主が従業員を雇用する際に必要な公的手続きには、どのようなものがあるのかを詳しく見ていきましょう。

1.労働条件の通知

従業員を雇用する際は、法人と同じように労働条件を通知する必要があります。

内容の一部をご紹介します。

  • 雇用形態
  • 契約期間
  • 労働時間
  • 業務内容
  • 休日休暇
  • 給与
  • 給与の支払い方法や期日
  • 勤務地
  • 退職について

雇用される側が安心できるような労働条件を整えておきましょう。

労働条件通知書については以下の記事で解説しています。
労働条件通知書とは?書き方と実際の雛形・フォーマットをご紹介

また、情報管理の観点から就業規則を定めて誓約書にサインしてもらうこと、NDA(秘密保持契約)を交わしておくこともおすすめします。

2.労働保険・社会保険の手続き

実際に人を雇ったら労働保険、雇用人数によっては任意で社会保険の手続きを進める必要があります。労働保険は雇用保険・労災保険。社会保険は健康保険・厚生年金です。

下記に加入条件などをまとめましたので参考にしてみてください。

・労災保険
1人でも従業員を雇ったら加入しなければならないものなので、手続きが必要です。

必要書類:雇用して10日以内に労働保険関係成立届、雇用して50日以内に労働保険概算保険料申告書の提出が必要です。
届け出先:労働基準監督署

出典:厚生労働省ホームページ「労働保険について」

・雇用保険
1週間の所定労働時間が20時間以上で、かつ、31日以上引き続いて雇用される見込みのある従業員は加入となりますので、上記に当てはまる場合は手続きが必要です。

必要書類:雇用して10日以内に雇用保険適用事業所設置届・雇用保険被保険者資格取得届の提出が必要です。
届け出先:ハローワーク

出典:厚生労働省ホームページ「事業主の行う雇用保険の手続き」

・社会保険(健康保険・厚生年金)
個人事業主の常勤社員が5人未満なら任意で加入が可能、それ以上は強制で加入が必要です。

必要書類:従業員が5人以上になった日から5日以内に新規適用届・新規適用事業所現況書・被保険者資格取得届・健康保険被扶養者届の提出が必要です。
届け出先:社会保険事務所

出典:日本年金機構ホームページ「健康保険・厚生年金保険 保険料関係届書・申請書一覧」

加入しなければならないものを忘れている状態で労働災害が起きた場合は、雇用者側に大きな費用負担が発生するため、忘れないようにしましょう。もし、こういった公的手続きが苦手であれば、社会保険労務士に依頼してしまうのも1つの手です。

3.税務署への届け出

初めて従業員を雇う場合は、税務署に「給与支払事務所等の開設届出書」の届け出をする必要があります。個人事業主の新規開業と同時の場合は、開業届に記載しておきましょう。

4.源泉徴収の準備

次に、源泉徴収の準備をします。従業員を雇ったら「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を毎年記入してもらい、保管しておいてください。

この内容をもとに従業員の給与から税金を天引きし、事業主が税務署に納める必要があります。本来は毎月納付しなければなりませんが、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出すれば、年2回で済みます。事務処理を減らすためにも出しておくといいでしょう。

個人事業主が従業員を雇用するのに最適な方法

個人事業主が従業員を雇用するときには、どのような方法が適しているのでしょうか。適切な募集をかけ、無事に雇用できるように、ぜひ参考にしてみてください。

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無料で掲載できる求人サイトについては以下の記事で解説しています。
無料で求人広告を出せる12種類のサイト | 効果の出し方について

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※調査概要:2021年3月期_ブランドのイメージ調査/日本マーケティングリサーチ機構調べ
出典:採用係長公式Webサイト(https://saiyo-kakaricho.com/)

従業員の雇用には信用が重要?

インターネット 繋がり

雇われる側は、事業の継続性があるのか、給与の支払いが無事にされるのかどうかなど信用できるか注視しています。その点をクリアできるような求人内容にしておくと、安心して応募してもらえるでしょう。

まとめ

今回ご紹介した方法は、個人事業主の立場で従業員を採用するというものでしたが、安定的に案件を受けられる体制が整ってきた場合は、法人化を検討してみるのも良いでしょう。

個人事業主として1人で行ってきた事業が大きく拡大する局面が訪れたとき、そのチャンスを掴むためにも、従業員の雇用手続きや雇用方法は知っておくことが大切です。安定的に事業が継続し、従業員の雇用を考えた際はぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。

この記事を書いた人

高下真美

高下真美

人材紹介・派遣ベンチャーで2年、その後リクルートジョブズで8年営業を経験し、フリーライターに転身。そこで得たさまざまな業界の知識と経験を活かし、現在は導入事例・採用ページなどのインタビューからSEO記事まで多方面で活動中。

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