応募辞退の心理を探る|Indeedレポートから読み解く「連絡が取れない」を防ぐ対策とは?

応募者に電話をかける採用担当者

3行でわかる!この記事の要約
  1. この記事を読むと、応募者の辞退理由と、その対策について知ることができます。
  2. コミュニケーションを工夫することで、面接や採用につなげられる確率を高めることができます。
  3. 採用管理ツール(ATS)は応募者をステータス管理することで業務の効率化ができるため利用をオススメします。

面接に進んでもらう予定の応募者と急に連絡がとれなくなった…。そんな経験はないでしょうか? 超売り手市場といわれる昨今、一度や二度のことではないかもしれません。

実は応募者と連絡がとれなくなる現象は、Indeedの本社があるアメリカでも近年多発しているそうです。“ゴースティング”と呼ばれるこの現象について、Indeedは求職者4,000人以上と採用企業約900社を対象に調査を実施しております。

その結果を分析したレポートを公式ブログで公開しています。 Indeedの調査結果から浮かび上がった応募辞退の実態は、日本の採用市場にも共通する点が数多くありました。 そこで今回は、応募者と連絡がとれなくなる理由と応募辞退の対策について解説します。

連絡がとれなくなる応募者の“応募辞退”の理由

応募者と連絡がとれなくなる状況は、基本的には応募者が企業からの連絡に応じなくなることで起こります。 なぜ、応募者は企業からの連絡に応答しなくなるのでしょうか。

アメリカでの調査結果を参考に、日本における応募辞退についても考えてみたいと思います。

企業からの連絡が遅い

アメリカの調査では、求職者が企業との連絡を絶った理由として「企業側が音信不通になったから」という声に注目しました。日本では一般的に採用・不採用に関わらず、応募者へ連絡を行うことがマナーとされていますが、連絡が遅いために応募者が「企業から連絡がこない」と感じているケースは少なくないようです。

実際にgoogleで「応募後 連絡」のキーワードを入力してみると、以下のような候補キーワードが表示されます。 google「応募後 連絡」のサジェストワード 候補キーワードとは、入力したキーワードと関連性の高いキーワードのこと。つまり、多くのユーザーが応募後に連絡が来ないことについて検索を行っているということが分かります。

企業からの連絡の遅さは、応募者へマイナスの印象しか与えません。結果として、応募辞退につながりやすくなってしまうのです。

応募から内定に至るまでのプロセスが長い

アメリカの調査において辞退の影響要因としてもっとも多かったのは、選考プロセスに関するものでした。 Indeedの調査結果(応募辞退に影響する要因)
画像出典:ゴースティングに影響する要因(ゴースティング:求職者が消える理由の裏側)

日本においても長い選考プロセスは、求職者から敬遠される傾向にあります。転職サイトに掲載されている求人情報のほとんどに、応募から内定までにかかる期間が示されていることからも、選考にかかる期間の重要性がうかがえますよね。

自社に合う人材を採用するためには、選考プロセスはとても大切です。しかし、筆記試験や面接を何度も実施したり、結果を伝えるまでに時間がかかったりしていては、応募者の入社意欲が低下してしまう可能性があります。

応募者が離職中の場合は、できるだけ早い入社を希望するでしょう。在職中の応募者は昇進や異動などの変化があれば、転職をやめるという選択肢もあるはずです。 「応募者=(イコール)採用を通知すれば入社する人材」ではありません。企業の都合だけに合わせた選考プロセスは、今すぐ見直しましょう。

他社の選考に進むことにした

求職者は複数の企業に応募していることが一般的です。そのため求職者は、応募中の企業を比較しながら就職先を検討しています。

応募時の対応や面接時の印象が良くなければ、自社よりも他社を選ぶ可能性が高まるでしょう。 Indeedの調査結果でも、応募者が突然連絡を絶つ理由の中で以下のように言及しています。

雇用者の無礼や態度の悪さについてコメントする人もいました。今日の厳しい人材市場において、求職者はこのような悪い振る舞いに我慢しようとはしません。

引用元:求職者にはゴースティングする理由がたくさんあります(ゴースティング:求職者が消える理由の裏側)

採用競争が厳しさを増す現状において、企業は応募者から選ばれるための努力が必要ということですね。

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突然の応募辞退を防ぐための対策

応募者に電話がつながらない採用担当者

応募辞退を減らすためには、何らかの対策が必要です。応募者とスムーズなコミュニケーションを図るための工夫を取り入れて対策を施しましょう。 「応募者と連絡がとれなくなった!」という事態に遭遇しないために、採用担当者のみなさんにぜひ試していただきたい応募辞退の対策を紹介します。

応募者への連絡はなるべく早く行う

応募者への連絡を迅速に行うことは、応募者対応における鉄則です。 例えば企業が応募から2日後に連絡を行っていても、求職者が応募の翌日には連絡が来ると考えている場合は、「連絡が来ない」「遅い」と感じる可能性があります。

求職者の入社意欲は応募時がもっとも高い状態のため、できる限り早く連絡を行うことが必要です。

返信の目安を伝える

まずはすべての応募者に対して、応募のお礼と書類選考に要する日数の目安を伝えます。面接の候補日を調整するために時間がかかる場合は、「3日以内に面接の候補日をご連絡します」など返信の目安を記載しておきましょう。

いつまで待てば良いのかを明確にすることで、応募者の不満や不安を解消することができます。

求人票に企業の連絡先を記載しておく

求人票を作成する際には、応募フォームの補足欄や問い合わせ欄など会社の連絡先を入力できる箇所に、応募者へ連絡する際の電話番号やメールアドレスを記載しておきましょう。特に電話番号は、記載をおすすめします。

その理由は、知らない番号からの電話には出ないという人が少なくないからです。事前に伝えておくことで、電話がつながらないリスクを軽減させる方法です。

連絡方法と時間帯を工夫する

応募者への連絡方法は、メールもしくは電話で行っていると思います。どちらにもそれぞれメリットとデメリットがあるため、応募者に合わせて臨機応変に連絡手段を変えることが必要です。

メールは相手の都合に関わらずいつでも要件を送れますが、応募者が確認をせずに見逃してしまうことがあります。特に学生時代からLINEなどのメッセージアプリを利用している若い世代は、日常でメールを使用する機会が少ないといわれているため、重要な面接日程の連絡が大量の未読メールの中に埋もれてしまうかもしれません。

返信が来ない場合は、電話で連絡を取りましょう。 電話はつながればすぐに要件を伝えられる反面、応募者が出ないことが多々あります。たまたま出られなかったというケースも少なくないため、時間帯を変えるなどの工夫をしましょう。電話がつながらない場合は、留守番電話にメッセージを残しておくと電話の意図が伝わり、折り返しの連絡が来る可能性を高められます。

留守番電話に切り替わらないときには、ショートメールでメッセージを送る方法がおすすめです。 どの連絡方法でも、営業時間内の対応が基本。営業時間外に連絡をして「こんな時間まで仕事をしている」と応募者に誤解を与えてしまわないよう注意してください。

選考プロセスを短くする

応募者の入社意欲の低下や他社への入社を防ぐためには、応募から内定までのプロセスをできる限り短縮することも必要です。

面接回数を見直すことや一次と二次面接を同日に行う方法もあります。必要な面接を省略するのではなく、応募者の来社回数と選考に要する時間を減らす工夫をしてみましょう。

またプロセスの短縮は、結果の連絡を早めることでも可能になります。「1週間以内に連絡します」と伝えている場合でも、1週間待つ必要はありません。通過が決定した当日中もしくは翌日には応募者へ連絡を入れ、なるべく早く次のステップについて伝えましょう。

面接の前日に連絡をする

問題なくやりとりを行っていても、面接日にドタキャンが起こる可能性はゼロではありません。それを防ぐためには、前日の連絡が有効です。

中には前日の連絡で辞退を申し出る人がいるかもしれませんが、理由の確認ができるほか、面接官の時間を無駄にすることもなくなります。

まとめ

求人サイトの多様化によって、以前に比べて求人への応募が手軽になりました。それと同時に求職者の応募に対する心理的ハードルも低くなったことが、応募辞退が多発するようになった原因のひとつと考えられています。

応募辞退をゼロにすることはできなくても、急に連絡がとれなくなったという事態を回避することは可能です。すでに求職者が企業を選択する時代に突入していることを理解し、採用担当者は応募者を逃がさないための対策に力を入れましょう。

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この記事を書いた人
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採用Webマラボ編集部

採用に関するお悩みならお任せ!採用業界に精通しており、Indeedや求人ボックスなどの求人検索エンジンから、リスティング・ディスプレイ広告などまで幅広い知識を持った、採用Webマーケティングのコンサルタントなどが記事を執筆していますm(_ _)m

監修者
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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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